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序章 突然異世界トリップ迷惑編

10.男は範囲外ですか?範囲内ですか?②

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「ここなら、大丈夫だよ。さて、どうぞ?」

ファランに引っ張ってこられたのは、先程花を摘んでいた川縁。

「ファラン、すっげぇ言いにくいし、ききたくないんだけど、ここの人達の、恋愛ってどうなってんの?」
「どうって、普通だよ?」
「普通って、どういう意味での普通?」
「う~ん、逆に、アヤは何が言って欲しいの?」

ニコニコしながら話すファランが俺は何故か怖い。
知ってる?これ知ってるかな?知ってるよね?俺が何聞きたいか、絶っっ対、知ってるよねぇえーーーー?!

「もう、いじけないの。ごめんね?意地悪して」

よしよしと頭ナデナデされるが、複雑だ。

「アヤが聞きたいのは、恋愛が男女間なのか、そうじゃないか、ね?」
「まさにね。聞きたかったのはそれ」
「アーケィディア大陸には、普通に男女間恋愛もあるよ」

男女間あるんだな、良かった……が、ーーーー

「も?」
「も、だね」
「って事は?」
「男女間以外も、もちろん、あるよ」

あぁ、あるんですね。しかも、もちろんなんですね。
しかも、ファランさん、何気に言葉区切って強調いたしましたよ?
ある程度覚悟してたけど、実際聞くと威力半端ねぇわ!
もう、いいや。この際だ。聞く事全部聞こう。

「比率はどんくらい?」
「同性間が全体の8割くらいかな」

世界人口、半分は女で男なのに(この世界に当てはまるかは知らんが)、8割?!
非生産的すぎる。少子化問題勃発しまくりぢゃねぇか

「もともと、女は全体的に少ないの。だから、同性間が普通なのよ」

アーケィディア大陸のみに限らず、今この世界人口はほぼ、男が占めるらしい。
この団に女性が多いのは、マダムが奴隷や身売りの少女たちをひきとってるからに過ぎず、帝都であるクレイドルにおいても、女性は2割程度しかいないとの事だった。
人類、半分女で半分男はこの世界では当てはまりませんでした。

「普通に女の子と恋愛したい……」
「アヤの場合は難しいんじゃないかな」
「何で?俺って、そんなにイケてない?確かにどこにでもいる、ザ・普通かもしんないけど、別に不細工じゃないと思うよ?!」

自分で言うのもなんだが、俺は普通だ。確かに筋肉はない、けど、ガリじゃないし、背は…この世界の人に比べれば低いけど。何の手入れもしてないのに、やたらツヤがありサラサラだと言われる髪は、最近カットを面倒くさがりちょっと男にしては長めだが、不潔ではないはずだ。日に焼くと黒くなる前に赤くなる肌は白いが、不健康そうではない。全体的にほっそりスッキリの印象は……
……あれ、何か言ってて落ち込んできた……

「アヤは可愛いから」
「可愛い?!男に可愛いはないだろ。俺はカッコイイって言われたい」
「カッコよくないワケじゃないけど、アヤはやっぱり可愛いだよ」

可愛いは女の子に使う言葉だ。
しかも、目の前のとびきり可愛い子に、可愛い子呼ばわりされちった。
あぁ、凹む。ションボリする俺をしばらくジッと見つめてから、ファランは唐突に口を開いた。

「アヤは、キサの事嫌い?」
「うぇえ?な、な、何で?」
「二人とも、空気が変。アヤは変に意識してるし、キサは必死で平静装ってる。何かあったんでしょ?」
「あ~え~…あったといえば、あったけど。できればなかったことにしたかったというか…」

言わなきゃ、話すも話せないが、正直、正~直言いたくないよねぇえーーーーーー?!

あ~う~、あ~う~唸ったまま口を開かない俺を見つめていたファランの瞳が潤んでくる。

えぇ?!ちょっと、待って!ファラン、泣くの?何で?
今の流れで、泣く要素あったかしら?焦って、ダラダラ汗流しそうな俺に、ファランは……ーーーー



*すみません  長くなりそなので次行きます。まだ、しばらく続くのでお付き合い下さいだませm(_ _)m
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