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前途多難
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しおりを挟む一架は泣き叫びながら懇願する。自己嫌悪のあまり奥歯を噛み締めながら、脚を大きく開いた。
「お願い、早く……早く、イかせて」
こうなったら、一刻も早く終わってほしい。それだけを願って、彼の手を掴んだ。
「イきたい? じゃあ、これから俺がシたいって言った時は────抱かせてくれる?」
唇に当たる指。その先に見える笑顔に背筋が凍った。
「や、やだ……」
そこは正直に答えると、頬を優しく撫でられた。
「じゃあ、俺もやだ。今日は休みだし、一日こうしてても俺は平気だよ。萎えても動かなければ抜けないし?」
本気だろうか。冗談だとしても悪辣極まりないし、何より狂ってる。
しかしこのままは辛い。本当はもう一秒だって耐えられなかった。
嘘でもいいから、ここは彼の言う通りにする。
「分かった。……いつでも、する」
「約束だよ? じゃあ僕のエッチなお口に、柚の熱いミルクたくさん飲ませてくださいって言って」
「お前ほんと死ね」
「冗談だよ~。でも、可愛くおねだりして?」
柚のキスが首から胸へと落とされる。本当に嫌でしょうがなかったけど、彼が突きやすいように腰を浮かせた。
「早く…馬鹿みたいに腰振って、俺をイかせろよ……!」
「やっぱ先輩ってエロいね」
柚は舌舐めずりした後、一架の腰を押さえて激しく動いた。壊れるかもしれないと不安になるほど、ベッドが軋む音が響き渡る。乱れる声も汗も、空気を熱する材料になった。
「先輩……まだ、俺のそばにいてよ……っ」
柚の細い声が耳元で聞こえた。
どういう意味か考える前に腹の中が熱くなって、唾液を零した。
女になってしまったようだ。
「はは……先輩のお尻熱くて、すごい締めてくる。もうたくさん種付けして、妊娠させたいよ」
AVの見過ぎだと叱りたかったけど、それ以上に自分が淫らに腰を振ってるので何とも言えない。
恥ずかしい台詞を平気で口に出した。
「もっと……もっと欲しい、柚のち、んこ……っ」
「先輩さ……もう完全に視られる方にチェンジだね。恥ずかしいとこ見せつけるのって快感でしょ?」
逡巡するも、一架は頷いた。
もう、この時にはそう思ってしまっていた。
視るのではなく、視られたい。このあられもない痴態を見せつけて。
「あっイクッ……!!」
絶叫し、気を失うまで一架は脚を開いていた。
高まった熱はあっという間に冷めていく。ちょっとだけ、あの温もりが恋しい。立て続けに身体を好き放題されて、頭までおかしくなったようだ。
継美さん……。
最後にあの人のことを思い出して、意識は波に飲まれた。
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