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射手の統領105 北の島の金剛鏑
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射手の統領
Zu-Y
№105 北の島の金剛鏑
ワカナに着いてまずギルドに立ち寄った。北斗号をギルド前に停めて、流邏石をひとつ登録してから、皆でワカナギルドに入る。
夕刻と言うこともあり、クエストを終えてひと息着いた冒険者たちが、ロビーの飲食ブースで軽く呑んだりしている。どこのギルドでも同じ光景だ。笑
俺たちは受付に行った。
「俺はセプトのアタルだ。ギルマスのムネコクさんに直接話がある。すまないが取り次いでくれないか?」
「はぁ?アポはありますか?」
「いや、アポはないな。」
「じゃぁダメですよ。ギルマスは忙しいんです。それに見ない顔ですね。駆け出しですか?それとも流れ?」
「そりゃ見ないだろ。ここが本拠じゃないからな。どうやったらアポが取れるんだ?」
「ペーペーには無理ですよ。名が売れてから来てください。」なんだこいつ?
「シカオの畜村の村長からの紹介状があるんだがな。」
「シカオの畜村?どこですか、それ?聞いたこともないですよ。どっかの辺鄙な畜村の村長の紹介状程度で、ギルマスに取り次げる訳ないでしょう?一昨日来てくださいな。」こいつ、マジ、ムカつくわ。
「シカオの村長は、ギルマスのムネコクさんと幼馴染だそうだ。あんた、そんな対応していいのか?」
「幼馴染ねぇ。何か取って付けたようで、モロに嘘っぽいですねぇ。」
「お前、随分横柄な態度を取るんだな。まともな受付はお前みたいな態度は取らないぞ。お前こそ新米だろ?グダグダ言わずにさっさと取り次げ。」
「なんですって?」
「いいか、俺たちはセプトで、俺はリーダーのアタルだ。俺の名前を出して取り次いで来い。」
「知りませんよ。」ゴツン!
「いったー。」頭を抱える新米受付。涙目になっている。
「研修生、お前な、セプトを知らないんじゃ、話にならんべさ。したっけ、受付研修を一から受け直して来い。」
「あ、ギルマス。」新米にもなってなかった研修生の顔が引きつっている。
「すまんな。研修生が失礼した。」ギルマスと呼ばれた男が俺たちに深々と頭を下げた。
「え?えー?ギルマスが謝っちゃう相手なんですか?」
「お前なー、濃紺の規格外って聞いたことあるべさ?」
「知りませんよー。」
「そうか、それならお前の研修の修了試験は不合格だべさ。明日からここには来なくていいっしょ。研修を一からやり直して来るべさ。」
「えー!ひっどーい。」
「ひどいのはお前の研修生としてのレベルだべさ!」
「ひっ。」ギルマスの一喝に、新米にもなってない研修生はたじろいでいた。
それから俺たちはビルマスルームに通された。
「俺がギルマスのムネコクだべさ。まぁ座ってくんない。」
「セプトのアタルだ。順に、サヤ、サジ、ホサキ、サキョウ、ウキョウ、アキナ、タヅナだ。」
「いやぁ、すまんかったなぁ。あの研修生は修了試験で来てたっけよぉ、態度が悪くて評判が悪かったんだべさ。」
「どこにでもああいうのはいるな。野放しにするか、ビシッと締めるかで、上の器量が分かるってもんだ。」
「いやいや耳が痛いことだべさ。で、シカオの紹介状があるって?見してくんない?」
俺はシカオの村長からの紹介状を渡した。ムネコクが紹介状に眼を通す。最初のうちは普通に読んでいたのだが、途中から食い入るように読みだした。読み終わってひと言。
「藍凍龍様を封じたってのは本当のことだべか?」
「ああ。」俺はレイ鏑をムネコクに見せた。気を利かしたレイが、鏑の中で神龍の姿を取った。
「ああ、キナスツカムイ!イヤィラィケレ。」
「なぁ、シカオの村長もそんな感じのことを口走ったんだが、どういう意味だ?」
