23 / 25
序章 出会い編
第22話 襲われてる!?/襲う!
しおりを挟む
※数時間後
私達は十分話し合った後、すぐに外に出て行かなかった。何故なら、最後の部屋には左右にも部屋があったからだ。気になって調べてみたら、驚くべき発見があった。
右の部屋には、人が住んでいた跡があった。平らな石造りの床に、いろんな家具が置いてあり、書類や本が並べられた本棚がある。ここは、初代様の家か隠れ家だったのかな? 疑問に思った私達は本棚の書類や本を調べてみて、ものすごい発見をしてしまった。
「ゼクト、これ日記みたいだけど、どうやらここって初代様たちのアジトだったみたい」
「ここが? わざわざダンジョンの奥に隠れ家を作ったのか?」
「順序が逆。隠れ家をそのままダンジョンの最後の部屋にしたのよ」
「あ~あ、なるほど~。流用ってやつか。ん? それじゃ、この地図はなんだろ?」
ゼクトの見ていたのは地図。何やら目印が書いてある。目印の数は九つ……九つ!? もしかして!?
「それってもしかして、初代様のダンジョンの位置を示してるんじゃないの!?」
「え!? まじで!? そういや、この場所と地図の目印の位置が一致してる!」
「だとしたら間違いないわ! この目印を目指せば初代様のダンジョンに行けるわ!」
「やったぜ! もう手掛かりが手に入った! ……こんなとこにもあんのかよ」
「あれ? どうかしたの?」
「いや、何でもない。他に何があるのか探そうぜ」
この後見つけたのは過去の世界の魔法や技術についての書物! しかも、超禁術シリーズの原点に繋がる魔法の試行錯誤の記録まで! ああ、もう! ここは宝の山だわ!
「すごい! すごすぎる! ここは知識の宝が詰まってるわ! 生きててよかった~!」
「……ヤバいもん見た気がする、けどな……ところで、左の部屋は何があるんだ?」
「そうね~、もう疲れちゃったけど、左も見てみる? 危険は感じないし」
「……危険がないなら見てみようぜ。その後で寝よう」
左の部屋は別の意味で驚かされてしまった。そこで私達が見たものは……
「お、お、温泉だー!」
「温泉? 温泉……! これが!?」
ゼクトは興奮して『温泉』だと言って、私も後から気づいた。そう、温泉が湧いていたのだ! 私は初めて見るから分からなかったけど、これが温泉か! 気持ちよさそう!
「奇跡だ! ここで温泉があるなんてよ! 疲れた日に温泉に入れるなんて最高じゃねえか!」
「入るのゼクト?」
「あったりまえだろ! やすむのにうってつけだ、使わない手はない!」
「っ! そうね! 入りましょう!」
ゼクトは疲れた体を癒すために温泉に入るが、私は全く別の狙いで入ることにした。ここには私たち二人しかいない。そこに温泉があり、寝所がある。……ということで!
「「初代魔王様、使わせていただきます!」」
※…………
ゼクトが先に温泉に入ることになったが、私はそんなことは納得しない。ゼクトが温泉に入っている間に私も服を脱ぐ。そして、
「ゼクトー、湯加減はどおー?」
「ん? おお、ちょうどいいぞー。てか、最高だぞー」
「そう、良かった。それじゃあ、私も今から入るわねー」
「おう! 分かっ……え?」
ためらいなく、左の部屋の温泉を目指す。
ガタンッ
温泉に肩まで浸かっているゼクトの姿がある。後頭部だけど。
「本当に湯加減はよさそうね!」
「っ!?」
ゼクトが勢いよく、こちらを振り返った。すると……
「きっ、きぃいいやぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
かわいらしい悲鳴が響きだした。
「もう! どうしてそんな悲鳴を上げるのよ! 驚きすぎでしょ?」
「ミミミミミミ、ミエダっ!? お、おまっ、なんで!?」
「一緒に入りたいんだけど?」
「だっ、だけど、何で、はっ、裸!? タオルは!?」
「汚いタオルなんて拭くのは仕方ないけど体に巻きたくないんだけど?」
「ええー!?」
普通なら巻くんだろうけどそんな気になれない。ゼクトと繋がるのに邪魔だから。
「そう照れることないでしょ。こういうのはこれから慣れていかないと大変でしょ」
「ミ、ミエダ!? それで……」
「ついでに寝るときも一緒のベッドよ。異論は認めません。私達はコンビ、パートナーなんでしょ『アニキ』」
「っ!」
外に出る前に『アニキ』って呼んじゃった。外に出てからと決めてたのに。でも、そんなことはいいか。私はこれから、ゼクトを襲うんだから。
「ねえゼクト」
「はい!」
「もっと私を見てよ」
「はい!?」
「私はゼクトのものなんだからさぁ」
「は、は、は……?」
私は湯船から立ち上がり、ゼクトの目の前に移動した。ゼクトの姿は、結構鍛えられていて所々に小さな傷がある。私に出会う前のものと出会った後(怪人戦後)のものだろう。逞しく見えて惚れ惚れする。私の理性がもう持ちそうにない!
