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第16話 おやすみなさい/おはよう
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~~ホワイトサイド~~
……つ、遂に、宿の手続きを取って、宿の部屋に入ってしまった! 親父やお袋にも泊めてもらったことが無かったのに! ……いやいや、何言ってんだよ俺。そういうことじゃなくてさ、ほら、初めて女の子と二人でお泊りだぞ! ……いやそれも違うな、初めて一緒に泊ったのは初代魔王の部屋だったから……あ~畜生! 考えがまとまらねえ!
「う、上手くいったな!」
「え、ええ!」
うう……、お互いぎこちなくなってるな。マズいぞ。ここはあくまでも宿に過ぎない。つまり、休息する場所であり緊張するべきじゃないんだ。今日は道に迷って魔物を数匹倒しただけで激しく疲労したわけじゃない。ついでに暴漢を倒したけど大した相手じゃないよな。
「と、とりあえず、今日はもう寝よう! な?」
「そ、そうよね!」
俺と相棒は早速ベッドに入る。……悪くないベッドだ。程よくフカフカで手入れも欠かしていないようだ。これなら安心できる。心地よく眠れるだろうな。
「それじゃあ」
「また、明日ね」
「「おやすみなさい!」」
パチッ
蝋燭の明かりを消して暗くする。明日の予定は決めてないが、今日はもういいだろう。
ん? 何だ? すぐ横になんか違和感を感じる。気のせいかな?
「…………」
誰もが寝静まったであろう真夜中、周りで騒ぎが起こったような感じもない。ミエダの気配もすぐ横に感じるのだから違和感は気のせいだろうな。寝直そう。
……この時はそう思ったけど、ミエダの気配がすぐ横に感じるということに気付かなかった俺は本当に寝ぼけてたな。
~~ブラックサイド~~
アニキはもう寝たみたいね。この時を待ってたわ。
「ふふふ」
さて、私はもうそろそろ本当の寝床に移動しないとね。ベッドから静かに起き上がり、私はアニキのベッドに近づいていく。
「…………」
アニキの、ゼクトの寝顔を間近で見られる。ふふふ、最高! 愛する人の寝顔を堪能できるのは嬉しいけど私も眠らないと。すぐ横で。
「…………」
そ~っと布団をめくり、スペースを確保する。そこに入り込んで一緒に寝ている状況を作る。ふふふ、これでぐっすり眠れるわ。少し興奮しないでもないけど、間違いなく一番安心できる。いいえ、この場合は安眠ね。
※朝
「ん、んん……?」
もう朝か。カーテンから朝日が漏れているのが分かる。今日は快晴かな?
「ん、朝……?」
「あ、起きた?」
アニキも起きた。
「ああ、おはよう……って、ええええええ!?」
「あら? どうかした?」
「な、な、な、なんでこっちのベッドに!? しかも裸で!?」
あ、そういえば私、今は服脱いでたんだっけ。雰囲気を出すために。
「そのほうが安眠できそうだったの、ふふふ」
「あ、安眠って、裸で、裸で!?」
「顔が真っ赤だけで私の裸何て今更でしょ?」
「っ!」
アニキが私の裸を見たのは初代様の温泉に一緒に入った時が最初だ。その後で一緒にベッドに入って……あらやだ! 私まで顔が赤くなりそう!
「い、一緒に寝たかったのなら最初からそう言えよ!」
「ふふふ、そうするわ」
「それと、俺と、その、そういうことしたいときは……」
「もちろん言うわ。あ、でも、まだ冒険したいから妊娠しないよう気を付けるから安心して」
「~~~~っ!!」
アニキの顔が耳まで真っ赤っかになっちゃった。物凄く可愛らしい反応ね。
「と、とにかく! 服着てくれ! その後で朝飯だ!」
「そうね、朝ご飯きちんと食べないと体に悪いからね」
私は自分のベッドの上にある自分の服を着る。気にしてるのかアニキは後ろを向いているけど、見たいなら見てくれればいいのに。
……つ、遂に、宿の手続きを取って、宿の部屋に入ってしまった! 親父やお袋にも泊めてもらったことが無かったのに! ……いやいや、何言ってんだよ俺。そういうことじゃなくてさ、ほら、初めて女の子と二人でお泊りだぞ! ……いやそれも違うな、初めて一緒に泊ったのは初代魔王の部屋だったから……あ~畜生! 考えがまとまらねえ!