「キナスツカムイが神龍様、イヤィラィケレ感謝の言葉だな。北の民の古い言葉だ。」
「そうなのか。『キナスツカムイ、イヤィラィケレ。』か。覚えておこう。」
「で、アタルは、ソヤの北限岬に祀っている神龍が宿る鏑石を取りに来たんだべか?」
「そうだ。俺たちは金剛鏑と呼んでいるがな。」
「あれは預かり物だべさ。神龍の遣いが取りに来たら渡すことになっとるでよ。藍凍龍様を封じた鏑石を持っとるし、アタルは神龍の遣いで間違いねぇべな?」
「神龍の遣いと言うのはジョブか?俺のジョブは射手だがな。」
「神龍の遣いとは、神龍様を鏑石に宿らせて持ち歩き、その大いなる力を行使する者のことだべさ。」
「それなら俺は4体の神龍と一緒だぞ。」
「え?」ムネコクが素っ頓狂な声を上げた。
俺はライ鏑、ウズ鏑、シン鏑も出して、最初に出したレイ鏑と並べた。ライたちも気を利かせて、それぞれが神龍の形態を取ってくれた。
「あ、あ、あ、キナスツカムイ!イヤィラィケレ。」ムネコクは椅子から床に飛び降りて跪き、首を垂れた。
『よい。面を上げよ。』レイが念話を飛ばした。
「!」ムネコクは眼をひん剥いて驚いている。
「おい、ムネコクさん。大丈夫か。」
「いや、すまん。なまら魂消たべさ。」
「今のは念話だ。神龍たちは念話で話し掛けて来るんだ。」
「アタル、お前は神龍の遣いだべさ。間違いねぇ。ソヤの北限岬の祠には神官と巫女がいっからよぅ、これ見せてな。」
そう言って、ムネコクは和紙に、証明書を認めて押印した。
『この者、神龍の遣い。よって神龍の宿る鏑石を渡すべし。ムネコク』
「すまんな。助かる。」
「そんでも、もし神官がぐずぐず言ったらその鏑を見せればいいっしょ。」
ムネコクと握手して、俺たちはギルマスルームを出た。
ロビーに下りると例の受付研修生が待ち構えていて、話し掛けて来た。
「あの、すみませんでした。」
話す気にならないので、シカトして素通りするとついて来た。
「あのー、すみませんでしたー。」しつこい。皆もむっとしている。
俺たちは相手にしないで、ギルドを出て北斗号に乗り込む。受付研修生がついて来た。
「ちょっとぉ、なに無視してんですか?謝ってるのに失礼でしょう?」こいつ、失礼とか、どの口が言うんだ?
「ほう、俺たちが失礼ってか?お前、なぜ無視されたか分からんのか?お前のさっきの失礼な態度にムカついてるからお前とは話したくねぇんだよ。それにお前は受付を外された。受付から外された見習未満に割く時間はない。分かったか?」
「えー?そこまで言います?」
「大方、ムネコクさんに取り成せとでも言いたいのかしら。お断りよ。」
「あなた…受付に…向かない…。」
「冒険者をサポートし、面倒を見るのが本来の受付の姿だ。そなたは偉そうにふんぞり返っていただけではないか。」
「せやなー、今も平気でうちらに失礼とか言うしな。」
「一昨日来い、っちゅーねん。」あ、この台詞、さっきこの見習未満に言われたやつだ。笑
「お引き取り下さい。これ以上絡んで来ると、ムネコクさんに苦情を申し上げますよ。」
「研修をぉ、一から受け直せばぁ?」
嫁たち、容赦ねぇ。笑
呆然とする研修生をその場に残して、俺たちはギルドを後にした。
キノベ陸運ワカナ営業所に北斗号を預け、近くの宿屋を取った。夕餉は町に出掛けよう。ワカナは港町だから、やはり海鮮だろう。宿屋の主人に聞くと、ホタテ、アワビ、ホッキなど、獲れたての新鮮な貝類を、刺身や炉端焼きで出す店があるそうで、そこがお勧めだと言う。んじゃ、そこでいいかね。
行ってみると、貝だけじゃなく、ウニやイクラ、カニやエビ、ホッケなど、海の幸が豊富な品揃えで、堪能した。
それにしても二の島は、海産物と言い、肉と言い、乳製品と言い、農作物と言い、食品の宝庫だな。
宿屋に帰って、今夜はホサキと同室。お背中流しから始まったホサキとのハッピータイムは夜遅くまで続き、大奮戦したマイドラゴンは満足気に眠りに着いたのだった。本番は抜きだけど。
