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射手の統領060 外乗デビュー
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射手の統領
Zu-Y
№60 外乗デビュー
爽快な目覚めから、少しの間、サヤ姉とイチャイチャして朝餉の席で皆と合流した。
今日は俺の外乗デビューなので、朝餉の話題はそれだ。
アキナだけ弓の稽古で残念そうだが、俺、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、キョウちゃんズの5名と、馬の師匠のタヅナで外乗に行く。
俺の外乗デビューの相棒はフォレストになった。
先頭は、指導係のタヅナ、そのすぐ後に外乗デビューの俺、その後にキョウちゃんズ、もはや単独で外乗もできそうなサヤ姉、サジ姉、そしてホサキが殿だ。
テンバ郊外の原野を、軽速歩でしばらく慣らし、いい塩梅で緊張が解れた頃、駈歩になった。手綱を離すことを考えて、可能な限り手綱に頼らないように意識して乗る。
駈歩をしばらくした後、タヅナが徐々にペースを上げ、襲歩へと移行した。相棒が首を前に突き出し、耳をピタッと後ろに倒す。俺は上体を前傾しつつ、腰を浮かせ、上下動を膝で吸収する。大丈夫だ、問題ない。タヅナは、チラチラと振り返って俺を気遣う余裕を見せている。うーん、流石だ。
しばらく襲歩が続いた後、タヅナが徐々にペースを落として襲歩から駈歩、そして速歩になり、しばらく進んで、常歩になり、最後に停止した。
首をポンポンと叩き、よく走ったと、お礼の合図をする。ここでしばらく休憩だ。
相棒たちはすでに勝手が分かっており、原野の草を食みだした。俺たちは相棒のなすがままに任せている。
「アタルぅ、初めての襲歩にしては上出来よぉ。やっぱり、アタルは素質があるわぁ。」
「うん、いい感じだったよ。」
「タヅ姉、うちらは?」
「抜群に上手よぉ。キョウちゃんズはぁ、馬とお話ができるから別格よねぇ。」
「うん。走ってるとき『大丈夫か?速すぎないか?』って念話して来よったんよ。な、サキョウ。」
「せやな。」
なんですと?
「サキョウもウキョウも、それにタヅナも馬の念話が分かるんだよな?」
「「うん。」」「そうよぉ。」
「疑う訳じゃないが、今、俺の相棒が考えてることを『せーの』で言ってみてくれ。いいか、行くぞ。せーのっ!」
「「「この草、おいしい。」」」
「おい!」俺は相棒にツッコミを入れた。
「「「うるさい、邪魔するな。」」」
「え?」
「「「おやつぐらい、ゆっくり食わせろ。」」」
「ごめんなさい。」
相棒は、片耳だけこっちに向けやがった。その後はまた無心で食ってる。
「あのー、3人とも疑って悪かった。」
「仕方ないですよぉ。キノベの父上も、姉上も、兄上も信じてませんからぁ。分かってくれるのはぁ、母上だけですぅ。」
「あ、あのおとなしい母上な。ちょっと、つかみどころがないお方だな。」
「実は結構おしゃべりですよぉ。いつも馬たちとぉ、念話でしゃべってますからぁ。」
なんですと?
「じゃぁ、ボーっとしてるときは…?」
「大抵馬たちと念話してますぅ。」マジか?
