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1章 宇宙遭難編

40話 異星人との混浴

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 空一面を覆いつくす星の僅かな光が地面を照らしている、そこに織田兼次が現れた。

「ふうー、修羅場回避っと」

 着ている物を全て脱ぎ近くの大きな岩に無造作に置く、急いで来たせいでタオルがない、しかたく全裸で温泉まで移動しそのまま温泉に入る。
 肩まで浸かり岩に頭を載せ空を見上げると星空が一面に広がっている、そこに銀の球体が景観の邪魔をしていた。

「リヴァララ、景観の邪魔だ地面に退避を」
『了解しました』

 球体をつかみ頭の後ろに追いやる。何も考えず星空だけを見ている時、後方に生命の気配を感じた。

「誰だ?」と後ろを振り返ずに言う
「私です、テナ=シエルです。少しよろしいですか?」
「構わん」

 テナは俺の側まで来て隠さずに堂々と服を脱ぎ始めた。

「入るのかよ! 水は大丈夫なのか?」
「問題ありません、完全防水ですし3200℃まで耐えれます。水に浸かっているという感覚しかないですが…」
「そ、そうか」

 俺は近くで服を脱いでいるテナを見ていた、全てを脱ぎ終えたテナを見ると、乳首無し、線無し、棒無し、人形だな・・・
 マネキンだ、暗闇の星明りでマネキンが動いている、なんだこのホラーは!

 テナは直立不動で浮きあがった、そのまま移動し俺の真横で止まる、そのまま足からスロー再生をしているような感覚でゆっくりと入っていき、足を曲げそのまま肩まで入っていく

「ちけーよ」
「ふふふ、欲情しましたか?」

「無理だな・・・」
「冗談ですよ」

「お前の冗談初めて聞いたぞ」
「言ったのは数千年ぶりですね、一人になってからは10年以上喋らないこともありました」

 ロボットとペア混浴、地球人初だな、横を見ると無表情の可愛い女の子の顔がある。

「触っていいか?」
「どうぞ」

 右手を出し人差し指で頬を突いてみる……固いな
 膨らんでいる胸を手で包み込み感触を確かめる……とっても固い
 最後に太ももの感触を確かめた……固いとしか言いようがない

 つまんねー、顔は可愛いのに全く嬉しくない。

「こんな事しに来たんじゃないだろ? そろそろ本題を言ってくれ」
「貴方を監視していた結果、自身に利益がないことはしないタイプと推測します。
 当たってますよか?」
「当たってるな、俺に利が無ければ基本何もしないし提案もしない」

 随分優秀な分析力だな、リヴァララかな? だとしたら、ますます欲しくなるな。
 地球をはるかに超える科学力で情報支配、はぁ…夢が膨らむなー

「単刀直入に言ってくれ、駆け引きは嫌いだ」
「私を生身の人間にし地球に連れて行く、と言うことはリヴァララが余ります。
 欲しいんですか?」
「半分当たりだな、このことは地球の場所が解るまで言わないつもりだ、テナが地球に来てもいいというなら話す」

 ワームホールの作成エネルギーにここの恒星を使うからな、限界まで搾り取るとどうなるかわからない。
 最悪の事態は超新星爆発を起こしてこの惑星ごと粉々になる可能性もある。

 恒星はダメって言われても、地球に帰る為に無理やりやるつもりである。
 無理やりやった場合、残されたテナに被害が及ぶはず、ロボットだが意思がある。
 なにより俺の心が痛む、そのための地球への誘いだ。受けてくれれば俺の物欲も満たされ万事解決する。

「恒星のエネルギーを使用しワームホールを作成する、そうなるとこの惑星に被害が出る。
 だから私を地球に避難させて救いましょう、ついでにリヴァララを頂きます。
 と言う事ですね?」
「お、俺の心読んだのか?」
「心は読んでませんので安心してください、今までの行動や発言から予測しました。
 当たりましたね?」
「あ、ああ。当たってる」

 まずいな、テナがここに残るって言ったら地球の場所教えてくれないかもしれない。
 どうしような・・・・

「まあ、その、なんと言うか・・・」
「行ってもいいです、その作戦にのりましょう」
「そうか、助かる。内心冷や汗ものだったぞ、帰れなくなったらどうしようって・・・」

 一件落着だな、地球に帰れて浮遊都市と高度な科学力に優秀な人工知能も手に入れた。
 あとは地球に持っていった浮遊都市をどうするかだな、この辺は地球に行ってから考えよう、 約50年も経過していると世界情勢が変わっている可能性があるからな。

「しかし問題があります」
「な、なんだ?」

「体を作るのに時間がかかります、少なくとも200日ぐらいは必要です。地球に行くときはこの姿、と言うことになります。一応聞いておきますが、体は作れますか?」
「さすがに無理だな構造が複雑だから」

「そうですか、では帰ってからすぐに始めます」
「ああ、そうしてくれ」

 では俺は明日から俺の物になる浮遊都市を隅々まで調査するか。

「あと一つ頼みがあります」
「なんでも言ってくれ、今は素晴らしく機嫌がいい」

「生身の体で地球に降り立った時のサポートをお願いします。私は科学者だったので会話力は余りないのです」
「わかった、任せろ」
「ありがとうございます、では私は帰ります」

 テナは温泉に入っている体勢で浮きあがりながら足を延ばし湯面の上に立つ、そして俺に背を向ける、後姿は髪色を覗けば地球人の女性と変わらない姿だった。

 後ろからの姿を見るのが一番いいな、前と肌の感触は非常に残念だが…
 
 テナの側に置いてあった服が浮き上がり脇に抱えると同時に姿が消えた。
 テレポート使えるのか…
 
 しかし、勢いで任せろと言ったがサポートとか面倒だな、どうするか・・・
 そうだな……困った時の美憂頼みだ、美優に押し付けよう。
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