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2章 地球激闘編

23話 報告会

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 4人用の円形テーブルを6人が囲っている、さすがに狭いのでテーブルから離れた場所に椅子を置いている。俺の横には麻衣とテナ、テナの横に美憂と瑠偉が並んでいる、ここまでは密着して座っている。

 左隣は麻衣、触れている感触は柔らかくて心地いいが、右のテナの体は固くて冷たい。この相対する感触は、何とも言えない。
 中条の両脇は、人半分ほどのスペースが開いている。

「狭いのう・・・儂だけゆったり空間じゃが」
「何を期待してる、エロ爺か? では始めよう」

 俺は、自身の正体と共に隠さず語った。俺の正体を語ったのは、中条に何時でも地球を滅ぼせるぞ? と言う警告も含まれている。

 ガイルアには野生動物のように縄張り意識がある、規模は惑星全体と大きいが先に降り立った者が、縄張りを主張できる。つまり俺が地球に居る限り、他の仲間が攻めてくる事はない。宇宙全体の仲間にも発信しておいたし、少し地球を留守にしても、今回のように襲われることもないだろう。

 今回襲われた人達は、残念だった…と言うしかないな。人口減少で食糧問題とか、居住問題も解決したし、いいんじゃないかな? まぁ、口に出しては言わないけど、そう思う人もいるだろう。

「結論として、やっぱり地球人じゃなかった。と言う事ですね?」
「瑠偉よ、肉体は地球の人間だぞ。例えるなら魂とか霊体とかの部分が違うだけだ。お前の体を使って、証明してやろうか? 確認出来たら堕胎だたいすればいい」
「遠慮します。と言うか、発言が最低でキモいです」

「ところで、お主が居なかった時にガイルアが来たのは何故じゃ? 縄張りの主張をしておかなかったのか?」
「3万年前に降り立った時は、喰うに堪えない人類だったしな。文明すらなかったから、しばらく観察して、暇をつぶしていたといった感じだ。そこで人間に興味がわいた、と言った訳だ。感覚的には観光をしている、と言った状態だったから、縄張り主張はしていない」

 3万年と俺が言った時に、テナが反応して横にいる俺に視線を向けた。テナの表情は変わらないが、おそらく3万年前にキプロス星が、ガイルアに襲われた事件を思い出したのだろう。
 3万年という時間は、俺が地球に来た時期と重なる、つまり疑われるわけだ。
 しかし、実は言うと滅ぼしたのは俺だ、記憶が戻った時にすべて理解した。

 この事実に関しては、言うつもりはない。言ったところで<戻せ>と言われても戻せるない、もう消化してしまったからな。この事実は墓まで持っていこう。まぁ死なないから、墓には持っていけないが・・・

「3万年前に地球に来た。そうなるとキプロス星が滅ぼされて、去っていった時期と重なりますが?」

 やっぱり、その質問がきたな。キプロスの住人には悪いが、これも弱肉強食の理、諦めてもらおう。ララがガイルアの個体認識は出来ない、そう言っていたので俺が滅ぼした事実は解らないだろう。

「偶然だな、俺ではない。ちなみに地球に居た個体でもない、記録を交換したときに確認したから間違いはない」
「・・・そうですか」

 百億光年単位で広がる広大な宇宙空間、そこに1000体ほどしかいない生命体、そんな偶然が果たして起こるのか? と言う疑問が残りそうだが、確率は0ではない。
 テナには悪いが、今後は地球で楽しく過ごせば、いずれ嫌な思い出も忘れるだろう。

「テナ、俺が体を作ってやる。今作っている体は、雌雄同体だろ? 髪や目の色も違うし、地球の生活には不向きだからな」
「作れない、と言ってませんでしたか?」

「昔の話だな、今はガイルアとしての力が使えるから、体を作る事も可能だ」
「兼次ちゃん・・・もう、何でもありね」

「全宇宙の頂点に君臨する生命体、体を作るくらいなら余裕よ。と言う訳で、美憂、瑠偉、麻衣は後でDNAデータを貰うぞ、ミックスして俺の理想の女性を作り上げる」
「雌雄同体なら男の体でも、いいんじゃないかの~?」

 中条よ、余計な突っ込みをするんじゃない。このまま女の肉体を作ることを、押し通すつもりだったのだが、テナが男の肉体のがいい! と言いいだしたら、お仕置き程度では済まないぞ。
 そんな俺の思いも知らず、中条はとぼけた表情で俺を見ている。お返しに若干、中条に睨みを効かせると、ビクッと体を震わせた。

「美憂に学校での生活サポートを頼んである。いきなり男女でペア通学したら、注目の的だろう? トイレや風呂の問題も出るしな」
「私は、どちらでも構いません。お気になさらず」

「と言う訳だ中条、1年生の新入生を2名、2年生の編入性を1名な。残りの1名は、事件を起こしたので、暫らくここで謹慎生活をさせる」

 そうなのだ、麻衣がブログでやらかしている。しかも顔バレもしている、これ以上浮遊島の情報が洩れるのは、防がなくてはならない。
 表向きには異星人が、住んで居ることになっている。しかし、実はいませんでした、と言う情報が洩れれば、技術をよこせとか言い寄ってきそうだし、興味本位で侵入を試みる連中も沸くだろう。

「ところで、残り1名って誰?」
「いい質問だ麻衣。残るのは、お前だ」

「えー、なんで?」
「お前、ブログで写真公開しただろ? ララが早く気づいてくれたからよかったが、この浮遊島の情報が洩れれば、今後の俺専用楽園の運営に支障が出る」

「その楽園の内容が、気になるんじゃがのー」
「気にするな中条、ごく些細なことだ。あと編入の詳細は後日知らせる。では、サクッと帰れ」

「しかたないのー、メンバーも情報を待っておるのでな。今回は早く帰ってやろう。
 では、またくるかの・・・」

 中条は話の途中で目を閉じると、座ったまま姿を消し帰っていった。
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