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第三章:愛されし姫君
第25話 婚礼の誓約
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「──この度、各国におまえを正妃として据えたことを知らせた」
アイシャは朝食の席にてルドガーにそう告げられ、瞳を見開いて彼を見た。
「なんてことをなさるのです。それではハーメイの立場がないではありませんか」
確かにルドガーはアイシャに正妃の座を用意するとは言っていた。しかし、周辺諸国にまでそれを報せるとはアイシャは思っていなかったのだ。
「……しかし、今のところそれについてかの国からはなにも言ってきていないな。それ以前にはおまえを返せと言っていたが」
「……そうなのですか」
アイシャはルドガーからハーメイの対応を聞いて、顔を強ばらせていた。
なんと言っても、この件でハーメイの面目は丸潰れなのだ。今はなくとも、この後ハーメイからこの国に対する抗議がないことは考えられないだろう。
アイシャが難しい顔で考え込んでいると、ルドガーは話題を変えてきた。
「……それはそうと、侍女達の対応はどうだ」
「問題ありません。皆とてもよくしてくれています」
アイシャはルドガーの質問にそつなく答えたが、それは確かに本当のことだった。
ルドガーがアイシャを正妃に据えると王宮内に周知させてから、驚くほど彼女への侍女達の対応が変わった。
中でも酷い嫌がらせを繰り返していた侍女などは、アイシャがルドガーに真に愛されていると知り、顔色をなくして今までの非礼を詫びてきたほどだ。……ただ、この侍女は周りからの告発によって既にルドガーに処罰されていた。
アイシャを取り巻く環境は快適になったが、それでも彼女が信頼しているのは以前と変わらずライサだけだった。
「……それよりも、正妃の件は撤回してください。こんなこと、わたしは到底認められません」
「既に諸国に周知させてしまったものを撤回することは認められん。おまえもいい加減諦めるのだな」
切なる願いをルドガーにひどく冷たくはねのけられたアイシャは、体を震わせると見開いた瞳に涙を浮かべた。
「アイシャ……」
それを驚いたように見つめてくるルドガーの視線を避けアイシャは顔を背けた。
「も、申し訳ございません。わたしはこれで失礼させていただきます」
アイシャは慌てて席を立つと、王と妃の共同の間から、自分の寝室へと逃げ込んだ。
そして寝台に体を投げ出すと、それまで堪えていた涙を流す。
既に事態はアイシャにはどうしようもないところまで来てしまった。
こんなことになってしまって、アイシャはカルラートやハーメイの人々に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
ハーメイの王妃と名乗ることはもう既に不可能なのは分かっているが、アイシャの気持ちの中では彼女はまだカルラートの妻だった。
……けれど。
真実アイシャの心にいるのは、無理矢理彼女を奪ったルドガーだった。
その彼に愛を囁かれ、愛されて、喜びを感じてしまうのも事実。
アイシャはルドガーへの愛とカルラートとの誓約の間で揺れ動き、自分でもその感情をどうしてよいか分からずにただ嗚咽を漏らすだけだった。
「アイシャ……」
後を追ってきたらしいルドガーが泣きぬれるアイシャの肩にそっと触れた。それにアイシャがびくりと体を震わせる。
「アイシャ、泣くな」
ルドガーは寝台に腰掛けると、アイシャを抱き起こした。
アイシャはそれに少しだけ抗う。
「……先程は強く言い過ぎた。すまなかった」
ルドガーは顔を歪めてアイシャに謝罪し、その体を抱きしめた。
「陛下、どうか今はわたしを捨ておいてください。お願いです」
アイシャはルドガーの腕の中でどうにか逃げだそうと身じろぎする。
けれど、ルドガーはアイシャをさらに強く抱きしめ、彼女の動きを封じた。
「……わたしはおまえを愛している。おまえを放っておくことなどできない」
