精霊の加護

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精霊の加護110 王国7精霊の第四形態

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精霊の加護
Zu-Y

№110 王国7精霊の第四形態

 ああ、これ、今夜、第四形態に行くわー。
 帝都の外から帝都に戻る馬車の中で俺は確信を持った。

 帝都の外で貴族軍の陣の周辺に、散々精霊魔法をぶっ放したものな。あれで第三段階をカンストしたに違いない。
 こう確信を得た理由は単純。
 馬車の中でソル以外の精霊たちが、やたらとキスをしつつ、まとわりついて来て、過度のスキンシップを求めて来るのだ。
 当然、精霊たちの要求には応えたよ。もみもみ、ちゅばちゅば、ぺろぺろ、ちゅーちゅー…。

 さて、投降した貴族部隊は、副官に指揮をさせて、それぞれの領地に引き取らせ、それを見届けた帝太子率いる騎士団と近衛隊は、反王国派貴族3人を縄に繋いで帝都に凱旋した。
 俺たちも途中までその後について行ったが、高級宿屋の前で別れた。

 もうすっかり昼をまわっている。
「ダーリン、お腹すいたよー。昼餉にしようよー。」
「そうだな。同盟を締結したから外出もできるだろ?宿屋に聞いてどっか行って来いよ。俺は精霊たちがこんなだからちょっと無理だわ。」
 第四形態への進化を控えた精霊たちが俺にくっついて離れない。

 取り敢えず、宿屋に聞いてみると、
「わざわざお出掛けにならなくても、うちのレストランがお勧めですよ。一応、この辺りでは最高評価を頂いてますんで。」とのこと。まじか?ここの食事は、確かに旨かったしな。
「トーラ、ここ、好き。美味しい。お勧め。」と、帝国出身のトーラも太鼓判を押している。
「じゃあみんなここのレストランで食えよ。俺は精霊たちを連れてひと足先に部屋に行くわ。」
 わが妻たちと一旦別れて、精霊たちとスイートルームに向かった。

 ソルを除いて完全にスイッチが入っている精霊たち。風呂に入れてやるとそれはもう、体を洗うたびに悶えまくり。誰かを洗っていると他の精霊たちがまとわりついて来て、べろちゅーをねだる。ぶっちゃけ邪魔なんだが。苦笑
 大人しく入っているのはソルだけである。ようやくのことで全員を洗い終え、風呂から出ると、ソルはふわふわと浮いて行ったが、残り7人はべったりである。じゃあ順番に第四形態に進化させますか。

 ベッドに入って仰向けになると、まずツリから俺の顔に跨って来た。
『しゃぶって。』あー、舐めて、吸っての次はしゃぶってと来たか。はいはい。
 ぷりっとした下の唇をしゃぶり、縦筋に沿って舌で分け入って、マロン&スクワオールや、奥のひだひだをしゃぶってやると、ツリは俺の上で悶えまくった。

 うーん、それにしてもこの状態をルードビッヒ教授に報告するのは、今まで以上に気が引けるな。

 とうとう痙攣したツリは、全身が発光し出して、直径2mの球体になり、その球体は光を強めながらさらに巨大化。3mぐらいになった。ぶっちゃけ、狭い部屋だったら、部屋中に広がってヤバかったんじゃね?

 そしてゆっくり人型を取ると、それはうら若い女だった。出るところは出てるしくびれもある。しかし俺好みの巨乳なボンキュッボンにはいささか足りん。
 そのせいか、マイドラゴンはむくっと起きたもののちょっと迷っているようだ。どうする?襲うか?
 しばらく思案していたマイドラゴンは、結局プイッとそっぽを向いた。どうやらわが妻たちとの今夜の営みのために体力を温存する気らしい。
 一昨日からトーラも加わって7人だからな。それが一昨日、昨日と続いてるから溜まってないし。もし溜まってたら分からんかったか?笑

『ゲオルクー、お腹すいたー。』
「はいはい。」俺は枕元に置いといたウォトカの瓶からひと口含んでツリに吸わせた。酒で魔力が増幅されるから、これで十分だろうと思ったのだが、光らない。魔力が足りないみたいだ。結局矢尻で指先をグリグリやって、血を滲ませてしゃぶらせたら光った。

