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52.アクサン視点/婚約破棄
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(アクサン視点)
ワカマリナ・イカゾノス。彼女はとても可愛くて天真爛漫でスタイルもよかった。ハッキリ言って彼女ほど私の好みの女はいないと断言できる。しかも、彼女も私の方に寄り添ってきて、出会ったその日に恋に落ちてしまったのだ。その日からよく会うたびに二人でこっそり遊ぶようになった。そして私は彼女と結婚しようと決めたのだ!
ただ、私には公爵令嬢の婚約者がいた。名前はエリザ・ベスクイン。金髪碧眼で美人だが、このエリザという女は何かと目障りでうるさい女だったんだ。私に好意を抱いてもいなければ、私をもてはやすこともない。それどころか、王子であるこの私に対して上から目線で小言や注意ばかりするし、ろくに笑顔を見せてもくれやしない。しかも、過度な接触を拒むのだ。……なんだよ、婚約者なんだからベッドの上で相手してくれてもいいじゃないかよ!
ワカマリナとエリザは全く逆なのだ。あるべき在り方が! 婚約者の立場が逆なのだ!
そこで私は何とかエリザとの婚約を破棄してやろうと画策することにしたのだ。取り巻きの者達にそのことを相談してみたのだが、あいつらは予想以上の役立たずだった。みんなして「おやめください」とか「どうか考え直してください」だなんて言うんだ。……何言ってんだこいつらは? 何で誰も賛同しないんだよ!
何度言っても命令しても同じようなことばかり言う取り巻きども。どうもこいつらは相手が公爵令嬢だというだけで怖気づいているらしい。お前達の主である私は王族であるというのが分からんのか! ……そこまで言ってやっているというのに、たとえ王族でも公爵家を蔑ろにしたらどうとか、王太子として後ろ盾がなんとやらと難しい話を持ち込みはじめ、挙句には私に仕えるという名誉を捨ててわたしのもとを去ってしまう者がでてくるのだ。どうなってるんだ!?
ワカマリナ以外が私の思うように動いてくれない。いつまでたってもエリザを婚約破棄できないでいた。エリザはクソ忌々しいが私よりも成績優秀で人望も厚く、弱みらしい弱みがない。そう言えば成績に関しても私が「やれば何だってできるはずなんだ!」と言えば、「それはできるのに何もしないという怠惰なことです」などと言われた。本当に嫌な女だ。
だが、そんなエリザとの婚約が破棄されることになる出来事が起こる。それは卒業式の準備という面倒くさくて仕方がない行事をエリザに全て任せてワカマリナと身分を隠して遊びに行った時のことだ。いつものように、適当な宿泊施設でワカマリナと二人きりで戯れていた時に、エリザが突然我々の部屋に入ってきたのだ。更に、エリザは突然のことで呆気のとラレル私とワカマリナが抱き合っている姿を見て、初めて笑みを浮かべだしたのだ。
そして、
「アクサン殿下。貴方との婚約を破棄させていただきます」
あろうことかエリザの方から婚約破棄を申し出てきた。私からではなく、エリザの方からだ。何故、この女の方から婚約を破棄されるのか私には分からなかった。
ワカマリナ・イカゾノス。彼女はとても可愛くて天真爛漫でスタイルもよかった。ハッキリ言って彼女ほど私の好みの女はいないと断言できる。しかも、彼女も私の方に寄り添ってきて、出会ったその日に恋に落ちてしまったのだ。その日からよく会うたびに二人でこっそり遊ぶようになった。そして私は彼女と結婚しようと決めたのだ!
ただ、私には公爵令嬢の婚約者がいた。名前はエリザ・ベスクイン。金髪碧眼で美人だが、このエリザという女は何かと目障りでうるさい女だったんだ。私に好意を抱いてもいなければ、私をもてはやすこともない。それどころか、王子であるこの私に対して上から目線で小言や注意ばかりするし、ろくに笑顔を見せてもくれやしない。しかも、過度な接触を拒むのだ。……なんだよ、婚約者なんだからベッドの上で相手してくれてもいいじゃないかよ!
ワカマリナとエリザは全く逆なのだ。あるべき在り方が! 婚約者の立場が逆なのだ!
そこで私は何とかエリザとの婚約を破棄してやろうと画策することにしたのだ。取り巻きの者達にそのことを相談してみたのだが、あいつらは予想以上の役立たずだった。みんなして「おやめください」とか「どうか考え直してください」だなんて言うんだ。……何言ってんだこいつらは? 何で誰も賛同しないんだよ!
何度言っても命令しても同じようなことばかり言う取り巻きども。どうもこいつらは相手が公爵令嬢だというだけで怖気づいているらしい。お前達の主である私は王族であるというのが分からんのか! ……そこまで言ってやっているというのに、たとえ王族でも公爵家を蔑ろにしたらどうとか、王太子として後ろ盾がなんとやらと難しい話を持ち込みはじめ、挙句には私に仕えるという名誉を捨ててわたしのもとを去ってしまう者がでてくるのだ。どうなってるんだ!?
ワカマリナ以外が私の思うように動いてくれない。いつまでたってもエリザを婚約破棄できないでいた。エリザはクソ忌々しいが私よりも成績優秀で人望も厚く、弱みらしい弱みがない。そう言えば成績に関しても私が「やれば何だってできるはずなんだ!」と言えば、「それはできるのに何もしないという怠惰なことです」などと言われた。本当に嫌な女だ。
だが、そんなエリザとの婚約が破棄されることになる出来事が起こる。それは卒業式の準備という面倒くさくて仕方がない行事をエリザに全て任せてワカマリナと身分を隠して遊びに行った時のことだ。いつものように、適当な宿泊施設でワカマリナと二人きりで戯れていた時に、エリザが突然我々の部屋に入ってきたのだ。更に、エリザは突然のことで呆気のとラレル私とワカマリナが抱き合っている姿を見て、初めて笑みを浮かべだしたのだ。
そして、
「アクサン殿下。貴方との婚約を破棄させていただきます」
あろうことかエリザの方から婚約破棄を申し出てきた。私からではなく、エリザの方からだ。何故、この女の方から婚約を破棄されるのか私には分からなかった。
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