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201.ワカマリナ視点/夢の中
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(ワカマリナ視点)
……わたくしの目の前で不可解なことが起こっていますの。
「あんたが馬鹿なことばっかりするからこんなことになったのよ! どうしてくれるのよ!」
「こんな大馬鹿者だったとは思わなかった! お前なんぞ甘やかすのではなかった!」
わたくしを愛してくれる両親が揃ってわたくしに向かって罵詈雑言を飛ばします。ありえないですわ?
「ちょっと! 私達の話を聞きなさいよブス!」
「太った挙げ句、顔までおかしくなりおって豚娘め!」
ましてや、わたくしのことを醜いだなんて言うはずがありません。どうしてこんな事になっているのでしょう?
少しずつ 少しずつ過去を思い返してみましょう。
……あの時、怒ったわたくしはお姉さまに立ち向かおうとしたら、お姉さまじゃなくて別の人で、それなのにお腹を殴られて気を失ったのです。人違いをしただけで殴るなんて乱暴な人ですわね。
気を失っている間に王宮に連れ戻されて、兵士たちに無理やり牢屋に入れられたのですね。……まるで罪人のように扱われて怖くて悔しいですわ。
きっと、わたくしは夢を見ている。それも悪夢を見ているんだと思い、わたくしは目をつぶって眠るのです。起きた後は幸せな現実が待っていると思って……。
それなのに目を覚ましたら、両親がわたくしを攻めるなんてあんまりですわ!
……きっと、わたくしはまだ夢の中なのですわね。絶対にそうですわ。だって、わたくしの見るべき現実は、悪に落ちたお姉さまが成敗されて、わたくしとアクサン様が幸せになるはずですから。
◇
二、三日位経った後のことです。わたくしたちは裁判所に連れてこられました。なんでも「王前裁判」とかいうのをやるんだとか。それで何故わたくしたちが?
「皆静粛に。これより、王前裁判を執り行う」
あ、あの人知っています。アクサン様のお父様、つまり国王様ですわ。そんな人が裁判ってことは……もしかして、これはわたくしたちの裁判? きっとそうですわ。遂にお姉さまが断罪される時が来たのですね。随分遅いではありませんか!
……あれ? でもなんだかおかしいですわ。周りの皆さんはお姉さまではなくわたくしたちを冷たい目で見ているし、お父様もお母様も青ざめた顔でうつむいています。
どうして? お姉さまが断罪されるのですよ? 喜ばしいはずでしょう? わたくしたちは歓迎されるべきたちばのはずでしょう? 皆さんの様子がおかしいのでわたくしが言ってやりますの。
「皆様! 遂に悪しき我が姉が……モゴモゴっ!?」
わたくしがお姉さまの名前を言おうとした直後、兵士の人が無礼にもわたくしの口を抑えだしますた。何をするのですか! 汚い手で触らないでくださいな!
◇
……屈辱です。わたくしは猿轡を噛まされました。おまけに手も縛られて……。
だけど、本当の屈辱はここからでした。何故なら、この裁判そのものが間違っているのです。
なんと、断罪されるのはわたくし達の方だったというのです。しかも、お姉さまが被害者側にいるというのだから立場が全く逆なのです。間違いを指摘したいのに、猿轡のせいで何も言えない……本当に悔しい!
え? 我が家はそんなにお金に困っていたの? 初耳なのですけど?
え? お父様とお母様ってそんな人達でしたの? わたくしの知らないところでそんな……。
ええ!? わたくしの罪状ですって!? ありえませんわ! 確かにお金を使ったり、男の人達と遊んでいたけど、そんな額のお金なんか返せないし、恨まれる覚えはありませんわ!
わたくしは決して悪意で人を陥れたり弄んだりしたことはありません! どうして皆さんそんな怖いお顔をするの? わたくしはみんなに愛されるべき存在のハズ!