翌朝、北斗号でワカナを出て、ソヤの北限岬へと向かう。馬車で半日も掛らない。
結構、北風が強く、昨日から吹きっぱなしだったため、弓手側の北の海では、流氷が接岸していた。閉じ込められたな。このままだと、帰りは、ワカナからテッショまで陸路になるだろう。
馬手側の陸には、風の力を利用するための巨大風車が何台も並んでおり、巨大風車は力強く回っていた。
それぞれの巨大風車の下には建物がいくつも並んでいる。この建物群は風車とセットなのだろうか?とすると風車と連動して何かしているのかもしれん。妙に気になった。
弓手側に海の流氷、馬手側に陸の風車を見ながら海岸線を進むと、やがてソヤの北限岬が見えて来た。北限岬には神域を現すしめ縄が張ってあり、しめ縄の脇に社務所のような建物が立っている。
祠はこの奥にあるんだろうな。
「おーい、誰かいないかー?」社務所で何度か問い掛けると若い神官が出て来た。
「何か用だべか?」
「俺はアタル。射手だ。ここにある金剛鏑を貰い受けに来た。」
「金剛鏑?」
「ここでは『神龍の宿る鏑石』と言うそうだな。」
「何と!そったら、あんたは神龍の遣いだべか?」
「ワカナのギルマス、ムネコクさんの証明書だ。」俺はムネコクが書いてくれた証明書を神官に見せた。
「これは…、確かに…、ここで待ってるべさ。」俺たちは社務所の中の応接室に通され、神官はいったん奥に引っ込んで、年配の神官を連れて来た。
「貴殿は神龍の遣いで間違いないだべか?」
「神龍の遣いと言うのは知らなかったが、ワカナのギルマスのムネコクにそう言われた。これが証明書だ。」証明書を年配の神官に見せた。
「確かに。したっけ、何か証があったら見せてくんない?」
俺は懐から、レイ鏑を取り出して神官たちに見せた。気を利かせたレイが、鏑の中で神龍形態を取ってくれた。
「なんと。」
『さっさと金剛鏑を持って参れ。』レイの念話が飛んで、神官たちは度肝を抜かれた。
「はっ。ただいま!」若い神官が転げるように社務所を出て行き、それから間もなく、俺たちは金剛鏑を手に入れたのだった。
ソヤの北限岬からワカナに帰る陸路の道中、御者台とその後ろの席には、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、タヅナがいて、見張台兼指揮所のメイン車両屋上には、俺、キョウちゃんズ、アキナがいる。
キョウちゃんズとアキナは警戒の式神を飛ばしているが、まぁ、この辺りは安全であろう。ワカナが近いし、行きも無事に通過した。
馬手側に見える海からは、相変わらず北風が吹きつけて来ており、流氷は接岸している。昨日に続き、今日も北の島航路の廻船は、ワカナに足止めであろう。
一方、函府から来た廻船は、ワカナを諦めて、手前の臨時寄港地のテッショに入り、折り返して函府に戻るはずだ。
そんなことをぼんやり考えていると、アキナが話し掛けて来た。
「アタル、さっきの神官たちはどうなるのでしょうか?」
「え?どうなるって、どういうこと?」
「金剛鏑はソヤの北限岬の祠のご神体だった訳ですよね。私たちがご神体を譲り受けたのですから、ご神体のなくなった祠とその社務所は閉鎖になるんじゃありませんか?」
「あ、なるほど。言われてみればそうか。ワカナに戻ったらムネコクさんに聞いてみよう。」
もし行き場がなくなるなら、金剛鏑を大事に保管してくれてたお礼に、多少の志を渡して、当座の費えにしてもらおう。
ふっと弓手側を見ると、行きに気になった陸の上の巨大風車は、相変わらず北風を受けて力強く回っていた。
俺は、見張り台として活用しているメイン車両屋上の指揮所から、伝声管で御者台に連絡を取った。
「こちら指揮所のアタル。弓手側の巨大風車に寄ってくれないか?」
「いいですけどぉ、どうしたんですかぁ。」タヅナだ。
「風車の下に建物がいっぱいあるだろ?風車と繋がってるからさ、風車の力で何かしてるんじゃないかと思って、見てみたいんだよ。」
