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女神選抜試験
第36話 マリーの暴走
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──次の日。
「クリス、おはよう! 今日も美人だね!」
マリーが朝早くから訪ねてきて、メイドのノーラが応対に出ていたが、一瞬の隙に部屋へと転がり込んできて嬉しそうにそう言ったのには、クリスは閉口した。
「……あなたはとても可愛いわよ」
クリスがそう返すと、マリーはなぜかむっとしていた。
「……可愛いって言われても、嬉しくないよ」
マリーは口をとがらせて言ったが、どう見ても可愛い女の子にしか見えない。
「でも、わたくしの目にはそうとしか映らないわ。……これはどなたに聞いてもそうでしょう」
クリスがそう言うと、マリーはむくれた。
そういう仕草が中身がとても男性とは思えないのだとクリスは内心で思った。
「……もうちょっと中性的な姿で生まれ変われば良かった。そしたら、クリスも少しはほだされてくれたかもしれないのに」
マリーのその言葉に、クリスは思わずどきりとした。
理想の固まりのハーヴェイの容姿はマリーの言うように中性的なのだ。
「で、でもあなたは女の子でしょう? それなのに、わたくしがあなたを好きになるのは無理だわ」
「うん、だから女神選抜が終わったら、女神の力で性転換するつもりなんだ」
マリーは男性になるつもり満々らしい。
だが、クリスはあえて厳しいことを言った。
「……わたくしがもし女神になったら、あなたの前世の記憶は完全に消すわ。それがあなたにとっても一番いいことだと思うから」
「え、クリス、そんなあ」
マリーが眉を下げてクリスに抗議する。
そんな顔をされると、クリスも胸が痛むが、ここははっきり言っておいた方がいい。
「じゃ、じゃあ、わたし頑張って女神になるよ。そうすればクリスはわたしのものだし」
クリスの意思を無視するようなマリーの言葉に彼女はむっとした。
「わたくしはハーヴェイ様のものよ。あなたがそうするなら、わたくしは全力でそれを阻止するわ」
レイフによると、この時点でも魔物討伐と育成はマリーに勝っているらしいが、今以上にクリスは楽園の育成に力を入れようと決意した。
しかし、マリーは別のことが気になったようだった。
「え、ハーヴェイ様のものって、クリスまさか、ハーヴェイ様とえっちしちゃったの!?」
「はあ?」
あまりの言葉にクリスは真っ赤になって絶句した。なぜそんな発想になるのか。
「そ、そんな訳ないでしょう。馬鹿なことを言わないで頂戴」
「あ、そうなんだ。よかった~」
マリーが安心したように笑顔になって息をついた。
「でも、クリスはハーヴェイ様に気をつけてよ。なにをされるか分からないからね」
「ハーヴェイ様はルーカス様と違うわ。ハーヴェイ様を侮辱するのは許さないわ」
牽制するつもりで言ったのだが、しかしマリーは違うところに噛みついてきた。
「え? なにクリス、まさかルーカス様に襲われたの?」
顔を怒らせてマリーがクリスに問うてくる。
「え、ええまあ。未遂で済んだけれど……」
言っていて、クリスはしまったと後悔した。自業自得かもしれないが、これではルーカスがマリーになにをされるか分からない。
「ゆ、許せなーい! あのタラシ! レイフ様がルーカスが暴走するといけないからって言ったのはこのことだったんだ!」
両拳を握りしめてマリーが叫ぶ。
どうやら、マリーにはクリスがルーカスに襲われそうになったことまでは魔術師達から知らされていなかったようだ。それに加えて、土曜から月曜日まで熱を出して寝込んでいたこともあって、情報収集が出来ていなかったらしい。
「マ、マリー、落ち着いて。わたくしはなんでもなかったんだから」
まあまあ、とクリスが両手を前に出してマリーを宥めにかかる。
「お嬢様。ハーヴェイ様とルーカス様がいらっしゃいましたが」
その時、ノーラが報告してきて、クリスはまずいと思った。
ハーヴェイはともかく、ルーカスはマリーと会わせたらまずい。
「あのタラシには天誅をくらわす!」
マリーが勢いよく外に出ていってしまったので、クリスは慌ててその後を追った。
「マ、マリー待って」
クリスが慌てて部屋を出て行くと、ちょうどマリーが「天誅!」と叫んで、ルーカスの鳩尾に拳を打ち込んでいるところだった。そして、マリーは更に前のめりになったルーカスの股間を蹴り上げる。
「マ、マリー、暴力はよくないわ。おやめなさい!」
あまりのことにクリスが叫ぶと、それまで呆気にとられていたハーヴェイがはっとしたようにルーカスに防御の膜を張る。
その壁に阻まれて、マリーはその可愛らしい顔に似合わず舌打ちをした。
「ル、ルーカス様、大丈夫ですか?」
