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射手の統領138 陽の術と属性矢
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射手の統領
Zu-Y
№138 陽の術と属性矢
西都の帝居へ次ノ宮殿下をお迎えに行き、北斗号へご乗車頂いた。当然、衛士のサエモンと侍従ひとりも一緒だ。他の衛士と侍従は、北斗号のまわりを取り巻いている。
行列の先頭はナワテ代官のバクラが率いる西のタテベ勢、次にガハマの代官が率いる西のユノベ勢、3番手にアベヤの代官が率いる西のキノベ勢、そして衛士と侍従に囲まれた本隊の北斗号。
4番手にシエンの元守役で筆頭家老が率いるオミョシ分家勢、5番手にクリスとサジ姉と元トマツの爺でエノウの代官が率いる西のヤクシ勢、殿はカナタとサヤ姉と元トコザの爺でシリタの代官が率いる西のトノベ勢。
さらには遠巻きにユノベに雇われているシノベ勢と、オミョシ分家に雇われているエノベ勢の忍び。万全の布陣である。
トウラク、シルド、シエンは、西の勢の統率を腹心の部下に任せて、北斗号に乗っている。
北斗号の配置は、御者台と御者台後部座席に、操縦担当のホサキ、タヅナ、トウラク、シルド。メイン車両の屋上の見張台に、式神を飛ばして警戒しているキョウちゃんズとアキナ。指揮所に俺と次ノ宮殿下とシエンと衛士のサエモンと侍従。サヤ姉とサジ姉は、カナタとクリスの後見で西の武家勢へ出向いている。
俺はここで次ノ宮殿下にシエンを紹介した。
「殿下、オミョシ分家の権座主で、俺の莫逆の義兄弟、シエンです。此度の同盟の相手でもあります。」
「お初にお目に掛かります。シエンでおます。」
「アタルから聞いている。随分切れ者だそうだな。」
「いえいえ。右も左も分からん未熟者ですわ。よろしゅうお引きての程、お願い致します。」
「アタルの莫逆の義兄弟なら、そなたもわが腹心と思うぞ。よしなに頼む。」
「これはありがたいお言葉でんな。あんじょう気張りますよって、よろしゅうおお頼申します。」
「ところでオミョシ分家の権座主と言うことは、アタルの嫁の中の双子の兄よな。」
「左様でおます。」
「あのふたりは優秀な陰士であったが、先頃、陽の術を身に付けて陰陽士へなったと聞いている。シエンも陰陽士であるのか?」
「はい。陰の術はバフとデバフ、陽の術は金属と木の術を使います。」
「2系統ずつ4系統か。随分な手練れよな。」
「いえ、妹たちの方が全然上ですわ。」
「兄上、そないなことあらへんやん。」「せや、兄上、何言うてはるの?」
式神を飛ばしてるキョウちゃんズが、文句を言った。
「そないなことあるやんか。お前ら、自覚ないんかい?」
「「…。」」黙った。またシエンの勝ち。シエンはキョウちゃんズを、ほんとによくやり込めるな。尊敬に値するよ、まったく。
殿下はニコニコしながらそのやり取りを聞いていた。
「殿下、妹たちの陰の術はバフかデバフの一方だけですねんけど、効果が凄いんですわ。5割でっせ。陽の術は3系統も使えて、しかも同時に複数系統を発動できるんですわ。その上、気力量が無尽蔵ですねん。もう、チート過ぎて笑うしかおまへん。正しく天才でっしゃろ?」
「しかしその天才ふたりを分家は、短期間とは言え勘当したのだろう?なぜだ?」
「糞みたいな掟のせいですわ。その掟を先代が忠実に守りましてん。それで勘当とか、ありえまへんがな。」
「ほう。では、その後のふたり精進で、勘当が解けたのか?」
「まぁそうでんな。でも、分家ではその掟自体が、のうなったんですわ。」
「ほう。ではその掟を廃したのか?」
「はい。権座主になって、俺が最初にしたのがそれですわ。」
「シエンが廃したのか?」
「先代は頑なでしたよって、俺がいくら言うても、ようしませんでしたわ。」
「そう言えば、その分家の先代は、本家勢を率いていたにも拘らず、本家勢から忽然と姿を消したとか。」
「殿下、それでしたら、ご心配はご無用でっせ。今頃、南航路の廻船に乗って大海原の上ですわ。」
「そなたの仕業か?」察した次ノ宮殿下が、半ば呆れている。
「さぁ、どうですやろ。俺はアタルが裏で1枚噛んでると見ておますのや。」
「おい、シエン。俺に振るなよ。」
