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実技試験一部終了
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翌日、目が覚めたのは朝日ではなく緊急信号の魔石の音でだった。最後まで使うことは無かったが、頻度から考えるにやっぱり何者かによる襲撃みたいなことがあったのかもしれない。俺のところに来なかった理由はわからないが、ハルバル兄弟のアレがそうだったのなら襲撃されたとも言えるのか。
朝食には残しておいたいくつかの木の実を食べて、焚き火を片付けてからフィズナ山脈の出口――入り口? に向かった。昼になるまでもう少し。周囲に人が集まってくるのがわかる。さすがに試験の終わり間際に争う奴らはいないか。
森の外にクラウンが現れると、試験を受けていた者たちが次々と出ていく。フロンたちもいるし、ハルバル兄弟もいる。思っていたよりも残っているな。
「残ったのは三十三人か。思っていたよりは多いが、まぁいい。では実技試験二部の説明をする。日時は明日の昼、シキシ王国の闘技場で行う。この場にいる中で一人から三人でチームを作り戦ってもらうが、勝敗が合否に直結するわけじゃないことは伝えておく。それに加えて対戦相手を殺した者は問答無用で失格となる。以上。今日のところは解散だ。もしフィズナ山脈で手に入れた素材なんかを売りたければ冒険者組合に持ち込めば換金してくれるはずだ」
なるほど。バンジョーやココたちのように冒険者はチームを組むのが前提だから、個人の強さではなくチームでの強さを測るわけか。最大で一対三か……少なくとも負けることは無さそうだが、戦いになるかどうかも怪しい。とはいえ、相手も実力を示さなければならないわけで、戦わないわけにもいかない。
周りでは早速、ソロで参加していた人たちが同じくソロで参加していた人に声を掛けている。不変の島は二組での調査が決まりだったわけだし臨時チームでも柔軟に動けるかどうかも審査対象か? とはいえ、一人でもいいのなら必ずしもそうとは限らない。まぁ、明日になればわかるか。
「で、試験中も俺を付けてきていたのはお前か?」
シキシ王国へ戻る途中で振り返れば、虎の獣人が布袋を肩に掛けながら俺と目が合った。
「……気付いていたか」
「なんとなく誰かいるな~、くらいの感覚だったけどな。あんたは――獣人、でいいのか?」
「虎人のグウィルだ。試験中にお前を追っていたのは気まぐれだが、今はこれを渡すためだ」
そう言って布袋を渡された。
「これは……クマの毛皮と爪?」
「お前が倒した魔物の素材だ。さすがにB級のフィズナベアーを放置するのはどうか思ってな」
あのクマはフィズナ山脈にだけ生息する魔物なのか。一撃で倒せてしまったから特徴も何もわからなかったし……B級だったのか。しかも見られていた、と。
「俺にはこれの価値がわからないからグウィルが持って行ってくれ。もしかして、人が狩ったものを別の人が換金すると罪になったりするのか?」
「そういうのは無いが、俺も金に困っているわけではないからな」
「まぁ、ある種の口止め料とでも思ってくれ。冒険者の中にはB級の魔物を余裕で倒せる奴もいるんだろうが、今の俺はあんまり目立つわけにいかないからな。得体の知れない俺が魔物の素材を持って帰るより、歴戦の猛者っぽいあんたが売り払ったほうがそれらしく見える。とはいえ、別に売らなくてもいいぞ? その素材を何かに使ってもいいし、気が引けるのなら売った金をどこかに寄付してもいい。使い方は任せるよ」
「そういうことならこれの処理を請け負うのはいいが……目立ちたくないというのならもう少し抑えたほうがいい。俺のような獣人ならば野生の勘でわかるが、そうでなければお前に中てられる者もいるからな」
そう言って、渡した布袋を手にしたグウィルはシキシ王国へと向かって走っていった。
