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第2話
出会い(5)
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洞窟にコツコツと足音が響く。アーチたちはアンジェルが遺した地図を頼りに進む。洞窟の中は蟻の巣のように複雑に枝分かれしているので、地図がなかったら間違いなく迷っていただろう。
「お、なんか広いとこに出た」
これまで細い道が続いていたのが、突如視界が開けた。正方形にくり抜かれたような部屋が広がっていて、整えられた内装は明らかに人の手によって作られていた。
さらに特異なのは床面。部屋の床には石板が敷き詰められていた。それらには模様が描かれていて、星、雷、羽根、髑髏、ハートの五種類がそれぞれ複数枚並べられている。石板のゾーンを渡り切った向こう側に先へ続く出口があった。
「見るからに怪しいわね」
「さっきみたいに地図に何か手掛かりが書かれてない?」
すっかり地図係が板についたミョウザが地図を確認する。
「あるね」
「なんて書いてある?」
「たぶん渡っても大丈夫な模様のことだと思うけど。『星と羽根──」
「星と羽根ね」
アーチは一番近くにあった星が描かれた石板の上に飛び乗った。
「──には乗るべからず』」
足元の石板が崩れ、アーチは吸い込まれるように真下へ落下した。
「どわああああああああっ!?」
石板の下は落とし穴になっていた。相当深く掘られていて、アーチは自由落下のままに穴の底へと落ちていく。終点の最下部には鋭く尖った針の山が待ち構えている。この高さから針に突き刺さったらひとたまりもないだろう。
「ヤバいヤバいヤバい!」
アーチは即座にヴァーエイルに〈符律句〉を描いた。
「〈符律句〉第十六番、伸縮の相!」
聖剣を上へ向ける。刀身が矢のような速さで伸び、天井に突き刺さった。落下が停止しすると刀身が縮み、アーチが地上へと引き上げられていく。剣が元の長さに戻ると、アーチは天井にぶら下がった状態で額の冷や汗を拭った。
「危ねぇ~。ちょっとミョウザ、紛らわしい言い方しないでよね」
「そっちが勝手に先走ったんだろ」
「でもこれで安全な場所はわかったから、っと」
呆れるミョウザをよそにアーチは天井から剣を引き抜き、落とし穴の隣の髑髏の石板に着地した。今度は足場が崩れることはなかった。そのまま地図の指示に従い星と羽根の石板を避けて進んだアーチは、石板の並ぶ区画を抜け出口の前に到達した。
「大丈夫みたい。二人も早く来な~」
「お、おう」
ミョウザは恐る恐るアーチと同じルートを辿る。安全が保証されているにも関わらず、ミョウザの顔はやや緊張で強張っていた。パラァはそもそも飛んでいるので普通に移動した。
無事に渡り切ったミョウザが安堵の溜息を吐いた。
「よし、この調子で次行こ次~!」
「だからあんま先走るなって!」
マイペースなアーチに振り回され気味なミョウザ。そんなやり取りをしながら一行はさらに進んでいく。
そうしているうちにまた開けた空間に出た。第二の部屋である。
「何もないわね」
今度の部屋は最初の部屋に比べて一回りほど狭く、仕掛けらしきものは見当たらず殺風景だった。
「でも一応警戒しながら行こう」
一度落とし穴に落ちているアーチが呼びかけながら歩く。
三人が部屋の中央まで寄ると、突然ゴゴゴゴッと重い音が響いた。部屋の前後の出入り口の上部から石の扉が下り、道が遮断されてしまった。
「閉じ込められた!?」
「やっぱり仕掛けがあったわね」
「ミョウザ、地図にはなんて?」
「えっと……『昼夜を反転させよ』」
「昼夜……昼と夜ってこと?」
「たぶんあれのことだよ」
