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54.400億
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階段を降りる途中、敵二人に遭遇して、駆け付けた雪野さんが食い止めてくれた。
上では雪野さんが戦っていて、亡くなった人も傷付いている人も居るのに私は何かをする術も無い。
廊下に出て少し歩いた所で、私は強く背中を押されて廊下に転がった。
体が床にぶつかる鈍い音を、何かが壊れたりぶつかったりする音が掻き消した。
起き上がって振り向くと、護衛の一人が血を流して倒れていて、高辻さんが私を背に誰かと鍔迫り合いをしていた。
「こちら高辻!並方瑛二と交戦!」
高辻さんの後ろの男は、真っ青に染めた髪から覗く瞳で私を捉えた。
「よっしゃー!400億は俺のもんだー!」
「魔刀鬼丸国綱解縛三。」
高辻さんがそう言ったら、刀から濃紺の霧のような物が出て、一振で男は吹き飛んだ。
「逃げろ!」
私は立ち上がって残った一人と非常階段に向かった。
なんとか入って一階降りたけど、下は人でごった返していた。
「ここからは迅速に降りられません。こちらに。」
私達はたった一階降りただけで廊下に戻ってしまった。
反対側の非常階段にもう少し。
突然、非常ドアが吹き飛んで、壁に叩き付けられた。
現れた男は立ち竦む私を見て、ニタリと笑った。
端正な顔立ちの、私と同じぐらいの年齢に見えるその男の笑みに、全身に鳥肌が立った。
最後の一人だった警護の人が、目の前で肩を撃たれて弾き飛ぶ様に後ろに転がった。
「なんで私は何もできないの・・・!!」
泣いたところで何も変わらないけど、私には泣くことしかできなくて、転んだ床に爪を立てた。
「あー、前にもこんなことあったっけな。」
瓦礫を踏み付ける音に振り返った。
「似た女殺したこと、あったあった。」
同窓会で昔話をしている時の様に軽く男は言った。
「でも、巫女様の方が綺麗だわ。そそるなぁ!」
腰が抜けて、私は必死に後ずさった。
「何もできないんだろ?治療も呪いも何にも!」
私を嘲笑う男が悪魔に見えた。
「あー、400億いらねぇわ。俺、あんたみたいな女殺すの大好きなんだよね。」
目の前の男を見上げたら、銃声がした。
男は肩を押さえて振り向いた。
一瞬の事だった。男は腕を引っ張られた様に奥へ飛んで行って、何発かの銃声がした。
「神凪さん!!」
男を警戒しながら私に駆け寄ったのは水無瀬さんだった。
上では雪野さんが戦っていて、亡くなった人も傷付いている人も居るのに私は何かをする術も無い。
廊下に出て少し歩いた所で、私は強く背中を押されて廊下に転がった。
体が床にぶつかる鈍い音を、何かが壊れたりぶつかったりする音が掻き消した。
起き上がって振り向くと、護衛の一人が血を流して倒れていて、高辻さんが私を背に誰かと鍔迫り合いをしていた。
「こちら高辻!並方瑛二と交戦!」
高辻さんの後ろの男は、真っ青に染めた髪から覗く瞳で私を捉えた。
「よっしゃー!400億は俺のもんだー!」
「魔刀鬼丸国綱解縛三。」
高辻さんがそう言ったら、刀から濃紺の霧のような物が出て、一振で男は吹き飛んだ。
「逃げろ!」
私は立ち上がって残った一人と非常階段に向かった。
なんとか入って一階降りたけど、下は人でごった返していた。
「ここからは迅速に降りられません。こちらに。」
私達はたった一階降りただけで廊下に戻ってしまった。
反対側の非常階段にもう少し。
突然、非常ドアが吹き飛んで、壁に叩き付けられた。
現れた男は立ち竦む私を見て、ニタリと笑った。
端正な顔立ちの、私と同じぐらいの年齢に見えるその男の笑みに、全身に鳥肌が立った。
最後の一人だった警護の人が、目の前で肩を撃たれて弾き飛ぶ様に後ろに転がった。
「なんで私は何もできないの・・・!!」
泣いたところで何も変わらないけど、私には泣くことしかできなくて、転んだ床に爪を立てた。
「あー、前にもこんなことあったっけな。」
瓦礫を踏み付ける音に振り返った。
「似た女殺したこと、あったあった。」
同窓会で昔話をしている時の様に軽く男は言った。
「でも、巫女様の方が綺麗だわ。そそるなぁ!」
腰が抜けて、私は必死に後ずさった。
「何もできないんだろ?治療も呪いも何にも!」
私を嘲笑う男が悪魔に見えた。
「あー、400億いらねぇわ。俺、あんたみたいな女殺すの大好きなんだよね。」
目の前の男を見上げたら、銃声がした。
男は肩を押さえて振り向いた。
一瞬の事だった。男は腕を引っ張られた様に奥へ飛んで行って、何発かの銃声がした。
「神凪さん!!」
男を警戒しながら私に駆け寄ったのは水無瀬さんだった。
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