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第30話 ゴブリン大量発生

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ゴブスラが出るという森に着いてから10分程経ち、現在俺は鼻をつまんでいた。

「くせぇ!めっちゃくせぇよおおお!!」

左手で鼻をつまみ、右手に持った剣でゴブリンを斬り捨てていくという残念な感じになっているが、そんなことは気にしていられない。

とにかくゴブリンが臭い。

とても汚い公衆トイレの匂いを2倍にした感じだ。

ちなみにルルとヨヨは、俺がゴブリンを斬っているのを傍観している。

初めはルルもヨヨも嫌々討伐しようとしていたが、激臭に顔をしかめた俺が

「ルルっ!ヨヨっ!君に決めたッ!」

と言いながら、逃げようとしたからだろう。2人から腕を掴まれ、ゴブリンの近くへ投げられたのだ。

くっ。光るネズミを相棒にしたモンスターマスターに憧れる少年め……。奴のせいでこんなめに。

こんな具合に現実逃避をしながら、鼻をつまんでも感じる激臭を我慢しながら討伐していく。


【スキル、激臭耐性を取得しました】

ゴブリンを斬って斬って斬りまくっていると、頭に無機質な声が聞こえた。

その声が聞こえた瞬間から、今まで感じていた激臭が嘘のようにマシになった。

分かりやすく説明すると、「おえぇ、くっせええ!」から「あぁ。臭いな。」と言った感じだ。

「よっしゃー!!もうこれでお前らなんて怖くないぞ!!!ふはははは!!!」

やっと匂いを気にせず戦闘が出来て、テンションが上がってくる。

そのせいでちょっと忘れかけていたが、よくよく考えると異世界に来て初めて自分で手に入れたスキルじゃね?

今まではガチャを引いて出たスキルを押すだけで手に入れていたが、普通に手に入れるとこんな感じなのか。

ところで…さっきからゴブリンが減らないんですが?

「なに!?ゴブリンってこんな大量に群れてるの!?」

「普通は五体ぐらいなのじゃ。」

「うん、これはちょっと異常かなー。」

俺の叫びに答えてくれたルルとヨヨ。異常だと思うなら手伝ってくれてもいいんじゃ…?

「あと、どれだけいるの!?」

「今ユウタが倒したゴブリンの5倍はいるのじゃ。」

え?多分だけど、50匹は倒したと思うんだけど?それの5倍?250匹か…….まあイケるか?

「殲滅してやるううぅ!!!今度こそちゃんと褒められてやるッ!!!」

薬草の時は#思わぬ刺客_法律_#で邪魔をされたが、今度こそ大丈夫。なんせ確認を取ったからな。抜かりはない。

「フハハハハ!これでも喰らええぇ!火球!!」

俺は数制限がある火球39発を周りに浮かせる。そして一気にゴブリン達へぶっ飛ばした。

一気にゴブリンが減ったが、ここで終わる俺じゃ無い。

「水球!!20発いったれえ!」

ゴブリン達の匂いへのストレスをここぞとばかりに一気にブチまける。

「これで終わりじゃぁ!#煉獄_インフェルノ_#ぉお!」

爆音を鳴らしゴブリン達が爆ぜた。

フゥと一息つき、周りを見渡すと、真っ黒焦げになった地面。そして燃えた木々。


……え、燃えた木々??

そう言えばここは森だった。やってしまった!

「軟弱な木めっ!この程度で燃えやがって!!」

「アホなのじゃ……」

「バカかな……」

ここまで来たら、ルルとヨヨに頼ってはいられない。この依頼は俺1人で達成して見せるのだ!何か消化出来そうなスキルは……。

「ステータスオープン!」

【名前】ワタベ・ユウタ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】17
【職業】****
【称号】神獣使い
【レベル】1
【体力】27650(150+27500)
【魔力】5800/6950(200+6750)
【攻撃力】7862(62+7500+300)
【防御力】6303(53+6000+250)
【敏捷性】9627(127+9500)
【スキル】鑑定II(5/100)・偽装(50/100)・全属性操作・火属性耐性・剣術の極意Ⅳ(20/100)・魔法の極意Ⅲ (40/100)
【固有スキル】ポイントガチャ
【アイテムスキル】重力魔法I(0/100)
【魔法】回復魔法II(0/100)・闇壁20発・#煉獄_インフェルノ_#∞発・氷属性魔法I(0/100)
【従魔】ルル/レベル1・ヨヨ/レベル1


あった、これだ!!!氷属性魔法。使用回数がないってことは無限なのか…?

そもそも火球のように魔法単体の名前じゃないってことは氷属性Ⅰで覚えれる魔法全て使えるって事か。なるほど。

「じゃあ…。お?…氷矢!!」

適当に魔法を発動しようとした途端に、現段階で使える魔法が頭に数個出てきた。

氷の矢が燃えている木々へ飛んでいく。炎に当たった瞬間にパキパキと音を立て凍っていった。

焦った。また罪を犯すところだった…。

よし、もうゴブリンはいないな?

周りを一応確認していないと判断する。

はやく依頼達成の証拠となるゴブリンの耳を回収せねば。

倒したゴブリンの耳を切り、袋に入れていく。木っ端微塵になっているゴブリンが数多なので、耳を切れたのは初めの剣を使っていたゴブリンだけだった。数は53個。中途半端だが仕方ないだろう。

「よし。ルル、ヨヨ帰ろー!」

ルルとヨヨの方を向くと、2人は俺とは逆の方向を見ていた。

向こうに何かあるのかなぁと思い、そっちを眺めるが何も見えない。

強いて言うなら、凍った木々。

「なんかあるの?」

「ユウタが倒した奴らの親玉なのじゃ。」

「さっきのゴブリンよりは、強そうかなー。」

親玉?ゴブリンのボスってこと?えっ、一難去ってまた一難?

「ブゥオオォォオォォ!!!!!」

凍った木々の奥から叫び声が何かの聞こえた。

声からして強そうなんですけども。依頼は達成してるし逃げてもいいよね?ほら、逃げ◯は恥だ◯役に立つって言うじゃん?

「に、逃げるぞっ!ルルっヨヨっ!」

そう言って逃げようとすると、ルルとヨヨにまた腕を掴まれた。

その時点で俺は察してしまった。

「……な、なぁ。もしかしてなんだけど、戦うつもり?」

「いや?違うのじゃ。」

良かった、どうやら違うかったようだ。一安心一安心…。あれ?じゃあどうして掴んだんだ?

「戦うのはユウタだけなのじゃ。」

「ははっ、ゴブリンの大軍と戦ったからかなぁ。疲れて幻聴が……。」

「ユウタ、アイツを鑑定してみるかなー。」

え、な、なに?強いんだろ?


【種族】ゴブリンキング
【性別】オス
【称号】ゴブリンを統べる者
【レベル】82
【体力】4800
【魔力】1000
【攻撃力】3100
【防御力】2400
【敏捷性】1300
【スキル】威圧・剣術Ⅲ・怪力・炎属性操作
【固有スキル】ゴブリン召喚
【魔法】炎属性魔法Ⅰ


 あるぇ?もしかして、思ったより弱くね?
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