「ゼクト……もう我慢できない!」
「ミ、ミエ……!」
我慢できなくなった私は思いっきり抱き着いた! 若くして鍛えられた体の感触が直に感じる。硬く、それでいて人のぬくもりを感じる。胸が熱くなる。下のほうも……。
うまく考えがまとまらない私は、そのままゼクトの顔を引き寄せ口づけを交わす。
そして、頭の中で何かが外れる音がした。
※…………
この後、私は『女』になった。
私達は十分話し合った後、すぐに外に出て行かなかった。何故なら、最後の部屋には左右にも部屋があったからだ。気になって調べてみたら、驚くべき発見があった。
右の部屋には、人が住んでいた跡があった。平らな石造りの床に、いろんな家具が置いてあり、書類や本が並べられた本棚がある。ここは、初代様の家か隠れ家だったのかな? 疑問に思った私達は本棚の書類や本を調べてみて、ものすごい発見をしてしまった。
「ゼクト、これ日記みたいだけど、どうやらここって初代様たちのアジトだったみたい」
「ここが? わざわざダンジョンの奥に隠れ家を作ったのか?」
「順序が逆。隠れ家をそのままダンジョンの最後の部屋にしたのよ」
「あ~あ、なるほど~。流用ってやつか。ん? それじゃ、この地図はなんだろ?」
ゼクトの見ていたのは地図。何やら目印が書いてある。目印の数は九つ……九つ!? もしかして!?
「それってもしかして、初代様のダンジョンの位置を示してるんじゃないの!?」
「え!? まじで!? そういや、この場所と地図の目印の位置が一致してる!」
「だとしたら間違いないわ! この目印を目指せば初代様のダンジョンに行けるわ!」
「やったぜ! もう手掛かりが手に入った! ……こんなとこにもあんのかよ」
「あれ? どうかしたの?」
「いや、何でもない。他に何があるのか探そうぜ」
この後見つけたのは過去の世界の魔法や技術についての書物! しかも、超禁術シリーズの原点に繋がる魔法の試行錯誤の記録まで! ああ、もう! ここは宝の山だわ!
「すごい! すごすぎる! ここは知識の宝が詰まってるわ! 生きててよかった~!」
「……ヤバいもん見た気がする、けどな……ところで、左の部屋は何があるんだ?」
「そうね~、もう疲れちゃったけど、左も見てみる? 危険は感じないし」
「……危険がないなら見てみようぜ。その後で寝よう」
左の部屋は別の意味で驚かされてしまった。そこで私達が見たものは……
「お、お、温泉だー!」
「温泉? 温泉……! これが!?」
ゼクトは興奮して『温泉』だと言って、私も後から気づいた。そう、温泉が湧いていたのだ! 私は初めて見るから分からなかったけど、これが温泉か! 気持ちよさそう!
「奇跡だ! ここで温泉があるなんてよ! 疲れた日に温泉に入れるなんて最高じゃねえか!」
「入るのゼクト?」
「あったりまえだろ! やすむのにうってつけだ、使わない手はない!」
「っ! そうね! 入りましょう!」
ゼクトは疲れた体を癒すために温泉に入るが、私は全く別の狙いで入ることにした。ここには私たち二人しかいない。そこに温泉があり、寝所がある。……ということで!
「「初代魔王様、使わせていただきます!」」
※…………
ゼクトが先に温泉に入ることになったが、私はそんなことは納得しない。ゼクトが温泉に入っている間に私も服を脱ぐ。そして、
「ゼクトー、湯加減はどおー?」
「ん? おお、ちょうどいいぞー。てか、最高だぞー」
「そう、良かった。それじゃあ、私も今から入るわねー」
「おう! 分かっ……え?」
ためらいなく、左の部屋の温泉を目指す。
ガタンッ
温泉に肩まで浸かっているゼクトの姿がある。後頭部だけど。
「本当に湯加減はよさそうね!」
「っ!?」
ゼクトが勢いよく、こちらを振り返った。すると……
「きっ、きぃいいやぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
かわいらしい悲鳴が響きだした。
「もう! どうしてそんな悲鳴を上げるのよ! 驚きすぎでしょ?」
「ミミミミミミ、ミエダっ!? お、おまっ、なんで!?」
「一緒に入りたいんだけど?」
「だっ、だけど、何で、はっ、裸!? タオルは!?」
「汚いタオルなんて拭くのは仕方ないけど体に巻きたくないんだけど?」
「ええー!?」
普通なら巻くんだろうけどそんな気になれない。ゼクトと繋がるのに邪魔だから。
「そう照れることないでしょ。こういうのはこれから慣れていかないと大変でしょ」
「ミ、ミエダ!? それで……」
「ついでに寝るときも一緒のベッドよ。異論は認めません。私達はコンビ、パートナーなんでしょ『アニキ』」
「っ!」
外に出る前に『アニキ』って呼んじゃった。外に出てからと決めてたのに。でも、そんなことはいいか。私はこれから、ゼクトを襲うんだから。
「ねえゼクト」
「はい!」
「もっと私を見てよ」
「はい!?」
「私はゼクトのものなんだからさぁ」
「は、は、は……?」
私は湯船から立ち上がり、ゼクトの目の前に移動した。ゼクトの姿は、結構鍛えられていて所々に小さな傷がある。私に出会う前のものと出会った後(怪人戦後)のものだろう。逞しく見えて惚れ惚れする。私の理性がもう持ちそうにない!
「ゼクト……もう我慢できない!」
「ミ、ミエ……!」
我慢できなくなった私は思いっきり抱き着いた! 若くして鍛えられた体の感触が直に感じる。硬く、それでいて人のぬくもりを感じる。胸が熱くなる。下のほうも……。
うまく考えがまとまらない私は、そのままゼクトの顔を引き寄せ口づけを交わす。
そして、頭の中で何かが外れる音がした。
※…………
この後、私は『女』になった。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
凶器は透明な優しさ
楓
恋愛
入社5年目の岩倉紗希は、新卒の女の子である姫野香代の教育担当に選ばれる。
初めての後輩に戸惑いつつも、姫野さんとは良好な先輩後輩の関係を築いていけている
・・・そう思っていたのは岩倉紗希だけであった。
姫野の思いは岩倉の思いとは全く異なり
2人の思いの違いが徐々に大きくなり・・・
そして心を殺された
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる