彩色師は異世界で

第二部4章 表裏一体 抱く光は闇 抱く闇は光の章

8.女神の腕（かいな）③

＊超、短め！全頁に組み込み損ねました（ーー；）
失礼致しますm(_ _)m





神殺し。バルドもギルも教えてくれなかった。
一体…………？

『文字通りよ。神を殺す行為……ただし、最大の禁忌よ。やれば、まず間違いなく数万…数億年は転生輪廻の輪に戻れないわ。そのまま消滅も十分にあり得る』
「そ、れは………」

ラゼルは邪神とはいえ神。どんな理由があろうと、命を軽んじられていい存在じゃないって事か……
でも、そうだとしたら…………

「ギルの馬鹿………」
『それは同感よ。でも、気持ちは分からなくもないわ。あなたを守りたかったんでしょ？』
「………そんな守り方しなくていい！俺は、か弱い女の子じゃねぇんだから。俺がラゼルを殺せるとは思えねぇけど、少なくとも傷つけたら代償くらいは自分が払うつもりだ！」

俺って、甘やかされてる…この世界に来るまでは、普通に平凡なただの男子高校生で…戦闘ができるなんて事はなかったけど、女の子みたいに守られなきゃなんないなんて事なかった。
何か……ここにいると、自分が弱い存在みたいで、ちょっと凹む。

『アヤは弱くなんかないわよ。ただ、他が強すぎるだけよ』
「女神…フォローになってねぇよ」
『しょうがないでしょ？あなた以外、み～んな、規格外なんだもの。可愛くない子達よねぇ～』

しみじみ言う女神だが、俺は一緒には頷けない。

「………もう、いい。何か、考えれば考えるほど馬鹿らしくなってきた」
『そうしなさい。さて、じゃあ。ラゼルをぶちのめし……じゃなくて！止めに行きましょうか？』
「…………………」

ツッコミどころ満載だが、もう言うのも疲れるな。
溜息つく俺の前で女神の姿と周りが、再び白く霞んでいった。