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第2章 無限イチャイチャ計画
第44話 弱男の親
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「おかしい、おかし過ぎる」
忍ばないデートが終わって数日後。俺は家で風華のショート動画を見ていた。しょっぱい再生数で終わると思っていたのになぜか大バズりしていた。
特にコサックダンス、野球のショート、チアガール動画が今も伸び続けている。
チアガールはまぁエロいし分かる。コサックダンスとショートは何がいいんだ。コサックの方もまぁエロいといえばエロいか? じゃあショートはなんだぁ? かわいい女がかっこいいことをしているというギャップかぁ?
うーん。世の中何がバズるか分からないが、上級国民は運もあるというのか。ああ神よ、せめて運の格差をどうにかしてくれ。
俺が世間について浅く憂いていると風華が部屋に入ってきた。
「こんにちは! 風華ちゃんですよっ」
「最近毎日のように来てるが、お前は有名人なんだから自重しろよ。週刊誌にすっぱ抜かれるぞ」
「大丈夫ですよ。いざとなったら脅されて無理矢理に連れ込まれたと言うことにしますから」
俺が死ぬんですけど!
「ただいまー!」
ツッコもうとしたら母親が帰ってきた。ドスドスと奥ゆかしさのかけらもない足音を立てて、俺の部屋の扉を不躾に開く。
九森空子、五十五歳。雷雲のようなモジャモジャヘアーの普通のババアだ。
「あ、空子ちゃん! お邪魔してます!」
「あらぁ、風華ちゃん。いらっしゃい」
なに“ちゃん付け”しあってんだよ。仲良くしてんじゃねぇよ。
「ねぇ、空雄ちゃん、給料入ったわよね?」
出たな。このババアは俺になけなしの給料が入る度に闇金融くらい奪っていくのだ。
「はぁ、ババアめ、そういうとこだけ覚えてんじゃねぇぞ」
「まぁババアだなんて! せめてババロアにしてちょうだい!」
これだよ。何を言っても暖簾に腕押し。
「はぁ、親ガチャノーマルだわ」
「日本一ってことね!」
このポジティブさだけ遺伝したかったわ!
俺がババアを呆れた目で見ていると、風華が口を挟んできた。
「あ、そうだ。ガチャといえば今度会社の企画でゲーム実況することになったんですよ」
「へぇ、ゲーム好きだし良かったな」
「視聴者参加型もあるので空雄さんも参加してくださいよ」
「やだよ。どうせ負けるし。それに混雑して参加すら無理だろ」
「えーいいじゃないですかぁ」
袖を引っ張って甘えてくる風華。やめろ、服が破れたらどうする。あと十年は使うつもりなんだぞ。
風華の手を振り払っていると、ババアがニヤニヤしながら話し掛けてきた。
「仲良いわねぇ。もしかして二人は付き合っているの?」
「はい! 離婚を前提に付き合っています!」
げ、言うのかよ。つーか離婚を前提ってなんだよ。結婚経由していいのかよ。
「おいババア。付き合ってること他のやつにバラすなよ。風華は有名人なんだからな」
「大丈夫よぉ。友達いないからぁ」
ギャハハ! さすが俺の親だぜ!
……はぁ、虚しい一族だよ。
「ところで二人はもうヤッたの?」
はぁぁ!? お前は何を聞いとんじゃあ! ノンデリ過ぎるだろ!
風華は何のことか疑問に思っていた。ふぅ、純粋で助かったぜ。
が、風華がゲーム機をチラリと見た。お、おい、まさか……。
「はい! 会ったら毎回やってますよ!」
バカ! ゲームと勘違いしてんじゃねぇ!
「まぁ! 空雄ちゃん下手じゃなぁい?」
「下手ですけど頑張ってますからねぇ。私はマウント取れて気持ちいいです」
やめろやめろ。微妙に噛み合うな。
「あらぁ風華ちゃんは優しいのねぇ。でもここ壁薄いから声には気をつけるのよぉ?」
「はい! 気を付けてます! たまに興奮しすぎて大声出ちゃいますけど」
余計な一言を足すな!
「あらあらぁ。お邪魔しちゃうと悪いから今度から帰る時は連絡するわねぇ」
「大丈夫ですよ。なんなら外でやりますから。外でやると背徳感があって興奮するんですよ」
「あらまっ、お盛んねぇ」
もうやめろー!
その後、話題が切り替わって誤解が解けぬまま会話が終わった。
その頃には俺の体は汗でベトベトだった。
風華と結婚したら毎日こんな嫁姑の地獄漫才じみた会話聞かされそうだ。
いや、結婚しないけどな!
