それでも幸せ

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復路

人生の岐路

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「おはよう」隣から彼女の声が聞こえてきて、朝を迎えた。
彼女は朝、起きると顔を洗って、制服にアイロンをかけて、出ていく。
その間、僕とは一切顔も見ず、言葉も交わさない。避けているようだ。
いつも衝動で肌を重ねてしまっている事を気に留めているのか、どこか暗い表情だ。
「...一緒にいく?」と尋ねられて、仕方なく行くことにした。
昨日のことを尋ねても良いんだろうか。明らかに何か悩んでるのは確かだ。
それでも、気を遣って明るくふるまうという事は聞かないで欲しいという
意思表示なのだろうか。分からぬまま時が過ぎていった。
彼女が通学路の交差点を曲がった後、沈黙が破られた。
「昨日、起きてたよね。泣いてるのバレちゃった?」
「え、いや、寝てたよ。知らないよ。」
へぇ、そうなんだと言った後、顔をズイッと寄せてきて嘘がバレた。
「実はね。元カレに何度か浮気されてから、肌を重ねないと寂しくて」
「満たされなくてやめられないの。元カレとはもう2年前の事だから、
 全部忘れちゃったけど」
浮気、確かに自分もしたことがあった。初恋に浮気され、その後はテキトーに
付き合って、肌ばかり重ねた。気持ちは分かる気がする。
「その気持ち分かるよ。一緒に乗り越えていこう。親友にも話してみなよ」
「うん!頑張るね。ありがとう!」
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