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第4章 忍びよる闇の策略と失われし久遠の刻編

15.土の魔導に課せられし①

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日が落ちてからの晩餐は何事もなく行われた。
ただ、あの後、俺は寝てしまっていて、目が覚めたら一人だったけど。(部屋には結界が三重に張られていた)
戻ってきた、バルド・キサ・セレストの三人に聞いても、何も教えてくれなくて、不貞腐れてたらバルドに構い倒されて(エッチな方面じゃないよ)、気が付いたら時間になってた。

案内された晩餐室はかなり広い。
最近まで鎖国してたって割には、モノリスはかなり贅沢かも。まぁ、華美に過ぎるきらいはあるが。
晩餐の出席者は、モノリスはディオン皇子のみ。国王と皇太子は欠席。招いておいて、あまりいい対応とも思えないが……バルド達は特に何を言うでもなく、静かに席に着く。
クレイドルは俺とバルド。席の後ろに、セレストとキサ。ラシルフは、カーティス。後ろには………

「アッディーン。来てたんだ」
「無論だ。殿下の身辺、お護りするのは俺の役目。俺以外出来ぬ事で、誰かに譲るつもりもない」

相変わらず堅い奴。まぁ、カーティスとしては、一番腕が立つ側近を連れてきたんだろうけど……

「タータは?一人にして平気?第二皇子の、ほら…」
「心配いらぬよ、シーファ。タータには、腕利きの護衛を付けてあるし、残党はほぼ捕らえ尽くした。それより、タータがシーファに会いたがってる。ラシルフに来るといい」
「外交なら、大臣を行かせる」
「お前は、恋人を腕の中に囲い込んでカゴの鳥にするつもりか?了見が狭いぞ、グレインバルド」
「相手がお前だからだろうが!俺が狭いんじゃねぇ。お前が油断ならんだけだ!ただでさえ、油断ならんのが……」

バルドが言いかけ、口をつぐむ。カーティスもわざとらしく視線逸らせてるし、何か怪しい。
後ろのキサとセレストにちらっと視線を向けるが、セレストは我関せずと、俺の視線を完全無視。キサは目を閉じて顔を伏せ気味にしてて話になんない。
みんなして、何なんだよ!
俺一人、仲間外れか?蚊帳の外か?
アッディーンにも目を向けたが、フイと顔を背けられ、イラ~~~ッとかなり癇に障った。
もう、いい!!
ムカムカとなりながら、目の前の料理に目を向けると、反対側の席に着いていたディオン皇子と目が合う。ニコリと微笑まれて、一応、俺も愛想笑い。
う~ん…何だろな?悪い奴じゃないとは思うけど、どこか胡散臭さと違和感が半端ない。

「お口に合いますか?白薔薇の姫?」
「はぁ、まぁ…美味し、いです。あの……」
「はい?」
「その、白薔薇の姫ってのやめて貰え、貰っていいでしょうか…?」
「お嫌ですか?」

お嫌か、お嫌じゃないかだったら、そりゃ、お嫌でしょうよ。本音で言えば、てめぇ、ふざけんな!と怒鳴り散らして暴れたい気分だが、クレイドルの者として列席している以上、下品でみっともない真似はできない。
返答に困ってると、クスクス笑われる。

「可愛らしい方だ……本当に」
「あ、の………」

何だろ。マジで落ち着かない。全て見透かされてるような……
ゾワゾワする。何もないはずなのに、緊張で体が固まる。

「バルド……」

耐えられなくて、隣に座っているバルドに縋り付く。

「アヤ?!」
「バルド…バ、ルド……」

縋り付いた俺を、バルドが抱きしめてくれる。体が熱い。
抱きしめるバルドの胸元から顔を上げ、俺は瞠目する。

「バルド…あ、の……目が」




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