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第28話 ちゃんと冒険者がしたい
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王様のステータスを見て、改めてよく分かる。俺の初期ステータスの雑魚さが。本当にこのスキルが無けりゃ色々と詰んでいただろう。
「ありがとう世界!ありがとう神!」
心の底からの感謝を叫んで見たけど、結構スッキリするんだな。まぁ、ただのストレス解消だから内容はどうでもいいんだけども。
え?お前にストレスとかあるの?って?いい質問だ。
俺はルルとヨヨを見るだけでストレスなど吹っ飛ぶ。簡潔に答えを述べよう。
俺にストレスなど、無いに等しい!!!
「っふぅ~………いきなり叫んでどうしたのじゃのぅ…?」
世界と神への感謝の言葉を、いきなり目の前で叫ばれたクライル王は、心臓のばくつきを抑えようと、深い深呼吸をして尋ねた。
「い、いや、優しい王様に感謝の気持ちを言おうと思いまして!!」
どんな人間も、感謝していると言われれば気分が良くなるだろう。そして俺は、いきなり叫んだことも忘れられWIN-WINな関係になるのだ!
「い、いや、世界と神に感謝しておったのじゃのう……。」
「ふぁっ!!」
この爺さん……やりやがるッ!思わず変な声が出てしまったじゃないか!
ふと王様以外にも目を向けると、アリスたんとユリアたんも、ふぅーーと深く深呼吸していた。な、なんかゴメンね!
「ご、ごほん。とりあえず用事はコレだけですか?」
これ以上ココにいると、変な奴だというレッテルが貼られかねないので、渋い感じの声を意識して聞いて見る。
「と、特にもうないようじゃのぅ…?」
王様はそう言いながら、もういいの?というような意思を込めた目で、アリスたんとユリアたんの目を見て確認を取る。
特に何もないのか、コクンと頷いたアリスたんと、ニコニコしているユリアたんから目を外し、俺の方に向き直った。
「なんどもスマンのじゃのう…、アリスもユリアも、少年の事が気に入っているようじゃし、連絡さえ先にくれればココに遊びに来ても良いのじゃのう。」
ついに王様の口から、王城出入りオッケーの許可を頂いてしまった。
これで晴れて俺も王族の仲間入りでは…ッ!?
「それは違うのじゃ。」
ルルさんや。もしや俺の心を読んでいますか?
「顔を見たら分かるだけなのじゃ、ユウタはわかりやすいのじゃ。」
そう言われて俺は急いで顔を手で隠す。俺の顔よ!表情筋よ!しっかり機能しやがれコノヤロウ!!!
そう願いを込めて、自分の頬をモニモニしておく。
「それじゃあ今度こそ失礼しますね。そろそろちゃんと冒険者したいので!」
モニモニする力が強かったのか、少し赤くなった頬をさすりながら、目だけはキリッとさせる。
「…が、頑張るのじゃのう。」
「おにーちゃん!今度ユリアと遊んでね!!」
「今度は探してくださいね!絶対ですよ!」
三者それぞれ俺達に言葉を浴びせる。一気に言われても聖徳太子じゃないんだから聞き取れるわけ…
「あ、頑張ります。おー!あそぼーな!絶対探しますよ!」
…ない事もない。ふ、現代の聖徳太子と言われし俺はこの程度は苦でもない!(言われた事ない)
「よし。ルル、ヨヨ。今度こそしっかり冒険者するぞ!」
「しっかりするのはユウタだけなのじゃ。」
「私たちはちゃんとしてるかなー。」
おうふ。そう言えば、薬草乱獲したの俺だった…。
そんな他愛もない話をしながら、俺たちは王城を出て、もう一度冒険者ギルドへ向かうのであった。
あ、どうせならお菓子貰えばよかった。
「ありがとう世界!ありがとう神!」
心の底からの感謝を叫んで見たけど、結構スッキリするんだな。まぁ、ただのストレス解消だから内容はどうでもいいんだけども。
え?お前にストレスとかあるの?って?いい質問だ。
俺はルルとヨヨを見るだけでストレスなど吹っ飛ぶ。簡潔に答えを述べよう。
俺にストレスなど、無いに等しい!!!
「っふぅ~………いきなり叫んでどうしたのじゃのぅ…?」
世界と神への感謝の言葉を、いきなり目の前で叫ばれたクライル王は、心臓のばくつきを抑えようと、深い深呼吸をして尋ねた。
「い、いや、優しい王様に感謝の気持ちを言おうと思いまして!!」
どんな人間も、感謝していると言われれば気分が良くなるだろう。そして俺は、いきなり叫んだことも忘れられWIN-WINな関係になるのだ!
「い、いや、世界と神に感謝しておったのじゃのう……。」
「ふぁっ!!」
この爺さん……やりやがるッ!思わず変な声が出てしまったじゃないか!
ふと王様以外にも目を向けると、アリスたんとユリアたんも、ふぅーーと深く深呼吸していた。な、なんかゴメンね!
「ご、ごほん。とりあえず用事はコレだけですか?」
これ以上ココにいると、変な奴だというレッテルが貼られかねないので、渋い感じの声を意識して聞いて見る。
「と、特にもうないようじゃのぅ…?」
王様はそう言いながら、もういいの?というような意思を込めた目で、アリスたんとユリアたんの目を見て確認を取る。
特に何もないのか、コクンと頷いたアリスたんと、ニコニコしているユリアたんから目を外し、俺の方に向き直った。
「なんどもスマンのじゃのう…、アリスもユリアも、少年の事が気に入っているようじゃし、連絡さえ先にくれればココに遊びに来ても良いのじゃのう。」
ついに王様の口から、王城出入りオッケーの許可を頂いてしまった。
これで晴れて俺も王族の仲間入りでは…ッ!?
「それは違うのじゃ。」
ルルさんや。もしや俺の心を読んでいますか?
「顔を見たら分かるだけなのじゃ、ユウタはわかりやすいのじゃ。」
そう言われて俺は急いで顔を手で隠す。俺の顔よ!表情筋よ!しっかり機能しやがれコノヤロウ!!!
そう願いを込めて、自分の頬をモニモニしておく。
「それじゃあ今度こそ失礼しますね。そろそろちゃんと冒険者したいので!」
モニモニする力が強かったのか、少し赤くなった頬をさすりながら、目だけはキリッとさせる。
「…が、頑張るのじゃのう。」
「おにーちゃん!今度ユリアと遊んでね!!」
「今度は探してくださいね!絶対ですよ!」
三者それぞれ俺達に言葉を浴びせる。一気に言われても聖徳太子じゃないんだから聞き取れるわけ…
「あ、頑張ります。おー!あそぼーな!絶対探しますよ!」
…ない事もない。ふ、現代の聖徳太子と言われし俺はこの程度は苦でもない!(言われた事ない)
「よし。ルル、ヨヨ。今度こそしっかり冒険者するぞ!」
「しっかりするのはユウタだけなのじゃ。」
「私たちはちゃんとしてるかなー。」
おうふ。そう言えば、薬草乱獲したの俺だった…。
そんな他愛もない話をしながら、俺たちは王城を出て、もう一度冒険者ギルドへ向かうのであった。
あ、どうせならお菓子貰えばよかった。
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