休憩後、テンバ郊外の原野を走り回って、昼餉前に本拠に帰館した。馬装を解き、手入れをして昼は放牧する。
昼餉では、アキナも合流した。アキナは矢所が安定して来ているそうだ。的中率はまだ3割程度だが、抜く位置はすべて的の周辺らしい。的の直径が倍なら皆中だと言っていた。
しかし一般的に使う尺二(一尺二寸)的の幅は、標準的な体形の人の胴体の幅である。直径を倍にしたら、それは相当な巨漢だ。笑
午後は、俺だけ東都に飛んだ。
山髙屋の東都総本店に行き、社長と会って、昨日の各家の意向をまとめて伝えるのだ。それを受けて、社長から各家の統領宛に、正式な参加の要請が行くのだろう。
東都総本店の受付で来訪の目的を告げると、反応は非常にてきぱきしていた。
これには非常に感心していたのだが、実は、例の態度の悪かった受付ふたりを、トイレ掃除に飛ばさせた張本人として、俺は、受付スタッフ全員に警戒されていたのだ。この事実を後で知らされたときには、流石に俺のせいじゃねぇよ!と叫びたくなった。泣
応接室に通されて待っていると、じきに社長はハンジョーを連れてやって来た。
「これはこれはアタルどの、早速のお運びありがとうございます。」
「山髙屋どの、此度は三の叔父貴どのを通して、披露目のご提案を頂いたが、ユノベは検討の結果、参加することにいたした。俺と二の叔父貴どののふたりが披露目に参加する。また、護衛を含めた一行は20名を予定しておる。」
アキナの御父上に対して他人行儀だが、ユノベの次期統領として来ているので、敢えて固い話し方をした。
「早速のご承諾、ありがとうございます。」
「他家の状況だが、4家とも参加の意向だ。トノベとヤクシは、それぞれ統領または座主と筆頭重臣の2名、タテベとキノベはそれぞれ統領と世継の2名が披露目に参加する。4家とも護衛は30名前後だそうだ。」
「では早速、正式な参加依頼書を各家へ送りましょう。」
「次ノ宮殿下からのお返事は?」
「それがですねぇ。山髙屋の宣伝に使われるようで気に食わんと仰せのようでして。」
「ユノベのアタルが橙土龍攻略の旅のめどが立ったゆえ、お会いできるのを楽しみにしているとお伝えしてくれ。攻略の旅に使う特注の馬車が間に合えば、ご覧に入れたい。それからキノベの跡取とも懇意ゆえ、ぜひ紹介したい。とも伝えて欲しい。」
「それはありがたいことです。殿下のお気が変わられるといいのですが。」
「あの殿下は冒険に憧れているからな。山髙屋の宣伝のためにではなく、自分の好奇心を満たすためなら、こだわりなく出て来るんじゃないかな。」
「これは手厳しい。」
「いやいや、感心しておるのだ。この宣伝の真の目的は、盗賊たちへの警告であろう?山髙屋の荷には、武家の護衛が付くから、手を出すな。とな。」
「まったく敵いませんな。すべてお見通しですか。」
「こちらも最初は手練れを選りすぐって派遣する。初期段階で、ちょっかいを掛けて来る奴を徹底的に痛めつければ、後々は手を出さなくなるからな。」
「それは頼もしいですね。」
「それとな、トノベ、ヤクシ、タテベ、それにキノベは騎馬隊限定で、ユノベとの護衛の条件を飲んだ。」
「なんですって!」ハンジョーが思わず口走る。
「あ、申し訳ありません。つい…。」
「構いません。ハンジョーが口走らなければ、私が口走ってました。」
キノベの騎馬隊もこの条件に加わったのは、以前俺が話したことをトウラクが覚えていたからだ。
トウラクの方から、タヅナに商隊護衛の件はどうなったか聞いて来て、タヅナが、合意している条件を放棄する必要はないと言うと、トウラクは首を横に振ったそうだ。
「それは陸運の手間賃であって、護衛の費用ではない。他家との連携訓練にもなるのだから、条件面は他家と同じ方がよい。
それでよろしいですな、父上。」
「騎馬隊はそなたに任せておる。」とキノベどのが言い、その一言で決まった。
なお、キノベどのも、ハミどのも、トウラクの決断に感心していたそうだ。トウラクの株が上がった。
「山髙屋どののよい様に、各商隊の護衛を編成してくれ。各家に護衛の派遣依頼を出せばよい。それと、護衛に付いた武家の旗は、荷馬車に立てさせてくれよ。」
「それは願ってもないこと。賊どもは、旗を見て怯みましょうな。アタルどの、この見返りに何をお望みですか?」
「見返り?すでに頂いておるが?」
「え?」キョトンとする山髙屋の社長。