「分かったわぁ。」
海岸線の道をしばらく行ってから、陸を登る道との交差点で、北斗号は進路を変え、巨大風車群のもとへ向かった。
門番に見学したい旨の用件を伝えると、快く受け入れてくれて、案内までしてくれた。
思った通り、巨大風車の下に並ぶ建物群は、風車の力を利用して様々な作業をする工房だった。製粉機を並べた製粉所、機織機を並べた織物工場、ふいごによる製鉄所や鍛冶工房、などなど。
風が吹いてないときはどうしているのか聞くと、そのときは休んでいるらしい。風次第か。なんかのんびりしているなぁ。各種機械がびっしり並んだ先進的なイメージと、風か吹かなきゃ休んでると言う牧歌的な雰囲気のギャップが、心を和ませる。
とは言え、風がまったく吹かないと言うことはあまりないらしい。ちなみに今日は、強めの風なのでいいペースで作業が進んでいるそうだ。なお、強い吹雪が来て、風車の羽が破損する恐れがあるときは、羽を畳んで一連の操業を停止するとのことだった。
巨大風車と関連施設の見学を終え、ワカナに帰ってギルドに行くと、昨日の無礼な受付見習未満はいなかった。
まともな受付にギルマスのムネコクへの取次ぎを頼むと、すぐにギルマスルームに通された。俺はすぐに、ソヤの北限岬で手に入れた金剛鏑を出して報告した。
「お陰様で金剛鏑は手に入った。」
「そいつは良かったなー。」
「で、ひとつ心配事がある。この金剛鏑は北限岬の祠のご神体だよな。これを持っていったらあの祠はどうなる?もし閉鎖になったら、祠を守ってた神官たちはどうなるんだ?」
「ああ、心配ねぇべさ。昔あの鏑石に宿ってた神龍の画があるで、それをご神体代わりにするっしょ。」
「え?そんなんでいいのか?」
「もともとソヤの北限岬は、その名の通り二の島最北端だからよぅ、夏には観光客が来るんだべさ。そのときは祠はあった方がいいっしょ。だから閉鎖はしないべさ。」ふーん、なんか心配して損した気分だ。
「それならよかった。いろいろ世話になったな。」
「いや、こちらこそ。実はワカナもシカオも俺たち北の民の拠点だった所でなぁ、昔から行き来があるんだべさ。シカオが難儀してるところを助けてもらって感謝してるべさ。」
「ああ、なるほど。それでシカオの村長とは幼馴染みなのか。」
「そだねー。」
ギルドを出て、北斗号をキノベ陸運ワカナ営業所に預け、町で夕餉を摂ってから宿屋へ帰還した。
今夜はキョウちゃんズと同室だ。俺は仰向けに寝て、ひとりを胸元に乗せて蜜壺を堪能しつつ、もうひとりにマイドラゴンのお世話をしてもらう。これを交互にこなすのだ。
もちろんふたりとは最後の一線を越えていない。成長が始まったとはいえ、まだ半分子供のふたりには手を出さない。そこだけはしっかり守っている俺なのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/8/21
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№105 北の島の金剛鏑
ワカナに着いてまずギルドに立ち寄った。北斗号をギルド前に停めて、流邏石をひとつ登録してから、皆でワカナギルドに入る。
夕刻と言うこともあり、クエストを終えてひと息着いた冒険者たちが、ロビーの飲食ブースで軽く呑んだりしている。どこのギルドでも同じ光景だ。笑
俺たちは受付に行った。
「俺はセプトのアタルだ。ギルマスのムネコクさんに直接話がある。すまないが取り次いでくれないか?」
「はぁ?アポはありますか?」
「いや、アポはないな。」
「じゃぁダメですよ。ギルマスは忙しいんです。それに見ない顔ですね。駆け出しですか?それとも流れ?」
「そりゃ見ないだろ。ここが本拠じゃないからな。どうやったらアポが取れるんだ?」
「ペーペーには無理ですよ。名が売れてから来てください。」なんだこいつ?