殿下に、やっぱりお前もか?と言う表情で見られた。苦笑
それから道中は何事もなく順調だったのだが…、
「アタルよ、往路も思ったのだがな、指揮所とは存外、暇なのだな。」殿下が言う。
「緊急事態になれば忙しくなりますよ。指揮所が暇なのは行程が順調な証です。」
「ふむ。左様か。では何か出て来てくれんかのう。」
「殿下!御冗談はおやめ下さい。」護衛のサエモンがすかさず反応した。
「流石にこの武家行列には、野盗どもも獣も仕掛けて来ますまい。」俺は至極もっともな見込みを告げた。
「であろうな。」次ノ宮殿下は本当に残念そうだ。なんかトラブルを期待されてもぶっちゃけ困るんだがな。
西都と商都の間の、ヒラタの農村の外れで休憩を取ったときのことだ。
「アタル、そなたの属性矢を見てみたい。
それから、シエン、サキョウ、ウキョウ、そなたらの陽の術も見てみたい。折角の機会ゆえ、ぜひ披露してくれぬか?」
殿下のこのひと言で、俺は属性矢を、シエンとキョウちゃんズは陽の術を披露することになった。
最初にシエン、金属の術に属する雷の術で雷を落とし、木の術で植物を生やした。生やしたのは穀物だったので、最後に収穫して、今後の食糧としたのは言うまでもない。一石二鳥である。笑
次にサキョウとウキョウ。ふたりとも両手に陽の杖を掲げ、サキョウは水弾と火弾、ウキョウは土弾と氷弾を、それぞれ連射で同時発動。
さらには同時発動している2系統の気弾の、軌道コントロールもやってのけたので、殿下や他家勢だけではなく、オミョシ分家勢の家来どもですら度肝を抜かれていた。
ふん、見たかよ!お前らが出来損ないと陰口を叩いていた落ちこぼれ姫の真の実力を!
最後にふたりは、それぞれが風弾を単発で目一杯大きくして放った。巨大な風弾はゆっくり上空へ上がると、サキョウの風弾とウキョウの風弾が上空で融合して見る見る間に竜巻を形成した。ふたりにコントロールされた竜巻は、通過した所をすべて破壊し尽くしていた。
これを敵の城にぶつけたら、籠城など無駄な足掻きにしかならないだろう。これには、殿下、他家勢、分家勢の家来どもだけでなく、シエンも分家筆頭家老の爺も驚いていた。
ふっふっふ。このふたりは、分家を離れてユノベに嫁いでいるのだ。
最後に俺だが…、ぶっちゃけキョウちゃんズの後では非常にやり辛い…。よし見てろよ!
「皆、全員分5倍3連射で行くぞ。」
『『『『『『…。』』』』』』あれ?返事なし?不同意なのか?
「アタル兄、あかん。」「警戒されるから隠しとき。」なるほど、軍師ふたりからの的確なアドバイスだ。
「皆、5倍3連射撤回。通常出力単発で行く。」
『『『『『『承知。』』』』』』今度は返事が来たよ。苦笑
雷撃矢、水撃矢、震撃矢、氷撃矢、炎撃矢、風撃矢を単発で飛ばしたのだが、その威力と多彩さに、セプトのメンバーを除く、この場の全員が固唾を飲んでいた。うん、やっぱり6属性5倍矢3連発でなくてよかったな。苦笑
休憩から出発して午後のひと幕である。
「ところでアタルよ。昨夜はビワの聖湖畔で野営したそうだな。」
「よくご存じで。トノベとヤクシのボンボンふたりを鍛えるのに野営しました。」
「なるほど、それでセプトがついて行ったのか。」
「はい、それに、トウラク、シルド、シエン、バクラも来ました。」
「ん?バクラ?」
「シルドの腹心で、シルドがコスカに移った後、ナワテを任された重臣です。シルドの妹婿でもあります。今日はタテベ勢を率いて、先陣を務めています。」
「左様か。で、あのふたりの野営はどうであったぞ?我儘放題であったのではないか?」
「畏れ入ります。今はサヤ姉とサジ姉がお目付役で付いていますゆえ、徹底的に調教…じゃなくて、鍛錬されてます。」
「調教か。上手いことを言う。あのふたりならさもありなん。」
「殿下、鍛錬ですよ。」
「ほう、ユノベでは調教のことを鍛錬と言うのか。相撲部屋で、シゴキをかわいがると言うようなものかの?」
「殿下ー。聞き流して下さいよ。サヤ姉とサジ姉にバレたら…。」
「なんだ、アタルはあのふたりには頭が上がらんのか?」
「あのふたりだけでなく、嫁全員に頭が上がりません。皆、閨ではかわいいんですがね、閨の外で怒らせるとちょっと…。」
「わっはっは。惚気おるわ。」
「畏れ入ります。」
