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第1話 異世界へ。そして絶望。
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ソーシャルゲーム。最近俺がどハマりしているスマホゲーム『モンクエ』略さず言うとモンスタークエストだ。名前通り敵モンスターを倒すゲームだ。
このゲームにはプレイスタイルと言うものがあり、当たり前のことだがそれによってモンスターと戦う方法が変わってくる。
細かく分けると数多になるが大きく分けると三つ。
一つ目は自身が武器などを装備し戦う戦士系。
二つ目は自身のMPを使い魔法を発動し戦う魔術師系。
そして三つ目が自身の使役する魔獣を使って戦うテイマー系。
一番プレイヤーに多いのは一つ目の戦士系だ。理由は色々あるだろうが一番多い理由は戦士系が一番派生が多いから、だ。
ちなみにプレイスタイルと言うのは誰でもいつでも変えられる。
このゲームにも課金ガチャがあるのだがそのガチャは武器などの装備系、魔法やスキル系、そして魔獣などがランダムで排出される。つまりガチャ運次第でプレイスタイルが決まるのだ。
排出された時のレベルは何かのイベントがやっていれば別だが基本はレベル1。なかなかやり込み要素のあるゲームだ。
そんなゲーム、モンクエは結構人気ゲームだ。
暇つぶしにランキングからインストールしたのだがハマりにハマって課金をしてしまい、小遣い分だけでは足りずバイトまでしてその金をすべて課金に使った。
そんな俺は今境地に立っている。どんな境地かって?そりゃガチャを引くか引かまいか。だろ。
ベッドに横になりながらスマホ片手に俺は五時間ほど葛藤していた。
今日の0:00分から実装された神獣シリーズを入手したかったのだが、ちょうど三日前に違うイベントで金を使い果たしてしまっていたのだ。
「くっそ…こんなことなら金使うんじゃなかった…。」
三日前のイベントガチャは引きまくった結果、目当てのものは当たらず爆死という結果に終わってしまった。
ほら、あるだろ?意気込んで引いたものの爆死して引いたことを後悔するパターン。
俺の端末に映るガチャ画面には魔石5個が表示されている。ギリギリ1回だけ引ける。
単発じゃあ良いものは出ない。なら引かずにこのイベを見逃すか?それはない。さあどうしよう。こんな感じに五時間葛藤していたのだ。
「優太~!遅刻するわよ!」
リビングの方から俺の母親が呼んでいる。って、やべぇ!学校遅れる!
時計を見ると7:40を指していた。学校が始まるのが8:00だ。超やばたん。
俺は急いで支度をし、家を出る。
「優太、ご飯はっ!!」
「時間ないぃー!!」
学校まで行くのに俺はバスだ。7:45分のバスに乗らなければ確実に遅刻だ。
全力で走ってバス停に向かった所、丁度バスが来ていた。ギリギリセーフだな。
「よお、優太。またギリギリかよ。」
先ほどから優太、優太と言われているのはこの俺、渡部優太だ。どこにでもいる重課金な高校生だ。
「いや、今日来た神獣シリーズが欲しくて葛藤してたんだよ。」
「またあのゲームかよ?そんなに面白いか?」
この失礼なことを言う奴は、クラスメイトの直也だ。まぁ一応親友という分類に入れてやらんこともない奴だ。
そんな平和的日常会話をしながら学校に到着し、いつも通り授業を受けていた。
三限目の途中である異変にクラスメイトが気がついた。
「な、なぁ?何か光ってね?」
そのクラスメイトが指差した方を見た。教室の後ろあたりがポワァーっと光っていた。
「なんだあれ?」
「え?なに?」
などなど騒ぎ出す。3分くらい経っただろうか?突如小さな光が大きくなり、その光は俺達を包んだ。
「くっ…まぶし…」
光がなくなりゆっくりと目を開けた俺達は目を疑った。先ほどまで教室にいたはずだった。それが体育館くらいの場所にクラスメイト以外の、同じ学年の他クラスの奴までズラッといた。夢か。夢なのか。
「ど、どこだここ?」
ザワザワと騒ぎ出す。それが徐々に大きくなってきた時に、大きな声が耳を通った。綺麗な声だったからか皆シーンとなりその声の持ち主を探す。
「皆様っ、私はアルコット帝国第一王女、スルティアでございます。」
あ、いた。椅子にふんぞり返り座っているヒゲの長いオッサンの隣に立っていた可愛らしい女性が声を上げていた。
「召喚されし勇者の皆様!!我々をお救いください!!」
このシチュエーション、ラノベで見たことあるぞ。魔王倒したら帰れるやつだろ?
