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射手の統領158 イムジオのとんかつ屋
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射手の統領
Zu-Y
№158 イムジオのとんかつ屋
翌朝、目を覚ますと、昨夜真剣勝負を行ったホサキとシノブが、両横ですやすやと寝ている。
まぁ、昨日頑張ったしな。笑
ホサキとシノブは、スレンダー揃いの嫁たちの中でも、特にスレンダーである。盾槍士のホサキは盾槍士の重装備で常に筋トレしてるようなものだし、忍の者のシノブは常に身軽な動きができるように極限まで絞っている。
つまり、ストイックなまでに絞り込んでいるふたりなのである。
それでもぺったんこではない。ほんのりではあるが、双丘がその存在を主張している。Aカップだそうだ。AAかもしれないが、Aと言うことにしておく。
これが貧乳マスターの俺を刺激する。俺は、巨乳は好まん。たとえ特殊な性癖であろうと、俺は俺の道を行く。もちろんぺったんこは嫌だ。ぺったんこと貧乳は違うのだ。
で、話は戻すが、スレンダーのホサキとシノブが、俺の横で全裸で眠っている。起こさないように、そーっと双丘探検に向かった。
すぐさま頂上に辿り着き、ポチリを弄びつつ、その手触りを堪能していると、ついにふたりは起きてしまった。朝駆も、もはやこれまで。
「うーん、また朝駆でござるか?」
「くっ、油断した。シーちゃん、逆襲しようぞ。」
「サキ姉、心得たでござる。」
「え?」…ふたり掛りで襲われた。朝っぱらから何やってんだか。苦笑
で、朝餉である。
「いよいよ今日は東都入りだな。」
こくり。「翠樹龍は…、いつ…?」
「一旦、テンバに戻って、統領就任の打ち合わせをしなきゃと思ってるんだ。」
「アタルはそうよね。」
「え?俺は、って?」
「私たちはぁ、東都でぇ、クエストをやるわぁ。」
「えー?俺、ボッチ?」
「アタルが統領就任の打合せをしている間、私たちは暇ですもの。だったら東都でクエストをしていたいです。」まじかよ。…しかし一理あるな。
「それに、シーちゃんとの連携も高めておきたいしな。」いやいや、すでに見事な連携で俺の朝駆を返討ちにしたじゃないか!
「アタル兄がおらなんだら、セプトは女子チームやね。なんか名前考えんと。」
「せやねー、アマゾネス?うーん、ちと野蛮なイメージやねぇ。」
「ワルキューレは?戦乙女やん。」「うーん、それもちょっとイマイチやなぁ。」
「巴は?巴御前の巴。」「「アタル兄、それええやん。」」
巴は、古の和の国の武家が、紅の軍と白の軍に分かれて戦い続けた大乱で、白の軍の分家に仕えていた女武者である。分家の統領の幼馴染で、愛妾でもあったと言う。
この白の軍の分家の軍勢は、白の軍の本家勢に先んじて、紅の軍の勢力下にあった、当時の都の西都に進出し、紅の軍を追い落とした。白の軍からすれば、大殊勲である。しかし、白の軍の分家勢は、西都での乱暴狼藉がひどく、また、西都を単独で奪還したことを白の軍の本家に妬まれて、本家から追討されてしまう。