「──ルーカス、どうしたのです」
クリスがルーカスに声をかけるのと、クライドの声がしたのが同時だった。
柄にもなく四つん這いになって痛みを堪えているルーカスにハーヴェイが治癒魔法を施す。それでルーカスは全快したらしく、立ち上がって、服の埃をはらっていた。
「……いきなりなんだい。穏やかじゃないな、マリー」
情けないところをクリスに見られたためか、ルーカスの機嫌はすこぶる悪い。
「ルーカス、いったいなにがあったのです」
ルーカスはいかにも言いたくなさそうではあったが、結局正直に話した。
「クリスティアナを迎えに来たら、突然マリーが飛び出してきて、鳩尾を殴られた上に股間を蹴り上げられたんだよ」
言っていて、その時の痛みを思い出したのか、ルーカスは顔をしかめた。
「マリー、なんということをしたのです。正当な理由もなしに魔術師にこんなことをしたら、わたしは大神官にこのことを報告しなければなりません」
するとマリーは噛みつくように言った。
「正当な理由ならあります! このタラシはクリスにふしだらなことをしようとしました! 到底、許せません!」
「ああ、この前の日曜日のことを言っているのですね? しかし、未遂で済んだことですし、ルーカスには厳重注意が既にされております」
「そんな!」
到底納得できないと顔に書いて、マリーは叫んだ。
「……これからわたしは大神官に報告に行ってきます。ルーカスとハーヴェイも同席してください」
「お待ち下さい。どうにかそれはお許しになっていただけませんか?」
マリーのやったことは考えなしの一言だが、大神官に告げられるのはこれからの女神選抜試験に影響があるだろう。
しかし、クライドはその目を伏せて静かに首を横に振った。
「……あなたがマリーを気遣う気持ちは尊いですが、今回彼女がやったことは到底看過出来ません。女神候補が魔術師に暴力を加えるなど、過去にもありませんでしたから」
「そう……なのですか……」
そう言われてしまったら、クリスもそれ以上マリーをかばうことはできなかった。
「そういうことですので、二人とも今日は育成は中止して寮に待機していてください」
「は、はい。分かりましたわ」
「……それなら、わたしクリスと一緒にいる」
マリーがクリスの手を取ろうとすると、それはなにかに阻まれた。……ハーヴェイの防御魔法だろうか。
クリスがちらりとハーヴェイを見ると、彼は頷いた。やはり彼の魔法のようだ。
「マリー、あなたの寮まで送りますよ」
「そんなあ、クライド様あんまりです。助けてクリス、クリス……」
クリスを振り返りながら強制的にクライドに自分の寮まで送られるマリーは哀れを誘う。
マリーのやったことは過激だったが、自分のために怒った上での行動なので、クリスは胸が痛んだ。
「マリー……」
そして、クリスもハーヴェイとルーカスに自分の部屋へ入るのを見届けられて、その日一日を悶々と過ごした。
「クリス、おはよう! 今日も美人だね!」
マリーが朝早くから訪ねてきて、メイドのノーラが応対に出ていたが、一瞬の隙に部屋へと転がり込んできて嬉しそうにそう言ったのには、クリスは閉口した。
「……あなたはとても可愛いわよ」
クリスがそう返すと、マリーはなぜかむっとしていた。
「……可愛いって言われても、嬉しくないよ」
マリーは口をとがらせて言ったが、どう見ても可愛い女の子にしか見えない。
「でも、わたくしの目にはそうとしか映らないわ。……これはどなたに聞いてもそうでしょう」
クリスがそう言うと、マリーはむくれた。
そういう仕草が中身がとても男性とは思えないのだとクリスは内心で思った。
「……もうちょっと中性的な姿で生まれ変われば良かった。そしたら、クリスも少しはほだされてくれたかもしれないのに」
マリーのその言葉に、クリスは思わずどきりとした。
理想の固まりのハーヴェイの容姿はマリーの言うように中性的なのだ。
「で、でもあなたは女の子でしょう? それなのに、わたくしがあなたを好きになるのは無理だわ」
「うん、だから女神選抜が終わったら、女神の力で性転換するつもりなんだ」
マリーは男性になるつもり満々らしい。
だが、クリスはあえて厳しいことを言った。
「……わたくしがもし女神になったら、あなたの前世の記憶は完全に消すわ。それがあなたにとっても一番いいことだと思うから」
「え、クリス、そんなあ」
マリーが眉を下げてクリスに抗議する。
そんな顔をされると、クリスも胸が痛むが、ここははっきり言っておいた方がいい。
「じゃ、じゃあ、わたし頑張って女神になるよ。そうすればクリスはわたしのものだし」
クリスの意思を無視するようなマリーの言葉に彼女はむっとした。
「わたくしはハーヴェイ様のものよ。あなたがそうするなら、わたくしは全力でそれを阻止するわ」