『次はクレー。』と言って、クレが俺の顔に跨って来て『しゃぶってー。』からの以下同文。
 フィア、チル、ワラ、ウィン、メタの順に、次々と以下同文。

 第四形態との契約ボーナスは+4万なので、第三形態の+3万から1万上昇、第三形態から第四形態への進化時の体液舐め(今回は体液しゃぶり)で+1万5000。つまり、精霊ひとりあたりの上昇分が2万5000で、それが7名分で17万5000の上昇だ。
 この結果、俺の魔力量の上限は46万から63万5000に大幅アップした。精霊たちに確認してもらったから間違いない。

 さて困った。衣類だ。
 第四形態は若い女の体で完全に大人だ。ギリギリ子供で通った、第三形態とは違う。
 もっとも第三形態ですらも、胸のポチリが薄絹の簡易ブラと貫頭衣越しに存在感を主張していたから、アウトと言われても仕方がなかったな。ただ、膨らみがあまりなかったから誤魔化せたようなものだ。
 第四形態は、俺好みの巨乳ではないが、標準的な胸の大きさであるから、頂のポチリが薄絹越しだとくっりきりと浮かび上がる。
 これ、絶対アウトな奴ぅ♪これ、絶対アウトな奴ぅ♪である。

 まともな衣類を買って来てもらわんといかんわ。あ、ゲオルク学校の女どもに頼むか!
 俺はフロアに出て、ゲオルク学校の連中をスイートルームに呼んだ。

 すぐにゲオルク学校の5人がやって来た。
「師匠、お呼びっすか?」「何すか?」
「ホルヘとアルはいい。中に入らずそこで待ってろ。」
「「は?」」
「マチルダ、レベッカ、ルイーザ、入れ。」
「「「はい。」」」
「ちょっと師匠!」最後にアルフォンソが何か言ってたが無視。

 なぜか目ん玉ハートマークで3人が入って来た。なぜ目ん玉ハートマークなのかは、まったくもって意味が分からん。ま、そんなことはどうでもいい。
「見てくれ。」
 くいっくいっと親指で、浮遊している精霊たちを指し示す。

「嘘…。」「大きくなってる。」「私たちと同じくらい?」
「だろ?流石に今の精霊の裸は、ホルヘとアルには目の毒だよな。
 とは言え、この程度の胸じゃ、俺は欲情せんがな。もっともっと、わが妻たちの様にバインバインでないとな。」
「「「くっ。」」」なぜか3人がダメージを受けているようだ。いったいどうした?

「しかしこれでは、今までの薄絹の簡易衣装では完全にアウトなんでな、すまんが精霊たちの服と下着を買って来て欲しい。俺には下着とかは分からんし、体型的にもお前らなら同じ様なもんだろ?何ならお前らの服や下着も買ってもいいぞ。」そう言って俺は金貨の詰まった革袋を手渡した。
「「「ううう。」」」さらに追討ちを掛けられたような3人。いったいどうした?

「ブラとかは多分お前らのサイズと似たり寄ったりだよな。念のため寸法とか測るか?」
「いえ、大丈夫です。」何とかマチルダが答えたが、相当ダメージを受けているようだ。いったいどうしたんだ?
「第四形態になったばかりで、なんなんだけどさ。流石にこの程度の胸じゃな。前よりはマシだけどイマイチなんだよな。早く第五形態のバインバインになってくんねぇかなー。」
「「「ぐはっ。」」」3人ともHPがやばそう。なんで?
「お前らさっきから、何ダメージ受けてんの?まさか毒でも食らってる訳じゃないよな?念のため、ソルに毒消しを掛けさせようか?」
「要りませんよ!」
「師匠が、さり気なく抉って来るんじゃないですか!」
「ほんと信じられません!」
「え?俺何かした?」
「「「もういいです!」」」

 ゲオルク学校の女子3人はスイートルームから出て行った。
「マチルダ、師匠、何だって?」と言うアルの問い掛ける声が聞こえたが、マチルダが、
「うるさい!」と切って捨てていた。何か知らんけど、相変わらずアルはダメダメだなー。笑

 ゲオルク学校と入替で、遅めの昼餉を摂っていたわが妻たちが帰って来た。
「わが君、とうとう昼餉に来なかったではないか?どうしたのだ。」
「いやー、第四形態になった精霊たちを連れて出られねぇよ。」
 くいっくいっと親指で、浮遊している精霊たちを指し示す。
「あら、流石にこれでは、仕方ないわね。」
「だろ?それでさ、ゲオルク学校の連中を呼んで、衣類一式7人分と予備分を、買って来てくれるように頼んだんだよ。」

