精霊の加護

Zu-Y

文字の大きさ
上 下
61 / 183

精霊の加護058 ビーチェさんを下さい

しおりを挟む
精霊の加護
Zu-Y

№58 ビーチェさんを下さい

 年末年始の数日、お姉様方と南府のリシッチャ亭でゆっくり休暇を楽しみつつ、王都での結婚披露宴に向けて計画を煮詰めた。

 まずはビーチェさんとふたりでリシッチャ島に行き、ビーチェさんのご両親のピエトロさんとエンマさん、そして弟のロレンツォにご挨拶する。

 リシッチャ島から南府に戻ったら、そのまま皆で王都に行き、王宮で新たなボスの王太子殿下にご報告。おそらくこのとき、前のボスである東部公爵様をはじめ、他の公爵様方にもご報告することになるだろう。それからジュヌさんとふたりで王都近くの村にいるジュヌさんのご両親にご挨拶だ。

 王都から皆で北府に行き、そのまま湯の町バースへ行って、皆でバースの温泉宿に泊まりつつ、ベスさんとふたりでベスさんの御父上のバース伯爵様、御正室様、ベスさんの御母上の御側室様にご挨拶。戻られていれば兄上様にもご挨拶。戻られていなければ、北府に戻ったところで兄上様にご挨拶。

 その後は皆で、王都経由で西府に行き、そのままカルメンさんとふたりで西府近くの村のカルメンさんのご両親にご挨拶。西府に戻ってアルマチとホレル~決して俺からゲオルク学校とは言わない!~へ報告。

 皆を連れて西府から王都経由で東府へ行き、リーゼさんとふたりで東府近くの村にいるリーゼさんのご両親にご挨拶。その後、ラスプ村に行き、両親と神父さんに報告し、皆を紹介する。まぁ、村長さんには、特に報告しなくてもいいだろう。それから東府に戻って、大司教様とルードビッヒ教授にご報告。

 皆で王都に戻って、披露宴だ。よし、これで行こう!

 翌日、ビーチェさんとリシッチャ島に向かうことになったのだが、朝餉のときに、ちょっとした問題に気付いた。

 ビーチェさんはペガサスのナイトに乗ってリシッチャ島の実家と、南府のリシッチャ亭を往復していたのだが、まだ仔馬の部類に入るナイトに、俺とビーチェさんでふたり乗りはできない。
 ナイトは2時間掛けてリシッチャ島に行くので、ピストン輸送だと6時間だ。これはあくまでも単純計算で、ナイトの疲労まで考えると、ピストン輸送もちょっとなぁ。

 後は定期船を使えばよいが、定期船だと高速船でも、ネヴェッツィ経由か、ヴァジェノ経由となり、いずれにせよ片道丸2日掛かる。往復4日だ。

「ビーチェさん、南府からまっすぐ南へ南府湾を突っ切ってリシッチャ島に行く船はないの?」
「ないよ。チャーターするしかないかな。」
「マルコさん、ワラを救出したときみたいにお願いできないかな?」
「いや、すまねぇが急に店を閉める訳にゃぁ行かねぇよ。ゲオルク、船は貸してやるからよ、おめぇが操船して行きゃぁいいじゃねぇか?」

「え?でも俺は船の操船なんてできませんよ。」
大丈夫でぇじょうぶだよ。操船てのはなぁ、刻々と変わる風向きに対して、帆で風をしっかり捉えながら、行きてぇ進路に船が進むよう、帆の向きを調節するだけなんでぇ。まぁこれが素人には厄介っちゃぁ厄介なんだが、おめぇにゃ風の精霊様が付いてるだろ?斜め後ろからいい塩梅に風を起こしてもらやぁ、船でやるこたぁねぇわな。それこそ、寝てるうちに着いちまうぜ。」
「あ、そうか。」
「それによぅ、湾内は波が穏やかだからな。面倒臭ぇことにもなるめぇよ。」