……何をだ? 気とか殺意を撒き散らすような表現を聞いたことはあるが、そもそも俺は一般人だし、多少は体を鍛えてはいるが本職は研究者だ。この世界の魔法も加護も使えないからそういうのが漏れているとも思えない。あるとすれば転移者だから――異世界から来た人間だからこそ、醸し出す空気が違う、とかかな。戻ったらココとククリにも訊いてみるか。
試験に参加していた人たちの後を追ってシキシ王国へと戻ってきたが、待ち合わせ場所を決めていたわけではないからどこに行けばいいのか悩むな。前に泊まった宿に行くか、それとも食事処か。
とりあえず記憶を辿って宿へと向かっていけば、目の前から見覚えのある二人が歩いてきた。
「おっ、センリだ」
「行き違いにならなくて良かったです。試験、お疲れ様でした」
「大変だった?」
「いや、島での二週間に比べれば森での一日二日はそんなに苦労が無かったな」
「だろうねぇ。魔物じゃないとはいえ不変の島の魔獣の強さは段違いだし」
「フィズナ山脈で色々と教えてもらったけど、本当にあの島の兎とイノシシはS級なのか? そんな感じもしなかったけど」
「その辺りの話は食事でもしながらにしましょう。私たちの行きつけがあるので」
二人に連れられてきたのは個室のあるレストランだった。高級そうだが、冒険者御用達か秘密の話をするのに丁度いい場所なんだろう。
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
「いつも通りのおすすめを三人分よろしくね~」
「はい、おすすめですね」
そう言って兎耳の獣人は個室を出ていった。俺の目では姿を隠しているのかどうかがわからないから気軽に質問できないな。
「それで、実技試験には二部があると聞きましたが大丈夫そうですか?」
「そうそう、その話だ。どうやら二部は試験を受ける者同士が戦うらしいが、俺の竹光はフィズナベアー? を難無く一撃で倒せていたからさすがに人には使えない。対人のことを考えると殺さないための武器が必要だと思ってな」
「フィズナベアーを……一人で?」
「それは一人だな。その前に出くわした魔法を使うオオカミは一緒に行動していたフロンたちが対処してどうにかなったけど」
「聖騎士・フロンですか。彼女は各国に影響力を持つので知り合っておいて損は無いですね」
「聖騎士? 俺はどこかの国の元近衛騎士団長って聞いたけど」
「近衛騎士は役職で、聖騎士は教会から与えられる称号だね~」
その時、兎耳の獣人が料理を運んできた。
「こちらが本日のおすすめで~す。ごゆっくり~」
野菜がゴロゴロと入ったクリームシチューと硬めのパンに、俺とククリには大きな鳥の唐揚げを、ココには木皿に盛られたクルミのような木の実が差し出された。
大抵、こういう異世界の料理はあまり美味しくないのが定番だが、この世界の食事は普通に美味しい。お米が無かったとしても特に文句を言うほどでもないし……まぁ、そもそも研究職で忙しかったからまともな食事を取るのも稀だったしな。
一通り食べ終えた後、また会話に戻る。
「その教会というのは何を崇めているんだ?」
「女神です。故に、女神の加護と」
名前が無いのは唯一神だからか? 崇める対象が一つなら女神という呼び名で十分ではある。
「ってことは、聖騎士なら加護が強いとか、逆に女神への信仰が無ければ加護が使えないとか?」
「まったく使えないということはありませんが、信仰の強さが加護に影響を及ぼす可能性は十分にあり得ます。とはいえ、フロンが聖騎士に選ばれたのは加護が理由ではありません」
「違うのか?」
「聖騎士は教会から各国と傭兵ギルドに所属している実力者が招集されて神前試合が行われて決まるんだよねぇ。だから、フロンは集められた中で一番強かったってこと」
「へぇ、そんなに強かったのか。でも、冒険者は招集されないんだな」
「冒険者は規格外な方が多くてバランスを崩しますからね」
