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射手の統領078 橙土龍攻略
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射手の統領
Zu-Y
№78 橙土龍攻略
今朝は皆で早起きして、大浴場の女湯で橙土龍攻略を祈念する水垢離を行った。もちろん水垢離と言っても水ではなく湯なのだが、まぁそれは代用ということで。井戸を掘ってたら出た温泉なのだから、よしとする。
俺たち以外の宿泊客は、男3人女5人の忍の者だからいわば身内だ。橙土龍攻略のための儀式と言うことで、忍の者の女5人に、俺の女湯使用の許可を取って女湯を空けてもらった。この女5人はくノ一なのだろうな。ちょっと興味があるが、まぁ、今回はそれは置いとく。
必勝祈願の水垢離は、薄手の白い浴衣で行う。浴衣に着替えた俺以下、セプトのメンバー全員が、浴衣のまま浸かって身を清めるのだ。
濡れた薄手の白い布は透けるに決まってるから、当然の生理現象でマイサンはマイドラゴンと化す。こんなときにと思うかもしれないが、こればっかりはどうしようもないんだよ。
サジ姉の桃色、サジ姉の桜色、ホサキのベージュ、アキナの紅色、タヅナの栗色、眼福、眼福。そりゃドラゴン化するわな。
サキョウとウキョウはまだ守備範囲の外…あれ?外じゃないかもしれない。まわりと同じ肌色だった頂は、薄めの赤茶色に色付いてきており、つい先日まではぺったんこに、手触りむにょんが+αされていただけだったのに、もはやぺったんことは言えない。うっすらとだが双丘の存在が見て取れる。もちろん色付いたポチリは存在を主張しつつある。
そう言えば、ライとウズが育ちだしたらあっという間だと言っていた。まさかこのまま育ちまくって巨乳なんかにならないよな。それでなくても巨乳ってバランス悪くて嫌なのに、ロリ巨乳とかマジ勘弁だわ。
水垢離という名の入浴を終え、身を清めた俺たちは、朝餉でしっかり腹拵えをした。昨日、湯に浸かりながら練った基本戦略を話すと皆も賛成だった。
流邏矢の乙矢にトリトの宿屋を登録し、まずサヤ姉、サジ姉、ホサキを流邏矢で大砂丘に運ぶ。
万が一、ピストン輸送中に戦闘になった場合は、流邏石でトリトギルドに戻ればよいが、その場にとどまって何とか凌がなくてはならなくなったときは、防御を担う盾士のホサキ、回復を担う医薬士のサジ姉は必須で、その護衛には近距離攻撃のサヤ姉が適任だ。
次に、キョウちゃんズ。敵の攻撃から反撃に転じるには、デバフ陰士のサキョウと、バフ陰士のウキョウが必要だ。最後に射手モードのアキナと、騎乗ではなく徒歩で薙刀のタヅナ。曳馬たちは危険に晒したくないからお留守番だ。
第一陣の輸送で、ホサキが前に出て自在の盾を大きく展開し、防御態勢を敷く。
全員のピストン輸送が終わったところで、俺は操龍弓で橙土龍の気配を探すと…。いた!約300m先の大砂丘の地下、昨日、とぐろを巻いて休憩に入った場所にそのまんまでいるではないか。やはりここが彼奴の巣のようだ。
眠ってるのか?それなら好都合だ!俺たちは、100mまで距離を詰めた。さぁ、仕掛けるぞ。
ウキョウが全員に、速度上昇、物理防御上昇、属性防御上昇、状態異常防御上昇、物理攻撃上昇、属性攻撃上昇、状態異常攻撃上昇と、各種バフの術を続けざまに掛け、俺は5倍の雷撃矢を5本、10秒間隔で天高く射放つ。橙土龍の巣の真上から落下させるためだ。5本目を射る直前に1本目が着弾した。
5倍雷撃矢が落下し、通常の落雷を越える電撃が巣を襲う。地響きが起き、橙土龍が動き出した気配が、操龍弓を通して伝わってくる。
大砂丘の一部がみるみる盛り上がる。昨日と同じだ。
「出て来るぞ!」
「いったい何事だー?」状況を掴み切れていない橙土龍が、物凄い咆哮を挙げて顔を出したとき、4本目が偶然橙土龍を直撃した。と言っても、硬い鱗に矢は弾かれるため、雷撃だけがそのまま橙土龍を襲う!橙土龍は上半身を大砂丘から出し続けながら仰け反った。
そこへ、サキョウの各種デバフの術が続け様に襲う。まず速度低下、そして属性防御低下、ここで5本目が天から降って来て、頭部は躱したが胴体に直撃した。
「グオオオオオ。」属性防御低下直後に5倍の雷撃だから確実に効いてる!