「ところでサヤとサジが後見に就いたは、そなたの伯母ふたりが早々に東都に帰ったゆえよな?余は、あのふたりはてっきり披露目に出るものと思っておったのだがな。」
「はい。最初はそのつもりだったのですが、名代ふたりを甘やかして後見の任をまともに果たさなかったゆえ、東都に追い返して蟄居を命じました。」
「何と申した?ユノベの次期統領に過ぎないそなたが、トノベとヤクシの正室に蟄居を命じたのか?まさかこれで、ユノベと、タテベやヤクシが拗れはすまいの?」
「大丈夫です。厳密には、蟄居をせねばユノベから勘当し、向後の里帰りを禁じると申しました。」
「なんとまた大胆な…。」殿下が呆れている。
「あの伯母御たちは、思慮分別がいささか足りませぬゆえ、たまに締め上げてやらねば増長するばかりなのです。おそらく、前回と同様に、トノベどのとヤクシどのからは、内々に礼を言われると思います。」
「なるほど、ユノベの麒麟児とはよく言ったものよな。」
「なんですか、それ?」
「そなたの叔父が、往路の廻船で申しておったのだ。」
なんか照れる。
そのままゆったり1日掛けて西都から商都へ武家行列は進み、夕刻には商都へと入った。
披露目会場も兼ねている高級宿屋へ着くと、次ノ宮殿下は、侍従たちや衛士たちを引き連れてスイートルームへとチェックインして行った。
俺たちも、各家に分かれて、それぞれ宛がわれた部屋に入る。各家とも、ここで東の勢と西の勢が合流した。
夕餉は高級宿屋のレストランで、各家の代表と親睦と顔合わせを兼ねた食事会だ。
ユノベからは俺と嫁たち5人~サヤ姉とサジ姉はそれぞれトノベとヤクシで参加~と、二の叔父貴とガハマの代官。二の叔父貴は伯母御たちがいないせいで生き生きしている。笑
オミョシ分家からはシエンと筆頭家老。
トノベからはカナタとサヤ姉と元トコザの爺=シリタの代官、ヤクシからはクリスとサジ姉と元トマツの爺=エノウの代官。サヤ姉はカナタの隣、サジ姉はクリスの隣で、食事の作法について調教…じゃなくて指導している。カナタとクリスが、指導されるたびにびくっと反応するのがウケる。
タテベからはシルドとナワテの代官のバクラ、キノベからはトウラクとアベヤの代官、オミョシ本家からは護衛隊の副将。本家の大将だった分家の隠居は、シエンの謀略によって拉致られ、今は海の上である。
偶然だが、分家の隠居は、俺が強制送還を命じた伯母御ふたりと同じ廻船だ。もっとも伯母御ふたりが廻船内では自由の身なのに対し、分家の隠居は船室に監禁されているだろうがな。笑
そして山髙屋西本店からは専務と第1番頭が来ている。この第1番頭と会うのは、俺は初めてだ。
明日の段取りなどを最終確認しつつ、食事会は穏やかに進んだ。
話題は山髙屋と各武家との提携に伴う商隊護衛の話になった。これは、ユノベ、トノベ、ヤクシの同盟に、タテベとキノベが加わって、山髙屋との提携を結んだことによる副産物だ。護衛費用を一切取らず、宿泊費と食費のみで、山髙屋の荷を各武家から派遣された家来衆が護衛するのだ。
山髙屋は、護衛の食費と宿泊費だけを負担すればいいから、護衛費用が浮き、さらには、護衛を付けた商隊では、襲撃被害の損害がまったくなくなった。その分、近場の輸送にも護衛を付けるようになっている。
一方で武家は、自弁だった他家との合同演習の食費と宿泊費がまるまる浮くことになる。双方ウィンウィンの関係なのだ。
「アタル様の発案の商隊護衛ですが、まったく被害が出ていません。商隊に掲げている、護衛のお武家様の旗印を見ただけで、野盗どもは恐れをなして絡んで来ません。正しく効果は絶大です。」と専務。
他家の手前、専務はアタルくんではなくアタル様と呼び、さらには敬語まで使っている。笑
「まぁ、易々とは仕掛けて来られんだろうな。仮に仕掛けて来たら、その野盗のアジトに軍勢を送って徹底的に潰してくれるわ。」
「まぁ、怖い。」
「正式に同盟を締結したら、うちからも家来どもを派遣するよってな。よろしゅう頼むで。」シエンは珍しく呑むのを控えているな。
「それは心強いですわ。ぜひよろしくお願いします。」卒なく纏める専務であった。
「ユノベどの、護衛をする武家にはわがトノベも入っていますか?」カナタが聞いて来た。へぇ、こう言う話題に興味を示すのか?
