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師弟の形は十人十色
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ドボ◯ベルクの唐突な通知からはや三日。眩魏達は急速に成長してゆく…わけはなく、それぞれのパートの難しい所でつまずいていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「うーん…」
「どうしたんや星柳。なんかわからん所あるか?」
どうやらサードの先輩は長野先輩のようだ。
「はい…一通り全部読んだんですが弾けなくて…特に最後の十六分音符の所とかどのようにして弾いたらいいかわからないんです。」
「そこかぁ、そこはな、『アルペジオ』っていう技法で弾くねん。」
「アルペジオ?」
「そう、まぁ百聞は一見にしかずって言うし見てみ?」
そう言うと長野先輩は星柳の悩んでいた所を弾いて見せた。
(成る程…そういうことね!)
星柳の悩みは一瞬にして砕け散った。
アルペジオ それは普通、弾くときは人差し指と中指で弾くが、(和音の場合、他の指も使うことがある)アルペジオは、指全体を和音のように『同時に』ではなく、『別々に弾く』技法である。
「これのコツはギターに手をくっつけないことや。あと始めのうちは速くなくていいからゆっくり練習していこう」
「はい!」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「先輩…」
「なんだね、弦くん。なの」
「セカンドってあんまり難しくないですよね?」
「…ちみセカンドなめてるでしょなの…」
そういうと大杉先輩は、はぁぁ、と露骨におおきなため息をついた。どうやらサードの先輩は大杉先輩らしい。
「まぁ、ちみがギター経験者なのは知ってるなの。けど過信は絶対にダメなの。自分を信じるのは別にいい、けど信じ過ぎはダメなの」
「はーい」
(ま、いいんだ。みんなとあわせる時にわかるよ。己を信じすぎた結果をね。)
大杉先輩は、不気味な笑みを浮かべた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
一方ファースト。
「うーん。だんだん出来てはいるんだけどねぇ」
「そうですか?特に変わってないと思いますが…」
「なにいってるんだい?始めの頃より格段に成長してるよ!」
眩魏は正直言ってわからなかった。自分がどれほど成長しているか。これっぽっちもわからなかった。
「まぁ、わからないのは当たり前なんだけどね」
「はぁ」
「取り敢えず何事も練習だよ!頑張ってね」
「はい…」
モヤッとした返事を眩魏は返した。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「きりーつ。礼」
『ありがとうございました!』
さて、今日も長い一日が終わった。そう思いながら眩魏達が帰る準備中、ガシッと肩を掴まれた。
「…何ですか秋空先輩?」
(やばい、この感じは良くないヤツだ!)
「何って第四十何回、大喜利大会だよ!さぁ、大喜利の世界が君達を待っている!」
「そんな世界滅んでしまえ!」
(ええい!ここは一つ方便を使って…)
「今日塾なんですけど…」
「眩魏くん。塾は行かなくても成績なんて上がるんだよ(キラーン」
(くそ、別の方便を考えなければ…!)
とんとん、と肩を叩かれた。
(これは、弦と俺だけがわかるモールス信号!)
あまりに数学の時間がつまらなかったので弦と編み出したモールス信号がまさかここで役にたつとは…と感動に浸っている暇もなく、眩魏は解読にいそしんだ。
(なになに、『無駄、星、柳、と、俺、捕まる、逃げる、無駄』つまり星柳と弦が捕まったし、逃げられないと言うことか)
「わかりました!今回だけですよ!」
「わーい!それでは始めるなのー!」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ここはギター部の部室前、少女は突っ立って楽しそうに大喜利を立ち聞きしていた。
(明日絶対入部する!)
そう決心すると、少女は去って行った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「うーん…」
「どうしたんや星柳。なんかわからん所あるか?」
どうやらサードの先輩は長野先輩のようだ。
「はい…一通り全部読んだんですが弾けなくて…特に最後の十六分音符の所とかどのようにして弾いたらいいかわからないんです。」
「そこかぁ、そこはな、『アルペジオ』っていう技法で弾くねん。」
「アルペジオ?」
「そう、まぁ百聞は一見にしかずって言うし見てみ?」
そう言うと長野先輩は星柳の悩んでいた所を弾いて見せた。
(成る程…そういうことね!)
星柳の悩みは一瞬にして砕け散った。
アルペジオ それは普通、弾くときは人差し指と中指で弾くが、(和音の場合、他の指も使うことがある)アルペジオは、指全体を和音のように『同時に』ではなく、『別々に弾く』技法である。
「これのコツはギターに手をくっつけないことや。あと始めのうちは速くなくていいからゆっくり練習していこう」
「はい!」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「先輩…」
「なんだね、弦くん。なの」
「セカンドってあんまり難しくないですよね?」
「…ちみセカンドなめてるでしょなの…」
そういうと大杉先輩は、はぁぁ、と露骨におおきなため息をついた。どうやらサードの先輩は大杉先輩らしい。
「まぁ、ちみがギター経験者なのは知ってるなの。けど過信は絶対にダメなの。自分を信じるのは別にいい、けど信じ過ぎはダメなの」
「はーい」
(ま、いいんだ。みんなとあわせる時にわかるよ。己を信じすぎた結果をね。)
大杉先輩は、不気味な笑みを浮かべた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
一方ファースト。
「うーん。だんだん出来てはいるんだけどねぇ」
「そうですか?特に変わってないと思いますが…」
「なにいってるんだい?始めの頃より格段に成長してるよ!」
眩魏は正直言ってわからなかった。自分がどれほど成長しているか。これっぽっちもわからなかった。
「まぁ、わからないのは当たり前なんだけどね」
「はぁ」
「取り敢えず何事も練習だよ!頑張ってね」
「はい…」
モヤッとした返事を眩魏は返した。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「きりーつ。礼」
『ありがとうございました!』
さて、今日も長い一日が終わった。そう思いながら眩魏達が帰る準備中、ガシッと肩を掴まれた。
「…何ですか秋空先輩?」
(やばい、この感じは良くないヤツだ!)
「何って第四十何回、大喜利大会だよ!さぁ、大喜利の世界が君達を待っている!」
「そんな世界滅んでしまえ!」
(ええい!ここは一つ方便を使って…)
「今日塾なんですけど…」
「眩魏くん。塾は行かなくても成績なんて上がるんだよ(キラーン」
(くそ、別の方便を考えなければ…!)
とんとん、と肩を叩かれた。
(これは、弦と俺だけがわかるモールス信号!)
あまりに数学の時間がつまらなかったので弦と編み出したモールス信号がまさかここで役にたつとは…と感動に浸っている暇もなく、眩魏は解読にいそしんだ。
(なになに、『無駄、星、柳、と、俺、捕まる、逃げる、無駄』つまり星柳と弦が捕まったし、逃げられないと言うことか)
「わかりました!今回だけですよ!」
「わーい!それでは始めるなのー!」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ここはギター部の部室前、少女は突っ立って楽しそうに大喜利を立ち聞きしていた。
(明日絶対入部する!)
そう決心すると、少女は去って行った。
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