ミョウザが出入り口を塞ぐ石の扉を指差す。前方の扉には絵が描かれていた。下半分には簡易化された家や人間が描かれていて、上部には太陽が描かれていた。さらにアーチたちが入ってきた後方の扉にも同様に家と人間が描かれている。ただしこちらの上空に浮かんでいるのは太陽ではなく三日月だった。
太陽も三日月も、どちらもその部分だけが正方形にくり抜かれ、扉からわずかにせり出していた。まるで引き抜いてくれと言わんばかりに。
「なるほどこれを入れ替えろってことね。なんだ簡単じゃーん」
アーチは早速太陽のプレートを扉から引き抜いた。
するとまたゴゴゴゴと地鳴りがする。しかもさっきよりも明らかに大きい。ほとんど地震のように部屋が揺れていた。
「今度は何!?」
「アーチ上だ!」
「上?」
アーチが上を見る。
天井が、落ちている。崩落しているのではなく天井そのものがアーチたちを圧し潰そうと下降してきていた。
「げぇ!?」
「戻して! 一旦それ戻すのよ!」
パラァに促されアーチは石板を元の場所に嵌め込んだ。同時に天井の降下が停止する。
「止まった……?」
「な、なるほど、素早く入れ替えないといけないってわけか」
ミョウザはわざとらしく余裕ぶって笑うが、頭を抱えてしゃがんでいるためまったく恰好が付いていなかった。
「仕掛けがわかったらこっちのもんっしょ。ほらミョウザ、ビビってないで立ちな」
「だからビビってねぇし!」
アーチに肩を叩いてなだめられたミョウザが強がりながら立ち上がった。
「あたしはうしろの月を持ってくるから、ミョウザは太陽をお願い」
「お、おう」
後方の扉の前にスタンバイするアーチ。ミョウザは前方の扉の前に立ち固唾を飲んだ。部屋の幅は走れば数秒で端から端まで渡れる程度なので、落ち着いていれば特に難しいことではないものの、それでもすくなからずプレッシャーはあった。
「いい? あたしが合図出すから、それに合わせて」
「わ、わかった」
「行くよ……せぇーのっ!」
アーチとミョウザが同時にそれぞれの石板を引き抜き駆け出す。天井が再び降下を始める。二人は中央で交差し、互いに反対側の扉を目指す。
だが緊張からか、扉の手前でミョウザの足がもつれた。
「あっ」
まずいと思った頃には遅かった。ミョウザは姿勢を立て直すことができずに転倒してしまった。転んだ拍子に石板を遠くに放り出してしまう。無情にも頭上に天井が迫る。
「アーチ! ミョウザが!」
「えっ!?」
アーチが振り返る。その手は月の石板を扉の窪みに嵌め込んでいるところだった。
あわや潰されるか──と思いきや、天井の動きが止まった。
「止まった……?」
地面に突っ伏し頭を抱えていたミョウザが恐る恐る顔を上げる。やはり天井は停止している。さらに前後の石扉がゆっくりと上昇し開放された。
「なんだ、こっちだけでよかったんだ」
どうやら両方をそれぞれ入れ替える必要はなく、太陽を月に変えるだけが条件だったらしい。つまり最初からそれがわかっていたなら、あらかじめ月の石板だけ先に取って太陽と入れ替えるだけよかったのだ。
「ごめん、アーチ……」
起き上がったミョウザが申し訳なさそうに肩を落としている。
「いいって。結局問題なかったんだし」
「そうだけど……」
結果オーライとはいえ、もし仮に両方同時に入れ替えなければいけなかったら失敗していた可能性もあった。ミョウザは任された役割を全うできなかったことが悔しかったのだ。
「気にしない気にしない。早く次行こ」
落ち込むミョウザを気遣ってか、アーチは特に責めたりも茶化したりもしなかった。ミョウザが先を行くアーチの背中を追おうとして何かを思い出す。辺りを見回し、目的のものを見つける。
それは戻し損ねた太陽の石板だった。元々設置されていた扉は上に行ってしまって下せないので、戻す場所がなくなってしまった。それを拾い上げ神妙に見つめるミョウザ。
「何してんのミョウザ。置いてくよー?」
「ああ、今行く」
