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しおりを挟むあぁ……。
全部夢だったら良いのに。
六年前はそうだった。目が覚めたらいつもの日常で、全てはなかったことになった。
でも今は─────。
「う……」
目を覚ますと身体中が痛かった。昼白色の蛍光灯がやけに暗く見える。
疼く痛みの原因はすぐ思い出せたし、元凶ならすぐ近くに居た。
「おはよう、理瑛。……って言ってももう昼過ぎだけど」
「父さん……」
表情は普段と何ら変わらず、穏やかだ。
けど昔とは何もかも違う。両手にかかった銀色の手錠が、それを嫌というほど教えてくれた。
「死んだように眠ってたよ。可哀想だったから起こさなかったんだけどね」
そう言うけど、俺はまだ全裸だった。全裸でずっと、ソファで寝てたのか。
今、手錠は手にくくってあるだけ。どこにも引っ掛けられてなくて、逃げようと思えば逃げられそうだ。でもそれをするには身体がだるい。
父さん……が……。
怖い。普通に怖い。
ちょっと逆らっただけなのに、ここまでされるなんて思わなかった。
「……寒いんだけど、服着ちゃだめ?」
嘘だ。寒くなかったけど、こんな格好は耐えられない。絶対何か着なきゃ。そう思ったけど、返ってきた言葉は酷なものだった。
「服なんていらないよ。どうせ脱ぐんだから」
「いや……冗談でしょ? 裸で過ごせっていうの?」
「暖房は入れてるから風邪はひかないさ」
そういう問題じゃない。頭おかしいんじゃないのか。
純粋な気持ちで言い返したかったけど、何が逆鱗に触れるか分からない。
「……部屋戻る」
とりあえず一人になりたい。頭と心の整理をしたい。
痛みを堪えて立ち上がると、父さんはまた目の前の道を塞いだ。
「待った。このままは良くないだろう。身体も汚れてるし、シャワーを浴びよう」
「え。一緒に?」
「当然」
「嫌だよ、それなら入りたくない……」
そこは正直に答えた。そして再び彼の横を通り抜けようとしたけど、
「ぅあっ!」
胸の突起を強く掴まれて、その場から動けなくなる。
「まったく理瑛は……。父さんの言うことがきけないなんて、いつからそんな悪い子になったんだろうな?」
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