さらに状態異常防御低下、ここでサジ姉から麻痺の術が連射される。サキョウのデバフは、物理防御低下、物理攻撃低下、属性攻撃低下、状態異常攻撃低下と続く。
俺は5倍水撃矢に切り替え、橙土龍が出て来ている大砂丘の盛り上がりに矢継ぎ早で射込んだ。水撃矢によって出口のあたり一帯が水浸しになり、砂はどんどん水を吸って重くなって行く。作戦通りだ。
橙土龍は各種デバフの術と麻痺の術の効果で、水を吸った砂から下半身を出せず、上半身を振り回しているが、その動きは非常に緩慢だ。
ここで、サヤ姉が距離を詰めて二刀流剣舞を見舞う。物理攻撃はあまり効かないが、雷神の太刀と風神の脇差の属性攻撃が効いている。タヅナの偃月の薙刀の旋回切り、アキナの正鵠の弓による遠矢よる速射は、ダメージは皆無だが、橙土龍の注意を散らす効果を発揮した。
訳が分からないままのた打ち回る橙土龍。完全に奇襲が成功している。
俺は再び5倍矢を頭部に向けて射放った。雷撃が橙土龍を直撃する。
「おのれー。小賢しい。こうしてくれるわー。」
橙土龍が気を溜め始めた。気を高めて一気に放出する起死回生の大技だ。しかし俺はこれを待っていた。操龍弓を高く掲げ、金剛鏑を装着した封龍矢を番えて引き絞る。
操龍弓が橙土龍の高まる気に呼応して、封龍矢の纏う気がぐんぐん高まり、封龍矢が物凄い気の高まりで輝きを放つ。
「まさか!」橙土龍が眼を見開いた。
俺が放った封龍矢は、狙い違わず急所の眉間を捉えた。眉間にめり込んだ封龍矢の金剛鏑から、物凄い量の気が橙土龍を襲い、橙土龍は橙色に輝きだした。
「グオオオオオ!」凄まじい咆哮とともに、橙土龍の全身は無数の橙色の粒子になって、その粒子は渦を巻きながら金剛鏑に吸い込まれて行く。大砂丘からも橙色の光の粒子が次々と出て来る。砂に埋まっていた下半身から出た粒子だ。
何度見ても、凄ぇ。
戻りの箙に封龍矢が戻った。金剛鏑は橙色に輝いている。
橙色に発光する金剛鏑を封龍矢から取り外し、皆で様子を見ていると、ライやウズのときと同じように、金剛鏑の中で橙色の光の粒子が渦を巻き出して、橙土龍の形に変化して行った。橙土龍の形が完成すると同時に念話が来た。
『操龍弓と封龍矢だな。』
「そうだ。」
『最後の遣い手は黄金龍が仕留めたはずだが?』
「俺はその息子だ。」
『そうか。見事な奇襲、そして見事な連携であったぞ。反撃する隙が無かった。』
「ああ、それにお前が寝ていたからな。」
『地下の巣にいて襲われようとは思わなんだ。余が油断であったわ。』
「起きていたらこう易々とは行かなかったろうな。」
『うむ。しかし、たらればを言うても詮無きことよ。負け惜しみにしかならぬ。
そう言えばお前は、黄金龍と蒼碧龍の力を使っていたな。』
「ふたりとも俺の眷属だからな。」
『眷属とな?両方とも従えたのか?』
「そうだ。そして此度は、橙土龍よ。お前を従える。」
『余にも眷属となれと言うか?』
「そうだ。」
『ふむ。余は負けたのだから仕方あるまいな。ご主人、名を所望する。』
「シンでどうだ?地震のシンだ。地震を起こして暴れていたからな。」
『確かにな。それでよい。』
「しかしなんであんなに暴れたんだ?」
『うむ。長きの眠りから目覚めたらな、余の大砂丘が端から随分と削られておったのでな、わが縄張りを荒らす奴らを懲らしめていたのだ。』
「そうだったのか。」橙土龍には橙土龍の言い分もあるのだな。ギルマスに伝えておこう。
『まぁ、大分懲らしめたし、この辺が潮時なのかもしれん。』
「そうだな。相当懲りていたぞ。」
『ご主人とともにトリトを発つゆえ、懲らしめはもう終わりよ。』
「改めてよろしくな。シン。それと俺のことはアタルと呼んでくれ。」
