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第2章 偽装恋人生活の幕開け
2-8 偽装に見えない偽装恋人
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「――偽装恋人辞めたんですかー?」
頭上から聞き覚えのある間延びした声が降ってきた。
羽ばたきの音と共に、白い髪をした翼腕の幼い従者――ルヌルムがゆったりと下りてくる。
従者というもののずっとアズールのそばにいるわけではなく、機動力を活かして常にあちこちを行き交っているようだった。
「いえ。辞めていいなら辞めたいですが」
念のため周囲を確認してからビリーは答えた。相変わらず人影はなく、プリムも廟堂から出てくる気配がない。
「人目のない所で向き合っていーちゃいーちゃしてるからー、てっきり偽装の部分を取っ払ったのかとー」
ルヌルムは悪意なくころころと高く澄んだ声で笑い、ビリーとアズールの周囲をくるくると飛び回る。
「ビリー・グレイに好きだって言われた」
アズールは耳を掴んだまま、満更でもない顔でとんでもないことを言う。
「わざわざ誤解を招く言い方しないでください。尻尾引っこ抜きますよ」
ビリーは口の端を歪め、アズールの鼻先に指を突きつける。
「でも事情を知っているルルちゃんにもそう見えるなら、偽装は成功ですね」
飛んでいるルヌルムの胴に腕をまわして捕まえた。見た目以上に軽い。
ルヌルムの頭を撫でると、顔を見上げてにっこりと笑ってくれた。近衛騎士兼偽装恋人というわけのわからない生活のなかで、ルヌルムの存在だけが唯一の癒しだ。
「っていうか何やってたんですー? 特に若なんかびっちょびちょですけど、着衣水泳の練習ですかー?」
アズールの私室へと向かう道すがらルヌルムが尋ねた。
「そんなわけがあるか。ひどい目に遭った。暇なときに庭園の扉と噴水の修理を依頼しておいてくれ」
「はあいー」
ルヌルムは返事をすると翼を挙げた。よく見ると、ちょうど翼を広げた時に湾曲しているあたりから人間と同じ手が生えている。獣人族とひとくちに言っても身体の構造は大きく違うのだなとつくづく思う。
「そんなことよりですねー、ビリーさんの近衛騎士の制服が出来上がりましたよー。お部屋に置いておきましたー」
「制服? お部屋?」
ビリーは覚えのない単語をおうむ返しにする。
アズールが引き継いで答えた。
「いつまでも騎士団の制服を着ているわけにもいかないだろう。一目で身分がわかる装いをしていたほうが話も早い」
皇帝直属の近衛騎士として他者に働きかけたことはないが、今後調査を進めていく上で必要になるかもしれない。権力におもねるものは多い。人間・獣人問わず。
「では、拝領いたします。部屋というのは、私の屋敷に送ったということでしょうか」
ビリーが住んでいる屋敷は帝都の居住地区の外れの方にある。ビリーが騎士となった折に、叔父であるクベリア辺境伯が用立ててくれたものだ。今は母と使用人の三人で暮らしている。
「違う。城内にお前の部屋を用意した。今日からはそこを使うといい」
「はあ。ですがそこまでしていただかなくとも。登城するのにそれほど時間がかかるわけでもないですし」
騎士団の時も、帝城近くの騎士団寮への入寮を勧められたが同じ理由で断った。嘘ではない。断りたい一番の理由ではないというだけだ。
「近衛騎士が通いでは、いざという時にどうするんだ。やましき心の持ち主の活動時間は夜と相場が決まっている」
「はあ。でもアズール様が突き落とされたのは朝でしたよね」
「俺が庭園に行くのは日中だけだからな。あらかじめそのことを知っていたんじゃないか。そんなことより、泊まり込みでいつでも駆けつけられるようにしろ」
「はいはい。アズール様の仰せのままに」
ビリーは胸に手を当て、雑に頭を下げた。堅苦しくするよりも、これくらい適当な方がアズールにとって好ましいようだった。
「わかればいい」
アズールは満足げに口角を持ち上げた後、小さくくしゃみをした。それをなかったことにしたいのか、大きくわざとらしい咳払いを重ねる。
「若は図体と態度はでかいくせに虚弱なんだからー、今日はもうおとなしくしてたほうがいいですよー」
ルヌルムはやれやれとでも言いたげな顔をし、アズールの手を引っぱる。
アズールは何か言いかけたが、湿った咳のせいでかき消えた。尻尾は床を払うように低い位置で細かく揺れている。
「私よりアズール様のことをよく知っているルルちゃんがそう言うのですから、大事を取って、早く着替えてお休みになるほうがよろしいかと」
助け舟を期待するようなアズールの眼差しを無視し、ビリーは私室へとアズールを押し込んだ。
「私がいてもお役には立てないでしょうし、少しだけお暇をいただいてもよろしいですか。家の者に話をしておきたいので。遅くとも夜までにはこちらに戻ります」
ビリーは一方的に言い、返事も聞かずに扉を閉めた。閉めきる間際、ルヌルムが翼で丸の形を作っていたのがちらっと見えた。
(アズール様には悪いことしたな――というか罰されてもおかしくないことだったような? 戻る時に何か市で身体に良さそうな物でも見繕ってこよう。いや、市で手に入る程度の物を渡していいのかな。でもこういうのは気持ちの問題だし……)
