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15章

最後の謎

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朽木蒼司の放つ凶刃が、閃光のように葉羽へと襲いかかる。葉羽は、咄嗟に身をかわし、間一髪で攻撃を回避した。地下広間は、二人の緊迫した攻防によって、張り詰めた空気に包まれた。

蒼司の動きは、驚くほど素早く正確だった。まるで、長年鍛え抜かれた武術の達人のようだった。葉羽は、推理力だけでなく、身体能力も試されていることを悟った。彼は、読んだ推理小説の格闘シーンを思い出しながら、必死に蒼司の攻撃に対抗した。

彩由美は、恐怖に慄きながらも、葉羽を助けようと声を上げた。

「葉羽さん、気を付けて! 蒼司さんの左足に、怪我をしているみたい!」

彩由美の鋭い観察眼が、蒼司の弱点を見抜いた。蒼司は、過去の事件で左足に重傷を負っており、長時間の激しい運動は不可能だった。

葉羽は、彩由美の情報をもとに、蒼司の攻撃パターンを見切った。彼は、蒼司の左足に狙いを定め、攻撃を仕掛けた。蒼司は、葉羽の攻撃を避けきれず、バランスを崩して床に倒れ込んだ。

葉羽は、蒼司にナイフを突きつけ、制圧した。

「これで終わりだ、蒼司」

葉羽は、息を切らしながら、蒼司に言った。しかし、蒼司は、不気味な笑みを浮かべた。

「まだだ…神藤葉羽。真のゲームは、これから始まる」

蒼司は、最後の力を振り絞り、壁に設置されたスイッチを押した。すると、地下広間全体が振動し始め、天井から砂埃が落ちてきた。

「これは……一体何が起こっているんだ?」

彩由美は、恐怖に叫んだ。葉羽も、何が起こっているのか理解できなかった。その時、壁に設置されたモニターに、映像が映し出された。それは、洋館の設計図だった。設計図には、地下広間に仕掛けられた爆弾の位置が示されていた。

「これは……爆弾!?」

葉羽は、驚愕した。蒼司は、洋館全体を爆破する計画だったのだ。

「フフフ…これで、全て終わりだ。天堂家も、僕も、全て灰燼に帰す」

蒼司は、狂気に満ちた目で言った。葉羽は、爆弾を解除するために、設計図を詳しく調べ始めた。しかし、爆弾の解除方法は、複雑な暗号で示されており、簡単には解読できなかった。

残り時間は、あとわずか。葉羽は、最後の謎に挑む。それは、時間との戦いだった。
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