11 / 25
序章 出会い編
第10話 腹の音?/お腹すいた……
しおりを挟む
「「うわあああああああああああああああああああああああ!!」」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」」
今、俺達は魔物の大群に追われている。でっかいトカゲが二足歩行で走ってきたと最初は思ったが、ミエダによると翼が無い『ドラゴン』らしい。しかもあの大きさで、通常よりもずっと小型のサイズだと…………あの大きさで!?
ドラゴンは上級の魔物に属し、中には人間に匹敵する知能を持つものもいると言われているが、生息地が少ないから滅多に出くわすことは無いのだが、残念なことにその少ない生息地がこのダンジョンにあったようだ。しかも大群。
何でこんな状況になったのかというと、下の階に進み続けて10階層のところまで来た頃にさかのぼる。それまでは最初の時と同じように何もなかったんだ。だけど、その10階層では森が広がっていたのだ。しかも、昼みたいに明るくて大きな生物の鳴き声すら聞こえる。先が見えないほど広い空間についたと知った俺たちは、呆然としてしまった。そのすきを突くかのように、魔物の大群に襲われて今に至る。魔物のくせに卑怯な!
「くそお! いきなり魔物の大群が相手かよ! ふざけやがって!」
「と、とにかく! あいつらを倒さないと! ゼクト、走りながら魔法を打てる!?」
「できる! そういう訓練もしたからな!」
「なら一緒にやりましょう! わが怒りは火に変わり敵を打つ! 憎悪魔法・ファイヤーシューティング!」
「チェイサースラッシュ !」
ボオオオオオオオ!! ザクッ! ザクッ! ザクッ!
「「「グ!? グルアアアアアアアアアアアア!?」」」
ミエダの手から火の玉が放たれた。しかもすごい速さで、トカゲ……じゃなくて羽無しドラゴンに直撃していく! 俺のチェイサースラッシュも敵を切り刻む! やったぜ!
「「「ギッギエエエエエエエエエエエエエエエ!!」」」ッ
「やった! 半分くらい倒れたぞ!」
「この調子ね! さあ! あと一押し……あれ?」
「え? あいつら逃げていく?」
「「「ギエエエエエエエエエエエエエエエエエエエン!!」」」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
倒れた仲間(死亡済み)を残して羽無しドラゴンたちは逃げて行った。でかい割には大したことなかったみたいだ。これで一安心!
「ふう、いきなり出てきた割には、案外、楽に倒せたな」
「ええ。あの様子ならもうかかってこないでしょうね」
「にしても、まさかこんな森が出てくるとはなあ。ここからやっと本格的な戦いを強いられるんだろうな」
「ええ。だから気を引き締めていかないと……」
キュウ~
んん? ミエダの言葉を遮るような腹の音が鳴った。俺ではない……だとしたらまさか!? 俺が気付いた時、ミエダの顔が耳まで真っ赤になった。
「……あ、あの~、さっき気を引き締めないとって言ったのは……」
「こっ、これは仕方のないことよ!! もう、何時間もダンジョンの中にいるんだから!! ゼクトだってお腹すいてるんじゃないの!? そうでしょ!! そういってよ!!」
ミエダは必死になって言いくるめようとしている。涙目で顔が真っ赤なままだ。女の子なのに腹の音を聞かれたらそれは……くっ、笑うな俺! 笑ったら多分殺される! どうにか論点をずらさねば!
「ま、まあ、確かに言われてみれば、俺もなんか食いたい気分になったな……」
「そ、そうでしょ! あ、そうだ! さっき倒したドラゴンを調理して食べましょう! 休憩を兼ねて食事よ! さあ、行くわよ!」
「え? あ、おいちょっと! 待ってくれよ! そんなに急がなくても……」
グゥ~
あ、今頃、俺の腹が鳴った。すでにミエダは俺から離れて料理をしようとしていた。それにしてもキュウ~か。かわいらしい音だったな。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」」
今、俺達は魔物の大群に追われている。でっかいトカゲが二足歩行で走ってきたと最初は思ったが、ミエダによると翼が無い『ドラゴン』らしい。しかもあの大きさで、通常よりもずっと小型のサイズだと…………あの大きさで!?