「シカオの畜村の村長からの紹介状があるんだがな。」
「シカオの畜村?どこですか、それ?聞いたこともないですよ。どっかの辺鄙な畜村の村長の紹介状程度で、ギルマスに取り次げる訳ないでしょう?一昨日来てくださいな。」こいつ、マジ、ムカつくわ。
「シカオの村長は、ギルマスのムネコクさんと幼馴染だそうだ。あんた、そんな対応していいのか?」
「幼馴染ねぇ。何か取って付けたようで、モロに嘘っぽいですねぇ。」
「お前、随分横柄な態度を取るんだな。まともな受付はお前みたいな態度は取らないぞ。お前こそ新米だろ?グダグダ言わずにさっさと取り次げ。」
「なんですって?」
「いいか、俺たちはセプトで、俺はリーダーのアタルだ。俺の名前を出して取り次いで来い。」
「知りませんよ。」ゴツン!
「いったー。」頭を抱える新米受付。涙目になっている。
「研修生、お前な、セプトを知らないんじゃ、話にならんべさ。したっけ、受付研修を一から受け直して来い。」
「あ、ギルマス。」新米にもなってなかった研修生の顔が引きつっている。
「すまんな。研修生が失礼した。」ギルマスと呼ばれた男が俺たちに深々と頭を下げた。
「え?えー?ギルマスが謝っちゃう相手なんですか?」
「お前なー、濃紺の規格外って聞いたことあるべさ?」
「知りませんよー。」
「そうか、それならお前の研修の修了試験は不合格だべさ。明日からここには来なくていいっしょ。研修を一からやり直して来るべさ。」
「えー!ひっどーい。」
「ひどいのはお前の研修生としてのレベルだべさ!」
「ひっ。」ギルマスの一喝に、新米にもなってない研修生はたじろいでいた。
それから俺たちはビルマスルームに通された。
「俺がギルマスのムネコクだべさ。まぁ座ってくんない。」
「セプトのアタルだ。順に、サヤ、サジ、ホサキ、サキョウ、ウキョウ、アキナ、タヅナだ。」
「いやぁ、すまんかったなぁ。あの研修生は修了試験で来てたっけよぉ、態度が悪くて評判が悪かったんだべさ。」
「どこにでもああいうのはいるな。野放しにするか、ビシッと締めるかで、上の器量が分かるってもんだ。」
「いやいや耳が痛いことだべさ。で、シカオの紹介状があるって?見してくんない?」
俺はシカオの村長からの紹介状を渡した。ムネコクが紹介状に眼を通す。最初のうちは普通に読んでいたのだが、途中から食い入るように読みだした。読み終わってひと言。
「藍凍龍様を封じたってのは本当のことだべか?」
「ああ。」俺はレイ鏑をムネコクに見せた。気を利かしたレイが、鏑の中で神龍の姿を取った。
「ああ、キナスツカムイ!イヤィラィケレ。」
「なぁ、シカオの村長もそんな感じのことを口走ったんだが、どういう意味だ?」
「キナスツカムイが神龍様、イヤィラィケレ感謝の言葉だな。北の民の古い言葉だ。」
「そうなのか。『キナスツカムイ、イヤィラィケレ。』か。覚えておこう。」
「で、アタルは、ソヤの北限岬に祀っている神龍が宿る鏑石を取りに来たんだべか?」
「そうだ。俺たちは金剛鏑と呼んでいるがな。」
「あれは預かり物だべさ。神龍の遣いが取りに来たら渡すことになっとるでよ。藍凍龍様を封じた鏑石を持っとるし、アタルは神龍の遣いで間違いねぇべな?」
「神龍の遣いと言うのはジョブか?俺のジョブは射手だがな。」
「神龍の遣いとは、神龍様を鏑石に宿らせて持ち歩き、その大いなる力を行使する者のことだべさ。」
「それなら俺は4体の神龍と一緒だぞ。」
「え?」ムネコクが素っ頓狂な声を上げた。