「舅どのが一番大事にしていたものを頂いております。」俺は、婿として敬語に改めた。
「あ。これはこれは。何とも参りましたな。」社長が照れくさそうに笑った。
その後、俺たちは披露目について詳細に詰めた。
「あとは次ノ宮殿下か。しかし、次ノ宮殿下がいなくても構うまい?」
「そうですね。いらして頂いた方が箔は付きますが、いらっしゃらなくても披露目は行います。」
後日、山髙屋から手紙が来た。次ノ宮殿下は承諾したそうだ。『山髙屋の宣伝のためではない。アタルに会いに行くのだ。』と、次ノ宮殿下に念を押されたと書いてあった。笑
ユノベ本拠に帰館したのは午後の稽古が終わる頃だった。
馬の稽古組は馬の手入れをしてから、弓の稽古組は安土整備をしてから引き揚げて来るだろう。
俺は一足先に湯殿に向かい、お気に入りの白湯に浸かった。
しばらくするとキョウちゃんズが入って来た。ありゃりゃ、ふたりともすっぽんぽんだ。
「おい、サキョウ、ウキョウ、前を隠せ。前を!」
「えー、今更やん。」「減るもんやないし。」
「お前ら、西三都のおばちゃんか!」
「「ええツッコミや。」」ふたりしてケラケラ笑っている。
「分かってねぇなぁ。恥じらう方がそそるんだよ。」
「「そうなん?」」ふたりは、タオルで前を隠してクネクネしだした。こいつら、小悪魔の素質ありだ。苦笑
で、その後はいつも通りの展開になった。
夕餉の後は、しばらく居間で寛いで、皆でとりとめのない話をした。心地よい時間がゆっくり流れて行く。いい時間になったので、各自が部屋に戻った。
今日はサジ姉の日だ。昨日のサヤ姉に続き、サジ姉との1対1は今夜が初めてだ。
ふたりで部屋に入ると、そのままベッドへ押し倒された。サジ姉、それは俺がやること…。おお、いきなり本陣を攻めて来た!マイドラゴンへの集中砲火だ。
しばらく、快感に浸りながらサジ姉の波状攻撃を受け止める。
そろそろマイドラゴンがやばくなって来たので、反撃に転じた!上下の唇と、双丘の頂への多方面同時攻撃だ。一気に形勢逆転だ。
昨日と同じく、一騎討の激しい営みが夜更けまで延々と続いた。
もちろん妊娠のリスクを避けるために本番はなし。あー、例のアレ、早く開発されねーかな。
ここんとこ、1日の締めはこの感想ばっかやねー。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/5/8
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№60 外乗デビュー
爽快な目覚めから、少しの間、サヤ姉とイチャイチャして朝餉の席で皆と合流した。
今日は俺の外乗デビューなので、朝餉の話題はそれだ。
アキナだけ弓の稽古で残念そうだが、俺、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、キョウちゃんズの5名と、馬の師匠のタヅナで外乗に行く。
俺の外乗デビューの相棒はフォレストになった。
先頭は、指導係のタヅナ、そのすぐ後に外乗デビューの俺、その後にキョウちゃんズ、もはや単独で外乗もできそうなサヤ姉、サジ姉、そしてホサキが殿だ。
テンバ郊外の原野を、軽速歩でしばらく慣らし、いい塩梅で緊張が解れた頃、駈歩になった。手綱を離すことを考えて、可能な限り手綱に頼らないように意識して乗る。
駈歩をしばらくした後、タヅナが徐々にペースを上げ、襲歩へと移行した。相棒が首を前に突き出し、耳をピタッと後ろに倒す。俺は上体を前傾しつつ、腰を浮かせ、上下動を膝で吸収する。大丈夫だ、問題ない。タヅナは、チラチラと振り返って俺を気遣う余裕を見せている。うーん、流石だ。
しばらく襲歩が続いた後、タヅナが徐々にペースを落として襲歩から駈歩、そして速歩になり、しばらく進んで、常歩になり、最後に停止した。
首をポンポンと叩き、よく走ったと、お礼の合図をする。ここでしばらく休憩だ。
相棒たちはすでに勝手が分かっており、原野の草を食みだした。俺たちは相棒のなすがままに任せている。
「アタルぅ、初めての襲歩にしては上出来よぉ。やっぱり、アタルは素質があるわぁ。」
「うん、いい感じだったよ。」
「タヅ姉、うちらは?」
「抜群に上手よぉ。キョウちゃんズはぁ、馬とお話ができるから別格よねぇ。」
「うん。走ってるとき『大丈夫か?速すぎないか?』って念話して来よったんよ。な、サキョウ。」
「せやな。」
なんですと?