『分かった。アタル、よろしく頼む。それから、奥方が7人か。よろしく頼む。』
「「「「よろしく。」」」」「よろ…。」「「シンはん、よろしゅう。」」嫁7人即答。
『ところでアタル、小さい奥方の片方、右の小娘に余を待たせてみよ。』
「ああ、そうか。ウキョウ。」俺はウキョウにシン鏑を渡す。
ウキョウの体は橙色に光った。
「ああ、うちもちゃんと適性があるんやねぇ。」ウキョウが涙ぐんでいる。
「ウキョウ、よかったなぁ。」サキョウも涙ぐんでいる。
「サキョウ、おおきに。あとは…。」
「そやね。」キョウちゃんズが肉食獣の眼で俺を捉え、にたりと笑い、舌なめずりをしやがった。
やめろー!なぜ舌なめずりがシンクロするんだ?なんか、微妙に怖いぞ。
「サキョウ、ウキョウ、落ち着け。」
「落ち着いとるよ。」
「慌ててるのはアタル兄やろ?」
「へ?」
「まだちょびっとやけど、うちらも出るとこ出だしたしな。」
「そや。それに背も伸び出したしな。」
「アタル兄の我慢も時間の問題や。」
「もう少し待ってるだけや。」
爆笑する大人嫁5人。
俺はウキョウからシン鏑を受け取った。
時間の問題か…。確かにそうなのかもしれんな。俺は溜息をついた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/6/19
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№78 橙土龍攻略
今朝は皆で早起きして、大浴場の女湯で橙土龍攻略を祈念する水垢離を行った。もちろん水垢離と言っても水ではなく湯なのだが、まぁそれは代用ということで。井戸を掘ってたら出た温泉なのだから、よしとする。
俺たち以外の宿泊客は、男3人女5人の忍の者だからいわば身内だ。橙土龍攻略のための儀式と言うことで、忍の者の女5人に、俺の女湯使用の許可を取って女湯を空けてもらった。この女5人はくノ一なのだろうな。ちょっと興味があるが、まぁ、今回はそれは置いとく。
必勝祈願の水垢離は、薄手の白い浴衣で行う。浴衣に着替えた俺以下、セプトのメンバー全員が、浴衣のまま浸かって身を清めるのだ。
濡れた薄手の白い布は透けるに決まってるから、当然の生理現象でマイサンはマイドラゴンと化す。こんなときにと思うかもしれないが、こればっかりはどうしようもないんだよ。
サジ姉の桃色、サジ姉の桜色、ホサキのベージュ、アキナの紅色、タヅナの栗色、眼福、眼福。そりゃドラゴン化するわな。
サキョウとウキョウはまだ守備範囲の外…あれ?外じゃないかもしれない。まわりと同じ肌色だった頂は、薄めの赤茶色に色付いてきており、つい先日まではぺったんこに、手触りむにょんが+αされていただけだったのに、もはやぺったんことは言えない。うっすらとだが双丘の存在が見て取れる。もちろん色付いたポチリは存在を主張しつつある。
そう言えば、ライとウズが育ちだしたらあっという間だと言っていた。まさかこのまま育ちまくって巨乳なんかにならないよな。それでなくても巨乳ってバランス悪くて嫌なのに、ロリ巨乳とかマジ勘弁だわ。
水垢離という名の入浴を終え、身を清めた俺たちは、朝餉でしっかり腹拵えをした。昨日、湯に浸かりながら練った基本戦略を話すと皆も賛成だった。
流邏矢の乙矢にトリトの宿屋を登録し、まずサヤ姉、サジ姉、ホサキを流邏矢で大砂丘に運ぶ。
万が一、ピストン輸送中に戦闘になった場合は、流邏石でトリトギルドに戻ればよいが、その場にとどまって何とか凌がなくてはならなくなったときは、防御を担う盾士のホサキ、回復を担う医薬士のサジ姉は必須で、その護衛には近距離攻撃のサヤ姉が適任だ。
