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#7
しおりを挟む……。
俺、……何やってんだろ。
「……っ!」
「おっと」
まどろんだ快感と倦怠感のせいで、全身から力が抜けて崩れ落ちた。肛門は以前開ききったまま、ヒクヒクして物足りなそうにしている。
本当は欲しいのかもしれない。自分を壊してくれるだけの力を持った何かが。
気付けば自分から脚を開いて、父に見せつけていた。
「理瑛……」
恨めしくて仕方ないけど、父はとても優しく抱きしめてくれた。弱々しい赤ん坊にするように頭を撫でてくる。
慈愛に満ちた視線に焼かれそうだ。肛門に入ってくる指すらも愛おしくて、ぎゅっと力を込めて締め付けてしまう。
男にとってはここが膣だ。欲しい。受け入れたい。もっと、もっと強く掻き回して。奥の出っ張りを擦って。そのたびに嬉しくて、びくびく太腿が震えてしまう。
肛門も、父が指を動かすたびに水を吐き出していた。排泄してる気分だった。幼い頃おねしょして、父に身体を吹いていてもらった時のような。いや、でもあの時は尻に何か突っ込まれたりしなかったけど。
濡れている。下半身は卑猥な糸を垂らして、父すら汚していた。それが何故だか誇らしくて、いい気味にも思えて、わざと彼の身体に股間を擦り付ける。
「あっ、あっ、父さん……っ」
鍛えられた腹筋に亀頭が擦れると、全身に電流が流れる。電気ショックを与えられたみたいで、しばらく仰け反って痙攣した。下半身は別の生き物みたいだ。
もっと見てほしい。もっと触って。
情けない姿を、父は黙って見ている。良いとも悪いとも言わず、ただ見下ろしていた。だからこっちも調子づいて、なおさら大袈裟に腰を振る。ペニスが揺れているのを確認すると安心した。
そうだ、俺は男だった。女じゃない。
でも貴方から生まれたんだ。このいやらしい身体は、貴方に造られた。俺のせいじゃない……。
本当はもう嫌だって突き飛ばして、今すぐ彼から逃げ出したかった。でも。
「父さん……好き……」
怖いほど、彼の腕の中は安心する。
「理瑛。愛してる」
満たされてしまう。……そうなるように育てられてきたのかもしれない。
考え過ぎかな。
でも疲れたから、今は忘れよう。
そう思って意識は途切れた。
どっぷり眠りについた夢の中で、自分の名前を呼ぶ声がずっと聞こえていた。
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