レイフによると、この時点でも魔物討伐と育成はマリーに勝っているらしいが、今以上にクリスは楽園の育成に力を入れようと決意した。
しかし、マリーは別のことが気になったようだった。
「え、ハーヴェイ様のものって、クリスまさか、ハーヴェイ様とえっちしちゃったの!?」
「はあ?」
あまりの言葉にクリスは真っ赤になって絶句した。なぜそんな発想になるのか。
「そ、そんな訳ないでしょう。馬鹿なことを言わないで頂戴」
「あ、そうなんだ。よかった~」
マリーが安心したように笑顔になって息をついた。
「でも、クリスはハーヴェイ様に気をつけてよ。なにをされるか分からないからね」
「ハーヴェイ様はルーカス様と違うわ。ハーヴェイ様を侮辱するのは許さないわ」
牽制するつもりで言ったのだが、しかしマリーは違うところに噛みついてきた。
「え? なにクリス、まさかルーカス様に襲われたの?」
顔を怒らせてマリーがクリスに問うてくる。
「え、ええまあ。未遂で済んだけれど……」
言っていて、クリスはしまったと後悔した。自業自得かもしれないが、これではルーカスがマリーになにをされるか分からない。
「ゆ、許せなーい! あのタラシ! レイフ様がルーカスが暴走するといけないからって言ったのはこのことだったんだ!」
両拳を握りしめてマリーが叫ぶ。
どうやら、マリーにはクリスがルーカスに襲われそうになったことまでは魔術師達から知らされていなかったようだ。それに加えて、土曜から月曜日まで熱を出して寝込んでいたこともあって、情報収集が出来ていなかったらしい。
「マ、マリー、落ち着いて。わたくしはなんでもなかったんだから」
まあまあ、とクリスが両手を前に出してマリーを宥めにかかる。
「お嬢様。ハーヴェイ様とルーカス様がいらっしゃいましたが」
その時、ノーラが報告してきて、クリスはまずいと思った。
ハーヴェイはともかく、ルーカスはマリーと会わせたらまずい。
「あのタラシには天誅をくらわす!」
マリーが勢いよく外に出ていってしまったので、クリスは慌ててその後を追った。
「マ、マリー待って」
クリスが慌てて部屋を出て行くと、ちょうどマリーが「天誅!」と叫んで、ルーカスの鳩尾に拳を打ち込んでいるところだった。そして、マリーは更に前のめりになったルーカスの股間を蹴り上げる。
「マ、マリー、暴力はよくないわ。おやめなさい!」
あまりのことにクリスが叫ぶと、それまで呆気にとられていたハーヴェイがはっとしたようにルーカスに防御の膜を張る。
その壁に阻まれて、マリーはその可愛らしい顔に似合わず舌打ちをした。
「ル、ルーカス様、大丈夫ですか?」
「──ルーカス、どうしたのです」
クリスがルーカスに声をかけるのと、クライドの声がしたのが同時だった。
柄にもなく四つん這いになって痛みを堪えているルーカスにハーヴェイが治癒魔法を施す。それでルーカスは全快したらしく、立ち上がって、服の埃をはらっていた。
「……いきなりなんだい。穏やかじゃないな、マリー」
情けないところをクリスに見られたためか、ルーカスの機嫌はすこぶる悪い。
「ルーカス、いったいなにがあったのです」
ルーカスはいかにも言いたくなさそうではあったが、結局正直に話した。
「クリスティアナを迎えに来たら、突然マリーが飛び出してきて、鳩尾を殴られた上に股間を蹴り上げられたんだよ」
言っていて、その時の痛みを思い出したのか、ルーカスは顔をしかめた。
「マリー、なんということをしたのです。正当な理由もなしに魔術師にこんなことをしたら、わたしは大神官にこのことを報告しなければなりません」
するとマリーは噛みつくように言った。
「正当な理由ならあります! このタラシはクリスにふしだらなことをしようとしました! 到底、許せません!」
「ああ、この前の日曜日のことを言っているのですね? しかし、未遂で済んだことですし、ルーカスには厳重注意が既にされております」
「そんな!」
到底納得できないと顔に書いて、マリーは叫んだ。
「……これからわたしは大神官に報告に行ってきます。ルーカスとハーヴェイも同席してください」
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「マリー、あなたの寮まで送りますよ」
「そんなあ、クライド様あんまりです。助けてクリス、クリス……」
クリスを振り返りながら強制的にクライドに自分の寮まで送られるマリーは哀れを誘う。
マリーのやったことは過激だったが、自分のために怒った上での行動なので、クリスは胸が痛んだ。
「マリー……」
そして、クリスもハーヴェイとルーカスに自分の部屋へ入るのを見届けられて、その日一日を悶々と過ごした。
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