主君であり夫でもあった分家の統領を失った巴は、本家の軍勢に生け捕られ、本家の重臣の妾となる。その重臣と一族郎党も、白の軍が紅の軍を滅ぼし、全国を平定して最初の幕府を東国に開いた後、幕府内の勢力争いで失脚して滅ぼされてしまう。
巴は、悲運な女武者であったゆえ、後世での人気は高い。
こうして、俺の思い付きで、俺がいないときのセプトは、巴と名乗ることになったのだが、俺はこの思い付きを非常に後悔している。
結果的に、俺抜きの嫁たちだけの活動を認めてしまうことになってしまったからだ。泣
ワカエゴを出てから東都までの道程は非常に順調で、魔物にも遭遇せずに進んだ。
途中、少し南に逸れて、昼餉はイムジオの町で摂った。イムジオには一部の冒険者の間で評判のとんかつ屋があるのだ。
このとんかつ屋は、主力のとんかつの他にも大エビフライや、今の季節はないが、冬場の大カキフライを売りにしている。さらには、和の国のあちこちから、旨い和酒まで取り揃えているのだ。しかも店主のこだわりで、和酒は純米酒しか置いてないのだとか。
東都のギルドで冒険者から聞いて、一度寄ってみたいと思っていた店だ。
店に入ると、ひとりひとりに胡麻が入った小さなすり鉢が出て来て、すり棒でゴリゴリと擂り潰す。ここに好みで辛口か甘口のとんかつソースを入れて、料理が出て来るのを待つ。
皆、とんかつと大エビフライの定食を注文していた。キョウちゃんズだけは、それぞれとんかつ定食と大エビフライ定食のふたつを頼んでたけどな。笑
俺はすり胡麻に辛口とんかつソースをチョイスしていた。それに揚げたての熱々とんかつを付けて食うのだ。噂通りで実に旨い。大エビフライにはタルタルソースがついて来るので、タルタルソースと、すりごま入り辛口ソースの両方で食った。
定食は白米が雑穀米かが選べるので、俺は迷わず雑穀米を選択。ご飯も付け合わせのキャベツもみそ汁もお代わりし放題なのだ。こう言うとき、多くの店ではお代わりを頼まなけれなばいけないが、この店は店員がお代わりはどうかと勧めに来る。こう言う気遣いが嬉しい。「お代わり。」って言いにくいものな。キョウちゃんズがためらわずに言うけれども。笑
ちなみにキョウちゃんズが、それぞれとんかつ定食と大エビフライ定食を頼んだら、ご飯のキャベツとみそ汁はお代わり自由だから、片方は定食ではなくて単品にしろと、店員さんに言われた。非常に良心的である。
で、俺は昼間だと言うのに、店主の純米酒に対するこだわりにひどく感銘を受け、嫁の白い眼をスルーして和酒を頼んだ。
すると店主が、いいのがいくつもあるから、ぜひ試飲して注文する銘柄を決めてくれと言う。なお試飲はタダだ。まじかー。嬉し過ぎるぞ、おい。
結局、試飲した5種類をすべて注文した俺なのであった。苦笑
和酒は1合で出て来たので、5種類で5合=半升。しかも5種類の試飲で、1合以上は呑んだ。当然酔いが回る。
和酒ですっかりいい気分になった俺は、もう一度嫁たちに翻意を促した。
「なぁ、やっぱりさ、巴での活動はやめようぜ?」
「「なんでやねん。」」と、キョウちゃんズから、西のハモリツッコミが来た。
「だってさー、クエスト中は俺もテンバで打合せしてるから仕方ないけどさぁ、何日も皆と離れ離れになりたくないよぉ。」泣くぞこら。酒入ってるし…。
「何言ってんのよ。テンバに帰るわよ。」
「え?」
「流邏石で…往復…。」へ?そうなの?
