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仲間

55.本心

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「クロード、そんなこと国王に黙っていたら処罰を受けるぞ。」

「そんなこと俺にはどうでもいい。テオ、こんなに面白いことはないだろう?」

楽しそうに笑うクロードに、テオは頭を抱えた。

「今まで誰も生きて見付けられなかった創造の魔女が俺の前に現れたんだ。しかも、独創的な発想で見たことの無い魔法を使っていた。彼女がどんな道を歩むのか興味があるだろう?」

「クロード...魔管から追われることになるぞ。」

クロードはピタリと動きを止めた。

「追われて結構だ。追っ手なんて全員殺してやるよ。攻撃されれば正当防衛。罪には問われない。」

クロードの過去に触れてしまったことを、テオは後悔した。

「この魔術カードを見て直感した。彼女は魔管にとって最大の敵になる。」

「目的はそっちか。」

「どっちもだよ。」

誰でも複製できる魔術カードを手に取ったクロードは、魔術式を指でなぞった。

ツバキは大したことはしていないと思っていたが、実際はそうではなかった。

「こんなものを作るなんて予想外だ。売上がどんどんと落ちて、焦る魔管の奴らの顔を想像すると愉快で仕方がないよ。」

「彼女が断ったら諦めるんだろうな。」

「彼女は賢いから必要性は感じたはずだ。必ず頷くよ。」

「質問に答えろ。」

「理由次第だ。納得できなければ交渉する。納得できたら諦めるよ。」

テオはクロードの返答に懐疑的だったが、追及はしなかった。

「彼女が魔管を潰す気なら、俺は喜んで地獄だって付いていく。」

「もし逆ならどうするんだ。」

「隙を突いて殺す。魔管最大の味方になるんだから。」

魔管を良く思わないものにとって、その案は正しかった。だからテオは反対しなかったが、ツバキという最大の武器を手に入れた時、クロードがどうするのか、不安を抱いた。
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