俺はライ鏑、ウズ鏑、シン鏑も出して、最初に出したレイ鏑と並べた。ライたちも気を利かせて、それぞれが神龍の形態を取ってくれた。
「あ、あ、あ、キナスツカムイ!イヤィラィケレ。」ムネコクは椅子から床に飛び降りて跪き、首を垂れた。
『よい。面を上げよ。』レイが念話を飛ばした。
「!」ムネコクは眼をひん剥いて驚いている。
「おい、ムネコクさん。大丈夫か。」
「いや、すまん。なまら魂消たべさ。」
「今のは念話だ。神龍たちは念話で話し掛けて来るんだ。」
「アタル、お前は神龍の遣いだべさ。間違いねぇ。ソヤの北限岬の祠には神官と巫女がいっからよぅ、これ見せてな。」
そう言って、ムネコクは和紙に、証明書を認めて押印した。
『この者、神龍の遣い。よって神龍の宿る鏑石を渡すべし。ムネコク』
「すまんな。助かる。」
「そんでも、もし神官がぐずぐず言ったらその鏑を見せればいいっしょ。」
ムネコクと握手して、俺たちはギルマスルームを出た。
ロビーに下りると例の受付研修生が待ち構えていて、話し掛けて来た。
「あの、すみませんでした。」
話す気にならないので、シカトして素通りするとついて来た。
「あのー、すみませんでしたー。」しつこい。皆もむっとしている。
俺たちは相手にしないで、ギルドを出て北斗号に乗り込む。受付研修生がついて来た。
「ちょっとぉ、なに無視してんですか?謝ってるのに失礼でしょう?」こいつ、失礼とか、どの口が言うんだ?
「ほう、俺たちが失礼ってか?お前、なぜ無視されたか分からんのか?お前のさっきの失礼な態度にムカついてるからお前とは話したくねぇんだよ。それにお前は受付を外された。受付から外された見習未満に割く時間はない。分かったか?」
「えー?そこまで言います?」
「大方、ムネコクさんに取り成せとでも言いたいのかしら。お断りよ。」
「あなた…受付に…向かない…。」
「冒険者をサポートし、面倒を見るのが本来の受付の姿だ。そなたは偉そうにふんぞり返っていただけではないか。」
「せやなー、今も平気でうちらに失礼とか言うしな。」
「一昨日来い、っちゅーねん。」あ、この台詞、さっきこの見習未満に言われたやつだ。笑
「お引き取り下さい。これ以上絡んで来ると、ムネコクさんに苦情を申し上げますよ。」
「研修をぉ、一から受け直せばぁ?」
嫁たち、容赦ねぇ。笑
呆然とする研修生をその場に残して、俺たちはギルドを後にした。
キノベ陸運ワカナ営業所に北斗号を預け、近くの宿屋を取った。夕餉は町に出掛けよう。ワカナは港町だから、やはり海鮮だろう。宿屋の主人に聞くと、ホタテ、アワビ、ホッキなど、獲れたての新鮮な貝類を、刺身や炉端焼きで出す店があるそうで、そこがお勧めだと言う。んじゃ、そこでいいかね。
行ってみると、貝だけじゃなく、ウニやイクラ、カニやエビ、ホッケなど、海の幸が豊富な品揃えで、堪能した。
それにしても二の島は、海産物と言い、肉と言い、乳製品と言い、農作物と言い、食品の宝庫だな。
宿屋に帰って、今夜はホサキと同室。お背中流しから始まったホサキとのハッピータイムは夜遅くまで続き、大奮戦したマイドラゴンは満足気に眠りに着いたのだった。本番は抜きだけど。
翌朝、北斗号でワカナを出て、ソヤの北限岬へと向かう。馬車で半日も掛らない。
結構、北風が強く、昨日から吹きっぱなしだったため、弓手側の北の海では、流氷が接岸していた。閉じ込められたな。このままだと、帰りは、ワカナからテッショまで陸路になるだろう。