忍ばないデートが終わって数日後。俺は家で風華のショート動画を見ていた。しょっぱい再生数で終わると思っていたのになぜか大バズりしていた。
特にコサックダンス、野球のショート、チアガール動画が今も伸び続けている。
チアガールはまぁエロいし分かる。コサックダンスとショートは何がいいんだ。コサックの方もまぁエロいといえばエロいか? じゃあショートはなんだぁ? かわいい女がかっこいいことをしているというギャップかぁ?
うーん。世の中何がバズるか分からないが、上級国民は運もあるというのか。ああ神よ、せめて運の格差をどうにかしてくれ。
俺が世間について浅く憂いていると風華が部屋に入ってきた。
「こんにちは! 風華ちゃんですよっ」
「最近毎日のように来てるが、お前は有名人なんだから自重しろよ。週刊誌にすっぱ抜かれるぞ」
「大丈夫ですよ。いざとなったら脅されて無理矢理に連れ込まれたと言うことにしますから」
俺が死ぬんですけど!
「ただいまー!」
ツッコもうとしたら母親が帰ってきた。ドスドスと奥ゆかしさのかけらもない足音を立てて、俺の部屋の扉を不躾に開く。
九森空子、五十五歳。雷雲のようなモジャモジャヘアーの普通のババアだ。
「あ、空子ちゃん! お邪魔してます!」
「あらぁ、風華ちゃん。いらっしゃい」
なに“ちゃん付け”しあってんだよ。仲良くしてんじゃねぇよ。
「ねぇ、空雄ちゃん、給料入ったわよね?」
出たな。このババアは俺になけなしの給料が入る度に闇金融くらい奪っていくのだ。
「はぁ、ババアめ、そういうとこだけ覚えてんじゃねぇぞ」
「まぁババアだなんて! せめてババロアにしてちょうだい!」
これだよ。何を言っても暖簾に腕押し。
「はぁ、親ガチャノーマルだわ」
「日本一ってことね!」
このポジティブさだけ遺伝したかったわ!
俺がババアを呆れた目で見ていると、風華が口を挟んできた。
「あ、そうだ。ガチャといえば今度会社の企画でゲーム実況することになったんですよ」
「へぇ、ゲーム好きだし良かったな」
「視聴者参加型もあるので空雄さんも参加してくださいよ」
「やだよ。どうせ負けるし。それに混雑して参加すら無理だろ」
「えーいいじゃないですかぁ」
袖を引っ張って甘えてくる風華。やめろ、服が破れたらどうする。あと十年は使うつもりなんだぞ。
風華の手を振り払っていると、ババアがニヤニヤしながら話し掛けてきた。
「仲良いわねぇ。もしかして二人は付き合っているの?」
「はい! 離婚を前提に付き合っています!」
げ、言うのかよ。つーか離婚を前提ってなんだよ。結婚経由していいのかよ。
「おいババア。付き合ってること他のやつにバラすなよ。風華は有名人なんだからな」
「大丈夫よぉ。友達いないからぁ」
ギャハハ! さすが俺の親だぜ!
……はぁ、虚しい一族だよ。
「ところで二人はもうヤッたの?」
はぁぁ!? お前は何を聞いとんじゃあ! ノンデリ過ぎるだろ!
風華は何のことか疑問に思っていた。ふぅ、純粋で助かったぜ。
が、風華がゲーム機をチラリと見た。お、おい、まさか……。
「はい! 会ったら毎回やってますよ!」
バカ! ゲームと勘違いしてんじゃねぇ!
「まぁ! 空雄ちゃん下手じゃなぁい?」
「下手ですけど頑張ってますからねぇ。私はマウント取れて気持ちいいです」
やめろやめろ。微妙に噛み合うな。
「あらぁ風華ちゃんは優しいのねぇ。でもここ壁薄いから声には気をつけるのよぉ?」
「はい! 気を付けてます! たまに興奮しすぎて大声出ちゃいますけど」
余計な一言を足すな!
「あらあらぁ。お邪魔しちゃうと悪いから今度から帰る時は連絡するわねぇ」
「大丈夫ですよ。なんなら外でやりますから。外でやると背徳感があって興奮するんですよ」
「あらまっ、お盛んねぇ」
もうやめろー!
その後、話題が切り替わって誤解が解けぬまま会話が終わった。
その頃には俺の体は汗でベトベトだった。
風華と結婚したら毎日こんな嫁姑の地獄漫才じみた会話聞かされそうだ。
いや、結婚しないけどな!
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