Dress Circle

前途多難

３

朝間の言葉が胸の奥に突き刺さる。だがこちらが言い返す前に反応したのは柚だった。
「身を引くって……じゃあ先輩、視姦やめちゃうんですか？ 俺今日来たんですけど！」
「ま、まだそこまで言ってないだろ。決めつけんなよ」
ひとり違う心配をしてる柚にツッコむ。朝間から何とか逃れようと抵抗するが、強引に押さえ付けられて敵わない。
ブレーキが壊れた今、彼ほど危険なものはない。
彼の冷たい掌が服の中に潜り込み、喉の奥が熱くなった。
「ははっ、どうかな？ 一架は決断力あるからね。やる事に意義を感じなくなったらあっさりやめられるんじゃない？」
指先が少しずつ擦れて、隠れた部分に熱を与えていく。形を確かめる様になぞられ、背筋に悪寒が走った。

嫌だ……っ！

「でもある意味良かったのかもね。視る方が楽しいなんてこと、きっとないから」

────暴かれてしまう。

「あっ……い、いやっ……」
ベッドへ連れていかれ、組み伏せられる。弾みで唇を噛んでしまい、鉄の味が口の中に広がった。でも胸の方がずっと熱くて、痛い。
「一架、顔見せて？」
「んっ！」
抱き起こされ、強引に唇を掠め取られる。
「一架が感じてるところ……ちゃんと見せてあげなきゃ、みんなやめるにやめられないよ」
あっという間に服を剥ぎ取られ、どこから持ってきたのか分からない手錠を掛けられた。
あやすように頭を撫で、朝間は恍惚とした表情を浮かべた。
「ああ、思った通り可愛い。一応訊くけど、この体まだ誰にも触らせてないよね？」
いや、もう既に二人に触られてる。そのうちの一人は、ちょうどそこに突っ立って知らん顔をしてるけど。

できればこの部屋から出て行ってほしい。
今から起きることを見られるのは……、
気が動転して抵抗することも忘れしてしまっていた。けど好き勝手に身体を触られる今の状況は耐えられない。
けど服は全て床に落ち、取り戻すこともできない。無力感に打ちのめされながら、目の前の青年を睨み上げる。
「一架って肌が白くてすごく綺麗。成長して少し黒くなったと思ったけど、全然そんなことないね。ここも想像してたサイズだ」
「や、触るな……っ！」
脚の間で頼りなく揺れるそこを握られ、身をよじる。嫌なのに優しく扱かれ、裏筋の部分を絶妙な加減で擦られると────熱が高まってしまう。
「あは。一架の可愛いペニス、勃っちゃったね」
「……っ！！」
それは声に出してほしくなかった。
言葉にすることで一層絶望感が増し、羞恥心を煽られる。
先端から我慢汁が溢れて、朝間の指先をぬらしていた。

「ほら、気持ちよくて飛んじゃうところ皆に見てもらいな」