「おう、もちろんトノベもヤクシも入っているぞ。」
「ユノベどの、他にはどの武家が入っているのですか?」クリスも聞いて来た。おっと、こいつも興味を示すのか。
「タテベ、キノベはすでに入っている。もちろんユノベもな。そして明日の同盟の後はオミョシ分家も加わる。」
「分家だけですか?オミョシ本家は入らないのですか?」おっと出ました、核心への質問。笑
「さぁ、オミョシ本家のご意向は、あれなるオミョシ本家勢の副将どのに聞いてみてはどうかな?」俺は話を本家勢の副将に振った。
「ヤクシのクリスです。オミョシ本家の副将どの、本家は護衛をする武家同盟には入らないのですか?」
「あ、いや、御屋形様のご意向なれば、私には何とも。」
「ふーん、こんなにお得なのに、なんで入らないのかな?」カナタが首を傾げてクリスに聞いた。
「だよな、カナタもそう思うよな?なんか人に言えない事情とかがあるのかな?もしそうだとしても、こんなにいい条件なんだから自分から諦めるのって勿体ないよな?」うんうん、クリス、いい反応だ。
サヤ姉もサジ姉も誇らしそうにカナタとクリスを見ている。これって、カナタとクリスの後見に就いてから初めてじゃね?
「副将どの、ツークに帰ったら、座主どのに同盟に入るように言って下さい。」クリスが無邪気にぶっ込んだ。子供の無邪気は無敵だ。笑
「クリスの言う通りです。オミョシ本家にもいいお話なんじゃないですか?」カナタも無邪気に畳み掛けた。これ、狙ってやってたらえげつなさ過ぎ。笑
「…。」副将は答えに窮して下を向いた。はっはっは。カナタ、クリス、いいよ、いいよ、実にいいよ。
「ま、そのうち加わるんじゃない?
な、副将どの。」俺はカナタとクリスを宥めて、副将を取り成した。
「いえ、私には何とも。しかし、帰ったら座主に伝えます。」副将ったら、冷や汗たらたらじゃんよ。笑
カナタとクリスはいい仕事をしたな。
夕餉の食事会は終わって解散となると、オミョシ本家の副将は真っ先に帰って行った。カナタとクリスに追い込まれたからな。さらに追い討ちを掛けられるのを警戒したのかもしれんな。笑
「名代どのたち、いい仕事をしたな。」
「「へ?」」
「そう…、上出来…。よく…できました…。」
「なかなかやるわね。ふたりとも、見直したわ。」
カナタはサヤ姉に、クリスはサジ姉に、頭を撫ぜられている。いわゆるいい子いい子って奴ね。笑
「「えっと…。」」くくく。ふたりとも戸惑ってやがる。
「お前ら、さっきかなりいい感じで活躍したこと、分かってねぇだろ?」
「「はい。」」やっぱりな。
「まぁいい。結果オーライって奴だ。」
「「?」」
オミョシ本家勢の副将に対して、座主に同盟へ加わるように言え。と、圧力を掛けたの、分かってねぇのな。
しかも、それがオミョシ本家にもいい話じゃないか。とも言った。これって、見方を代えれば、加わらなきゃ痛い眼見るぞと言う脅しにも聞こえる訳だ。
8歳のガキふたりに詰め寄られ、やんわりと脅しを掛けられた本家勢の副将は、無言で下を向きやがった。情けねぇ。笑
それにしてもふたりは、実質上、オミョシ本家勢の副将に追い込み掛けたようなもんだ。えれぇ痛快じゃんよ。
さて、オミョシ本家はどう出るかね。乞うご期待ってか?