「なんだー、それならいいや。」
「もしかして私たちが東都に泊まると思っていたのか?」
「うん。」
「旦那様をほっとく訳ないじゃないですか。」
愛い奴らめ。皆を抱き締めようとしたら、
「「「「「「「「酔っぱらい!」」」」」」」」と、8人シンクロで拒絶された。店主と店員と他の客が笑いを堪えていた。ちくしょうめ。泣
すっかり酔った俺は、イムジオから東都の道中を嫁たちに丸投げして、北斗号のメイン車両のベッドでぐっすり。
起こされたときは、すでにキノベ陸運東都営業所に着いていた。あちゃー、やっちまった。汗
メイン車両から出て行くと、
「やっと…お目覚…?」
「アタル、あんた、懲りないわねぇ。」
「さーせん。」素直に詫びたが、まだ酒は残っている。だって軽くふらふらしてるもの。
「あらあらぁ、こんなにぃ、なっちゃってぇ。」
「アタルは呑むと、こんなになることもあるのでござるな。」
「たまになるのよ。でも今日はましな方ね。正体をなくすときもあるから。」
「それで痛い目に遭っても全然懲りません。ほんとに困ったものです。」
「さーせん。ひっく。やべ、ひっく、とかって、酔っぱらい、みたいじゃん。ひっく。」
「いやいや、十分酔っぱらいやん。」
「それで素面や言うたら、どつくで。ほんま。」
「えー、そんなにやばそう?ひっく。」
「「「「「「「「やばいって!」」」」」」」」8人シンクロツッコミが来た。今日2回目?笑
「今のアタルは、流邏石で飛ぶのは危なそうだな。」
こくり。「宿を…取る…。サヤ?」
「そうね。」
「いや、大丈夫、大丈夫。心配ない。」
「ダメですよ、アタル、大丈夫を連発するのは酔っぱらいの証拠です。」
「…。」ぐぅの音も出ねぇ。
「皆でぇ、東都にぃ、泊まりましょう。」
そう言うことになった。
東都で利用しているいつもの宿屋にチェックインし、嫁たちから部屋まで運ばれた。
まだ夕方だし、風呂に入って汗と一緒に酒を抜けば大丈夫!実際、夕餉の頃にはある程度復活した俺なのだった。笑
さて、東都の夜とくれば、繰り出すのは、東都前寿司。久し振りだ。
「らっしゃい。おお、兄ちゃんか。久し振りだなぁ。」
「大将、しばらく。」
「大将、うち、いつもの。」「うちも、いつもの。」キョウちゃんズは「いつもの」で、アナゴの1本握りが出て来る。笑
「はいよ。って、西の嬢ちゃんたちか?こらまた背も伸びて、えらい別嬪になりやがったなぁ。驚いたぜ。」
「大将、お上手やわぁ。」「ホンマや、褒めても何も出ぇへんよぉ。」
「ははは。あれ、そちらの姉ちゃんは新顔さんだな?」
「ああ、最近メンバーになったんだ。」シノブがぺこりと挨拶した。
「おい兄ちゃん、またもやえらい別嬪じゃねぇかよ。」
「まあな。」分かってるじゃん、大将。
「嬢ちゃんたち、お気に入りのができたぜ。それと、新顔の姉ちゃんにサービスだ。」と言ってアナゴの1本握りが、3本出て来た。笑
それからお任せで頼み、皆で東都前寿司を堪能した。シノブも大層気に入ってくれたのだった。
まぁ話題は俺の酔い潰れネタにもになったがね。このネタでちくちくといじめられて、流石に肩身が狭かったよ。苦笑
「そうそう、アタル、北斗号に残っていた積荷ですが、アタルが寝ている間に、東都総本店に全部卸しましたよ。」寝ている間に、と言われると微妙に後ろめたい。苦笑
「食品だから積んどく訳には行かないよな。」流石にアキナは物流については、目端が利く。
「ええ。卸値ですから儲けは少ないですけどね。」
「ま、それはいいよ。」
宿屋に戻ってむふふターイム。お陰様で昼の酔いは抜けました。よって今宵は抜いてもらいます。笑
今宵はキョウちゃんズ。