「勇者の皆様!邪悪な魔王を倒してください!」
ほらきた。テンプレ通りで笑えるな。
「魔王!?何言ってんだよ!早く帰せ!」
テンプレの、女性。いかにも王女って感じの女性が野次を飛ばされる。
そんな中、隣のクラスのイケメン君。あだ名が王子というくらいのイケメン君が挙手をした。
周りが静まる。
「魔王を倒せば僕たちは日本に帰れるのかい?」
おうおう。順応早いな…。
「はい!その通りです。」
「僕らにはそんな力はないんだけどどうすればいいのかな?」
何だこいつ。テンプレ誘導君だな。
「勇者の皆様にはこの世界に来る際に、特別な力が与えられているはずです!それが異世界人、勇者様の特権です。」
あ、俺的には今から貰えるものだと思ってたんだけど…もう貰っちゃってるのね。てか夢にしては凝ってるなぁ。
「ステータスオープン。といえば見れるはずです!」
王子君の問答で魔王を倒せば帰れるという事が分かったのか皆、口々にステータスオープン。と言い出した。
じゃあ俺もやってみよう。
「ステータスオープン。」
【名前】ワタベ・ユウタ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】17
【職業】****
【レベル】1
【体力】100
【魔力】78
【攻撃力】62
【防御力】53
【敏捷性】127
【スキル】鑑定・偽装
【固有スキル】ポイントガチャ
【魔法】無し
おぉ、本当にでた。このステータスはどうなんだ?強いのかな?俺の夢だしもちろん強いよな。
「優太…ど、どうだった?」
いつの間にか俺の隣にいた直也が恐る恐る聞いてきた。そんな直也に俺のステータスを見せてやる。ふっ、俺最強ステータス見てちびるなよ?
「えっ」
ふふふぅん。どーだよ、俺のステータスは!
直也がスッと自分のステータスを見せてきた。可哀想な奴を見る目で俺を見てくる。何だその目は。
俺は直也のステータスを見た。
【名前】スズキ・ナオヤ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】17
【職業】魔術師
【レベル】1
【体力】500
【魔力】480
【攻撃力】491
【防御力】437
【敏捷性】98
【スキル】鑑定
【固有スキル】火・水属性操作
【魔法】火魔法・水魔法
え。桁が違うんですけど。敏捷性以外、全部桁が違うんですけど。あれ。俺の夢なのに待遇悪くね?俺の固有スキル、よく見ると意味わかんないの書いてるけど直也のカッコ良くね。
「…噓やん…」
これが俺が頑張って絞り出した言葉だった…。
このゲームにはプレイスタイルと言うものがあり、当たり前のことだがそれによってモンスターと戦う方法が変わってくる。
細かく分けると数多になるが大きく分けると三つ。
一つ目は自身が武器などを装備し戦う戦士系。
二つ目は自身のMPを使い魔法を発動し戦う魔術師系。
そして三つ目が自身の使役する魔獣を使って戦うテイマー系。
一番プレイヤーに多いのは一つ目の戦士系だ。理由は色々あるだろうが一番多い理由は戦士系が一番派生が多いから、だ。
ちなみにプレイスタイルと言うのは誰でもいつでも変えられる。
このゲームにも課金ガチャがあるのだがそのガチャは武器などの装備系、魔法やスキル系、そして魔獣などがランダムで排出される。つまりガチャ運次第でプレイスタイルが決まるのだ。
排出された時のレベルは何かのイベントがやっていれば別だが基本はレベル1。なかなかやり込み要素のあるゲームだ。
そんなゲーム、モンクエは結構人気ゲームだ。
暇つぶしにランキングからインストールしたのだがハマりにハマって課金をしてしまい、小遣い分だけでは足りずバイトまでしてその金をすべて課金に使った。
そんな俺は今境地に立っている。どんな境地かって?そりゃガチャを引くか引かまいか。だろ。
ベッドに横になりながらスマホ片手に俺は五時間ほど葛藤していた。
今日の0:00分から実装された神獣シリーズを入手したかったのだが、ちょうど三日前に違うイベントで金を使い果たしてしまっていたのだ。
「くっそ…こんなことなら金使うんじゃなかった…。」
三日前のイベントガチャは引きまくった結果、目当てのものは当たらず爆死という結果に終わってしまった。
ほら、あるだろ?意気込んで引いたものの爆死して引いたことを後悔するパターン。
俺の端末に映るガチャ画面には魔石5個が表示されている。ギリギリ1回だけ引ける。
単発じゃあ良いものは出ない。なら引かずにこのイベを見逃すか?それはない。さあどうしよう。こんな感じに五時間葛藤していたのだ。
「優太~!遅刻するわよ!」
リビングの方から俺の母親が呼んでいる。って、やべぇ!学校遅れる!