昨日から何度も聞いた彼の愛の囁きに、アイシャは胸が苦しくなった。
彼の言葉が嬉しい反面、その感情への後ろめたさでどうしていいかわからなくなる。
──苦しい、苦しい。誰か助けて。
「アイシャ……」
アイシャは相反する感情に頬を濡らす。
ルドガーはそんなアイシャの頬に唇を寄せていたが、やがて彼女の桜色の唇に愛しげに口づけた。
それは何度も繰り返され、アイシャはその中で彼への溢れる想いに苦しめられていた。
「……もうお離しください」
ルドガーに抱きしめられているアイシャは弱々しく懇願した。
「陛下には執務があられるはずです。……わたしなどにかまけておられる場合ではないでしょう」
「おまえはわたしの新妻だ。宰相もその辺りは分かっていて、配慮もしている」
ルドガーはアイシャの髪を愛しげに梳きながら言う。
それに対して、アイシャは首を横に振った。
「わたしはあなた様の妻ではありません。わたしはカルラートの妻です」
アイシャの拒絶の言葉に、ルドガーは一瞬不快気に眉を寄せる。
それを目にして、アイシャは思わずびくりと体を震わせた。
こんな時にもかかわらず、彼に嫌われるのがアイシャは怖かった。……以前は憎まれているとすら思っていたというのに。
「……やつを愛しているのか」
ルドガーの問いに対して、アイシャはその答えをはぐらかした。
「わたしはカルラートと婚礼の誓約をしました。ですからわたしはまだカルラートの妻です」
──婚礼の誓約。それはどちらかが死ぬか、誓約自体を破棄するまでは有効だ。
「……では、あの男が死ねば、その誓約とやらは消えるな」
「……! なにを言っておられるのですっ」
それではまるで、ルドガーがカルラートを──
「あの男がいるために、おまえがわたしの妻と名乗らない。……ならば、わたしはあの男を滅ぼすまで」
「やめてください! そんなことをしたら……」
王であるカルラートが亡くなれば、事実上ハーメイは滅ぶ。
絶対にカルラートを彼に殺させてはならない。
「お願いです。ハーメイやカルラートに手を出さないでください! 誓約の破棄をしてもいいですから、それだけはやめてくださいっ」
アイシャは必死にルドガーへ訴えたが、彼はそんな彼女を冷たく見つめていた。
「……そんなにやつらが大事か」
「そ、それは、彼らはとてもよくしてくれましたし……」
うろたえながら言うアイシャの体をルドガーは強く抱きしめる。
「陛下……っ、あ……っ」
白い首筋にルドガーの唇が這い、アイシャはびくりと体を震わせた。
「……おまえをやつらには渡さない」
そう言いながら、ルドガーはアイシャの白い肌を露わにしていき、そこに所有印を付けていく。
「お、願いです……っ、彼らには手を出さないで……っ」
ドレスを乱され、ルドガーの唇と指に翻弄されながら、アイシャは懇願する。
「……それは、おまえ次第だ。おまえがわたしの言うことを聞けば、その願いを聞いてやってもいい」
ルドガーの唇がアイシャの太腿を這い、その上を目指していく。
アイシャは耐えがたいその感覚に体を仰け反らしながらも、ルドガーに懇願する。
「従います。従いますから……、どうか、どうか陛下……っ」
──どうしてこんなことになってしまったのだろう。
カルラートとの誓約にこだわった結果、こんなことになってしまった。
自分が素直に彼の愛を受けていればよかったのか。けれど──
カルラート、ごめんなさい。
わたしはあなたとの誓約を破ります。
アイシャは、不貞な行為の後ろめたさに涙を流しながらも、その体はルドガーを受け入れていく。
「わたしに従順であれ、アイシャ。そうすれば、おまえの願いを聞いてやろう」
怖いほど優しくルドガーがアイシャに笑いかける。だが、言っていることは酷く残酷だった。
「は……い」
アイシャはルドガーに翻弄されながらも、なんとか返事をする。
そのアイシャの頬を涙が伝った。
「アイシャ、愛している。アイシャ、アイシャ……」
ルドガーは彼女を愛しながら、何度も愛を囁く。
こんなに酷いことをされても、アイシャの愛はルドガーに向かっていた。
その彼に愛を囁かれ、彼女の心は喜びを覚える。