次に、キョウちゃんズ。敵の攻撃から反撃に転じるには、デバフ陰士のサキョウと、バフ陰士のウキョウが必要だ。最後に射手モードのアキナと、騎乗ではなく徒歩で薙刀のタヅナ。曳馬たちは危険に晒したくないからお留守番だ。
第一陣の輸送で、ホサキが前に出て自在の盾を大きく展開し、防御態勢を敷く。
全員のピストン輸送が終わったところで、俺は操龍弓で橙土龍の気配を探すと…。いた!約300m先の大砂丘の地下、昨日、とぐろを巻いて休憩に入った場所にそのまんまでいるではないか。やはりここが彼奴の巣のようだ。
眠ってるのか?それなら好都合だ!俺たちは、100mまで距離を詰めた。さぁ、仕掛けるぞ。
ウキョウが全員に、速度上昇、物理防御上昇、属性防御上昇、状態異常防御上昇、物理攻撃上昇、属性攻撃上昇、状態異常攻撃上昇と、各種バフの術を続けざまに掛け、俺は5倍の雷撃矢を5本、10秒間隔で天高く射放つ。橙土龍の巣の真上から落下させるためだ。5本目を射る直前に1本目が着弾した。
5倍雷撃矢が落下し、通常の落雷を越える電撃が巣を襲う。地響きが起き、橙土龍が動き出した気配が、操龍弓を通して伝わってくる。
大砂丘の一部がみるみる盛り上がる。昨日と同じだ。
「出て来るぞ!」
「いったい何事だー?」状況を掴み切れていない橙土龍が、物凄い咆哮を挙げて顔を出したとき、4本目が偶然橙土龍を直撃した。と言っても、硬い鱗に矢は弾かれるため、雷撃だけがそのまま橙土龍を襲う!橙土龍は上半身を大砂丘から出し続けながら仰け反った。
そこへ、サキョウの各種デバフの術が続け様に襲う。まず速度低下、そして属性防御低下、ここで5本目が天から降って来て、頭部は躱したが胴体に直撃した。
「グオオオオオ。」属性防御低下直後に5倍の雷撃だから確実に効いてる!
さらに状態異常防御低下、ここでサジ姉から麻痺の術が連射される。サキョウのデバフは、物理防御低下、物理攻撃低下、属性攻撃低下、状態異常攻撃低下と続く。
俺は5倍水撃矢に切り替え、橙土龍が出て来ている大砂丘の盛り上がりに矢継ぎ早で射込んだ。水撃矢によって出口のあたり一帯が水浸しになり、砂はどんどん水を吸って重くなって行く。作戦通りだ。
橙土龍は各種デバフの術と麻痺の術の効果で、水を吸った砂から下半身を出せず、上半身を振り回しているが、その動きは非常に緩慢だ。
ここで、サヤ姉が距離を詰めて二刀流剣舞を見舞う。物理攻撃はあまり効かないが、雷神の太刀と風神の脇差の属性攻撃が効いている。タヅナの偃月の薙刀の旋回切り、アキナの正鵠の弓による遠矢よる速射は、ダメージは皆無だが、橙土龍の注意を散らす効果を発揮した。
訳が分からないままのた打ち回る橙土龍。完全に奇襲が成功している。
俺は再び5倍矢を頭部に向けて射放った。雷撃が橙土龍を直撃する。
「おのれー。小賢しい。こうしてくれるわー。」
橙土龍が気を溜め始めた。気を高めて一気に放出する起死回生の大技だ。しかし俺はこれを待っていた。操龍弓を高く掲げ、金剛鏑を装着した封龍矢を番えて引き絞る。
操龍弓が橙土龍の高まる気に呼応して、封龍矢の纏う気がぐんぐん高まり、封龍矢が物凄い気の高まりで輝きを放つ。
「まさか!」橙土龍が眼を見開いた。
俺が放った封龍矢は、狙い違わず急所の眉間を捉えた。眉間にめり込んだ封龍矢の金剛鏑から、物凄い量の気が橙土龍を襲い、橙土龍は橙色に輝きだした。
「グオオオオオ!」凄まじい咆哮とともに、橙土龍の全身は無数の橙色の粒子になって、その粒子は渦を巻きながら金剛鏑に吸い込まれて行く。大砂丘からも橙色の光の粒子が次々と出て来る。砂に埋まっていた下半身から出た粒子だ。
何度見ても、凄ぇ。
