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文明の利器
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朝である。
いやはや、何とも良くできた娘に育ってくれたもので……
俺がよく記憶を無くしていた為か、ある程度の事は幼女1人でできるようだ。
布団のしまってある場所から、敷き方までしっかりレクチャーされた。
そこらの上司より部下の扱いが上手いんじゃないか……?
これからは敬意を持って『あずきちゃん』と呼ぶ事にしよう。
「ふぁ~……とーちゃん、おはよ」
「あずきちゃん!おはようございます!よく眠れましたか!」
「ふぇ?うん。眠れたー」
眠そうに目を擦りながら応える あずきちゃん はもう、目に入れても痛くないと思えるくらい可愛く思えた。
自分の娘だと思えば、普通そうなのかな。
「お腹減ってないか?」
「へったー!」
「なら、顔洗っておいで。その間に薪を持って来るから」
「んー?あ、そっかー」
あずきちゃんは首を傾げた後、布団から飛び出し、台所まで走って行った。
戸棚の開く音がし、ガサゴソと何かを探しているようだった。
俺も布団から這い出ると後を追った。
「あったー!」
あずきちゃんが差し出したのは カップラーメン だった。
そんな、便利なものがあったなんて……俺の昨日の努力はいったい。
いやいや、とりあえずお湯を沸かすにも薪がいるか。と薪を裏に取りに行った。
適当なのを選び、戻ると……その光景に持っていた薪を全て落とした。
あずきちゃんは、電気ケトルでお湯を沸かしていた。
その隣には炊飯器。
よく見ていなかったけど、隠れているだけで割と電化製品あるじゃん!
そりゃそうだよ!夜電気ついてたじゃん!
なら、なんで あずきちゃん はあの時お釜を……?
「あずきはねー、オカマで炊いたご飯が好きなの!」
どこの健康女子だよ!
いやはや、何とも良くできた娘に育ってくれたもので……
俺がよく記憶を無くしていた為か、ある程度の事は幼女1人でできるようだ。
布団のしまってある場所から、敷き方までしっかりレクチャーされた。
そこらの上司より部下の扱いが上手いんじゃないか……?
これからは敬意を持って『あずきちゃん』と呼ぶ事にしよう。
「ふぁ~……とーちゃん、おはよ」
「あずきちゃん!おはようございます!よく眠れましたか!」
「ふぇ?うん。眠れたー」
眠そうに目を擦りながら応える あずきちゃん はもう、目に入れても痛くないと思えるくらい可愛く思えた。
自分の娘だと思えば、普通そうなのかな。
「お腹減ってないか?」
「へったー!」
「なら、顔洗っておいで。その間に薪を持って来るから」
「んー?あ、そっかー」
あずきちゃんは首を傾げた後、布団から飛び出し、台所まで走って行った。
戸棚の開く音がし、ガサゴソと何かを探しているようだった。
俺も布団から這い出ると後を追った。
「あったー!」
あずきちゃんが差し出したのは カップラーメン だった。
そんな、便利なものがあったなんて……俺の昨日の努力はいったい。
いやいや、とりあえずお湯を沸かすにも薪がいるか。と薪を裏に取りに行った。
適当なのを選び、戻ると……その光景に持っていた薪を全て落とした。
あずきちゃんは、電気ケトルでお湯を沸かしていた。
その隣には炊飯器。
よく見ていなかったけど、隠れているだけで割と電化製品あるじゃん!
そりゃそうだよ!夜電気ついてたじゃん!
なら、なんで あずきちゃん はあの時お釜を……?
「あずきはねー、オカマで炊いたご飯が好きなの!」
どこの健康女子だよ!
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