部屋に引けると、今宵はタヅナだ。
タヅナはじっくりねっとり攻めると大いに乱れる。いつぞやは乱れて暴走して、俺が犯されそうになった。苦笑
あのときは妊娠のリスクを考えて、俺はひたすら我慢したが、今宵は専務開発のアレがある。当然じっくりねっとり攻めてタヅナのスイッチを入れてやるのだ。ふふふのふ。
俺は暴走したタヅナに散々蹂躙された。なんか、こう言うのも悪くないかも。
この晩、俺は新境地を開いたのだった。苦笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/11/6
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№138 陽の術と属性矢
西都の帝居へ次ノ宮殿下をお迎えに行き、北斗号へご乗車頂いた。当然、衛士のサエモンと侍従ひとりも一緒だ。他の衛士と侍従は、北斗号のまわりを取り巻いている。
行列の先頭はナワテ代官のバクラが率いる西のタテベ勢、次にガハマの代官が率いる西のユノベ勢、3番手にアベヤの代官が率いる西のキノベ勢、そして衛士と侍従に囲まれた本隊の北斗号。
4番手にシエンの元守役で筆頭家老が率いるオミョシ分家勢、5番手にクリスとサジ姉と元トマツの爺でエノウの代官が率いる西のヤクシ勢、殿はカナタとサヤ姉と元トコザの爺でシリタの代官が率いる西のトノベ勢。
さらには遠巻きにユノベに雇われているシノベ勢と、オミョシ分家に雇われているエノベ勢の忍び。万全の布陣である。
トウラク、シルド、シエンは、西の勢の統率を腹心の部下に任せて、北斗号に乗っている。
北斗号の配置は、御者台と御者台後部座席に、操縦担当のホサキ、タヅナ、トウラク、シルド。メイン車両の屋上の見張台に、式神を飛ばして警戒しているキョウちゃんズとアキナ。指揮所に俺と次ノ宮殿下とシエンと衛士のサエモンと侍従。サヤ姉とサジ姉は、カナタとクリスの後見で西の武家勢へ出向いている。
俺はここで次ノ宮殿下にシエンを紹介した。
「殿下、オミョシ分家の権座主で、俺の莫逆の義兄弟、シエンです。此度の同盟の相手でもあります。」
「お初にお目に掛かります。シエンでおます。」
「アタルから聞いている。随分切れ者だそうだな。」
「いえいえ。右も左も分からん未熟者ですわ。よろしゅうお引きての程、お願い致します。」
「アタルの莫逆の義兄弟なら、そなたもわが腹心と思うぞ。よしなに頼む。」
「これはありがたいお言葉でんな。あんじょう気張りますよって、よろしゅうおお頼申します。」
「ところでオミョシ分家の権座主と言うことは、アタルの嫁の中の双子の兄よな。」
「左様でおます。」
「あのふたりは優秀な陰士であったが、先頃、陽の術を身に付けて陰陽士へなったと聞いている。シエンも陰陽士であるのか?」
「はい。陰の術はバフとデバフ、陽の術は金属と木の術を使います。」
「2系統ずつ4系統か。随分な手練れよな。」
「いえ、妹たちの方が全然上ですわ。」
「兄上、そないなことあらへんやん。」「せや、兄上、何言うてはるの?」
式神を飛ばしてるキョウちゃんズが、文句を言った。
「そないなことあるやんか。お前ら、自覚ないんかい?」
「「…。」」黙った。またシエンの勝ち。シエンはキョウちゃんズを、ほんとによくやり込めるな。尊敬に値するよ、まったく。
殿下はニコニコしながらそのやり取りを聞いていた。
「殿下、妹たちの陰の術はバフかデバフの一方だけですねんけど、効果が凄いんですわ。5割でっせ。陽の術は3系統も使えて、しかも同時に複数系統を発動できるんですわ。その上、気力量が無尽蔵ですねん。もう、チート過ぎて笑うしかおまへん。正しく天才でっしゃろ?」
「しかしその天才ふたりを分家は、短期間とは言え勘当したのだろう?なぜだ?」
「糞みたいな掟のせいですわ。その掟を先代が忠実に守りましてん。それで勘当とか、ありえまへんがな。」
「ほう。では、その後のふたり精進で、勘当が解けたのか?」
「まぁそうでんな。でも、分家ではその掟自体が、のうなったんですわ。」
「ほう。ではその掟を廃したのか?」
「はい。権座主になって、俺が最初にしたのがそれですわ。」
「シエンが廃したのか?」
「先代は頑なでしたよって、俺がいくら言うても、ようしませんでしたわ。」
「そう言えば、その分家の先代は、本家勢を率いていたにも拘らず、本家勢から忽然と姿を消したとか。」