戻りの箙に封龍矢が戻った。金剛鏑は橙色に輝いている。
橙色に発光する金剛鏑を封龍矢から取り外し、皆で様子を見ていると、ライやウズのときと同じように、金剛鏑の中で橙色の光の粒子が渦を巻き出して、橙土龍の形に変化して行った。橙土龍の形が完成すると同時に念話が来た。
『操龍弓と封龍矢だな。』
「そうだ。」
『最後の遣い手は黄金龍が仕留めたはずだが?』
「俺はその息子だ。」
『そうか。見事な奇襲、そして見事な連携であったぞ。反撃する隙が無かった。』
「ああ、それにお前が寝ていたからな。」
『地下の巣にいて襲われようとは思わなんだ。余が油断であったわ。』
「起きていたらこう易々とは行かなかったろうな。」
『うむ。しかし、たらればを言うても詮無きことよ。負け惜しみにしかならぬ。
そう言えばお前は、黄金龍と蒼碧龍の力を使っていたな。』
「ふたりとも俺の眷属だからな。」
『眷属とな?両方とも従えたのか?』
「そうだ。そして此度は、橙土龍よ。お前を従える。」
『余にも眷属となれと言うか?』
「そうだ。」
『ふむ。余は負けたのだから仕方あるまいな。ご主人、名を所望する。』
「シンでどうだ?地震のシンだ。地震を起こして暴れていたからな。」
『確かにな。それでよい。』
「しかしなんであんなに暴れたんだ?」
『うむ。長きの眠りから目覚めたらな、余の大砂丘が端から随分と削られておったのでな、わが縄張りを荒らす奴らを懲らしめていたのだ。』
「そうだったのか。」橙土龍には橙土龍の言い分もあるのだな。ギルマスに伝えておこう。
『まぁ、大分懲らしめたし、この辺が潮時なのかもしれん。』
「そうだな。相当懲りていたぞ。」
『ご主人とともにトリトを発つゆえ、懲らしめはもう終わりよ。』
「改めてよろしくな。シン。それと俺のことはアタルと呼んでくれ。」
『分かった。アタル、よろしく頼む。それから、奥方が7人か。よろしく頼む。』
「「「「よろしく。」」」」「よろ…。」「「シンはん、よろしゅう。」」嫁7人即答。
『ところでアタル、小さい奥方の片方、右の小娘に余を待たせてみよ。』
「ああ、そうか。ウキョウ。」俺はウキョウにシン鏑を渡す。
ウキョウの体は橙色に光った。
「ああ、うちもちゃんと適性があるんやねぇ。」ウキョウが涙ぐんでいる。
「ウキョウ、よかったなぁ。」サキョウも涙ぐんでいる。
「サキョウ、おおきに。あとは…。」
「そやね。」キョウちゃんズが肉食獣の眼で俺を捉え、にたりと笑い、舌なめずりをしやがった。
やめろー!なぜ舌なめずりがシンクロするんだ?なんか、微妙に怖いぞ。
「サキョウ、ウキョウ、落ち着け。」
「落ち着いとるよ。」
「慌ててるのはアタル兄やろ?」
「へ?」
「まだちょびっとやけど、うちらも出るとこ出だしたしな。」
「そや。それに背も伸び出したしな。」
「アタル兄の我慢も時間の問題や。」
「もう少し待ってるだけや。」
爆笑する大人嫁5人。
俺はウキョウからシン鏑を受け取った。
時間の問題か…。確かにそうなのかもしれんな。俺は溜息をついた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/6/19
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
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カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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