「う、上手くいったな!」
「え、ええ!」
うう……、お互いぎこちなくなってるな。マズいぞ。ここはあくまでも宿に過ぎない。つまり、休息する場所であり緊張するべきじゃないんだ。今日は道に迷って魔物を数匹倒しただけで激しく疲労したわけじゃない。ついでに暴漢を倒したけど大した相手じゃないよな。
「と、とりあえず、今日はもう寝よう! な?」
「そ、そうよね!」
俺と相棒は早速ベッドに入る。……悪くないベッドだ。程よくフカフカで手入れも欠かしていないようだ。これなら安心できる。心地よく眠れるだろうな。
「それじゃあ」
「また、明日ね」
「「おやすみなさい!」」
パチッ
蝋燭の明かりを消して暗くする。明日の予定は決めてないが、今日はもういいだろう。
ん? 何だ? すぐ横になんか違和感を感じる。気のせいかな?
「…………」
誰もが寝静まったであろう真夜中、周りで騒ぎが起こったような感じもない。ミエダの気配もすぐ横に感じるのだから違和感は気のせいだろうな。寝直そう。
……この時はそう思ったけど、ミエダの気配がすぐ横に感じるということに気付かなかった俺は本当に寝ぼけてたな。
~~ブラックサイド~~
アニキはもう寝たみたいね。この時を待ってたわ。
「ふふふ」
さて、私はもうそろそろ本当の寝床に移動しないとね。ベッドから静かに起き上がり、私はアニキのベッドに近づいていく。
「…………」
アニキの、ゼクトの寝顔を間近で見られる。ふふふ、最高! 愛する人の寝顔を堪能できるのは嬉しいけど私も眠らないと。すぐ横で。
「…………」
そ~っと布団をめくり、スペースを確保する。そこに入り込んで一緒に寝ている状況を作る。ふふふ、これでぐっすり眠れるわ。少し興奮しないでもないけど、間違いなく一番安心できる。いいえ、この場合は安眠ね。
※朝
「ん、んん……?」
もう朝か。カーテンから朝日が漏れているのが分かる。今日は快晴かな?
「ん、朝……?」
「あ、起きた?」
アニキも起きた。
「ああ、おはよう……って、ええええええ!?」
「あら? どうかした?」
「な、な、な、なんでこっちのベッドに!? しかも裸で!?」
あ、そういえば私、今は服脱いでたんだっけ。雰囲気を出すために。
「そのほうが安眠できそうだったの、ふふふ」
「あ、安眠って、裸で、裸で!?」
「顔が真っ赤だけで私の裸何て今更でしょ?」
「っ!」
アニキが私の裸を見たのは初代様の温泉に一緒に入った時が最初だ。その後で一緒にベッドに入って……あらやだ! 私まで顔が赤くなりそう!
「い、一緒に寝たかったのなら最初からそう言えよ!」
「ふふふ、そうするわ」
「それと、俺と、その、そういうことしたいときは……」
「もちろん言うわ。あ、でも、まだ冒険したいから妊娠しないよう気を付けるから安心して」
「~~~~っ!!」
アニキの顔が耳まで真っ赤っかになっちゃった。物凄く可愛らしい反応ね。
「と、とにかく! 服着てくれ! その後で朝飯だ!」
「そうね、朝ご飯きちんと食べないと体に悪いからね」
私は自分のベッドの上にある自分の服を着る。気にしてるのかアニキは後ろを向いているけど、見たいなら見てくれればいいのに。
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