 それからマルコさんに、離岸や着岸のための操船の基本を教わった。マルコさんには「飲み込みが早くて筋がいい。」と褒められた。実際、そんなに難しくはなかったな。

 ひと通りの操船を教わったところで、俺と精霊たちが船に乗り込んで、昼前に、南府湾を出航した。昼間は海風が吹くから逆風なのだが、ウィンがいるからまったく関係ない。
 同時にビーチェさんがナイトに乗って、リシッチャ島へ向けて飛び立った。
 精霊たちはあまり船上にはおらず、上空を飛んで付いて来ている。ウィンは真後ろからややずれた斜め後ろから一定の風を送ってくれている。この風を帆でがっちり掴んだ船は、波がほとんどない穏やかな湾内を、驚くようなスピードで進んで行った。

『ゲオルクー、お腹すいたー。』常に風を起こしているウィンは、魔力の補給にちょくちょくと船に下りて来た。
 ちゅーちゅー、ぷはぁーとキスをして、魔力が満タンになると紫色に輝いて再び上空に上がり風を起こす。

 俺はウィンへの魔力の補給以外することがなく、マルコさんが言った通り、それこそ寝ててもよかったくらいだが、流石に寝ることはしなかった。
 と言うのも、船で海上を突っ切って行くのがとても爽快で、寝るのが勿体なかったからだ。

 じきに日が暮れたが、南部湾内には暗礁などの危険な障害物の場所は分かってるし、他の船は航行灯を灯しているので分かる。俺もマルコさんに教わった通り、航行灯に火を入れた。
 右舷は緑、左舷は赤、マストの前面と船尾が白だ。航行灯は大きめのランプで、中に火を灯すとランプのガラスの色によって、それぞれの色の光が出る。
 さらに進行方向を、帆に風を送ってくれるウィン以外の精霊たちに監視してもらっているから衝突などの心配はない。それにしても夜の海は真っ暗だな。

 真夜中になる頃、前方にうっすらと明かりが見えて来た。リシッチャ島の街の灯だろう。
 夜の闇の中で入港するのは危険だから、俺は船を止め、明け方まで待つことにして、帆を畳んだ。夜は大陸からの陸風が吹くから、帆を張ったままだとリシッチャ島に流されてしまう危険がある。

 船を停めると精霊たちが船に降りて来た。順々に魔力を補給して船上で休憩だ。休憩に入るとすぐ、精霊たちは一斉にまとわりついて来た。かわいい。笑
 髪を弄ったり、手を繋いだり、膝に座ったり、抱き付いて来たりと、いろいろやりたい放題だが、今日1日、本当によく頑張ってくれたので、好きなようにさせておく。

 いよいよ明日はビーチェさん宅に挨拶か。まぁビーチェさんの御母上のエンマさんは応援してくれるだろうが、御父上のピエトロさんは微妙だな。弟のロレンツォは大丈夫だろう。

 船上で波に揺られ、うつらうつらしてると、そのうち夜が明けて来て、辺りが明るくなって来たので、俺は再び船の帆を張った。精霊たちは上空に上がり、ウィンが風を起こすと船は再びリシッチャ島に向けて海上を滑り出す。
 ウィンが上手に風向きをコントロールしてくれたおかげで、楽々と防波堤を回り込んで、ラクシーサの港に接岸した。

 そして港に上陸すると、なんとビーチェさんが迎えに来てくれていた。
「ゲオっち、お疲れー!」と言って腕を絡ませて来る。笑顔がかわいい。
「こんなに朝早いのに、わざわざ迎えに来てくれたんだ。」
「もちろんだよ。愛しい旦那様だもの。えへへ。」なんか妙に嬉しい。

「いつから待ってたの?」
「ちょっと前かな。南府からリシッチャ島への直線距離と、あの船足なら夜中には着くだろうと思ってたからね。夜間は暗いから入港しないだろうし、だったら入港は朝イチかなって。」
「その通り。でも船の速度も測ってたんだね。」
「うん。ナイトに乗ってこっちに来るとき、上空から見てたよ。かなり速い船足だったよね。」
「そうなんだよ。ウィンが頑張ってくれたからね。他の皆も周りの警戒とかをしてくれたしさ、マルコさんが言った通り寝てても付いたんじゃないかな。」
「ふーん、そうなんだ。順調な航海でよかったよ。じゃぁそろそろ行こうか?」
「おう!」思わず気合が入る。