それでも、彼に愛を伝えることはできなかった。
それは、アイシャの最後の砦のようなものだったのだ。
アイシャはルドガーの愛の言葉と、彼から与えられる耐えがたい感覚に翻弄される。
そしてそれは、彼女が意識を失うまで続けられた。
アイシャは朝食の席にてルドガーにそう告げられ、瞳を見開いて彼を見た。
「なんてことをなさるのです。それではハーメイの立場がないではありませんか」
確かにルドガーはアイシャに正妃の座を用意するとは言っていた。しかし、周辺諸国にまでそれを報せるとはアイシャは思っていなかったのだ。
「……しかし、今のところそれについてかの国からはなにも言ってきていないな。それ以前にはおまえを返せと言っていたが」
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なんと言っても、この件でハーメイの面目は丸潰れなのだ。今はなくとも、この後ハーメイからこの国に対する抗議がないことは考えられないだろう。
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中でも酷い嫌がらせを繰り返していた侍女などは、アイシャがルドガーに真に愛されていると知り、顔色をなくして今までの非礼を詫びてきたほどだ。……ただ、この侍女は周りからの告発によって既にルドガーに処罰されていた。
アイシャを取り巻く環境は快適になったが、それでも彼女が信頼しているのは以前と変わらずライサだけだった。
「……それよりも、正妃の件は撤回してください。こんなこと、わたしは到底認められません」
「既に諸国に周知させてしまったものを撤回することは認められん。おまえもいい加減諦めるのだな」
切なる願いをルドガーにひどく冷たくはねのけられたアイシャは、体を震わせると見開いた瞳に涙を浮かべた。
「アイシャ……」
それを驚いたように見つめてくるルドガーの視線を避けアイシャは顔を背けた。
「も、申し訳ございません。わたしはこれで失礼させていただきます」
アイシャは慌てて席を立つと、王と妃の共同の間から、自分の寝室へと逃げ込んだ。
そして寝台に体を投げ出すと、それまで堪えていた涙を流す。
既に事態はアイシャにはどうしようもないところまで来てしまった。
こんなことになってしまって、アイシャはカルラートやハーメイの人々に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
ハーメイの王妃と名乗ることはもう既に不可能なのは分かっているが、アイシャの気持ちの中では彼女はまだカルラートの妻だった。
……けれど。
真実アイシャの心にいるのは、無理矢理彼女を奪ったルドガーだった。
その彼に愛を囁かれ、愛されて、喜びを感じてしまうのも事実。
アイシャはルドガーへの愛とカルラートとの誓約の間で揺れ動き、自分でもその感情をどうしてよいか分からずにただ嗚咽を漏らすだけだった。
「アイシャ……」
後を追ってきたらしいルドガーが泣きぬれるアイシャの肩にそっと触れた。それにアイシャがびくりと体を震わせる。
「アイシャ、泣くな」
ルドガーは寝台に腰掛けると、アイシャを抱き起こした。
アイシャはそれに少しだけ抗う。
「……先程は強く言い過ぎた。すまなかった」
ルドガーは顔を歪めてアイシャに謝罪し、その体を抱きしめた。
「陛下、どうか今はわたしを捨ておいてください。お願いです」
アイシャはルドガーの腕の中でどうにか逃げだそうと身じろぎする。
けれど、ルドガーはアイシャをさらに強く抱きしめ、彼女の動きを封じた。
「……わたしはおまえを愛している。おまえを放っておくことなどできない」
昨日から何度も聞いた彼の愛の囁きに、アイシャは胸が苦しくなった。
彼の言葉が嬉しい反面、その感情への後ろめたさでどうしていいかわからなくなる。
──苦しい、苦しい。誰か助けて。
「アイシャ……」
アイシャは相反する感情に頬を濡らす。
ルドガーはそんなアイシャの頬に唇を寄せていたが、やがて彼女の桜色の唇に愛しげに口づけた。
