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128.口調?
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そんなザンタに宰相が友として笑顔で諭す。
「そういうことですよザンタ殿。ソノーザ家という大きな家が取り潰された今、我が国の貴族間の勢力図は大きく変わることでしょう。貴方ならお分かりになるはずですよ」
「クラマ……」
確かに、大罪人だったとはいえソノーザ家は大貴族だ。そんな家が取り潰されればクラマの言う通り貴族間の勢力図は大きく変化、いや荒れるだろう。それを抑える役目を担うのも王家の仕事でもあるのだが、元王太子が王位継承権を剥奪された今の王家では不安が残ってしまうのは間違いない。廃嫡誰された第一王子を見れば一目瞭然だ。
「今は一人でも有能で信頼できる貴族が必要なのです。また学生の頃のように頼りない我が君を助けていただきませんか、ザンタさん」
「…………」
宰相のクラマにそんな風に言われてザンタの頭に若かりし頃の自分たちの姿が移った。変な生徒会長にして王太子だったジンノ。副生徒会長の職にいた自分。当時、お調子者だった書記のクラマ。それに他の生徒会メンバー顔ぶれ。自身の家の冤罪事件以降、もう二度と会うことは無いだろうと思っていた。
「……二人とも、今の私でいいのか?」
ザンタが絞り出すような言葉を吐くと、国王ジンノは傍まで駆け寄ってきて、ザンタに抱き着いた。
「馬鹿野郎! 当たり前だろうが! むしろ俺達が戻ってきてくれと懇願してるんだよ! ……あの時の俺達はあまりにも無力だった! 大人の世界のろくでもない負の部分に負けちまった! お前個人に罪なんて無いって信じてたのに何もできなかった! ……お前が商人として成功したって聞いた時は深く驚いたし嬉しかったんだ。俺が王になった後、消息が分からなくて心配していたんだ。望むなら援助してやるつもりだったのに、平民になっても自力でここまで成り上がって……ああ、ちきしょう! もう何言ったらいいか分かんねえよ!」
とても国王の口調とは思えない口調で叫ぶように語る国王ジンノ。どうやら学生時代のことを思い出したせいで無意識に素の口が出てしまっているようだ。
それがザンタにとって重い腰を上げるきっかけになった。
「は、ははは、立派な国王になったと聞いてたけど、根っこのところは変わってないじゃないか……変な王族のままだったんだな……。これは心配になってきたじゃないか、しょうがない我が君だ……」
笑みを浮かべるザンタは、ジンノを一旦引き離すとその場で跪いた。そしてその場で宣言する。
「ジンノ……国王陛下。私、ザンタ・メイ・ミークは国王陛下のご厚意を喜んでお受けし、辺境伯位に復帰します! 必ずや辺境伯にふさわしい功績を上げて陛下のお力になることを誓います!」
「ザンタ! よくぞ申してくれた!」
「ザンタさん!」
「「「「「おおおおおおおおおお!」」」」」
国王は膝をついてザンタの肩をがっしり掴んだ。宰相は目に涙すら浮かべた。その姿を見た多くの者たちが心を打たれた。誰もが思わず、盛大な拍手を行った。王族も貴族も平民も関係なく。
王妃エリザベスもその一人だった。
「こんな日が来るなんて………思いませんでしたわ………」
涙を流し始めた王妃、そんな母親を見て子供たちも冷静になった。
「母上………」
「お袋……」
「母上は知ってたんだ……」
「そうです。これは私たちが考えました。あの事件で私たちは何もできませんでした………ですが………今日やっと……!」
王妃にとってもザンタは取り巻きとして頼れる存在だったのだ。それが元のさやに戻ると思うと、感極まった王妃はもはや言葉で表現できなくなっていた。王妃の目から多くの涙がこぼれ続けるが口元を抑えて何も言えなくなっていた。それだけ喜ぶべきことだったのだ。
「そういうことですよザンタ殿。ソノーザ家という大きな家が取り潰された今、我が国の貴族間の勢力図は大きく変わることでしょう。貴方ならお分かりになるはずですよ」
「クラマ……」
確かに、大罪人だったとはいえソノーザ家は大貴族だ。そんな家が取り潰されればクラマの言う通り貴族間の勢力図は大きく変化、いや荒れるだろう。それを抑える役目を担うのも王家の仕事でもあるのだが、元王太子が王位継承権を剥奪された今の王家では不安が残ってしまうのは間違いない。廃嫡誰された第一王子を見れば一目瞭然だ。
「今は一人でも有能で信頼できる貴族が必要なのです。また学生の頃のように頼りない我が君を助けていただきませんか、ザンタさん」
「…………」
宰相のクラマにそんな風に言われてザンタの頭に若かりし頃の自分たちの姿が移った。変な生徒会長にして王太子だったジンノ。副生徒会長の職にいた自分。当時、お調子者だった書記のクラマ。それに他の生徒会メンバー顔ぶれ。自身の家の冤罪事件以降、もう二度と会うことは無いだろうと思っていた。
「……二人とも、今の私でいいのか?」
ザンタが絞り出すような言葉を吐くと、国王ジンノは傍まで駆け寄ってきて、ザンタに抱き着いた。
「馬鹿野郎! 当たり前だろうが! むしろ俺達が戻ってきてくれと懇願してるんだよ! ……あの時の俺達はあまりにも無力だった! 大人の世界のろくでもない負の部分に負けちまった! お前個人に罪なんて無いって信じてたのに何もできなかった! ……お前が商人として成功したって聞いた時は深く驚いたし嬉しかったんだ。俺が王になった後、消息が分からなくて心配していたんだ。望むなら援助してやるつもりだったのに、平民になっても自力でここまで成り上がって……ああ、ちきしょう! もう何言ったらいいか分かんねえよ!」
とても国王の口調とは思えない口調で叫ぶように語る国王ジンノ。どうやら学生時代のことを思い出したせいで無意識に素の口が出てしまっているようだ。
それがザンタにとって重い腰を上げるきっかけになった。
「は、ははは、立派な国王になったと聞いてたけど、根っこのところは変わってないじゃないか……変な王族のままだったんだな……。これは心配になってきたじゃないか、しょうがない我が君だ……」
笑みを浮かべるザンタは、ジンノを一旦引き離すとその場で跪いた。そしてその場で宣言する。
「ジンノ……国王陛下。私、ザンタ・メイ・ミークは国王陛下のご厚意を喜んでお受けし、辺境伯位に復帰します! 必ずや辺境伯にふさわしい功績を上げて陛下のお力になることを誓います!」
「ザンタ! よくぞ申してくれた!」
「ザンタさん!」
「「「「「おおおおおおおおおお!」」」」」
国王は膝をついてザンタの肩をがっしり掴んだ。宰相は目に涙すら浮かべた。その姿を見た多くの者たちが心を打たれた。誰もが思わず、盛大な拍手を行った。王族も貴族も平民も関係なく。
王妃エリザベスもその一人だった。
「こんな日が来るなんて………思いませんでしたわ………」
涙を流し始めた王妃、そんな母親を見て子供たちも冷静になった。
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「お袋……」
「母上は知ってたんだ……」
「そうです。これは私たちが考えました。あの事件で私たちは何もできませんでした………ですが………今日やっと……!」
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