「そんなに気合い入れなくたって大丈夫だって。」
「うん。ピエトロさんの様子はどう?」
「うーん、ちょっとご機嫌斜めかな。なんか叔父さんが手紙で煽ったみたいでさ。でもママとロレンツォが味方だから大丈夫だよ。」

 ビーチェさんの実家のリシッチャ流刀術道場に着いた。エンマさんとロレンツォが玄関まで出迎えてくれて、ふたりが早速祝福してくれたのに安堵する。南府のお土産を渡して、居間に案内された。
 そこにはいかにも不機嫌そうなピエトロさんがいた。苦笑

「こんにちは。」
「ああ。」眼も合わせて来ない。うわ、マジ機嫌悪ぃな。
「この度は、ビーチェさんと結婚することになりましたので、そのご報告に来ました。」
「ふん。話が違うぞ。Aランクになってからじゃなかったのか?」
「違いません。ギルドからAランク昇格の確約を頂きましたので。」
「どういうことだ?」
「前回お邪魔した後にも、実績を重ねまして、実績的にはAランクだそうですが、Bランクに上がったばっかりなので、流石にすぐは上げられないから1年後に昇格と言うことになったんです。実際、クエスト受注などのギルドでの扱いはAランクですよ。」
「そんなことがあるのか?」驚くピエトロさんに俺は冒険者カードを見せた。Bランクのシルバーカードに『Aランク相当』の金文字が刻印されている。

「って、おめぇ、この短期間に何をやったんだ?」
「前回お邪魔したときにウィンと契約しましたが、その帰りに、ウィンを無力化しに来た帝国と教国の工作員と、それから武器商人の手先を捕まえまして、その後、ビーチェさんたちが南府で特訓してる間に、雪崩で通行できなくなった北府と鉱山エリアを結ぶ街道を元通りに直して、後は、鉱山エリアを根城にしてたちょっと大きめの盗賊団を壊滅させました。」
「なんだと!雪崩ってのはどれくらいの規模だ?」
「そうですねぇ。ポリーナの村を飲み込むくらいの規模ですかね。」
「「「…。」」」ピエトロさんだけじゃなくて、横で一緒に聞いてたエンマさんとロレンツォも絶句していた。

「それと盗賊団は35人でした。」
「それをおめぇひとりでやったのかよ?」
「いえ、精霊たちとです。」
「精霊たちはお前と一緒だろ?他の冒険者は何人いた?」
「俺だけです。」
「てめぇ、吹かしてんじゃねぇぞ!そんなのひとりでできる訳ねぇだろ!」
「そう言われましても…。」
「パパ、だからAランク相当になったんだよ。精霊魔術師を常識の範囲で考えちゃダメなんだって。いろいろ規格外なんだからさ。」
「ちっ。分かったよ。じゃぁ、こっちはどう説明するんでぃ。」

 ピエトロさんが放ってよこしたのは、マルコさんからの手紙だった。

『敬愛する兄貴
 ビーチェがとうとう年貢を納めやがった。兄貴も知ってるゲオルクだ。ゲオルクはなかなか見所のある奴で、うちのジューリアも気に入っている。
 兄貴、おめでとう。手塩に掛けた娘が、男に掻っ攫われるってなぁどういう気分なんだろうなぁ。俺には娘がいねぇから分からねぇが、これで兄貴が身悶えすると思やぁ、ざまぁみやがれってんで、実に笑いが止まらねぇ。あ、これは冗談だから本気にするんじゃねぇぞ。
 ゲオルクの奴は、ああ見えてタフな野郎だ。ビーチェと一緒に、残りの4人のパーティメンバーもまとめて引き受けやがった。それでよ、その5人を毎晩まとめてひぃひぃ言わせてやがる。そんな訳だから、兄貴にもすぐに孫ができるぞ。よかったな。これで兄貴はじぃじだぜ。
 ゲオルクがそのうち挨拶に行くからよ、祝ってやんな。間違っても、ケツの穴の小せぇこと言うんじゃねえぞ。
 兄貴の自慢の弟マルコ』

 まったくマルコさんったら書きたい放題だな。でもまぁ、書いてる内容は結構盛ってはいるが、大体その通りだしな。
 ピエトロさんの不機嫌は、この手紙でマルコさんにおちょくられたことの八つ当たりかよ。まったく…。