「お頭様、昼餉、食べないの?」
「そうだなー、精霊たちを連れて出られないし、ルームサービスでも頼むかなー。皆、何食べたの?」
「トーラに任せましたの。とても美味しかったですわ。」
「そっかー、じゃあトーラ、俺にも同じの頼んでよ。」
「お頭様、トーラ、同じの、頼む。任せて。」

 で、帝国料理がでーんと出て来た。
 前菜のオリヴィエは、角切りにした肉、ハム、卵、ニンジン、ジャガイモ、ピクルスなどを、マヨネーズで和えたサラダ。ペリメニは帝国風水餃子。
 スープは、なんといってもボルシチ。帝国独自の食材のビーツから出た赤い色が特徴だ。淡水魚の白身魚を使ったスープのウハーも旨い。
 メインはやっぱりビーフストロガノフだ。牛肉、タマネギ、キノコをたっぷりのザワークリームで煮込んだものだ。ガルプツィは帝国風ロールキャベツ。
 パンはピロシキ。具を包んで焼いたパンだ。

 まるで簡易版のコース料理のようだった。もちろん美味しく頂きましたよ。

 俺がボッチでの部屋食を終えた頃、精霊用衣類の買い出しを頼んでいたゲオルク学校が帰って来た。
「おう、お帰り。ありがとな。」マチルダと、レベッカと、ルイーザを招き入れたが、
「お前らは外で待ってろ。」ホルヘとアルは絶対入れない。
「「えー、なんで?」」
「精霊たちがな、第四形態になったのだが、若い女なんだよ。今、裸だから、お前らに見させる訳にはいかねぇだろ。」
「いやいやいや、師匠、いくらなんでも精霊たちに欲情なんてしませんって。」
「ダメだ。絶対にダメだ。男どもは廊下で待っていろ。自室で待機でもいいぞ。」
「「師匠ー。」」
「うるさい!つべこべ言うな。お前らも娘を持ったらこの気持ちが分かる。」
「いやいや、娘じゃないでしょーに。」
「まじ拗らせ過ぎっすよ。」
「おう!拗らせ過ぎで大いに結構!」
「うわ、開き直った。」「だよなー。」
「なんとでも言え!」肩をすくめるふたり。

『『『『『『『やー、絶対やー!』』』』』』』王国の7人の精霊たちは断固拒否の姿勢を貫いている。ソルは関係ないからふわふわしている。
「だめだ。お前たちを今までの衣装で連れ歩いたら俺が捕まる。」
『『『『『『『やー!』』』』』』』
「一度だけ試してくれ。」
『『『『『『『やー!』』』』』』』
「ほう。そんなにいやか?…教国のアリトナ。」
 最後のひと言はぼそっと囁くように言った。精霊たちの顔が見る見る間にひきつった。笑

 教国のアリトナでは、精霊たちが我儘を言って男の子になったのだが、その見事なショタっぷりに、初物食いが好きなわが妻たちのスイッチが完全に入ってしまったのだ。
 逃げおおせたと言うか、あぶれたツリとソルは直接的な被害は受けなかったが、残りの6人は、当時はまだ仲間になっていなかったトーラを除く残りの6名のわが妻たちに、パンツまでひん剥かれ、半剥けゾウさんが今まさに食われそうと言う、危機一髪の状態まで追い込まれたのだ。
 すれすれのところで、俺が出したヒントで女の子に戻り、事なきを得たのが「アリトナショタ事件」である。

『大丈夫だもん。男の子にならないもん。』ツリが反論するが、
「はあ?何言ってんの。『女の子のまんま、5回イカせたら、男の子にできる。』って言ってやんよ!」
『それ嘘だもん。違うもん。』クレが反論するが、
「嘘だから何?別に5回イカせるまで嘘だって分かんないじゃん。」
『嘘だって言うもん!』フィアが反論したが、
「お前らがショタになるって聞いたわが妻たちは、スイッチが入って暴走するぜ。そんな戯言聞くと思う?」
『戯言じゃないもん。』チルが反論したが、
「そう、戯言じゃないけど、ショタ好きのわが妻たちにとっちゃあ、お前らがショタるかもって聞いただけで見境なくなる訳よ。」