バランスがおかしいのは魔法と加護のせいの気もするが、そもそもそれが当たり前の世界だから優劣があることに違和感がないのか。
「まぁ、タイミングがあれば俺も教会に顔出してみようかな」
「良いと思います。もしかしたら加護を受けられるかもしれませんし」
加護は要らないが、この世界に神がいて異世界であるのなら対話することが可能かもしれない。
「今はともかく実技試験二部のために新しい武器を作らないと。……実際のところどう思う? さすがにそろそろ自分の強さを自覚しつつあるが、他の奴らと勝負になるか?」
「そうですね……一つ勘違いしないでいただきたいのですが、センリはこの世界の誰とも――人だけでなく魔物や魔獣、魔族を含め、全ての種族とは別次元の存在です」
「異世界から来ているわけだしな」
「それもありますが、もう少しわかりやすく説明します。不変の島の魔獣がS級だという話をしましたが、それを剣と盾に置き換えます。例えば一対一の場合、B級の剣ではA級の盾に適いませんが、A級の剣はB級の盾を貫きます。これが揺るぎない次元の差です」
「言わんとしていることはわかる」
次元の差と言えるほど力の差があるということだろう。
「しかし、その差を覆すのが数です。A級が一に対してB級が十いれば、剣も盾も消耗させて勝てるかどうかは別にしても勝負にはなります」
「少数を大勢で囲むのは定石だしな」
「はい。ですが、貴方だけは違います。数も質も関係なく、束になったところで勝負にもならないのが転移者であるセンリなのです」
「なのです、って言われても割と困るんだけど……そうなると、そもそも俺が試験に参加していること自体が結構マズくないか?」
「マズいねぇ。でも、冒険者の肩書きは使えるし、試験を受けないわけにもいかないからね。二部制になったのは今の情勢が関係しているだろうから、まぁ仕方ないかなって」
「いや、試験があること自体は別にいいんだけどな。単純に、俺が規格外なら手加減しなきゃいけないし、その方法も考えないと」
「そのための武器作りですよね。すぐに始めますか?」
「ああ、宿に戻ったらすぐにでも」
そもそもここは別の世界で、似たような姿形をしていようとも同じ進化の道を辿ってきたわけじゃないのなら体のつくりが根本的に違うのは当たり前だ。帰還者の中には生死の境を彷徨うような大怪我をしたという者もいたし、あくまでもこの世界における転移者がチート的な存在なのだろう。ここからはその前提で動くほうが良さそうだな。
朝食には残しておいたいくつかの木の実を食べて、焚き火を片付けてからフィズナ山脈の出口――入り口? に向かった。昼になるまでもう少し。周囲に人が集まってくるのがわかる。さすがに試験の終わり間際に争う奴らはいないか。
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なるほど。バンジョーやココたちのように冒険者はチームを組むのが前提だから、個人の強さではなくチームでの強さを測るわけか。最大で一対三か……少なくとも負けることは無さそうだが、戦いになるかどうかも怪しい。とはいえ、相手も実力を示さなければならないわけで、戦わないわけにもいかない。
周りでは早速、ソロで参加していた人たちが同じくソロで参加していた人に声を掛けている。不変の島は二組での調査が決まりだったわけだし臨時チームでも柔軟に動けるかどうかも審査対象か? とはいえ、一人でもいいのなら必ずしもそうとは限らない。まぁ、明日になればわかるか。
「で、試験中も俺を付けてきていたのはお前か?」
シキシ王国へ戻る途中で振り返れば、虎の獣人が布袋を肩に掛けながら俺と目が合った。
「……気付いていたか」
「なんとなく誰かいるな~、くらいの感覚だったけどな。あんたは――獣人、でいいのか?」
「虎人のグウィルだ。試験中にお前を追っていたのは気まぐれだが、今はこれを渡すためだ」
そう言って布袋を渡された。