「はぁ。盛り上がったのはOKをもらった晩だけで、毎晩じゃぁないですけどね。後は大体この手紙の通りですが、何か問題がありますか?」
「て、て、て、てめぇこの野郎。他にも女がいるんじゃねぇか。」
「いますよ。それが何か?」
「それが何か?じゃねぇだろう。貴族でもあるめぇし、女を5人も侍らすたぁ、どういう料簡でぃ!」
「Aランクの甲斐性って奴ですよ。大丈夫です。全員愛してますんで。」
「な、な、な、なんだと!」
「きっぱり言いますが、遊びや体目当てはひとりもいません。当然、全員と添い遂げます。」
「この野郎、よくも抜け抜けと。思いっ切り重婚罪だろうがよ!」
「いえ、実は俺、騎士爵ですので重婚罪は適用されません。」
「「「え?」」」ピエトロさん以下、エンマさんとロレンツォも反応した。

「こちらにお邪魔した後なんですけどね、陛下より直接、騎士爵に任命されました。後、王太子殿下直属の王家付精霊魔術師になりました。」
「そうだぞー、だからゲオっちに失礼なこと言うと、不敬罪になっちゃうぞ。分かった?パパ。」
 ピエトロさん、お口パクパク酸欠金魚。

「いやいやいや、ビーチェさん、やめてよ。俺なんかに不敬罪って不要だから。柄じゃねぇし。」
「じゃぁさ、姉貴も貴族になんの?」
「んー、どうだろ?結婚したら一応騎士爵夫人…なのかな?僕の方こそ柄じゃないよ。あはは。」
 そんな感じでうやむやになって、最後はピエトロさんも渋々認めてくれた。

 その夜は、ビーチェさん宅で、ビーチェさん一家と夜遅くまで痛飲したのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

設定を更新しました。R4/5/1

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう

138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」  パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。  彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。  彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。  あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。  元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。  孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。 「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」  アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。  しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。  誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。  そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。  モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。  拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。  ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。  どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。  彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。 ※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。 ※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。 ※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

俺と幼女とエクスカリバー

鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。 見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。 最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!? しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!? 剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

魔兵機士ヴァイスグリード

八神 凪
ファンタジー
惑星歴95年。 人が宇宙に進出して100年が到達しようとしていた。 宇宙居住区の完成により地球と宇宙に住む人間はやがてさらなる外宇宙にも旅立つことが可能となっていた。 だが、地球以外にも当然ながら知的生命体は存在する。 地球人の行動範囲が広がる中、外宇宙プロメテラ銀河に住む『メビウス』という異星人が突如として姿を現し、地球へ侵攻を開始。 『メビウス』は人型兵器を使い、地球からもっとも遠い木星に近い宇宙居住区を攻撃。実に数千万の命が失われることになった。 すぐに対抗戦力を向ける地球側。 しかし、地球人同士の戦争やいざこざが多少あったものの、比較的平和な時を過ごしてきた地球人類にこの攻撃を防ぐことはできなかった。 さらに高機動と人間を模した兵器は両手による武装の取り回しが容易な敵に対し、宙用軍艦や宙間戦闘機では防戦一方を強いられることになる。 ――そして開戦から五年。 日本のロボットアニメを参考にして各国の協力の下、地球側にもついに人型兵器が完成した。 急ピッチに製造されたものの、『メビウス』側に劣らず性能を発揮した地球性人型兵器『ヴァッフェリーゼ』の活躍により反抗戦力として木星宙域の敵の撤退を成功させた。 そこから2年。 膠着状態になった『メビウス』のさらなる侵攻に備え、地球ではパイロットの育成に精を出す。 パイロット候補である神代 凌空(かみしろ りく)もまたその一人で、今日も打倒『メビウス』を胸に訓練を続けていた。 いつもの編隊機動。訓練が開始されるまでは、そう思っていた。 だが、そこへ『メビウス』の強襲。 壊滅する部隊。 死の縁の中、凌空は不思議な声を聞く。 【誰か……この国を……!】 そして彼は誘われる。 剣と魔法がある世界『ファーベル』へ。 人型兵器と融合してしまった彼の運命はどう転がっていくのか――

処理中です...