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153.アクサン視点/最悪
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「だあらっしゃあっ!」
ひいいいっ! なんか嬉しそうに叫んだ! なんだなんだ!?
「ぐっああああああ!!」
「ぎゃあああああ!!」
「てっ、手がああああああ!!」
ひええ、あの女、ナイフを使いこなしながら男達を切り刻んでいる! ものすごい速さで手際よく……あれが本当に女なのか!?
「あ、あ……」
「酷いなあ、か弱い乙女にこんな物騒な武器で叩こうだなんて」
ひゃわわ……あっちは何を言い出すんだ!? 奪った棍棒を投げつけやがった! ああ、しかも今度はバールと鉄の棒を両手に持ちだして新たな凶器を持った!
「「このガキぃぃぃぃぃ!」」
あっちも大の大人が二人がかりで立ち向かっている。それなのに嫌な予感が……。
「「だっ、ぶるああああああああああああああ!!」」
当たったああああああ! 男達の顔面にバールと鉄の棒を叩きつけやがった! 男二人が鼻血が出た鼻を抑えてのたうち回っているのに、あ、あの女は……。
「ねえ知ってる? どこかの偉い学者さんの文献によるとね、鼻は嗅覚をつかさどる感覚器官であるから急所の一つには間違いないんだってさ。そんな場所を痛めつけるのはね、さっきショウがやった行為とほぼおなじだってことなんだね。そんなのが顔の真ん中にあるなんて人って弱点が露出してると思うよね」
「「「……」」」
……こんな状況で何を言うんだ? 意味わかんねえ……。
「へえ、そうなんだ。まっ、アタシはそういう小難しいことはよく分かんねえけど」
そして、そっちも何を言う? そんなに余裕があるとでもいうのか? もうなんでもアリなのか? 勘弁してくれよ………。
「テメエ、まるで騎士みてえに戦いやがるな……」
「へえ、分かるのかい?」
今度は剣を持った男がショウの前に出る。もう、誰でもいいからそいつを止めてくれよ!
「もしかして、お前騎士になろうとしてたの? それなのに今はならず者?」
「黙れ! 昔色々あったんだよ! テメエこそその戦い方は騎士のそれじゃねえのかよ!」
ええ!? そうなの!? 私は王子なのに分からなかったぞ! ……まあ、剣術はさぼってたから分からなくても……じゃなくて、なんだそれは卑怯じゃないか! 女で強いのもそのせいか!
「まあ、親父がそうだったからアタシも戦い方はこうなったんだ。詳しいことが言うつもりはねえ。だから尋常に勝負と行こうぜ!」
「ちっ! くそが、男の意地を見せてやらあ!」
男の意地があるってんならさっさと見せてくれよ! そしてその二人を倒してよ!
「これはどう! はあっ!」
「ちいっ! なんて早く……!」
そして、剣とナイフでの打ち合いが始まった。刃と刃が擦れて火花を散らし、ショウが剣を持った男を追い詰めていく……いやいやいやいや、男のほうは何追い詰められてんだよ! 普通、こういう時は逆だろ!? 逆転してよ!
「く、この俺が……こんな……っ!」
「しまいにしようか!」
「何!?」
な、何だ!? ショウの動きが一段と早くなって、もう目にも見えない……!?
「~~~~~っ!?」
「へへへ、剣士との戦いは御無沙汰だったから結構楽しかったぜ!」
さ、最悪だあああああああ! 剣を持った野郎が負けやがった! 何ということだ! これでならず者は私の隣にいるリーダー格の男だけとなってしまった! 何なんだあの二人は!? 用心棒ってこんなに強いというのか!?
ひいいいっ! なんか嬉しそうに叫んだ! なんだなんだ!?
「ぐっああああああ!!」
「ぎゃあああああ!!」
「てっ、手がああああああ!!」
ひええ、あの女、ナイフを使いこなしながら男達を切り刻んでいる! ものすごい速さで手際よく……あれが本当に女なのか!?
「あ、あ……」
「酷いなあ、か弱い乙女にこんな物騒な武器で叩こうだなんて」
ひゃわわ……あっちは何を言い出すんだ!? 奪った棍棒を投げつけやがった! ああ、しかも今度はバールと鉄の棒を両手に持ちだして新たな凶器を持った!
「「このガキぃぃぃぃぃ!」」
あっちも大の大人が二人がかりで立ち向かっている。それなのに嫌な予感が……。
「「だっ、ぶるああああああああああああああ!!」」
当たったああああああ! 男達の顔面にバールと鉄の棒を叩きつけやがった! 男二人が鼻血が出た鼻を抑えてのたうち回っているのに、あ、あの女は……。
「ねえ知ってる? どこかの偉い学者さんの文献によるとね、鼻は嗅覚をつかさどる感覚器官であるから急所の一つには間違いないんだってさ。そんな場所を痛めつけるのはね、さっきショウがやった行為とほぼおなじだってことなんだね。そんなのが顔の真ん中にあるなんて人って弱点が露出してると思うよね」
「「「……」」」
……こんな状況で何を言うんだ? 意味わかんねえ……。
「へえ、そうなんだ。まっ、アタシはそういう小難しいことはよく分かんねえけど」
そして、そっちも何を言う? そんなに余裕があるとでもいうのか? もうなんでもアリなのか? 勘弁してくれよ………。
「テメエ、まるで騎士みてえに戦いやがるな……」
「へえ、分かるのかい?」
今度は剣を持った男がショウの前に出る。もう、誰でもいいからそいつを止めてくれよ!
「もしかして、お前騎士になろうとしてたの? それなのに今はならず者?」
「黙れ! 昔色々あったんだよ! テメエこそその戦い方は騎士のそれじゃねえのかよ!」
ええ!? そうなの!? 私は王子なのに分からなかったぞ! ……まあ、剣術はさぼってたから分からなくても……じゃなくて、なんだそれは卑怯じゃないか! 女で強いのもそのせいか!
「まあ、親父がそうだったからアタシも戦い方はこうなったんだ。詳しいことが言うつもりはねえ。だから尋常に勝負と行こうぜ!」
「ちっ! くそが、男の意地を見せてやらあ!」
男の意地があるってんならさっさと見せてくれよ! そしてその二人を倒してよ!
「これはどう! はあっ!」
「ちいっ! なんて早く……!」
そして、剣とナイフでの打ち合いが始まった。刃と刃が擦れて火花を散らし、ショウが剣を持った男を追い詰めていく……いやいやいやいや、男のほうは何追い詰められてんだよ! 普通、こういう時は逆だろ!? 逆転してよ!
「く、この俺が……こんな……っ!」
「しまいにしようか!」
「何!?」
な、何だ!? ショウの動きが一段と早くなって、もう目にも見えない……!?
「~~~~~っ!?」
「へへへ、剣士との戦いは御無沙汰だったから結構楽しかったぜ!」
さ、最悪だあああああああ! 剣を持った野郎が負けやがった! 何ということだ! これでならず者は私の隣にいるリーダー格の男だけとなってしまった! 何なんだあの二人は!? 用心棒ってこんなに強いというのか!?
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