「これは……クマの毛皮と爪?」
「お前が倒した魔物の素材だ。さすがにB級のフィズナベアーを放置するのはどうか思ってな」
あのクマはフィズナ山脈にだけ生息する魔物なのか。一撃で倒せてしまったから特徴も何もわからなかったし……B級だったのか。しかも見られていた、と。
「俺にはこれの価値がわからないからグウィルが持って行ってくれ。もしかして、人が狩ったものを別の人が換金すると罪になったりするのか?」
「そういうのは無いが、俺も金に困っているわけではないからな」
「まぁ、ある種の口止め料とでも思ってくれ。冒険者の中にはB級の魔物を余裕で倒せる奴もいるんだろうが、今の俺はあんまり目立つわけにいかないからな。得体の知れない俺が魔物の素材を持って帰るより、歴戦の猛者っぽいあんたが売り払ったほうがそれらしく見える。とはいえ、別に売らなくてもいいぞ? その素材を何かに使ってもいいし、気が引けるのなら売った金をどこかに寄付してもいい。使い方は任せるよ」
「そういうことならこれの処理を請け負うのはいいが……目立ちたくないというのならもう少し抑えたほうがいい。俺のような獣人ならば野生の勘でわかるが、そうでなければお前に中てられる者もいるからな」
そう言って、渡した布袋を手にしたグウィルはシキシ王国へと向かって走っていった。
……何をだ? 気とか殺意を撒き散らすような表現を聞いたことはあるが、そもそも俺は一般人だし、多少は体を鍛えてはいるが本職は研究者だ。この世界の魔法も加護も使えないからそういうのが漏れているとも思えない。あるとすれば転移者だから――異世界から来た人間だからこそ、醸し出す空気が違う、とかかな。戻ったらココとククリにも訊いてみるか。
試験に参加していた人たちの後を追ってシキシ王国へと戻ってきたが、待ち合わせ場所を決めていたわけではないからどこに行けばいいのか悩むな。前に泊まった宿に行くか、それとも食事処か。
とりあえず記憶を辿って宿へと向かっていけば、目の前から見覚えのある二人が歩いてきた。
「おっ、センリだ」
「行き違いにならなくて良かったです。試験、お疲れ様でした」
「大変だった?」
「いや、島での二週間に比べれば森での一日二日はそんなに苦労が無かったな」
「だろうねぇ。魔物じゃないとはいえ不変の島の魔獣の強さは段違いだし」
「フィズナ山脈で色々と教えてもらったけど、本当にあの島の兎とイノシシはS級なのか? そんな感じもしなかったけど」
「その辺りの話は食事でもしながらにしましょう。私たちの行きつけがあるので」
二人に連れられてきたのは個室のあるレストランだった。高級そうだが、冒険者御用達か秘密の話をするのに丁度いい場所なんだろう。
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
「いつも通りのおすすめを三人分よろしくね~」
「はい、おすすめですね」
そう言って兎耳の獣人は個室を出ていった。俺の目では姿を隠しているのかどうかがわからないから気軽に質問できないな。
「それで、実技試験には二部があると聞きましたが大丈夫そうですか?」
「そうそう、その話だ。どうやら二部は試験を受ける者同士が戦うらしいが、俺の竹光はフィズナベアー? を難無く一撃で倒せていたからさすがに人には使えない。対人のことを考えると殺さないための武器が必要だと思ってな」
「フィズナベアーを……一人で?」
「それは一人だな。その前に出くわした魔法を使うオオカミは一緒に行動していたフロンたちが対処してどうにかなったけど」
「聖騎士・フロンですか。彼女は各国に影響力を持つので知り合っておいて損は無いですね」
「聖騎士? 俺はどこかの国の元近衛騎士団長って聞いたけど」
「近衛騎士は役職で、聖騎士は教会から与えられる称号だね~」
その時、兎耳の獣人が料理を運んできた。
「こちらが本日のおすすめで~す。ごゆっくり~」
