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番外編
男装をやめた近衛騎士が獣人皇帝に溺愛された後-今まで理不尽に迫られたので、今度は存分につやつやもふもふにさせていただきます-〈後編〉
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「そういうの曲解って言うんですよ!」
ウィルマの反論も虚しく、アズールによって組み伏せられる。まるでじゃれた大型犬に飛びかかられているようだ。
ナーディヤから体術の手ほどきを受けているため、こういう体勢に追い込まれた時の返し方も知っているが、はたしてやっていいものなのか判断に悩む。
「やっぱり触られるのはダメだ。尻尾は特に変な気分になる」
アズールは不機嫌にがう、と吠えてみせ、噛みつくようにウィルマの首筋に顔をうずめた。
「や、ちょっと、アズール様! まだ途中――」
「ずいぶん余裕があるんだな。こっちはギリギリなのに」
恨みがましくねめつけ、手の甲の被毛でウィルマの輪郭をなぞる。
くすぐったくてもどかしい感触に、ウィルマの口から意図せず熱っぽいため息が漏れた。
アズールに触れられると思考が乱される。恋愛経験のなさからくるものだと思っていたが、いつまで経っても何度触られても一向に慣れない。さらしで押さえつけていた時よりも胸が苦しく、それでいてうっとりと気持ちの良い感覚が身体中を巡る。
「最初は庭園から見ているだけでよかった。でも実際に時間を共にして、もっと触れたくなった」
アズールはウィルマの手をとって自分の耳に当てさせた。
「君に触れられると、気持ちに際限がなくなる」
いつもより艶やかな被毛がウィルマの手に馴染む。
アズールの身体越しに尻尾がゆったりと揺れているのが見えた。
「これじゃ、いつもと変わらないじゃないですか……」
ウィルマは顔を横に向け、少しだけ伸びた自分の髪を指先に巻き付ける。こういう状態に陥った時、ウィルマができる最大限の反抗はこの程度だ。自分でも情けないほど押しに弱い。
「……いつもこんなえっちい感じのことしてるですかー?」
何の前触れもなく、やや間延びした無垢な幼い声が、非常に返答に困る質問をしてきた。
ウィルマが勢いよく顔を正面に戻すと、アズールの頭にしがみつくルヌルムの姿が見えた。ルヌルムはウィルマと目が合うと可愛らしく手を振る。
「きゃああああっ!?」
ウィルマは数年ぶりの甲高い悲鳴を上げ、アズールの身体を思いきり突き飛ばした。なんの備えもしていなかったアズールはベッドから転げ落ちる。
「お二人が私室で何をしようと勝手だとは思いますけどー、せめて鍵くらいはかけたほうが……あ、もしそういうご趣味だったら気が利かなくてすみませんー」
悲鳴の段階でアズールの身体から飛び立ったルヌルムは、ウィルマの隣に降り立ってにこっと笑った。言っていることは子供らしくもなければ可愛げもないが、可愛さの暴力ともいえる圧倒的なビジュアルの前では些末なことだ。
「別に変なことしようとしてたわけじゃなくて、ちょっと行儀の悪い大型犬に噛みつかれそうになってただけで……」
ウィルマはいつものようにルヌルムを膝の上に乗せてぎゅーっと抱きしめた。真っ白でふわふわの髪と翼は、アズールの被毛とはまた違った良さがある。
「誰が犬だ! どう考えたってあんな触り方するほうが悪いに決まってる!」
床に倒れたアズールは上体を起こし、猛然と抗議の声を上げた。
「普通にブラッシングしてただけじゃないですか」
「なんかこうむずむずする感じの妙なマッサージもしただろ!」
「髪油を塗っただけなのにいかがわしい言い方しないでください!」
「いいや、あの尻尾の触り方はやらしかった!」
「そんなの私にはわかんないですよ! 尻尾生えてないし!」
「痴話喧嘩ですねえー」
ルヌルムはわざとらしく欠伸をする。
「でもブラッシングなら私もやってほしいでーす。自分じゃやりにくいとことか結構あって」