東都前寿司の大将も言ってたが、背がすらっと伸びてモデルのようになったキョウちゃんズが、実はまだ未成年とは誰も思うまい。
そして、このモデル体型の美少女たちと、8ヶ月前の幼児体型だった少女たちが、同一人物とはな。まったく感慨深いものだ。
ライたちの言った通り、成長し出したらほんとに早かったなぁ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
投稿日設定のミスで公開が遅れました。申し訳ありませんでした。
設定を更新しました。R4/12/25
更新は月水金の週3日ペースでしたが、11月中旬にストックが尽きてしまい、1か月ちょっとの間、自転車操業で更新していました。
このため、後からの付け足しなど、修正改稿が増えてしまいました。
次週より、しばらく更新をお休みして、ストックを増やしてから再開いたします。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№158 イムジオのとんかつ屋
翌朝、目を覚ますと、昨夜真剣勝負を行ったホサキとシノブが、両横ですやすやと寝ている。
まぁ、昨日頑張ったしな。笑
ホサキとシノブは、スレンダー揃いの嫁たちの中でも、特にスレンダーである。盾槍士のホサキは盾槍士の重装備で常に筋トレしてるようなものだし、忍の者のシノブは常に身軽な動きができるように極限まで絞っている。
つまり、ストイックなまでに絞り込んでいるふたりなのである。
それでもぺったんこではない。ほんのりではあるが、双丘がその存在を主張している。Aカップだそうだ。AAかもしれないが、Aと言うことにしておく。
これが貧乳マスターの俺を刺激する。俺は、巨乳は好まん。たとえ特殊な性癖であろうと、俺は俺の道を行く。もちろんぺったんこは嫌だ。ぺったんこと貧乳は違うのだ。
で、話は戻すが、スレンダーのホサキとシノブが、俺の横で全裸で眠っている。起こさないように、そーっと双丘探検に向かった。
すぐさま頂上に辿り着き、ポチリを弄びつつ、その手触りを堪能していると、ついにふたりは起きてしまった。朝駆も、もはやこれまで。
「うーん、また朝駆でござるか?」
「くっ、油断した。シーちゃん、逆襲しようぞ。」
「サキ姉、心得たでござる。」
「え?」…ふたり掛りで襲われた。朝っぱらから何やってんだか。苦笑
で、朝餉である。
「いよいよ今日は東都入りだな。」
こくり。「翠樹龍は…、いつ…?」
「一旦、テンバに戻って、統領就任の打ち合わせをしなきゃと思ってるんだ。」
「アタルはそうよね。」
「え?俺は、って?」
「私たちはぁ、東都でぇ、クエストをやるわぁ。」
「えー?俺、ボッチ?」
「アタルが統領就任の打合せをしている間、私たちは暇ですもの。だったら東都でクエストをしていたいです。」まじかよ。…しかし一理あるな。
「それに、シーちゃんとの連携も高めておきたいしな。」いやいや、すでに見事な連携で俺の朝駆を返討ちにしたじゃないか!
「アタル兄がおらなんだら、セプトは女子チームやね。なんか名前考えんと。」
「せやねー、アマゾネス?うーん、ちと野蛮なイメージやねぇ。」
「ワルキューレは?戦乙女やん。」「うーん、それもちょっとイマイチやなぁ。」
「巴は?巴御前の巴。」「「アタル兄、それええやん。」」
巴は、古の和の国の武家が、紅の軍と白の軍に分かれて戦い続けた大乱で、白の軍の分家に仕えていた女武者である。分家の統領の幼馴染で、愛妾でもあったと言う。
