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第2章 聖獣妃

*デレ増量中!

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「カ……………………?」

見上げてくる涙に潤む瞳。
ほっそりとしたその体を引き上げ思わず抱き竦める。
腕の中にすっぽり収まる体は華奢きゃしゃと言ってしまえるくらいに頼りない。
少なくとも、俺が知るどんな女性より細やかかもしれない。

「カ、、イザー⁈……あ、の」

狼狽えたように上擦るマヒロの声。
触れてしまった。
一度触れたらもう己を律することができなくなった。
豪族の屋敷では思わず口づけてしまった。
触れた唇の感触が思い出され、体の奥が知らず熱を持ちそうで、思わず深く溜め息をつく。
気を鎮める為にしたが、マヒロには違うように捉えたようで、抱きしめた肩がビクリと震えた。

「やっぱ……怒って、る?」
「違う…そうじゃない。お前に嘘をつかせるまで追い詰めたのは悪かったと思ってる」
「あ……で、も…俺もちゃんと違うって言えば済んだんじゃん?やっぱ、嘘ついてる間は心苦しくて」
「状況的には致し方ないものもあるが……」
「それでもいい気はしねぇよ。バレたら、お互いやな思いしかしねぇし……」

ハァ~ッと、深く嘆息するマヒロに、俺の口元に自然と笑みが浮かぶ。
真相が分かった後は下手に取り繕ったり、自分を正当化したり、あるいは相手の非をあげつらったりするのが普通だ。
マヒロはそれをせず、素直に非を認めた。
マヒロの本質はこれがそうなのだろう。
血脈や聖獣妃の事は関係なく、俺が惹かれたのは……

「カイザー?」
「涙……」
「え?」
「止まったな……」
「あ……う、、ん」

バツが悪そうに、しきりに目元を拭うマヒロの手首を掴む。

「キズになる。擦るな」
「いや……俺、男だから。別にキズくらい……」
「俺が気にするからやめろ」
「へ??」

乱暴に擦る手を制し、薄赤い目元を指でやんわり撫で摩る
と、マヒロの顔が別で染まる。
素直だ。
良い意味でも悪い意味でもマヒロは分かりやすい。
キツい事を平気で言うが、人を傷つける事は言わない。キツいのはあくまで相手が間違っている時だけ。
そのくせ、こういう相手からの好意や優しさにはかなり弱い。
明らか狼狽え、視線を彷徨さまよわすマヒロから目が離せない。触れた指は離したくなく、それ以上に……
完全に捕まったな……
認めざるを得ないだろう。
フッと自然に笑みが浮かんだ。
頬を撫で、唇に指で触れると、マヒロが擽ったそうに身動みじろぐ。

「ちょっ、、、カ、イザー!」
「何だ?」
「な、んだじゃなく、て!な、、んで、こんな……⁈」
「何が?」

さわさわと撫で触る俺の手から逃れようと、マヒロが顔を逸らせた。
嫌がっているわけではなく、困惑が殆どのそれ。
ずっと触れていたいが、すれば本気で嫌がれかねない。スイとごく自然に手を離す。
ホッとしたように小さく息をつくマヒロに、笑いだしそうになる。
構い倒したいが、警戒されてしまうのは困る。
戯れはここまで。

「血脈じゃないのはしばらく伏せる……問題はこれから、だな」

話の流れを変えた。
血脈ではないが、別の問題が浮上した。
表情を引き締めた俺に、マヒロも神妙になる。
血脈なら、ただ守れば良かった。が、もしそうなら……








*更新、大幅遅れ!:(;゙゚'ω゚'):
つなぎでのアップなので、本編にはあんまり関わりない回で失礼しますm(_ _)m汗汗汗!!
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