ウィルマを見上げ、翼腕を広げてみせた。一見、綺麗な純白の羽が生えそろっているように見えるが、うっすらと色が違う部分がある。おそらくそこが手入れの難しい箇所なのだろう。
「羽のお手入れはしたことないけど、私でよければぜひ」
「ビリーさんありがとでーす! あと、お料理が上手って聞きましたー! 今度一緒に作りませんかー?」
「上手、は言い過ぎかな。帝都の食材はあまり使い慣れていないから、作りながら教えてもらえると嬉しいな」
「もちろんですー。クベリア辺境州のお料理も教えてくださーい。煮込み料理が名物なんですよねー」
ルヌルムと話しているだけで心が安らぐ。声も見た目も可愛らしく、何よりアズールよりもスムーズに話が進む。
「俺の近衛騎士なのに……」
アズールはむすっとした顔をしている。高い位置で尻尾が揺れているので、かなり不機嫌だ。
「若、もう少し相手のことを考えないと足をすくわれますよー」
ルヌルムはふふっとからかうように笑い、ウィルマの頬にキスをした。
軽い、挨拶のようなものだ。少なくともウィルマはそう受け取った。
しかしアズールにとっては意味合いが大きく違ったようだ。
「ルヌルム!!」
「若と違って暇じゃないのでそろそろ行きまーす! ごゆっくりー。ビリーさんはまた今度ー」
恐ろしい形相で飛び掛かってくるアズールをひらりとかわし、ルヌルムは部屋から飛び去ってしまった。
「子供のしたことじゃないですか」
ウィルマは呆れ気味に息を吐き、勢いあまってベッドに突っ伏しているアズールの頭を撫でた。
「子供じゃないから問題なんだ。それに……」
「それに?」
「俺は、気持ちを押しつけているだけだろうか」
アズールは顔を上げ、ともすれば聞き逃してしまいそうな小さな声で尋ねた。ウィルマではなく、自分自身に問いかけていたのかもしれない。
「割とそうですね」
ウィルマは笑い声を上げながら、覆いかぶさるようにアズールを抱きしめた。
「でも、私はアズール様のそういう愚直なところに絆されましたよ」
アズールの耳の付け根に唇で触れる。かすかに柑橘の爽やかな香りがした。
次はちゃんとお手入れさせてくださいね。
耳越しにそう伝え、ウィルマは行儀の悪い大型犬の真似をして首筋に甘く噛みついた。
〈了〉
ウィルマの反論も虚しく、アズールによって組み伏せられる。まるでじゃれた大型犬に飛びかかられているようだ。
ナーディヤから体術の手ほどきを受けているため、こういう体勢に追い込まれた時の返し方も知っているが、はたしてやっていいものなのか判断に悩む。
「やっぱり触られるのはダメだ。尻尾は特に変な気分になる」
アズールは不機嫌にがう、と吠えてみせ、噛みつくようにウィルマの首筋に顔をうずめた。
「や、ちょっと、アズール様! まだ途中――」
「ずいぶん余裕があるんだな。こっちはギリギリなのに」
恨みがましくねめつけ、手の甲の被毛でウィルマの輪郭をなぞる。
くすぐったくてもどかしい感触に、ウィルマの口から意図せず熱っぽいため息が漏れた。
アズールに触れられると思考が乱される。恋愛経験のなさからくるものだと思っていたが、いつまで経っても何度触られても一向に慣れない。さらしで押さえつけていた時よりも胸が苦しく、それでいてうっとりと気持ちの良い感覚が身体中を巡る。
「最初は庭園から見ているだけでよかった。でも実際に時間を共にして、もっと触れたくなった」
アズールはウィルマの手をとって自分の耳に当てさせた。
「君に触れられると、気持ちに際限がなくなる」
いつもより艶やかな被毛がウィルマの手に馴染む。
アズールの身体越しに尻尾がゆったりと揺れているのが見えた。
「これじゃ、いつもと変わらないじゃないですか……」
ウィルマは顔を横に向け、少しだけ伸びた自分の髪を指先に巻き付ける。こういう状態に陥った時、ウィルマができる最大限の反抗はこの程度だ。自分でも情けないほど押しに弱い。
「……いつもこんなえっちい感じのことしてるですかー?」
何の前触れもなく、やや間延びした無垢な幼い声が、非常に返答に困る質問をしてきた。
