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第14話 ヨルムンガンド

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炎竜が帰って行ったその方向をただ眺める俺を直也が呼んだ。

「な、なぁ優太。こっちのドラゴンは味方なのか?」
「ん?あ、あぁ。」

俺が召喚したヨルムンガンドを指差し聞いてきた。そう言えばヨルムンガンドのステータスまだ見てないな。

「鑑定。」

【名前】ーーーー
【種族】神獣ヨルムンガンド
【性別】女
【年齢】305
【称号】ユウタの従魔・神獣
【レベル】1
【体力】30000
【魔力】7500
【攻撃力】650
【防御力】7000
【俊敏性】9000
【スキル】鑑定・人化・念話・火属性操作・氷属性操作・火属性耐性
【固有スキル】神獣覇気・世界蛇
【魔法】火属性魔法∞発・氷属性魔法∞発


お、おぉ…!流石ルルと同じ神獣だな!年齢もルルと近いんだな。

『やぁやぁ!』

辺りを見渡す。誰かに呼ばれた気がしたが気のせいだったか?

『おーいっ?主人さまっー!』

あー…もうコレあれだわ。ルルと同じパターンの奴だわ。

「ヨルムンガンドか。」
『んっ!そうだよー!』

結構明るい感じの喋り方なんだな。

直也が俺を見て「誰と喋ってんの?」なんて小さくぼやいていた。

「えっと~…人化できるよな?頼めるか?」
『おっけーおっけー!』

ヨルムンガンドが煙で包まれ、その大きな体が見えなくなる。

流石にルルに続いてロリババァはこないだろう。俺と同年代くらいの子かな。

「この姿になったのは久しぶりかなっ!」

煙から出てきたのは人化ルルと変わらない年齢だろう少女が立っていた。

ーーもちろん。すっぽんぽんで。

「な、なぬぅ…」

なんか思ってたのとは違うけども!とりあえずルルに貸していた学生服を着せる。

「な、な、何でお主がここにおるのじゃっ!?」

ルルがヨルムンガンドを指差し突然叫びだした。
なんだ?知り合いか?

「あ、お姉ちゃん!久しぶりだね!」

へー、お姉ちゃんかぁ。ルルにも妹がいたんだなぁ~。ってええええええ!!??お姉ちゃんってあのお姉ちゃん!?いや、落ち着け俺!落ち着くんだ!

ふぅーっと深呼吸をし、呼吸を整える。よし。頭を整理しよう。姉と言うのは言葉通りの意味なのだろうか。それとも近所のお姉さん的な…。

そもそも神獣に近所のお姉さんなんていないか。

「ルルとは血の繋がった姉妹なのか?」

口をパクパクさせているルルを横目にヨルムンガンドに聞いてみた。

「んー?そだよー?」

首をちょっと傾げてニッコリ笑うヨルムンガンド。可愛ええぇ…。あ、俺はソッチ方面の人じゃないからな!?子供可愛い!の方の人だからな!?

「と、とりあえず名前だよな?」
「名前を付けずともお前で充分なのじゃ!」
「ひっどーい!お姉ちゃん!」

確かに姉妹喧嘩みたいだな…。姉妹だから合ってるのか。よし。名前は阿佐ヶ…止めておこう。

「じゃあ名前はドンガンムルヨだな。」

困った時は逆の発想だな。うん。

「それはちょっといやかなぁ~。」
「な、なんだってぇ!?」

顔が笑顔のまま引きつっている。逆の発想が断られただと。そんなに嫌なのかな。

「じゃあルルの妹だし、ヨヨってのはどうだ?」
「ドンガンムルヨを聞いた後だから何でも良く聞こえるかなっ!」

さ、作戦成功っ!

「じゃあヨヨ。これからよろしく頼むよ。」

ルルとは違い耳がない普通の頭を撫でる。紫っぽい色の髪を触るとサラサラだった。撫でる手が止まらない。

「ワシにもやるのじゃっ!」

ルルがグイッと頭を向けてくる。俺は銀色のサラサラな髪を余った右腕で撫でた。

「「ふへへぇ~…」」

…こんなとこで姉妹な所がでちゃうんだな。

「ゆ、優太。その子はさっきのドラゴンか?」

目の前で見た現象が信じられないのか直也が聞いてきた。俺も直也なら聞いているだろう。

「そうだよ。ヨルムンガンドのヨヨだ。」

俺がポンっとヨヨの頭を軽く叩くとエッヘンっとヨヨは胸を張った。なぜ威張っているのだろうか。

「こ、こっちの子もドラゴンなのか?」

ルルを見て聞いてきた。耳で分かれよ。

「いや、こっちはフェンリルのルルだ。」

こちらもエッヘンと胸を張った。何これ流行ってるの?

「まさか優太…。誘拐はだめだろ…!」
「は!?」

どこから誘拐なんて出てきたんだよ!
俺はふと第三者目線から見てみることにした。2人の幼い少女を撫で撫でする高校生。これ、アカンやつだ。

「誘拐ではないはず…だ!」

勝手に俺が召喚してるわけだから誘拐だ!何て言われれば否定はできないないような。

「ユウタは誘拐などしてないのじゃ。」

プゥーっと頬を膨らませ直也を睨むルル。何で愛らしい姿なんだろう。思わず撫でる手に力が入ってしまう。

「くすぐったいのじゃっ」
「いいなぁっ!私もやって欲しいかなっ!」

無言でグリグリ撫で続ける俺を見て直也が変な目をした。

「優太…ロリコンだったのか…」


この日、俺は直也からロリコン認定されてしまった。
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