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新婚生活に新たな希望を!
新婚生活に新たな希望を!8
しおりを挟む「当たり前です、香津美さんと聖壱より僕と彼の方が付き合いがずっと長い。困った時に聖壱の頭にはきっと僕が浮かぶのでしょう」
この……陰険冷徹男! でもね、私が大人しく言われっぱなしになるような可愛い女だと思わない事ね!
「あら、そうなの? ならば柚瑠木さんに何かあった時、頭に浮かぶのは最愛の妻の月菜さんではなく親友の聖壱さんということなのかしらね?」
ふん。私だってずっと性悪お嬢様と呼ばれてきた女よ、性格の悪さと嫌味な言葉使いで負ける気はないのよ。
「なっ、そんな事は!」
「悲しいわね、月菜さん。私達はいつだって一番に愛する夫の事を想っているのにねえ?」
焦って月菜さんを見る柚瑠木さん、だけどそれを無視するように私の隣にいる月菜さんに同意を求めてみせる。
そうすると月菜さんは少し悲し気な表情をして……
「そうなんですか? 柚瑠木さん……」
「違います、僕は月菜さんだけです!」
月菜さんの言葉に柚瑠木さんは何度も彼女の手を取って謝って……普段見れない柚瑠木さんの姿に驚きながらも、そんな二人が少しだけ羨ましかったり。
でも、これに懲りたら少しはその嫌味な性格を直す事ね! そうやって勝ち誇った顔でハーブティーに口を付けたのだった。
……しかしこの事をしっかりと根に持っていた柚瑠木さんに、後々ガツンと仕返しされることになるのだけど。
「ところで杏凛さん達は元気にしてるかしら? 料理教室もしばらくは通えないから、あの二人の言い合いを見れないのは残念だわ」
お腹が出てきてからは料理教室はお休みさせてもらっていて、杏凛さんとはメッセージのやり取りはしていたけれどなかなか会えずにいた。
彼女は自宅でも可能な匡介さんの仕事の手伝いを始めたらしく、最近は忙しくしているみたい。
「ええ、杏凛さんも前よりずっと生き生きしていらっしゃいます。匡介さんも相変わらずとても過保護ですしね」
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「心配いらないだろ、あの二人だって上手くいくさ」
「……そうですね、聖壱の言う通りちゃんと彼らも本当の夫婦になれますよ。僕たちのように」
ハッキリとそう言い切る聖壱さんと柚瑠木さんに、私と月菜さんも頷いてみせる。私達もただの契約関係から始まって本当の夫婦になることが出来たのだもの、いつかはきっと匡介さんと杏凛さんも……
この日は夜遅くまで月菜さん達と楽しくおしゃべりをして過ごしたのだった。
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★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
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♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
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