ウィルマが勢いよく顔を正面に戻すと、アズールの頭にしがみつくルヌルムの姿が見えた。ルヌルムはウィルマと目が合うと可愛らしく手を振る。
「きゃああああっ!?」
ウィルマは数年ぶりの甲高い悲鳴を上げ、アズールの身体を思いきり突き飛ばした。なんの備えもしていなかったアズールはベッドから転げ落ちる。
「お二人が私室で何をしようと勝手だとは思いますけどー、せめて鍵くらいはかけたほうが……あ、もしそういうご趣味だったら気が利かなくてすみませんー」
悲鳴の段階でアズールの身体から飛び立ったルヌルムは、ウィルマの隣に降り立ってにこっと笑った。言っていることは子供らしくもなければ可愛げもないが、可愛さの暴力ともいえる圧倒的なビジュアルの前では些末なことだ。
「別に変なことしようとしてたわけじゃなくて、ちょっと行儀の悪い大型犬に噛みつかれそうになってただけで……」
ウィルマはいつものようにルヌルムを膝の上に乗せてぎゅーっと抱きしめた。真っ白でふわふわの髪と翼は、アズールの被毛とはまた違った良さがある。
「誰が犬だ! どう考えたってあんな触り方するほうが悪いに決まってる!」
床に倒れたアズールは上体を起こし、猛然と抗議の声を上げた。
「普通にブラッシングしてただけじゃないですか」
「なんかこうむずむずする感じの妙なマッサージもしただろ!」
「髪油を塗っただけなのにいかがわしい言い方しないでください!」
「いいや、あの尻尾の触り方はやらしかった!」
「そんなの私にはわかんないですよ! 尻尾生えてないし!」
「痴話喧嘩ですねえー」
ルヌルムはわざとらしく欠伸をする。
「でもブラッシングなら私もやってほしいでーす。自分じゃやりにくいとことか結構あって」
ウィルマを見上げ、翼腕を広げてみせた。一見、綺麗な純白の羽が生えそろっているように見えるが、うっすらと色が違う部分がある。おそらくそこが手入れの難しい箇所なのだろう。
「羽のお手入れはしたことないけど、私でよければぜひ」
「ビリーさんありがとでーす! あと、お料理が上手って聞きましたー! 今度一緒に作りませんかー?」
「上手、は言い過ぎかな。帝都の食材はあまり使い慣れていないから、作りながら教えてもらえると嬉しいな」
「もちろんですー。クベリア辺境州のお料理も教えてくださーい。煮込み料理が名物なんですよねー」
ルヌルムと話しているだけで心が安らぐ。声も見た目も可愛らしく、何よりアズールよりもスムーズに話が進む。
「俺の近衛騎士なのに……」
アズールはむすっとした顔をしている。高い位置で尻尾が揺れているので、かなり不機嫌だ。
「若、もう少し相手のことを考えないと足をすくわれますよー」
ルヌルムはふふっとからかうように笑い、ウィルマの頬にキスをした。
軽い、挨拶のようなものだ。少なくともウィルマはそう受け取った。
しかしアズールにとっては意味合いが大きく違ったようだ。
「ルヌルム!!」
「若と違って暇じゃないのでそろそろ行きまーす! ごゆっくりー。ビリーさんはまた今度ー」
恐ろしい形相で飛び掛かってくるアズールをひらりとかわし、ルヌルムは部屋から飛び去ってしまった。
「子供のしたことじゃないですか」
ウィルマは呆れ気味に息を吐き、勢いあまってベッドに突っ伏しているアズールの頭を撫でた。
「子供じゃないから問題なんだ。それに……」
「それに?」
「俺は、気持ちを押しつけているだけだろうか」
アズールは顔を上げ、ともすれば聞き逃してしまいそうな小さな声で尋ねた。ウィルマではなく、自分自身に問いかけていたのかもしれない。
「割とそうですね」
ウィルマは笑い声を上げながら、覆いかぶさるようにアズールを抱きしめた。
「でも、私はアズール様のそういう愚直なところに絆されましたよ」
アズールの耳の付け根に唇で触れる。かすかに柑橘の爽やかな香りがした。
次はちゃんとお手入れさせてくださいね。
耳越しにそう伝え、ウィルマは行儀の悪い大型犬の真似をして首筋に甘く噛みついた。
〈了〉
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