「殿下、それでしたら、ご心配はご無用でっせ。今頃、南航路の廻船に乗って大海原の上ですわ。」
「そなたの仕業か?」察した次ノ宮殿下が、半ば呆れている。
「さぁ、どうですやろ。俺はアタルが裏で1枚噛んでると見ておますのや。」
「おい、シエン。俺に振るなよ。」
殿下に、やっぱりお前もか?と言う表情で見られた。苦笑
それから道中は何事もなく順調だったのだが…、
「アタルよ、往路も思ったのだがな、指揮所とは存外、暇なのだな。」殿下が言う。
「緊急事態になれば忙しくなりますよ。指揮所が暇なのは行程が順調な証です。」
「ふむ。左様か。では何か出て来てくれんかのう。」
「殿下!御冗談はおやめ下さい。」護衛のサエモンがすかさず反応した。
「流石にこの武家行列には、野盗どもも獣も仕掛けて来ますまい。」俺は至極もっともな見込みを告げた。
「であろうな。」次ノ宮殿下は本当に残念そうだ。なんかトラブルを期待されてもぶっちゃけ困るんだがな。
西都と商都の間の、ヒラタの農村の外れで休憩を取ったときのことだ。
「アタル、そなたの属性矢を見てみたい。
それから、シエン、サキョウ、ウキョウ、そなたらの陽の術も見てみたい。折角の機会ゆえ、ぜひ披露してくれぬか?」
殿下のこのひと言で、俺は属性矢を、シエンとキョウちゃんズは陽の術を披露することになった。
最初にシエン、金属の術に属する雷の術で雷を落とし、木の術で植物を生やした。生やしたのは穀物だったので、最後に収穫して、今後の食糧としたのは言うまでもない。一石二鳥である。笑
次にサキョウとウキョウ。ふたりとも両手に陽の杖を掲げ、サキョウは水弾と火弾、ウキョウは土弾と氷弾を、それぞれ連射で同時発動。
さらには同時発動している2系統の気弾の、軌道コントロールもやってのけたので、殿下や他家勢だけではなく、オミョシ分家勢の家来どもですら度肝を抜かれていた。
ふん、見たかよ!お前らが出来損ないと陰口を叩いていた落ちこぼれ姫の真の実力を!
最後にふたりは、それぞれが風弾を単発で目一杯大きくして放った。巨大な風弾はゆっくり上空へ上がると、サキョウの風弾とウキョウの風弾が上空で融合して見る見る間に竜巻を形成した。ふたりにコントロールされた竜巻は、通過した所をすべて破壊し尽くしていた。
これを敵の城にぶつけたら、籠城など無駄な足掻きにしかならないだろう。これには、殿下、他家勢、分家勢の家来どもだけでなく、シエンも分家筆頭家老の爺も驚いていた。
ふっふっふ。このふたりは、分家を離れてユノベに嫁いでいるのだ。
最後に俺だが…、ぶっちゃけキョウちゃんズの後では非常にやり辛い…。よし見てろよ!
「皆、全員分5倍3連射で行くぞ。」
『『『『『『…。』』』』』』あれ?返事なし?不同意なのか?
「アタル兄、あかん。」「警戒されるから隠しとき。」なるほど、軍師ふたりからの的確なアドバイスだ。
「皆、5倍3連射撤回。通常出力単発で行く。」
『『『『『『承知。』』』』』』今度は返事が来たよ。苦笑
雷撃矢、水撃矢、震撃矢、氷撃矢、炎撃矢、風撃矢を単発で飛ばしたのだが、その威力と多彩さに、セプトのメンバーを除く、この場の全員が固唾を飲んでいた。うん、やっぱり6属性5倍矢3連発でなくてよかったな。苦笑
休憩から出発して午後のひと幕である。
「ところでアタルよ。昨夜はビワの聖湖畔で野営したそうだな。」
「よくご存じで。トノベとヤクシのボンボンふたりを鍛えるのに野営しました。」
「なるほど、それでセプトがついて行ったのか。」
「はい、それに、トウラク、シルド、シエン、バクラも来ました。」
「ん?バクラ?」
「シルドの腹心で、シルドがコスカに移った後、ナワテを任された重臣です。シルドの妹婿でもあります。今日はタテベ勢を率いて、先陣を務めています。」
「左様か。で、あのふたりの野営はどうであったぞ?我儘放題であったのではないか?」
「畏れ入ります。今はサヤ姉とサジ姉がお目付役で付いていますゆえ、徹底的に調教…じゃなくて、鍛錬されてます。」
「調教か。上手いことを言う。あのふたりならさもありなん。」
「殿下、鍛錬ですよ。」
「ほう、ユノベでは調教のことを鍛錬と言うのか。相撲部屋で、シゴキをかわいがると言うようなものかの?」
「殿下ー。聞き流して下さいよ。サヤ姉とサジ姉にバレたら…。」
「なんだ、アタルはあのふたりには頭が上がらんのか?」
