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終章 終わりの始まり
5.狼さんは”待て”が出来ない?(汗)③☆
しおりを挟む「ん……っ、あ……」
自分から重ねたキスは、すぐに主導権をバルドに取られた。柔らかく食むように角度を変えながら吸われ、舌で一舐めされた唇が擽ったく、小さく喘いだ処をスルリとそれに進入される。
口内を柔らかく、でも確実に煽るように舐めまわされ、背中をゾクゾクと悪寒に似た痺れが走る。
アリッサが用意してくれた服は、背中側に結び紐があるタイプで、バルドがゆっくり紐を解くたび、服がはだけ、触れる空気に肌が震えた。
「あ!ちょっ、や、やだ!!」
背中側の腰から手が差し込まれ、そのまま尻にかかった手と、間に潜り込む指の感触に、俺はキスを振りほどくように首を振る。
バルドの肩を押し、逃げかけた俺の体は引き戻され、ソファの上で態勢を入れ替えられ、やんわりとのしかかられた。
振りほどいて中断したキスを再開され、舐めて吸って齧られて、クッタリと力が抜けた頃、ようやくピチャッと粘ついた小さな音を立てて唇が離れた。
息が上がった俺の耳朶に、吐息と一緒に言葉が吹き込まれた。
「いきなり入れるわけねぇだろ?触るだけだ……」
「ん…………っ!」
かすれた低音と吐息にピクッと反応する俺に、バルドがクッと小さく笑い、更に反応を楽しむかのように、俺の耳朶を舐めたり齧ったりしだした。
「ちょっと、やだっ、て!バルド!やっ、!」
「いや、ね…の、割には腰が揺れてる」
指摘され、羞恥と怒りにカーッと顔が熱くなる。
キスや耳へのイタズラだけで翻弄されてる。
目の前が歪む。悔しくて、目が涙で潤んだからだ。
「や、や………っ、く!っ、」
「アヤ?」
「いや、だ……バカに、するな!」
初めてじゃない。もう、何回か体は重ねてるが、回を追うごとに敏感になってるのは自分でも感じてる。
だって、触れられたら感じるのは仕方ない。好きな相手に触れられてるんだ……それを揶揄するなんて、酷い!
ハァッと溜め息つくバルドに、ビクッと震えた。
怒った?
ビクつく俺の涙が浮かぶ目尻に、バルドがやんわり口付けた。
「バカにしたわけじゃねぇよ。気持ちよくて、じっとしてらんねぇんだろ?それが可愛くてやらしくていいって意味だったんだがな……ほんと、面倒くさくて可愛い奴」
「…………………」
なんか褒められてんだか、貶されてんだか……
複雑な顔になった俺のおでこに、バルドが自分のを当てながら囁く。
「直球で、もっと分かりやすく言わなきゃ駄目か?やる事なす事、言葉にしてほしいならするぞ?」
「え?…………………………い、いや!いい!言わなくていい!」
しばし考え、それに思い当たった俺は首を思い切り横に振る。
言ってなんて言おうもんなら、この俺様意地悪皇太子は、聞くのも恥ずかしい言葉を平気で羅列する。
クックッと楽しそうに喉奥で笑い、俺の肩に顔を伏せたバルドが、小さく”残念……”と笑み交じりに呟いたのは聞かなかった事にしよう。
「誤解が解けたなら、続きと行こうか?」
「あ、ちょっ、と、ま……ッ!!あ、あぁんっっ!」
言うや否や、いきなり下がったバルドの体と、体に走った刺激に、俺はビクンッと体を大きく弾ませた。
胸の尖りはバルドの舌の餌食となり、ねっとり抉るように舐められ、あまりの快感に体が一気に溶け崩れる錯覚に襲われた。
「い、や!や、バル…あん!あぁっ、ンんぅ~~!」
「や、じゃねぇよ!こんなにしといて、嘘つくな。ほら、こっちも……触ってもねぇのに、ピンピンに尖ってる…」
いやいや言い続ける俺に、バルドが咎めるように尖りに歯を立てる。
ツキンと走った痛み。痛いはずなのに、俺の体はその痛みすら快感に捉え、益々体が敏感に高ぶっていく。
触られてない方がジンジンして疼く。
恥ずかしい。
痛い。
気持ちいい。
感情がグチャグチャだ。口を開けば、自分でも耳を塞ぎたくなるような、甘ったるい泣き声しか出ない。あらぬ事を口走りそうで、口を塞ごうとした手は、バルドにより払い除けられる。
「口は塞ぐな、聞かせろよ」
「やだって!恥ずかし……「だからだろ?グッチャグチャのドッロドロに溶けて、甘く泣いて俺を煽れ。あっちもこっちもいやらしく染めあげて俺を誘えよ?欲しがれよ、アヤ。俺はお前が欲しい。俺と同じ、いや、俺以上に俺を欲しがれ!言えば、やるよ。欲しがった以上に俺をやる」
限界を超えたらしい。いつも以上に激しい感情をぶつけるバルドに、俺は言葉が継げない。
タガが外れたらしいバルドに、俺が感じたのは僅かばかりの恐怖と……それを上回るーーーーーー充足感。
自分がそうさせてる。自分だから、バルドがそうなってる。そう感じた瞬間………
「し、て……バルドが、欲しい」
静かに、確実に自分の意思を晒した俺に、バルドがゆっくりと、満足そうに破顔した。
「上出来だ、アヤ……」
*次からもしばらくエロ続きます。おそらく、かなりどエロ(当作品比)になるかと( ̄* ̄)
苦手な方はご注意くださいませm(_ _)m
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