この白の軍の分家の軍勢は、白の軍の本家勢に先んじて、紅の軍の勢力下にあった、当時の都の西都に進出し、紅の軍を追い落とした。白の軍からすれば、大殊勲である。しかし、白の軍の分家勢は、西都での乱暴狼藉がひどく、また、西都を単独で奪還したことを白の軍の本家に妬まれて、本家から追討されてしまう。
主君であり夫でもあった分家の統領を失った巴は、本家の軍勢に生け捕られ、本家の重臣の妾となる。その重臣と一族郎党も、白の軍が紅の軍を滅ぼし、全国を平定して最初の幕府を東国に開いた後、幕府内の勢力争いで失脚して滅ぼされてしまう。
巴は、悲運な女武者であったゆえ、後世での人気は高い。
こうして、俺の思い付きで、俺がいないときのセプトは、巴と名乗ることになったのだが、俺はこの思い付きを非常に後悔している。
結果的に、俺抜きの嫁たちだけの活動を認めてしまうことになってしまったからだ。泣
ワカエゴを出てから東都までの道程は非常に順調で、魔物にも遭遇せずに進んだ。
途中、少し南に逸れて、昼餉はイムジオの町で摂った。イムジオには一部の冒険者の間で評判のとんかつ屋があるのだ。
このとんかつ屋は、主力のとんかつの他にも大エビフライや、今の季節はないが、冬場の大カキフライを売りにしている。さらには、和の国のあちこちから、旨い和酒まで取り揃えているのだ。しかも店主のこだわりで、和酒は純米酒しか置いてないのだとか。
東都のギルドで冒険者から聞いて、一度寄ってみたいと思っていた店だ。
店に入ると、ひとりひとりに胡麻が入った小さなすり鉢が出て来て、すり棒でゴリゴリと擂り潰す。ここに好みで辛口か甘口のとんかつソースを入れて、料理が出て来るのを待つ。
皆、とんかつと大エビフライの定食を注文していた。キョウちゃんズだけは、それぞれとんかつ定食と大エビフライ定食のふたつを頼んでたけどな。笑
俺はすり胡麻に辛口とんかつソースをチョイスしていた。それに揚げたての熱々とんかつを付けて食うのだ。噂通りで実に旨い。大エビフライにはタルタルソースがついて来るので、タルタルソースと、すりごま入り辛口ソースの両方で食った。
定食は白米が雑穀米かが選べるので、俺は迷わず雑穀米を選択。ご飯も付け合わせのキャベツもみそ汁もお代わりし放題なのだ。こう言うとき、多くの店ではお代わりを頼まなけれなばいけないが、この店は店員がお代わりはどうかと勧めに来る。こう言う気遣いが嬉しい。「お代わり。」って言いにくいものな。キョウちゃんズがためらわずに言うけれども。笑
ちなみにキョウちゃんズが、それぞれとんかつ定食と大エビフライ定食を頼んだら、ご飯のキャベツとみそ汁はお代わり自由だから、片方は定食ではなくて単品にしろと、店員さんに言われた。非常に良心的である。
で、俺は昼間だと言うのに、店主の純米酒に対するこだわりにひどく感銘を受け、嫁の白い眼をスルーして和酒を頼んだ。
すると店主が、いいのがいくつもあるから、ぜひ試飲して注文する銘柄を決めてくれと言う。なお試飲はタダだ。まじかー。嬉し過ぎるぞ、おい。
結局、試飲した5種類をすべて注文した俺なのであった。苦笑
和酒は1合で出て来たので、5種類で5合=半升。しかも5種類の試飲で、1合以上は呑んだ。当然酔いが回る。
和酒ですっかりいい気分になった俺は、もう一度嫁たちに翻意を促した。
「なぁ、やっぱりさ、巴での活動はやめようぜ?」
「「なんでやねん。」」と、キョウちゃんズから、西のハモリツッコミが来た。
「だってさー、クエスト中は俺もテンバで打合せしてるから仕方ないけどさぁ、何日も皆と離れ離れになりたくないよぉ。」泣くぞこら。酒入ってるし…。
「何言ってんのよ。テンバに帰るわよ。」
「え?」
「流邏石で…往復…。」へ?そうなの?