それは何度も繰り返され、アイシャはその中で彼への溢れる想いに苦しめられていた。
「……もうお離しください」
ルドガーに抱きしめられているアイシャは弱々しく懇願した。
「陛下には執務があられるはずです。……わたしなどにかまけておられる場合ではないでしょう」
「おまえはわたしの新妻だ。宰相もその辺りは分かっていて、配慮もしている」
ルドガーはアイシャの髪を愛しげに梳きながら言う。
それに対して、アイシャは首を横に振った。
「わたしはあなた様の妻ではありません。わたしはカルラートの妻です」
アイシャの拒絶の言葉に、ルドガーは一瞬不快気に眉を寄せる。
それを目にして、アイシャは思わずびくりと体を震わせた。
こんな時にもかかわらず、彼に嫌われるのがアイシャは怖かった。……以前は憎まれているとすら思っていたというのに。
「……やつを愛しているのか」
ルドガーの問いに対して、アイシャはその答えをはぐらかした。
「わたしはカルラートと婚礼の誓約をしました。ですからわたしはまだカルラートの妻です」
──婚礼の誓約。それはどちらかが死ぬか、誓約自体を破棄するまでは有効だ。
「……では、あの男が死ねば、その誓約とやらは消えるな」
「……! なにを言っておられるのですっ」
それではまるで、ルドガーがカルラートを──
「あの男がいるために、おまえがわたしの妻と名乗らない。……ならば、わたしはあの男を滅ぼすまで」
「やめてください! そんなことをしたら……」
王であるカルラートが亡くなれば、事実上ハーメイは滅ぶ。
絶対にカルラートを彼に殺させてはならない。
「お願いです。ハーメイやカルラートに手を出さないでください! 誓約の破棄をしてもいいですから、それだけはやめてくださいっ」
アイシャは必死にルドガーへ訴えたが、彼はそんな彼女を冷たく見つめていた。
「……そんなにやつらが大事か」
「そ、それは、彼らはとてもよくしてくれましたし……」
うろたえながら言うアイシャの体をルドガーは強く抱きしめる。
「陛下……っ、あ……っ」
白い首筋にルドガーの唇が這い、アイシャはびくりと体を震わせた。
「……おまえをやつらには渡さない」
そう言いながら、ルドガーはアイシャの白い肌を露わにしていき、そこに所有印を付けていく。
「お、願いです……っ、彼らには手を出さないで……っ」
ドレスを乱され、ルドガーの唇と指に翻弄されながら、アイシャは懇願する。
「……それは、おまえ次第だ。おまえがわたしの言うことを聞けば、その願いを聞いてやってもいい」
ルドガーの唇がアイシャの太腿を這い、その上を目指していく。
アイシャは耐えがたいその感覚に体を仰け反らしながらも、ルドガーに懇願する。
「従います。従いますから……、どうか、どうか陛下……っ」
──どうしてこんなことになってしまったのだろう。
カルラートとの誓約にこだわった結果、こんなことになってしまった。
自分が素直に彼の愛を受けていればよかったのか。けれど──
カルラート、ごめんなさい。
わたしはあなたとの誓約を破ります。
アイシャは、不貞な行為の後ろめたさに涙を流しながらも、その体はルドガーを受け入れていく。
「わたしに従順であれ、アイシャ。そうすれば、おまえの願いを聞いてやろう」
怖いほど優しくルドガーがアイシャに笑いかける。だが、言っていることは酷く残酷だった。
「は……い」
アイシャはルドガーに翻弄されながらも、なんとか返事をする。
そのアイシャの頬を涙が伝った。
「アイシャ、愛している。アイシャ、アイシャ……」
ルドガーは彼女を愛しながら、何度も愛を囁く。
こんなに酷いことをされても、アイシャの愛はルドガーに向かっていた。
その彼に愛を囁かれ、彼女の心は喜びを覚える。
それでも、彼に愛を伝えることはできなかった。
それは、アイシャの最後の砦のようなものだったのだ。
アイシャはルドガーの愛の言葉と、彼から与えられる耐えがたい感覚に翻弄される。
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