ミョウザは太陽の石板をズボンのポケットに入れてアーチを追う。その石板はミョウザにとって失敗の象徴だ。だからこそ反省と自戒を込めて、手元に持って置くことにした。
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これまで細い道が続いていたのが、突如視界が開けた。正方形にくり抜かれたような部屋が広がっていて、整えられた内装は明らかに人の手によって作られていた。
さらに特異なのは床面。部屋の床には石板が敷き詰められていた。それらには模様が描かれていて、星、雷、羽根、髑髏、ハートの五種類がそれぞれ複数枚並べられている。石板のゾーンを渡り切った向こう側に先へ続く出口があった。
「見るからに怪しいわね」
「さっきみたいに地図に何か手掛かりが書かれてない?」
すっかり地図係が板についたミョウザが地図を確認する。
「あるね」
「なんて書いてある?」
「たぶん渡っても大丈夫な模様のことだと思うけど。『星と羽根──」
「星と羽根ね」
アーチは一番近くにあった星が描かれた石板の上に飛び乗った。
「──には乗るべからず』」
足元の石板が崩れ、アーチは吸い込まれるように真下へ落下した。
「どわああああああああっ!?」
石板の下は落とし穴になっていた。相当深く掘られていて、アーチは自由落下のままに穴の底へと落ちていく。終点の最下部には鋭く尖った針の山が待ち構えている。この高さから針に突き刺さったらひとたまりもないだろう。
「ヤバいヤバいヤバい!」
アーチは即座にヴァーエイルに〈符律句〉を描いた。
「〈符律句〉第十六番、伸縮の相!」
聖剣を上へ向ける。刀身が矢のような速さで伸び、天井に突き刺さった。落下が停止しすると刀身が縮み、アーチが地上へと引き上げられていく。剣が元の長さに戻ると、アーチは天井にぶら下がった状態で額の冷や汗を拭った。
「危ねぇ~。ちょっとミョウザ、紛らわしい言い方しないでよね」
「そっちが勝手に先走ったんだろ」
「でもこれで安全な場所はわかったから、っと」
呆れるミョウザをよそにアーチは天井から剣を引き抜き、落とし穴の隣の髑髏の石板に着地した。今度は足場が崩れることはなかった。そのまま地図の指示に従い星と羽根の石板を避けて進んだアーチは、石板の並ぶ区画を抜け出口の前に到達した。
「大丈夫みたい。二人も早く来な~」
「お、おう」
ミョウザは恐る恐るアーチと同じルートを辿る。安全が保証されているにも関わらず、ミョウザの顔はやや緊張で強張っていた。パラァはそもそも飛んでいるので普通に移動した。
無事に渡り切ったミョウザが安堵の溜息を吐いた。
「よし、この調子で次行こ次~!」
「だからあんま先走るなって!」
マイペースなアーチに振り回され気味なミョウザ。そんなやり取りをしながら一行はさらに進んでいく。
そうしているうちにまた開けた空間に出た。第二の部屋である。
「何もないわね」
今度の部屋は最初の部屋に比べて一回りほど狭く、仕掛けらしきものは見当たらず殺風景だった。
「でも一応警戒しながら行こう」
一度落とし穴に落ちているアーチが呼びかけながら歩く。
三人が部屋の中央まで寄ると、突然ゴゴゴゴッと重い音が響いた。部屋の前後の出入り口の上部から石の扉が下り、道が遮断されてしまった。
「閉じ込められた!?」
「やっぱり仕掛けがあったわね」
「ミョウザ、地図にはなんて?」
「えっと……『昼夜を反転させよ』」
「昼夜……昼と夜ってこと?」
「たぶんあれのことだよ」
ミョウザが出入り口を塞ぐ石の扉を指差す。前方の扉には絵が描かれていた。下半分には簡易化された家や人間が描かれていて、上部には太陽が描かれていた。さらにアーチたちが入ってきた後方の扉にも同様に家と人間が描かれている。ただしこちらの上空に浮かんでいるのは太陽ではなく三日月だった。