「あのふたりだけでなく、嫁全員に頭が上がりません。皆、閨ではかわいいんですがね、閨の外で怒らせるとちょっと…。」
「わっはっは。惚気おるわ。」
「畏れ入ります。」
「ところでサヤとサジが後見に就いたは、そなたの伯母ふたりが早々に東都に帰ったゆえよな?余は、あのふたりはてっきり披露目に出るものと思っておったのだがな。」
「はい。最初はそのつもりだったのですが、名代ふたりを甘やかして後見の任をまともに果たさなかったゆえ、東都に追い返して蟄居を命じました。」
「何と申した?ユノベの次期統領に過ぎないそなたが、トノベとヤクシの正室に蟄居を命じたのか?まさかこれで、ユノベと、タテベやヤクシが拗れはすまいの?」
「大丈夫です。厳密には、蟄居をせねばユノベから勘当し、向後の里帰りを禁じると申しました。」
「なんとまた大胆な…。」殿下が呆れている。
「あの伯母御たちは、思慮分別がいささか足りませぬゆえ、たまに締め上げてやらねば増長するばかりなのです。おそらく、前回と同様に、トノベどのとヤクシどのからは、内々に礼を言われると思います。」
「なるほど、ユノベの麒麟児とはよく言ったものよな。」
「なんですか、それ?」
「そなたの叔父が、往路の廻船で申しておったのだ。」
なんか照れる。
そのままゆったり1日掛けて西都から商都へ武家行列は進み、夕刻には商都へと入った。
披露目会場も兼ねている高級宿屋へ着くと、次ノ宮殿下は、侍従たちや衛士たちを引き連れてスイートルームへとチェックインして行った。
俺たちも、各家に分かれて、それぞれ宛がわれた部屋に入る。各家とも、ここで東の勢と西の勢が合流した。
夕餉は高級宿屋のレストランで、各家の代表と親睦と顔合わせを兼ねた食事会だ。
ユノベからは俺と嫁たち5人~サヤ姉とサジ姉はそれぞれトノベとヤクシで参加~と、二の叔父貴とガハマの代官。二の叔父貴は伯母御たちがいないせいで生き生きしている。笑
オミョシ分家からはシエンと筆頭家老。
トノベからはカナタとサヤ姉と元トコザの爺=シリタの代官、ヤクシからはクリスとサジ姉と元トマツの爺=エノウの代官。サヤ姉はカナタの隣、サジ姉はクリスの隣で、食事の作法について調教…じゃなくて指導している。カナタとクリスが、指導されるたびにびくっと反応するのがウケる。
タテベからはシルドとナワテの代官のバクラ、キノベからはトウラクとアベヤの代官、オミョシ本家からは護衛隊の副将。本家の大将だった分家の隠居は、シエンの謀略によって拉致られ、今は海の上である。
偶然だが、分家の隠居は、俺が強制送還を命じた伯母御ふたりと同じ廻船だ。もっとも伯母御ふたりが廻船内では自由の身なのに対し、分家の隠居は船室に監禁されているだろうがな。笑
そして山髙屋西本店からは専務と第1番頭が来ている。この第1番頭と会うのは、俺は初めてだ。
明日の段取りなどを最終確認しつつ、食事会は穏やかに進んだ。
話題は山髙屋と各武家との提携に伴う商隊護衛の話になった。これは、ユノベ、トノベ、ヤクシの同盟に、タテベとキノベが加わって、山髙屋との提携を結んだことによる副産物だ。護衛費用を一切取らず、宿泊費と食費のみで、山髙屋の荷を各武家から派遣された家来衆が護衛するのだ。
山髙屋は、護衛の食費と宿泊費だけを負担すればいいから、護衛費用が浮き、さらには、護衛を付けた商隊では、襲撃被害の損害がまったくなくなった。その分、近場の輸送にも護衛を付けるようになっている。
一方で武家は、自弁だった他家との合同演習の食費と宿泊費がまるまる浮くことになる。双方ウィンウィンの関係なのだ。
「アタル様の発案の商隊護衛ですが、まったく被害が出ていません。商隊に掲げている、護衛のお武家様の旗印を見ただけで、野盗どもは恐れをなして絡んで来ません。正しく効果は絶大です。」と専務。
他家の手前、専務はアタルくんではなくアタル様と呼び、さらには敬語まで使っている。笑
「まぁ、易々とは仕掛けて来られんだろうな。仮に仕掛けて来たら、その野盗のアジトに軍勢を送って徹底的に潰してくれるわ。」
「まぁ、怖い。」
「正式に同盟を締結したら、うちからも家来どもを派遣するよってな。よろしゅう頼むで。」シエンは珍しく呑むのを控えているな。
「それは心強いですわ。ぜひよろしくお願いします。」卒なく纏める専務であった。
「ユノベどの、護衛をする武家にはわがトノベも入っていますか?」カナタが聞いて来た。へぇ、こう言う話題に興味を示すのか?