『でも男の子になんか、ならないもん。』ワラが反論したが、
「だーかーらー、そんなのどうだっていいんだって。5回イッてもイカせ方が足りないって言えば、延々と続けるよ。わが妻たちは。」
『でも…。』ウィンが続かない。笑
「なんだよ、もう終わりかよー。じゃあ呼ぶぞ。
 おーい!…。」
『待って!着る!着るから許して。』メタがついに落ちた。
『ツリもー。』『クレもー。』『フィアもー。』『チルもー。』『ワラもー。』『ウィンもー。』芋蔓式に皆落ちた。笑

「そうかそうか。大事なお前たちをわが妻たちに襲わせるのは、俺も本意ではない。聞き分けてくれるかー。」
 ぶー、とむくれている7人。
 ツリにパンツを穿かせ…、って、おい!Tバックじゃんよ。しかも黒だし。何考えてんだ、あいつら。クマさんパンツでいいんだよっ!選んで来たゲオルク学校の女3人にイラっと来る。
 ブラもシースルーのHなやつじゃん。こっちも黒だし。スポーツブラとか、色気のないのでいいんだよ!あいつらめー。
 服はベージュのワンピか。これは丈が膝まであるし、まあいいだろう。Tバックでミニスカとかだったら、俺はブチ切れてたかもしれん。ノースリーブなのがちょっと気になるがな。
 ツリ、完成。
 続いて、クレ、フィア、チル、ワラ、ウィン、メタ完成。

「どうだ?」
『うーん、思ったより、まし。』
『あんまり、きつくない。』
『これなら、いい。』
 精霊たちからは合格点をもらえた。

 わが妻たちと、ゲオルク学校の女3人にも披露したら、高評価だった。一応、ゲオルク学校の女3人に聞いてみる。
「お前らさ、シースルーブラに、Tバックって何なの?しかも黒だし。」
「え?師匠、ああいう大人っぽいのが好みですよね?」
「わが妻たちが着けるならな。精霊たちはスポーツブラとクマさんパンツでいいんだよ。」
「師匠、クマさんパンツはないですよー。」
「師匠、スポーツブラだって、結構そそるのありますよ。」
「ちなみに私たちも精霊たちと同じのを、お揃で買いましたよ。見ます?」
「いや、俺はいい。ホルヘとアルに見せてやれ。」

「えー、アルですか?そんな対象じゃないですねー。」マチルダが言うが、
「マチルダさ、アルはお前にずっと惚れてんだぜ?そろそろ真面目に考えてやれよ。今みたいに中途半端に躱すのが一番まずいんじゃね?」
「「そうだよー。」」レベッカとルイーザが乗って来た。

「それにさ、お前も満更じゃないだろ?だってさ、俺は、ホルヘとアルに見せてやれって言ったのに、お前、ホルヘはスルーして『アルですか?』って言ったよな?それともホルヘになら見せていいって意味なのか?」
「違いますよ。」
「だろ?やっぱ、アルを意識してるんじゃん。あんまりアルにツンツンばっかしてっと、アルは、レベッカかルイーザとくっついちまうかもしれないぞ。」
「え?」マチルダが、レベッカとルイーザを睨んだ。マチルダの睨みに焦って、ないないと両手を小刻みに振るレベッカとルイーザ。

「ところで、お前らは、どっちがホルヘとくっつくの?」
「「え?」」レベッカとルイーザが不意を突かれた感じだ。
「どっちかがくっつくと、もうひとりがあぶれるから今の中途半端な関係がいいってか?」
「そうですねー。」「それにホルヘは恋人って言うより兄貴みたいな?」
「ふーん、じゃあさ、ホルヘが他の女とくっついてもいい訳だ。兄貴だもんな?」
「「いやいや、ないない。」」ふたりは余裕で笑っているが、
「西府ギルドの受付嬢のひとりがホルヘを狙ってるぞ。」嘘だけど。
「「え?」」
「別にふたり一緒にホルヘでもいいんじゃね?」
「それより、その受付嬢って誰です?」食い付いて来た。笑
「さあな。俺は人の恋路は邪魔せん主義なのよ。せいぜいホルヘを取られないようになー。
 ってか、あいつら廊下で待たしてたんだった。部屋に入れてやんなきゃ。」

 俺はレベッカとルイーザに、散々思わせぶりな話を振っておいて、ホルヘとアルを呼びに行ったのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

設定を更新しました。R4/9/4

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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