太陽も三日月も、どちらもその部分だけが正方形にくり抜かれ、扉からわずかにせり出していた。まるで引き抜いてくれと言わんばかりに。
「なるほどこれを入れ替えろってことね。なんだ簡単じゃーん」
アーチは早速太陽のプレートを扉から引き抜いた。
するとまたゴゴゴゴと地鳴りがする。しかもさっきよりも明らかに大きい。ほとんど地震のように部屋が揺れていた。
「今度は何!?」
「アーチ上だ!」
「上?」
アーチが上を見る。
天井が、落ちている。崩落しているのではなく天井そのものがアーチたちを圧し潰そうと下降してきていた。
「げぇ!?」
「戻して! 一旦それ戻すのよ!」
パラァに促されアーチは石板を元の場所に嵌め込んだ。同時に天井の降下が停止する。
「止まった……?」
「な、なるほど、素早く入れ替えないといけないってわけか」
ミョウザはわざとらしく余裕ぶって笑うが、頭を抱えてしゃがんでいるためまったく恰好が付いていなかった。
「仕掛けがわかったらこっちのもんっしょ。ほらミョウザ、ビビってないで立ちな」
「だからビビってねぇし!」
アーチに肩を叩いてなだめられたミョウザが強がりながら立ち上がった。
「あたしはうしろの月を持ってくるから、ミョウザは太陽をお願い」
「お、おう」
後方の扉の前にスタンバイするアーチ。ミョウザは前方の扉の前に立ち固唾を飲んだ。部屋の幅は走れば数秒で端から端まで渡れる程度なので、落ち着いていれば特に難しいことではないものの、それでもすくなからずプレッシャーはあった。
「いい? あたしが合図出すから、それに合わせて」
「わ、わかった」
「行くよ……せぇーのっ!」
アーチとミョウザが同時にそれぞれの石板を引き抜き駆け出す。天井が再び降下を始める。二人は中央で交差し、互いに反対側の扉を目指す。
だが緊張からか、扉の手前でミョウザの足がもつれた。
「あっ」
まずいと思った頃には遅かった。ミョウザは姿勢を立て直すことができずに転倒してしまった。転んだ拍子に石板を遠くに放り出してしまう。無情にも頭上に天井が迫る。
「アーチ! ミョウザが!」
「えっ!?」
アーチが振り返る。その手は月の石板を扉の窪みに嵌め込んでいるところだった。
あわや潰されるか──と思いきや、天井の動きが止まった。
「止まった……?」
地面に突っ伏し頭を抱えていたミョウザが恐る恐る顔を上げる。やはり天井は停止している。さらに前後の石扉がゆっくりと上昇し開放された。
「なんだ、こっちだけでよかったんだ」
どうやら両方をそれぞれ入れ替える必要はなく、太陽を月に変えるだけが条件だったらしい。つまり最初からそれがわかっていたなら、あらかじめ月の石板だけ先に取って太陽と入れ替えるだけよかったのだ。
「ごめん、アーチ……」
起き上がったミョウザが申し訳なさそうに肩を落としている。
「いいって。結局問題なかったんだし」
「そうだけど……」
結果オーライとはいえ、もし仮に両方同時に入れ替えなければいけなかったら失敗していた可能性もあった。ミョウザは任された役割を全うできなかったことが悔しかったのだ。
「気にしない気にしない。早く次行こ」
落ち込むミョウザを気遣ってか、アーチは特に責めたりも茶化したりもしなかった。ミョウザが先を行くアーチの背中を追おうとして何かを思い出す。辺りを見回し、目的のものを見つける。
それは戻し損ねた太陽の石板だった。元々設置されていた扉は上に行ってしまって下せないので、戻す場所がなくなってしまった。それを拾い上げ神妙に見つめるミョウザ。
「何してんのミョウザ。置いてくよー?」
「ああ、今行く」
ミョウザは太陽の石板をズボンのポケットに入れてアーチを追う。その石板はミョウザにとって失敗の象徴だ。だからこそ反省と自戒を込めて、手元に持って置くことにした。
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