「なんだー、それならいいや。」
「もしかして私たちが東都に泊まると思っていたのか?」
「うん。」
「旦那様をほっとく訳ないじゃないですか。」
愛い奴らめ。皆を抱き締めようとしたら、
「「「「「「「「酔っぱらい!」」」」」」」」と、8人シンクロで拒絶された。店主と店員と他の客が笑いを堪えていた。ちくしょうめ。泣
すっかり酔った俺は、イムジオから東都の道中を嫁たちに丸投げして、北斗号のメイン車両のベッドでぐっすり。
起こされたときは、すでにキノベ陸運東都営業所に着いていた。あちゃー、やっちまった。汗
メイン車両から出て行くと、
「やっと…お目覚…?」
「アタル、あんた、懲りないわねぇ。」
「さーせん。」素直に詫びたが、まだ酒は残っている。だって軽くふらふらしてるもの。
「あらあらぁ、こんなにぃ、なっちゃってぇ。」
「アタルは呑むと、こんなになることもあるのでござるな。」
「たまになるのよ。でも今日はましな方ね。正体をなくすときもあるから。」
「それで痛い目に遭っても全然懲りません。ほんとに困ったものです。」
「さーせん。ひっく。やべ、ひっく、とかって、酔っぱらい、みたいじゃん。ひっく。」
「いやいや、十分酔っぱらいやん。」
「それで素面や言うたら、どつくで。ほんま。」
「えー、そんなにやばそう?ひっく。」
「「「「「「「「やばいって!」」」」」」」」8人シンクロツッコミが来た。今日2回目?笑
「今のアタルは、流邏石で飛ぶのは危なそうだな。」
こくり。「宿を…取る…。サヤ?」
「そうね。」
「いや、大丈夫、大丈夫。心配ない。」
「ダメですよ、アタル、大丈夫を連発するのは酔っぱらいの証拠です。」
「…。」ぐぅの音も出ねぇ。
「皆でぇ、東都にぃ、泊まりましょう。」
そう言うことになった。
東都で利用しているいつもの宿屋にチェックインし、嫁たちから部屋まで運ばれた。
まだ夕方だし、風呂に入って汗と一緒に酒を抜けば大丈夫!実際、夕餉の頃にはある程度復活した俺なのだった。笑
さて、東都の夜とくれば、繰り出すのは、東都前寿司。久し振りだ。
「らっしゃい。おお、兄ちゃんか。久し振りだなぁ。」
「大将、しばらく。」
「大将、うち、いつもの。」「うちも、いつもの。」キョウちゃんズは「いつもの」で、アナゴの1本握りが出て来る。笑
「はいよ。って、西の嬢ちゃんたちか?こらまた背も伸びて、えらい別嬪になりやがったなぁ。驚いたぜ。」
「大将、お上手やわぁ。」「ホンマや、褒めても何も出ぇへんよぉ。」
「ははは。あれ、そちらの姉ちゃんは新顔さんだな?」
「ああ、最近メンバーになったんだ。」シノブがぺこりと挨拶した。
「おい兄ちゃん、またもやえらい別嬪じゃねぇかよ。」
「まあな。」分かってるじゃん、大将。
「嬢ちゃんたち、お気に入りのができたぜ。それと、新顔の姉ちゃんにサービスだ。」と言ってアナゴの1本握りが、3本出て来た。笑
それからお任せで頼み、皆で東都前寿司を堪能した。シノブも大層気に入ってくれたのだった。
まぁ話題は俺の酔い潰れネタにもになったがね。このネタでちくちくといじめられて、流石に肩身が狭かったよ。苦笑
「そうそう、アタル、北斗号に残っていた積荷ですが、アタルが寝ている間に、東都総本店に全部卸しましたよ。」寝ている間に、と言われると微妙に後ろめたい。苦笑
「食品だから積んどく訳には行かないよな。」流石にアキナは物流については、目端が利く。
「ええ。卸値ですから儲けは少ないですけどね。」
「ま、それはいいよ。」
宿屋に戻ってむふふターイム。お陰様で昼の酔いは抜けました。よって今宵は抜いてもらいます。笑
今宵はキョウちゃんズ。
東都前寿司の大将も言ってたが、背がすらっと伸びてモデルのようになったキョウちゃんズが、実はまだ未成年とは誰も思うまい。
そして、このモデル体型の美少女たちと、8ヶ月前の幼児体型だった少女たちが、同一人物とはな。まったく感慨深いものだ。
ライたちの言った通り、成長し出したらほんとに早かったなぁ。
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投稿日設定のミスで公開が遅れました。申し訳ありませんでした。
設定を更新しました。R4/12/25
更新は月水金の週3日ペースでしたが、11月中旬にストックが尽きてしまい、1か月ちょっとの間、自転車操業で更新していました。
このため、後からの付け足しなど、修正改稿が増えてしまいました。
次週より、しばらく更新をお休みして、ストックを増やしてから再開いたします。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
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カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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