……きっと、わたくしは夢の中なのですわね。絶対にそうですわ。だって、わたくしの見るべき現実は……。
……わたくしの目の前で不可解なことが起こっていますの。
「あんたが馬鹿なことばっかりするからこんなことになったのよ! どうしてくれるのよ!」
「こんな大馬鹿者だったとは思わなかった! お前なんぞ甘やかすのではなかった!」
わたくしを愛してくれる両親が揃ってわたくしに向かって罵詈雑言を飛ばします。ありえないですわ?
「ちょっと! 私達の話を聞きなさいよブス!」
「太った挙げ句、顔までおかしくなりおって豚娘め!」
ましてや、わたくしのことを醜いだなんて言うはずがありません。どうしてこんな事になっているのでしょう?
少しずつ 少しずつ過去を思い返してみましょう。
……あの時、怒ったわたくしはお姉さまに立ち向かおうとしたら、お姉さまじゃなくて別の人で、それなのにお腹を殴られて気を失ったのです。人違いをしただけで殴るなんて乱暴な人ですわね。
気を失っている間に王宮に連れ戻されて、兵士たちに無理やり牢屋に入れられたのですね。……まるで罪人のように扱われて怖くて悔しいですわ。
きっと、わたくしは夢を見ている。それも悪夢を見ているんだと思い、わたくしは目をつぶって眠るのです。起きた後は幸せな現実が待っていると思って……。
それなのに目を覚ましたら、両親がわたくしを攻めるなんてあんまりですわ!
……きっと、わたくしはまだ夢の中なのですわね。絶対にそうですわ。だって、わたくしの見るべき現実は、悪に落ちたお姉さまが成敗されて、わたくしとアクサン様が幸せになるはずですから。
◇
二、三日位経った後のことです。わたくしたちは裁判所に連れてこられました。なんでも「王前裁判」とかいうのをやるんだとか。それで何故わたくしたちが?
「皆静粛に。これより、王前裁判を執り行う」
あ、あの人知っています。アクサン様のお父様、つまり国王様ですわ。そんな人が裁判ってことは……もしかして、これはわたくしたちの裁判? きっとそうですわ。遂にお姉さまが断罪される時が来たのですね。随分遅いではありませんか!
……あれ? でもなんだかおかしいですわ。周りの皆さんはお姉さまではなくわたくしたちを冷たい目で見ているし、お父様もお母様も青ざめた顔でうつむいています。
どうして? お姉さまが断罪されるのですよ? 喜ばしいはずでしょう? わたくしたちは歓迎されるべきたちばのはずでしょう? 皆さんの様子がおかしいのでわたくしが言ってやりますの。
「皆様! 遂に悪しき我が姉が……モゴモゴっ!?」
わたくしがお姉さまの名前を言おうとした直後、兵士の人が無礼にもわたくしの口を抑えだしますた。何をするのですか! 汚い手で触らないでくださいな!
◇
……屈辱です。わたくしは猿轡を噛まされました。おまけに手も縛られて……。
だけど、本当の屈辱はここからでした。何故なら、この裁判そのものが間違っているのです。
なんと、断罪されるのはわたくし達の方だったというのです。しかも、お姉さまが被害者側にいるというのだから立場が全く逆なのです。間違いを指摘したいのに、猿轡のせいで何も言えない……本当に悔しい!
え? 我が家はそんなにお金に困っていたの? 初耳なのですけど?
え? お父様とお母様ってそんな人達でしたの? わたくしの知らないところでそんな……。
ええ!? わたくしの罪状ですって!? ありえませんわ! 確かにお金を使ったり、男の人達と遊んでいたけど、そんな額のお金なんか返せないし、恨まれる覚えはありませんわ!
わたくしは決して悪意で人を陥れたり弄んだりしたことはありません! どうして皆さんそんな怖いお顔をするの? わたくしはみんなに愛されるべき存在のハズ!
……きっと、わたくしは夢の中なのですわね。絶対にそうですわ。だって、わたくしの見るべき現実は……。
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