時計を見ると7:40を指していた。学校が始まるのが8:00だ。超やばたん。
俺は急いで支度をし、家を出る。
「優太、ご飯はっ!!」
「時間ないぃー!!」
学校まで行くのに俺はバスだ。7:45分のバスに乗らなければ確実に遅刻だ。
全力で走ってバス停に向かった所、丁度バスが来ていた。ギリギリセーフだな。
「よお、優太。またギリギリかよ。」
先ほどから優太、優太と言われているのはこの俺、渡部優太だ。どこにでもいる重課金な高校生だ。
「いや、今日来た神獣シリーズが欲しくて葛藤してたんだよ。」
「またあのゲームかよ?そんなに面白いか?」
この失礼なことを言う奴は、クラスメイトの直也だ。まぁ一応親友という分類に入れてやらんこともない奴だ。
そんな平和的日常会話をしながら学校に到着し、いつも通り授業を受けていた。
三限目の途中である異変にクラスメイトが気がついた。
「な、なぁ?何か光ってね?」
そのクラスメイトが指差した方を見た。教室の後ろあたりがポワァーっと光っていた。
「なんだあれ?」
「え?なに?」
などなど騒ぎ出す。3分くらい経っただろうか?突如小さな光が大きくなり、その光は俺達を包んだ。
「くっ…まぶし…」
光がなくなりゆっくりと目を開けた俺達は目を疑った。先ほどまで教室にいたはずだった。それが体育館くらいの場所にクラスメイト以外の、同じ学年の他クラスの奴までズラッといた。夢か。夢なのか。
「ど、どこだここ?」
ザワザワと騒ぎ出す。それが徐々に大きくなってきた時に、大きな声が耳を通った。綺麗な声だったからか皆シーンとなりその声の持ち主を探す。
「皆様っ、私はアルコット帝国第一王女、スルティアでございます。」
あ、いた。椅子にふんぞり返り座っているヒゲの長いオッサンの隣に立っていた可愛らしい女性が声を上げていた。
「召喚されし勇者の皆様!!我々をお救いください!!」
このシチュエーション、ラノベで見たことあるぞ。魔王倒したら帰れるやつだろ?
「勇者の皆様!邪悪な魔王を倒してください!」
ほらきた。テンプレ通りで笑えるな。
「魔王!?何言ってんだよ!早く帰せ!」
テンプレの、女性。いかにも王女って感じの女性が野次を飛ばされる。
そんな中、隣のクラスのイケメン君。あだ名が王子というくらいのイケメン君が挙手をした。
周りが静まる。
「魔王を倒せば僕たちは日本に帰れるのかい?」
おうおう。順応早いな…。
「はい!その通りです。」
「僕らにはそんな力はないんだけどどうすればいいのかな?」
何だこいつ。テンプレ誘導君だな。
「勇者の皆様にはこの世界に来る際に、特別な力が与えられているはずです!それが異世界人、勇者様の特権です。」
あ、俺的には今から貰えるものだと思ってたんだけど…もう貰っちゃってるのね。てか夢にしては凝ってるなぁ。
「ステータスオープン。といえば見れるはずです!」
王子君の問答で魔王を倒せば帰れるという事が分かったのか皆、口々にステータスオープン。と言い出した。
じゃあ俺もやってみよう。
「ステータスオープン。」
【名前】ワタベ・ユウタ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】17
【職業】****
【レベル】1
【体力】100
【魔力】78
【攻撃力】62
【防御力】53
【敏捷性】127
【スキル】鑑定・偽装
【固有スキル】ポイントガチャ
【魔法】無し
おぉ、本当にでた。このステータスはどうなんだ?強いのかな?俺の夢だしもちろん強いよな。
「優太…ど、どうだった?」
いつの間にか俺の隣にいた直也が恐る恐る聞いてきた。そんな直也に俺のステータスを見せてやる。ふっ、俺最強ステータス見てちびるなよ?
「えっ」
ふふふぅん。どーだよ、俺のステータスは!
直也がスッと自分のステータスを見せてきた。可哀想な奴を見る目で俺を見てくる。何だその目は。
俺は直也のステータスを見た。
【名前】スズキ・ナオヤ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】17
【職業】魔術師
【レベル】1
【体力】500
【魔力】480
【攻撃力】491
【防御力】437
【敏捷性】98
【スキル】鑑定
【固有スキル】火・水属性操作
【魔法】火魔法・水魔法
え。桁が違うんですけど。敏捷性以外、全部桁が違うんですけど。あれ。俺の夢なのに待遇悪くね?俺の固有スキル、よく見ると意味わかんないの書いてるけど直也のカッコ良くね。
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