「サキョウもウキョウも、それにタヅナも馬の念話が分かるんだよな?」
「「うん。」」「そうよぉ。」
「疑う訳じゃないが、今、俺の相棒が考えてることを『せーの』で言ってみてくれ。いいか、行くぞ。せーのっ!」
「「「この草、おいしい。」」」
「おい!」俺は相棒にツッコミを入れた。
「「「うるさい、邪魔するな。」」」
「え?」
「「「おやつぐらい、ゆっくり食わせろ。」」」
「ごめんなさい。」
相棒は、片耳だけこっちに向けやがった。その後はまた無心で食ってる。
「あのー、3人とも疑って悪かった。」
「仕方ないですよぉ。キノベの父上も、姉上も、兄上も信じてませんからぁ。分かってくれるのはぁ、母上だけですぅ。」
「あ、あのおとなしい母上な。ちょっと、つかみどころがないお方だな。」
「実は結構おしゃべりですよぉ。いつも馬たちとぉ、念話でしゃべってますからぁ。」
なんですと?
「じゃぁ、ボーっとしてるときは…?」
「大抵馬たちと念話してますぅ。」マジか?
休憩後、テンバ郊外の原野を走り回って、昼餉前に本拠に帰館した。馬装を解き、手入れをして昼は放牧する。
昼餉では、アキナも合流した。アキナは矢所が安定して来ているそうだ。的中率はまだ3割程度だが、抜く位置はすべて的の周辺らしい。的の直径が倍なら皆中だと言っていた。
しかし一般的に使う尺二(一尺二寸)的の幅は、標準的な体形の人の胴体の幅である。直径を倍にしたら、それは相当な巨漢だ。笑
午後は、俺だけ東都に飛んだ。
山髙屋の東都総本店に行き、社長と会って、昨日の各家の意向をまとめて伝えるのだ。それを受けて、社長から各家の統領宛に、正式な参加の要請が行くのだろう。
東都総本店の受付で来訪の目的を告げると、反応は非常にてきぱきしていた。
これには非常に感心していたのだが、実は、例の態度の悪かった受付ふたりを、トイレ掃除に飛ばさせた張本人として、俺は、受付スタッフ全員に警戒されていたのだ。この事実を後で知らされたときには、流石に俺のせいじゃねぇよ!と叫びたくなった。泣
応接室に通されて待っていると、じきに社長はハンジョーを連れてやって来た。
「これはこれはアタルどの、早速のお運びありがとうございます。」
「山髙屋どの、此度は三の叔父貴どのを通して、披露目のご提案を頂いたが、ユノベは検討の結果、参加することにいたした。俺と二の叔父貴どののふたりが披露目に参加する。また、護衛を含めた一行は20名を予定しておる。」
アキナの御父上に対して他人行儀だが、ユノベの次期統領として来ているので、敢えて固い話し方をした。
「早速のご承諾、ありがとうございます。」
「他家の状況だが、4家とも参加の意向だ。トノベとヤクシは、それぞれ統領または座主と筆頭重臣の2名、タテベとキノベはそれぞれ統領と世継の2名が披露目に参加する。4家とも護衛は30名前後だそうだ。」
「では早速、正式な参加依頼書を各家へ送りましょう。」
「次ノ宮殿下からのお返事は?」
「それがですねぇ。山髙屋の宣伝に使われるようで気に食わんと仰せのようでして。」
「ユノベのアタルが橙土龍攻略の旅のめどが立ったゆえ、お会いできるのを楽しみにしているとお伝えしてくれ。攻略の旅に使う特注の馬車が間に合えば、ご覧に入れたい。それからキノベの跡取とも懇意ゆえ、ぜひ紹介したい。とも伝えて欲しい。」
「それはありがたいことです。殿下のお気が変わられるといいのですが。」
「あの殿下は冒険に憧れているからな。山髙屋の宣伝のためにではなく、自分の好奇心を満たすためなら、こだわりなく出て来るんじゃないかな。」
「これは手厳しい。」
「いやいや、感心しておるのだ。この宣伝の真の目的は、盗賊たちへの警告であろう?山髙屋の荷には、武家の護衛が付くから、手を出すな。とな。」
「まったく敵いませんな。すべてお見通しですか。」
「こちらも最初は手練れを選りすぐって派遣する。初期段階で、ちょっかいを掛けて来る奴を徹底的に痛めつければ、後々は手を出さなくなるからな。」
「それは頼もしいですね。」
