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NO.2

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「えーと、ここの階段を掃除すればいいんだな?」
俺はほうきとちりとりを持って時計塔内の長い階段をじっと見ていた。
先生は会議があると言って行ってしまったし、ここは魔法で適当に掃除でもしておいて時計塔の中でも散策するか。

俺はほうきとちりとりが自動的に掃除をするように魔法をかけ、長い階段の脇にあるあちらこちらにある扉を開けてみた。

すると、俺は資料がいっぱいありそうな部屋を見つけた。
本棚だけでうめつくされた部屋には大量の本があり、なかなか期待できる情報が見つかる予感がした。

しかし、一つだけ気ががりなことがある。
時計塔は普段立入禁止の場所だ。
なのにどこかから俺以外の人の気配を感じるのだ。
教師かもしれない。
俺は透明になる魔法を小声で唱え、自分にかけた。
そして悪魔の子について有力な情報を探した。

「見つからねなー。」
本はこんなにたくさんあるのになかなか出てこない。
俺は疲れきって捜査はまた明日こっそり来てやろうかなと考えていると本棚の一つが隠し扉になってるのを発見した。

「ちょっと開けてみるか」
俺はその扉をそっと開けた。
すると…

「透明になる魔法をかけた悪戯な少年が来たね。元来、時計塔には立入禁止のはずなんだけどね。」

そこには本を読んでいるすごい背丈の小さな少女がいた。
こちらを見て悪戯な笑みを浮かべる。

俺が警戒をしていると
「大丈夫よ。先生には言わないわ。だから姿を見せてくれない?透明人間さん。」
その少女はクスッと笑って俺の目の前に立った。
すごく強い魔力の人間だってすぐわかった。

魔法を使っていることに気がつくだけでなく透明になってるのにどこにいるかまでバレているのだから。

俺は渋々透明になる魔法をといた。
そしてこの力の強いのであろう少女をじっと見た。
確かに背丈は小学生くらいだが紫色という魔導師の中でも珍しい色をした瞳ははっきりとこちらを捉えている。

その少女はふわふわとした癖っ毛の長い金髪をふわっと揺らしニコッと笑った。
そして突然こう話し始める
「私はメリー、あなたは?」

俺が黙っているとメリーという少女は一冊の本を召喚して、何か魔法を使い、じっと読んだあと俺を見た。

「あなた、リックって言うのね。ソレスト村出身で、現在はこの学校の寮生。13歳で中学一年生、学校での態度はやっぱり結構問題児なのね。へー…」
メリーという少女は淡々と俺について話し始める。

「ちょっと待て、なんでそれがわかる?」
俺は混乱していた。この不思議な少女に。
「今、その人について詳しくわかる魔法の本を召喚したの。」
「そんな本、あるのか?聞いたことない。」

すると、彼女はそんなことも知らないのかみたいな顔をして説明しだした。
「あるわ。今、君の知らない間に髪の毛を一本もらってその本に吸い込んだの。髪さえ吸い込めばその人について知りたいことがなんでもわかることから危険だからって言われて長い間、この学校が封印してる本の一つよ。今回はこっそり封印を解いて持って来ちゃったけどね(笑)」

俺は衝撃を受けた。
メリーという少女は俺の知らない間に、本の封印を解いて召喚し髪を取り、吸い込ませ、俺の情報を調べあげたのだから。

「お前…」
「メリーよ。私、リックに興味を持ったわ。ずっとこの時計塔のこの部屋にいて暇だったの。これからも来てくれる?」

俺は迷っていた。彼女には謎が多すぎる。
関わることで情報を集めにくくなる場合も…

俺が悩んでいると彼女は紫色の瞳をじっと俺に向け静かな声でこう続けた。
「悪魔の子を探してるんだってね。」
「!!」
「村を燃やした悪魔の子と呼ばれている魔導師を。倒し方なら私が教えてあげる。自分で言うのもなんだけどこう見えても私、結構強いのよ。それなら悪くないでしょ?来る気にならない?」

正直、かなり悪くない条件だ。
それに彼女ならもしかしたら悪魔の子を探せるかもしれない。
仲良くなって損はないはずだとこの言葉を聞いて感じた。

「ああ、悪くない条件だ。約束さえ守ってくれれば毎日でも来るよ。よろしく、メリー。」
俺はそう言って握手を求めた。
メリーはそれに頷き、微笑みながら握手に応えた。

これが俺と謎の少女メリーの出会いだった。
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