そんなとりとめのないことを考えながら、ビリーは歩き始めた。
頭上から聞き覚えのある間延びした声が降ってきた。
羽ばたきの音と共に、白い髪をした翼腕の幼い従者――ルヌルムがゆったりと下りてくる。
従者というもののずっとアズールのそばにいるわけではなく、機動力を活かして常にあちこちを行き交っているようだった。
「いえ。辞めていいなら辞めたいですが」
念のため周囲を確認してからビリーは答えた。相変わらず人影はなく、プリムも廟堂から出てくる気配がない。
「人目のない所で向き合っていーちゃいーちゃしてるからー、てっきり偽装の部分を取っ払ったのかとー」
ルヌルムは悪意なくころころと高く澄んだ声で笑い、ビリーとアズールの周囲をくるくると飛び回る。
「ビリー・グレイに好きだって言われた」
アズールは耳を掴んだまま、満更でもない顔でとんでもないことを言う。
「わざわざ誤解を招く言い方しないでください。尻尾引っこ抜きますよ」
ビリーは口の端を歪め、アズールの鼻先に指を突きつける。
「でも事情を知っているルルちゃんにもそう見えるなら、偽装は成功ですね」
飛んでいるルヌルムの胴に腕をまわして捕まえた。見た目以上に軽い。
ルヌルムの頭を撫でると、顔を見上げてにっこりと笑ってくれた。近衛騎士兼偽装恋人というわけのわからない生活のなかで、ルヌルムの存在だけが唯一の癒しだ。
「っていうか何やってたんですー? 特に若なんかびっちょびちょですけど、着衣水泳の練習ですかー?」
アズールの私室へと向かう道すがらルヌルムが尋ねた。
「そんなわけがあるか。ひどい目に遭った。暇なときに庭園の扉と噴水の修理を依頼しておいてくれ」
「はあいー」
ルヌルムは返事をすると翼を挙げた。よく見ると、ちょうど翼を広げた時に湾曲しているあたりから人間と同じ手が生えている。獣人族とひとくちに言っても身体の構造は大きく違うのだなとつくづく思う。
「そんなことよりですねー、ビリーさんの近衛騎士の制服が出来上がりましたよー。お部屋に置いておきましたー」
「制服? お部屋?」
ビリーは覚えのない単語をおうむ返しにする。
アズールが引き継いで答えた。
「いつまでも騎士団の制服を着ているわけにもいかないだろう。一目で身分がわかる装いをしていたほうが話も早い」
皇帝直属の近衛騎士として他者に働きかけたことはないが、今後調査を進めていく上で必要になるかもしれない。権力におもねるものは多い。人間・獣人問わず。
「では、拝領いたします。部屋というのは、私の屋敷に送ったということでしょうか」
ビリーが住んでいる屋敷は帝都の居住地区の外れの方にある。ビリーが騎士となった折に、叔父であるクベリア辺境伯が用立ててくれたものだ。今は母と使用人の三人で暮らしている。
「違う。城内にお前の部屋を用意した。今日からはそこを使うといい」
「はあ。ですがそこまでしていただかなくとも。登城するのにそれほど時間がかかるわけでもないですし」
騎士団の時も、帝城近くの騎士団寮への入寮を勧められたが同じ理由で断った。嘘ではない。断りたい一番の理由ではないというだけだ。
「近衛騎士が通いでは、いざという時にどうするんだ。やましき心の持ち主の活動時間は夜と相場が決まっている」
「はあ。でもアズール様が突き落とされたのは朝でしたよね」
「俺が庭園に行くのは日中だけだからな。あらかじめそのことを知っていたんじゃないか。そんなことより、泊まり込みでいつでも駆けつけられるようにしろ」
「はいはい。アズール様の仰せのままに」
ビリーは胸に手を当て、雑に頭を下げた。堅苦しくするよりも、これくらい適当な方がアズールにとって好ましいようだった。
「わかればいい」
アズールは満足げに口角を持ち上げた後、小さくくしゃみをした。それをなかったことにしたいのか、大きくわざとらしい咳払いを重ねる。
「若は図体と態度はでかいくせに虚弱なんだからー、今日はもうおとなしくしてたほうがいいですよー」
ルヌルムはやれやれとでも言いたげな顔をし、アズールの手を引っぱる。
アズールは何か言いかけたが、湿った咳のせいでかき消えた。尻尾は床を払うように低い位置で細かく揺れている。
「私よりアズール様のことをよく知っているルルちゃんがそう言うのですから、大事を取って、早く着替えてお休みになるほうがよろしいかと」
助け舟を期待するようなアズールの眼差しを無視し、ビリーは私室へとアズールを押し込んだ。
「私がいてもお役には立てないでしょうし、少しだけお暇をいただいてもよろしいですか。家の者に話をしておきたいので。遅くとも夜までにはこちらに戻ります」
ビリーは一方的に言い、返事も聞かずに扉を閉めた。閉めきる間際、ルヌルムが翼で丸の形を作っていたのがちらっと見えた。
(アズール様には悪いことしたな――というか罰されてもおかしくないことだったような? 戻る時に何か市で身体に良さそうな物でも見繕ってこよう。いや、市で手に入る程度の物を渡していいのかな。でもこういうのは気持ちの問題だし……)
そんなとりとめのないことを考えながら、ビリーは歩き始めた。
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