野菜がゴロゴロと入ったクリームシチューと硬めのパンに、俺とククリには大きな鳥の唐揚げを、ココには木皿に盛られたクルミのような木の実が差し出された。
大抵、こういう異世界の料理はあまり美味しくないのが定番だが、この世界の食事は普通に美味しい。お米が無かったとしても特に文句を言うほどでもないし……まぁ、そもそも研究職で忙しかったからまともな食事を取るのも稀だったしな。
一通り食べ終えた後、また会話に戻る。
「その教会というのは何を崇めているんだ?」
「女神です。故に、女神の加護と」
名前が無いのは唯一神だからか? 崇める対象が一つなら女神という呼び名で十分ではある。
「ってことは、聖騎士なら加護が強いとか、逆に女神への信仰が無ければ加護が使えないとか?」
「まったく使えないということはありませんが、信仰の強さが加護に影響を及ぼす可能性は十分にあり得ます。とはいえ、フロンが聖騎士に選ばれたのは加護が理由ではありません」
「違うのか?」
「聖騎士は教会から各国と傭兵ギルドに所属している実力者が招集されて神前試合が行われて決まるんだよねぇ。だから、フロンは集められた中で一番強かったってこと」
「へぇ、そんなに強かったのか。でも、冒険者は招集されないんだな」
「冒険者は規格外な方が多くてバランスを崩しますからね」
バランスがおかしいのは魔法と加護のせいの気もするが、そもそもそれが当たり前の世界だから優劣があることに違和感がないのか。
「まぁ、タイミングがあれば俺も教会に顔出してみようかな」
「良いと思います。もしかしたら加護を受けられるかもしれませんし」
加護は要らないが、この世界に神がいて異世界であるのなら対話することが可能かもしれない。
「今はともかく実技試験二部のために新しい武器を作らないと。……実際のところどう思う? さすがにそろそろ自分の強さを自覚しつつあるが、他の奴らと勝負になるか?」
「そうですね……一つ勘違いしないでいただきたいのですが、センリはこの世界の誰とも――人だけでなく魔物や魔獣、魔族を含め、全ての種族とは別次元の存在です」
「異世界から来ているわけだしな」
「それもありますが、もう少しわかりやすく説明します。不変の島の魔獣がS級だという話をしましたが、それを剣と盾に置き換えます。例えば一対一の場合、B級の剣ではA級の盾に適いませんが、A級の剣はB級の盾を貫きます。これが揺るぎない次元の差です」
「言わんとしていることはわかる」
次元の差と言えるほど力の差があるということだろう。
「しかし、その差を覆すのが数です。A級が一に対してB級が十いれば、剣も盾も消耗させて勝てるかどうかは別にしても勝負にはなります」
「少数を大勢で囲むのは定石だしな」
「はい。ですが、貴方だけは違います。数も質も関係なく、束になったところで勝負にもならないのが転移者であるセンリなのです」
「なのです、って言われても割と困るんだけど……そうなると、そもそも俺が試験に参加していること自体が結構マズくないか?」
「マズいねぇ。でも、冒険者の肩書きは使えるし、試験を受けないわけにもいかないからね。二部制になったのは今の情勢が関係しているだろうから、まぁ仕方ないかなって」
「いや、試験があること自体は別にいいんだけどな。単純に、俺が規格外なら手加減しなきゃいけないし、その方法も考えないと」
「そのための武器作りですよね。すぐに始めますか?」
「ああ、宿に戻ったらすぐにでも」
そもそもここは別の世界で、似たような姿形をしていようとも同じ進化の道を辿ってきたわけじゃないのなら体のつくりが根本的に違うのは当たり前だ。帰還者の中には生死の境を彷徨うような大怪我をしたという者もいたし、あくまでもこの世界における転移者がチート的な存在なのだろう。ここからはその前提で動くほうが良さそうだな。
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