「それとな、トノベ、ヤクシ、タテベ、それにキノベは騎馬隊限定で、ユノベとの護衛の条件を飲んだ。」
「なんですって!」ハンジョーが思わず口走る。
「あ、申し訳ありません。つい…。」
「構いません。ハンジョーが口走らなければ、私が口走ってました。」
キノベの騎馬隊もこの条件に加わったのは、以前俺が話したことをトウラクが覚えていたからだ。
トウラクの方から、タヅナに商隊護衛の件はどうなったか聞いて来て、タヅナが、合意している条件を放棄する必要はないと言うと、トウラクは首を横に振ったそうだ。
「それは陸運の手間賃であって、護衛の費用ではない。他家との連携訓練にもなるのだから、条件面は他家と同じ方がよい。
それでよろしいですな、父上。」
「騎馬隊はそなたに任せておる。」とキノベどのが言い、その一言で決まった。
なお、キノベどのも、ハミどのも、トウラクの決断に感心していたそうだ。トウラクの株が上がった。
「山髙屋どののよい様に、各商隊の護衛を編成してくれ。各家に護衛の派遣依頼を出せばよい。それと、護衛に付いた武家の旗は、荷馬車に立てさせてくれよ。」
「それは願ってもないこと。賊どもは、旗を見て怯みましょうな。アタルどの、この見返りに何をお望みですか?」
「見返り?すでに頂いておるが?」
「え?」キョトンとする山髙屋の社長。
「舅どのが一番大事にしていたものを頂いております。」俺は、婿として敬語に改めた。
「あ。これはこれは。何とも参りましたな。」社長が照れくさそうに笑った。
その後、俺たちは披露目について詳細に詰めた。
「あとは次ノ宮殿下か。しかし、次ノ宮殿下がいなくても構うまい?」
「そうですね。いらして頂いた方が箔は付きますが、いらっしゃらなくても披露目は行います。」
後日、山髙屋から手紙が来た。次ノ宮殿下は承諾したそうだ。『山髙屋の宣伝のためではない。アタルに会いに行くのだ。』と、次ノ宮殿下に念を押されたと書いてあった。笑
ユノベ本拠に帰館したのは午後の稽古が終わる頃だった。
馬の稽古組は馬の手入れをしてから、弓の稽古組は安土整備をしてから引き揚げて来るだろう。
俺は一足先に湯殿に向かい、お気に入りの白湯に浸かった。
しばらくするとキョウちゃんズが入って来た。ありゃりゃ、ふたりともすっぽんぽんだ。
「おい、サキョウ、ウキョウ、前を隠せ。前を!」
「えー、今更やん。」「減るもんやないし。」
「お前ら、西三都のおばちゃんか!」
「「ええツッコミや。」」ふたりしてケラケラ笑っている。
「分かってねぇなぁ。恥じらう方がそそるんだよ。」
「「そうなん?」」ふたりは、タオルで前を隠してクネクネしだした。こいつら、小悪魔の素質ありだ。苦笑
で、その後はいつも通りの展開になった。
夕餉の後は、しばらく居間で寛いで、皆でとりとめのない話をした。心地よい時間がゆっくり流れて行く。いい時間になったので、各自が部屋に戻った。
今日はサジ姉の日だ。昨日のサヤ姉に続き、サジ姉との1対1は今夜が初めてだ。
ふたりで部屋に入ると、そのままベッドへ押し倒された。サジ姉、それは俺がやること…。おお、いきなり本陣を攻めて来た!マイドラゴンへの集中砲火だ。
しばらく、快感に浸りながらサジ姉の波状攻撃を受け止める。
そろそろマイドラゴンがやばくなって来たので、反撃に転じた!上下の唇と、双丘の頂への多方面同時攻撃だ。一気に形勢逆転だ。
昨日と同じく、一騎討の激しい営みが夜更けまで延々と続いた。
もちろん妊娠のリスクを避けるために本番はなし。あー、例のアレ、早く開発されねーかな。
ここんとこ、1日の締めはこの感想ばっかやねー。
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設定を更新しました。R4/5/8
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
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