馬手側の陸には、風の力を利用するための巨大風車が何台も並んでおり、巨大風車は力強く回っていた。
それぞれの巨大風車の下には建物がいくつも並んでいる。この建物群は風車とセットなのだろうか?とすると風車と連動して何かしているのかもしれん。妙に気になった。
弓手側に海の流氷、馬手側に陸の風車を見ながら海岸線を進むと、やがてソヤの北限岬が見えて来た。北限岬には神域を現すしめ縄が張ってあり、しめ縄の脇に社務所のような建物が立っている。
祠はこの奥にあるんだろうな。
「おーい、誰かいないかー?」社務所で何度か問い掛けると若い神官が出て来た。
「何か用だべか?」
「俺はアタル。射手だ。ここにある金剛鏑を貰い受けに来た。」
「金剛鏑?」
「ここでは『神龍の宿る鏑石』と言うそうだな。」
「何と!そったら、あんたは神龍の遣いだべか?」
「ワカナのギルマス、ムネコクさんの証明書だ。」俺はムネコクが書いてくれた証明書を神官に見せた。
「これは…、確かに…、ここで待ってるべさ。」俺たちは社務所の中の応接室に通され、神官はいったん奥に引っ込んで、年配の神官を連れて来た。
「貴殿は神龍の遣いで間違いないだべか?」
「神龍の遣いと言うのは知らなかったが、ワカナのギルマスのムネコクにそう言われた。これが証明書だ。」証明書を年配の神官に見せた。
「確かに。したっけ、何か証があったら見せてくんない?」
俺は懐から、レイ鏑を取り出して神官たちに見せた。気を利かせたレイが、鏑の中で神龍形態を取ってくれた。
「なんと。」
『さっさと金剛鏑を持って参れ。』レイの念話が飛んで、神官たちは度肝を抜かれた。
「はっ。ただいま!」若い神官が転げるように社務所を出て行き、それから間もなく、俺たちは金剛鏑を手に入れたのだった。
ソヤの北限岬からワカナに帰る陸路の道中、御者台とその後ろの席には、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、タヅナがいて、見張台兼指揮所のメイン車両屋上には、俺、キョウちゃんズ、アキナがいる。
キョウちゃんズとアキナは警戒の式神を飛ばしているが、まぁ、この辺りは安全であろう。ワカナが近いし、行きも無事に通過した。
馬手側に見える海からは、相変わらず北風が吹きつけて来ており、流氷は接岸している。昨日に続き、今日も北の島航路の廻船は、ワカナに足止めであろう。
一方、函府から来た廻船は、ワカナを諦めて、手前の臨時寄港地のテッショに入り、折り返して函府に戻るはずだ。
そんなことをぼんやり考えていると、アキナが話し掛けて来た。
「アタル、さっきの神官たちはどうなるのでしょうか?」
「え?どうなるって、どういうこと?」
「金剛鏑はソヤの北限岬の祠のご神体だった訳ですよね。私たちがご神体を譲り受けたのですから、ご神体のなくなった祠とその社務所は閉鎖になるんじゃありませんか?」
「あ、なるほど。言われてみればそうか。ワカナに戻ったらムネコクさんに聞いてみよう。」
もし行き場がなくなるなら、金剛鏑を大事に保管してくれてたお礼に、多少の志を渡して、当座の費えにしてもらおう。
ふっと弓手側を見ると、行きに気になった陸の上の巨大風車は、相変わらず北風を受けて力強く回っていた。
俺は、見張り台として活用しているメイン車両屋上の指揮所から、伝声管で御者台に連絡を取った。
「こちら指揮所のアタル。弓手側の巨大風車に寄ってくれないか?」
「いいですけどぉ、どうしたんですかぁ。」タヅナだ。