ドラゴンは上級の魔物に属し、中には人間に匹敵する知能を持つものもいると言われているが、生息地が少ないから滅多に出くわすことは無いのだが、残念なことにその少ない生息地がこのダンジョンにあったようだ。しかも大群。
何でこんな状況になったのかというと、下の階に進み続けて10階層のところまで来た頃にさかのぼる。それまでは最初の時と同じように何もなかったんだ。だけど、その10階層では森が広がっていたのだ。しかも、昼みたいに明るくて大きな生物の鳴き声すら聞こえる。先が見えないほど広い空間についたと知った俺たちは、呆然としてしまった。そのすきを突くかのように、魔物の大群に襲われて今に至る。魔物のくせに卑怯な!
「くそお! いきなり魔物の大群が相手かよ! ふざけやがって!」
「と、とにかく! あいつらを倒さないと! ゼクト、走りながら魔法を打てる!?」
「できる! そういう訓練もしたからな!」
「なら一緒にやりましょう! わが怒りは火に変わり敵を打つ! 憎悪魔法・ファイヤーシューティング!」
「チェイサースラッシュ !」
ボオオオオオオオ!! ザクッ! ザクッ! ザクッ!
「「「グ!? グルアアアアアアアアアアアア!?」」」
ミエダの手から火の玉が放たれた。しかもすごい速さで、トカゲ……じゃなくて羽無しドラゴンに直撃していく! 俺のチェイサースラッシュも敵を切り刻む! やったぜ!
「「「ギッギエエエエエエエエエエエエエエエ!!」」」ッ
「やった! 半分くらい倒れたぞ!」
「この調子ね! さあ! あと一押し……あれ?」
「え? あいつら逃げていく?」
「「「ギエエエエエエエエエエエエエエエエエエエン!!」」」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
倒れた仲間(死亡済み)を残して羽無しドラゴンたちは逃げて行った。でかい割には大したことなかったみたいだ。これで一安心!
「ふう、いきなり出てきた割には、案外、楽に倒せたな」
「ええ。あの様子ならもうかかってこないでしょうね」
「にしても、まさかこんな森が出てくるとはなあ。ここからやっと本格的な戦いを強いられるんだろうな」
「ええ。だから気を引き締めていかないと……」
キュウ~
んん? ミエダの言葉を遮るような腹の音が鳴った。俺ではない……だとしたらまさか!? 俺が気付いた時、ミエダの顔が耳まで真っ赤になった。
「……あ、あの~、さっき気を引き締めないとって言ったのは……」
「こっ、これは仕方のないことよ!! もう、何時間もダンジョンの中にいるんだから!! ゼクトだってお腹すいてるんじゃないの!? そうでしょ!! そういってよ!!」
ミエダは必死になって言いくるめようとしている。涙目で顔が真っ赤なままだ。女の子なのに腹の音を聞かれたらそれは……くっ、笑うな俺! 笑ったら多分殺される! どうにか論点をずらさねば!
「ま、まあ、確かに言われてみれば、俺もなんか食いたい気分になったな……」
「そ、そうでしょ! あ、そうだ! さっき倒したドラゴンを調理して食べましょう! 休憩を兼ねて食事よ! さあ、行くわよ!」
「え? あ、おいちょっと! 待ってくれよ! そんなに急がなくても……」
グゥ~
あ、今頃、俺の腹が鳴った。すでにミエダは俺から離れて料理をしようとしていた。それにしてもキュウ~か。かわいらしい音だったな。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる
グリゴリ
ファンタジー
『旧タイトル』万能者、Sランクパーティーを追放されて、職業が進化したので、新たな仲間と共に無双する。
『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる』【書籍化決定!!】書籍版とWEB版では設定が少し異なっていますがどちらも楽しめる作品となっています。どうぞ書籍版とWEB版どちらもよろしくお願いします。
2023年7月18日『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる2』発売しました。
主人公のクロードは、勇者パーティー候補のSランクパーティー『銀狼の牙』を器用貧乏な職業の万能者で弱く役に立たないという理由で、追放されてしまう。しかしその後、クロードの職業である万能者が進化して、強くなった。そして、新たな仲間や従魔と無双の旅を始める。クロードと仲間達は、様々な問題や苦難を乗り越えて、英雄へと成り上がって行く。※2021年12月25日HOTランキング1位、2021年12月26日ハイファンタジーランキング1位頂きました。お読み頂き有難う御座います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる