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前途多難
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しおりを挟む理性がとけてしまいそうな、蠱惑的な言葉。それを聞いた瞬間、熱い飛沫を放ってしまった。気持ちの悪い液体がぴちゃぴちゃと肌に飛び散り、シーツに滴り落ちる。
朝間が開いた手の平は、一架の白い精液がべったりついていた。彼はそれを愛おしそうに眺めた後、舌で舐めとる。
「あぅ……っ」
「精子たくさん出せたね。皆の前でも上手にイけたし……。一架はやっぱり抱かれる方が好きな子で、安心した」
唇を塞がれ、熱い舌に貪られる。もう見栄も外聞もなかった。脚をだらしなく開き、シーツに沈む。
「も、や……っ」
ズタボロになった意識は、そこで途切れた。
「ありゃりゃ……ちょっと、先輩大丈夫ですか? あんまり酷くしないでくださいよ」
一架は気を失って、シーツに突っ伏してしまった。
一部始終を眺めていた柚がようやく前に出て、スマホを取り出す。
柚は一架の頭を撫でた後、カメラを起動して彼のあられもない姿を撮った。それに対し、朝間は眉を顰める。口端こそ上げながら、不可解そうに首を傾げた。
「柚君だっけ。君は一架の何だい?」
「後輩です!」
柚は元気に答え、部屋の明かりを全て点ける。そして室内の電話に手をかけた。
「先輩はもうこんなだし、今日はこれでおひらきにしましょ! ……嫌だって人はスタッフ呼んで強制的に退室してもらいますけど、いいですか?」
全員揉め事は面倒なのと、柚の得体のしれない笑顔に圧され、部屋を出て行った。
ところが朝間だけは一架から離れようとせず、ベッドの端で脚を組んだ。
「ええと、朝間さんももうお帰りになってください」
「……君の目的が何か知らないけど、俺は一架が好きだから。一架の為なら何でもできるよ。それに彼はもう普通じゃない。普通の人間と幸せになんてなれない。中途半端な位置に留まらせておく方が可哀想だ」
それだけ言うとゆっくり身を起こして、彼は一架から離れた。
「どうせすぐに物足りなくなって、こっちに戻ってくる」
「何仰ってるのか全然分かんないですけど。とにかく、全部先輩が決めることですから」
即答する柚に、朝間は苦笑する。
「君も面白い子だね。今度ゆっくり話したいよ」
「どうも。僕はお断りします」
朝間はまた可笑しそうに笑って、今度こそ部屋を出て行った。
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