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第2章 タイムリミットは20歳なんて聞いてない!
1.やめて!俺の為に闘うなんて〜(byヒロイン風)…なんて、なるかいっ!!②
しおりを挟むユーグ、よりによって、俺を一等勝者の権限に望むつもりらしい。
「あンの、馬鹿ッッ!!」
公衆の面前でなんて事をかましてくれるのか!
周りから向けられる俺への好奇の目、侮蔑と嘲笑、若干の羨望と嫉妬……
マジで勘弁して欲しい!
空気モブ希望の俺の繊細なガラスハートは今にも壊れそうですよ⁉︎
「これ、、ってか、状況的にどうなん?俺って、そもそも景品になんのか⁈」
うわぁ……自分で自分の事、景品って言っちゃったよ。
ガチで引くわぁ、、ドン引きだわぁ、、、、
内心、1人ゲンナリする俺をよそに、リリヤがぷりぷり怒りだす。
「13皇子とはいえ、お立場を鑑みればなろうはずがありません!……………………本来なら」
語尾に要らん言葉が付いてる~。
盛大に嫌なフラグが立ちそうなんですけど……
「、、、というと?」
聞きたくない。聞きたくないが、聞かなきゃならない。渋々、嫌々話を促す俺に、リリヤが苦い顔をする。
「正直を申せば難しいところですわ…カナデ様が継承権をお持ちであれば、そのような事は一切ないのですが…」
また継承権だ。
面倒がなくてラッキーなんて、お気楽に構えてた最初の俺を殴ってやりたい。
ないならないで、というか、ない方が何倍も不便で面倒じゃねぇかよ!
こうなると、俺が継承権剥奪されるほどの何か、この世界での俺の母親、8貴妃がやらかした何とやらが気になってきた。
今すぐ調べたい。調べたいが、御前演武がどうなるのかも分からない今は、迂闊に離れるわけにもいかない。
「いや、まてよ?あいつ、、、あ~、、名前忘れたわ。えっ、と、副隊長さん?副隊長ってくらいなんだから、強いんだよな?」
「ハルヴィル=ホーク様です。もちろんですわ。武の腕は、王宮でも5本の指にお入りあそばします」
「だったら……」
ユーグが俺を望んで勝ちに行くというのなら、要はそのハルヴィル某とやらが、ユーグに勝てばいいだけの話だ。
ユーグを勝たせなければいいだけ。そして、目の前の相手はユーグの上司で、城でも5本の指に入る強者。
なぁんだ、心配する事ねぇじゃん。
よかったよかった………?
ホッと安堵の息を吐くが、リリヤの表情は険しいままだ。
「リリヤ?」
「甘いですわ……カナデ様」
「は??」
なんか俺おかしかった?
「ホーク様は確かにお強いですわ。お強いのです。お強いのですが……」
「リリ……」
辛そうなリリヤの表情に、声をかけ…かけた俺の声が、またまたあがった大歓声に掻き消された。
慌てて闘技台に目をやると、ユーグが尻餅つき、そのユーグに、ハルヴィルが剣先を突きつけていた。
ハルヴィルの勝ちだ。リリヤが言うような心配はなかった。
「なぁんだ、大丈……」
ホッとし、、、かけた目の前で、ハルヴィルがゆっくりと剣から手を離した。
カラーンッと金属音が鳴り、シーンと場が静まる。
ユーグが尻餅つき見上げたままニッと笑い、ハルヴィルがフンワリと微笑み返す。
「降参☆」
ハルヴィルの宣言に、ワァッと一気に歓声があがった。
「は?へ?え?????」
意味が分からない。
優位だったのはハルヴィルで、負けを認めるのはユーグの図だったように見えたのは俺だけか?
なのにハルヴィルが降参?
降参…降参…降参って、、、、、
「はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー⁈」
「あのお方はお強いのです……ですが、それ以上に部下思いであらせられますので……」
公衆の面前で、大胆不敵な宣言かました部下に恥かかせまいと、勝ちを譲ったとでも?
んな、アホな!!
思わず口が台形になり、咄嗟に言葉が出ない。
指差し物問う俺に、リリヤが頷く。
な、な、な……………………………………………
「なんじゃそりゃあぁーーーーーー!!!???」
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