「おう、もちろんトノベもヤクシも入っているぞ。」
「ユノベどの、他にはどの武家が入っているのですか?」クリスも聞いて来た。おっと、こいつも興味を示すのか。
「タテベ、キノベはすでに入っている。もちろんユノベもな。そして明日の同盟の後はオミョシ分家も加わる。」
「分家だけですか?オミョシ本家は入らないのですか?」おっと出ました、核心への質問。笑
「さぁ、オミョシ本家のご意向は、あれなるオミョシ本家勢の副将どのに聞いてみてはどうかな?」俺は話を本家勢の副将に振った。
「ヤクシのクリスです。オミョシ本家の副将どの、本家は護衛をする武家同盟には入らないのですか?」
「あ、いや、御屋形様のご意向なれば、私には何とも。」
「ふーん、こんなにお得なのに、なんで入らないのかな?」カナタが首を傾げてクリスに聞いた。
「だよな、カナタもそう思うよな?なんか人に言えない事情とかがあるのかな?もしそうだとしても、こんなにいい条件なんだから自分から諦めるのって勿体ないよな?」うんうん、クリス、いい反応だ。
サヤ姉もサジ姉も誇らしそうにカナタとクリスを見ている。これって、カナタとクリスの後見に就いてから初めてじゃね?
「副将どの、ツークに帰ったら、座主どのに同盟に入るように言って下さい。」クリスが無邪気にぶっ込んだ。子供の無邪気は無敵だ。笑
「クリスの言う通りです。オミョシ本家にもいいお話なんじゃないですか?」カナタも無邪気に畳み掛けた。これ、狙ってやってたらえげつなさ過ぎ。笑
「…。」副将は答えに窮して下を向いた。はっはっは。カナタ、クリス、いいよ、いいよ、実にいいよ。
「ま、そのうち加わるんじゃない?
な、副将どの。」俺はカナタとクリスを宥めて、副将を取り成した。
「いえ、私には何とも。しかし、帰ったら座主に伝えます。」副将ったら、冷や汗たらたらじゃんよ。笑
カナタとクリスはいい仕事をしたな。
夕餉の食事会は終わって解散となると、オミョシ本家の副将は真っ先に帰って行った。カナタとクリスに追い込まれたからな。さらに追い討ちを掛けられるのを警戒したのかもしれんな。笑
「名代どのたち、いい仕事をしたな。」
「「へ?」」
「そう…、上出来…。よく…できました…。」
「なかなかやるわね。ふたりとも、見直したわ。」
カナタはサヤ姉に、クリスはサジ姉に、頭を撫ぜられている。いわゆるいい子いい子って奴ね。笑
「「えっと…。」」くくく。ふたりとも戸惑ってやがる。
「お前ら、さっきかなりいい感じで活躍したこと、分かってねぇだろ?」
「「はい。」」やっぱりな。
「まぁいい。結果オーライって奴だ。」
「「?」」
オミョシ本家勢の副将に対して、座主に同盟へ加わるように言え。と、圧力を掛けたの、分かってねぇのな。
しかも、それがオミョシ本家にもいい話じゃないか。とも言った。これって、見方を代えれば、加わらなきゃ痛い眼見るぞと言う脅しにも聞こえる訳だ。
8歳のガキふたりに詰め寄られ、やんわりと脅しを掛けられた本家勢の副将は、無言で下を向きやがった。情けねぇ。笑
それにしてもふたりは、実質上、オミョシ本家勢の副将に追い込み掛けたようなもんだ。えれぇ痛快じゃんよ。
さて、オミョシ本家はどう出るかね。乞うご期待ってか?
部屋に引けると、今宵はタヅナだ。
タヅナはじっくりねっとり攻めると大いに乱れる。いつぞやは乱れて暴走して、俺が犯されそうになった。苦笑
あのときは妊娠のリスクを考えて、俺はひたすら我慢したが、今宵は専務開発のアレがある。当然じっくりねっとり攻めてタヅナのスイッチを入れてやるのだ。ふふふのふ。
俺は暴走したタヅナに散々蹂躙された。なんか、こう言うのも悪くないかも。
この晩、俺は新境地を開いたのだった。苦笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/11/6
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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