「風車の下に建物がいっぱいあるだろ?風車と繋がってるからさ、風車の力で何かしてるんじゃないかと思って、見てみたいんだよ。」
「分かったわぁ。」
海岸線の道をしばらく行ってから、陸を登る道との交差点で、北斗号は進路を変え、巨大風車群のもとへ向かった。
門番に見学したい旨の用件を伝えると、快く受け入れてくれて、案内までしてくれた。
思った通り、巨大風車の下に並ぶ建物群は、風車の力を利用して様々な作業をする工房だった。製粉機を並べた製粉所、機織機を並べた織物工場、ふいごによる製鉄所や鍛冶工房、などなど。
風が吹いてないときはどうしているのか聞くと、そのときは休んでいるらしい。風次第か。なんかのんびりしているなぁ。各種機械がびっしり並んだ先進的なイメージと、風か吹かなきゃ休んでると言う牧歌的な雰囲気のギャップが、心を和ませる。
とは言え、風がまったく吹かないと言うことはあまりないらしい。ちなみに今日は、強めの風なのでいいペースで作業が進んでいるそうだ。なお、強い吹雪が来て、風車の羽が破損する恐れがあるときは、羽を畳んで一連の操業を停止するとのことだった。
巨大風車と関連施設の見学を終え、ワカナに帰ってギルドに行くと、昨日の無礼な受付見習未満はいなかった。
まともな受付にギルマスのムネコクへの取次ぎを頼むと、すぐにギルマスルームに通された。俺はすぐに、ソヤの北限岬で手に入れた金剛鏑を出して報告した。
「お陰様で金剛鏑は手に入った。」
「そいつは良かったなー。」
「で、ひとつ心配事がある。この金剛鏑は北限岬の祠のご神体だよな。これを持っていったらあの祠はどうなる?もし閉鎖になったら、祠を守ってた神官たちはどうなるんだ?」
「ああ、心配ねぇべさ。昔あの鏑石に宿ってた神龍の画があるで、それをご神体代わりにするっしょ。」
「え?そんなんでいいのか?」
「もともとソヤの北限岬は、その名の通り二の島最北端だからよぅ、夏には観光客が来るんだべさ。そのときは祠はあった方がいいっしょ。だから閉鎖はしないべさ。」ふーん、なんか心配して損した気分だ。
「それならよかった。いろいろ世話になったな。」
「いや、こちらこそ。実はワカナもシカオも俺たち北の民の拠点だった所でなぁ、昔から行き来があるんだべさ。シカオが難儀してるところを助けてもらって感謝してるべさ。」
「ああ、なるほど。それでシカオの村長とは幼馴染みなのか。」
「そだねー。」
ギルドを出て、北斗号をキノベ陸運ワカナ営業所に預け、町で夕餉を摂ってから宿屋へ帰還した。
今夜はキョウちゃんズと同室だ。俺は仰向けに寝て、ひとりを胸元に乗せて蜜壺を堪能しつつ、もうひとりにマイドラゴンのお世話をしてもらう。これを交互にこなすのだ。
もちろんふたりとは最後の一線を越えていない。成長が始まったとはいえ、まだ半分子供のふたりには手を出さない。そこだけはしっかり守っている俺なのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/8/21
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
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カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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