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一年生の目標(再考)
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しおりを挟むそして三ヶ月後の生徒会室。
────現在の、俺。
「綿貫、新しいカップルはまだ見つからないのか?」
「はい、全く見つかりません!」
「元気に言うな」
本性を現した七瀬先輩にゲイのカップル捜しを命じられる、青春とはかけ離れた日々を送ってる。
「ここはゲイ共の巣窟。言わばお前はウサギ小屋の中で狩りを許された存在なんだ。それで一匹も狩れませんなんて、全国の生徒会の恥と思えよ」
「はい。……わかりました」
嘘だ。先輩が何を言ってるのかサッパリ分からない。
でも返事だけはして、先輩の機嫌を損ねない様にしないといけない。理由は知らないけど、先輩はゲイのカップルを死ぬほど憎んでるから。
「おっと。そういえば、藤平とはどうよ。まだ告白してねえの?」
「あっ……それは、してないです」
「何で」
「何でって……それは、やっぱり、断られたらって思うと……」
勇気が出ない。
断られたら、その後は……今の関係すら壊れてしまいそうだから。それぐらいなら、今のままが良い、とか思っちゃうのが最大の理由だろう。
「大丈夫だ綿貫。断られたら首絞めて土に埋めて、全部なかった事にしろ。俺が許す」
「いえ、それはちょっと……捕まるし」
「いいから早く告白してこいよ。結果に限らず祝福してやるから」
いやフラれたら祝福いらないよね!?
先輩のことだ。フラれたら笑顔で「おめでとう」と言ってくる姿が頭に浮かぶから怖い。
「あの、でも……とりあえず、告白は俺のタイミングでも良いですか?」
「へぇ、お前のタイミングっていつ? その時俺はまだ高校生か?」
うっ、痛いところを突かれた。
「ね、年内にはします……」
「…………」
先輩は黙った。やばい。やばいモードに突入だ。「逃げなきゃ殺される」というシンプルな警報が鳴り響き、もうダメだ……と思っていたらドアが開いた。
入って来たのは真弘先輩だ。
「よう、また作戦会議? 暇だから俺も混ぜてー」
あっ、これは良いタイミングだったかもしれない。
「すいません、俺ちょっと用事思い出して……お先に失礼します!」
エスケープ第一。二人に頭を下げて、俺は急ぎ足で部屋を出た。
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