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クラス転移

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キーンコーンカーンコーン

「おい、無能。 パン買ってこいよ!」

授業が終わり昼休みに入るとすぐに、クラスカースト上位の名瀬にパンを買いに行かされる。
それが俺、坂本河馬雄の日常である。

授業が終わってから5分以内に学食の揚げパンを買ってこないと名瀬は不機嫌になるため、急いで学食へと向かうが、もうそこには15人ほどの列ができていたのだった・・・




ようやく揚げパンを買えた俺が、クラスに戻ると早速名瀬のお出ましだ・・・



「遅いじゃねぇか。 名前に似てノロマだなぁ さすがは無能な坂本龍馬さんや! ほんと・・・・」

クスクス

「お金は後で返すわw 出世払いってやつな」

クスクス



名瀬の嫌味に同調して、笑うクラスメート。これもいつもの光景である。

あぁ、俺は永遠にいじめられ続け、周りにバカにされながら一生を過ごすのだろうか。
こんな人生なら、いっそのこと最後にでかいことでもやって・・・・

俺の頭に、このような考えがよぎるのは何度目であろうか。

ダメだ。考えがマイナス思考になっている。違う風に考えるんだ。
俺は落ち込んでる自分に言い聞かして、別の視点から考え始めた。

どうすれば、奴らをギャフんと言わせることができるだろうか? いや、そもそも名瀬がクラスカースト上位にいる理由はなんだ?

確か名瀬は親が国会議員でお金持ちのお坊ちゃんであり、さらに喧嘩も強い。 喧嘩で相手をボコボコにして 入院させ、それが問題になった時、親が出てきて事件を揉み消した噂が出た後 誰も名瀬に逆らうものがいなくなったような・・・

そうか圧倒的な力、財力、権力があれば 俺が虐められることもないのか。

でも、どうやったらこれらの力が手に入るのだろうか・・・

俺は生まれつき体が弱く、喧嘩はおろか 運動することすら医者から止められているし 親は普通のサラリーマンで権力や財力も現状は手に入れることはできないだろう。

あるとすれば、異世界転生でチートスキルとかもらえないと無理じゃね・・・






異世界転生とかあるわけねーじゃん・・・
ここで考えるのをやめた俺は、次の授業の準備をし始めた。
確か次は、国語・・・ ってことは森田の授業か・・・

この森田という教師は、クラスカースト上位のやつのみ優遇する教師の風上にも置けないクソ野郎で このクラスでは名瀬のご機嫌取りしかしないのだ。 そして、名瀬は勉強が嫌いなので 授業を行わないという機嫌の取り方をするのである。 この間、クラスの学級委員の小野が授業をしてくださいと言っていたが、その際に 「黙れ ブス」といい、後で生徒指導室に小野を呼び出しボコボコに殴ったという話だ。 もちろん名瀬は森田が教師であった方が都合がいいので、学校側に掛け合い森田の悪行を揉み消しているのである。

しばらくすると、森田が教室に現れ「今日の授業も自習な」とだけいい教室を出ようとした時、急に教室の床が光りだしたのであった。

「なんだこれ! ドアが開かないぞ!! これからパストラのゲリラダンジョンがあるのに クソっ!」
「なんか文字見たいのが浮かんでねぇか?」
「ああ。このまま死ぬのだろうか・・・・・」

クラス中が突然の出来事に騒然となっている間、俺はあることが頭によぎり一人心を踊らせているのであった。
もしかしたら異世界に召喚されるんじゃねえかと・・・

俺は目を閉じて、ひたすらにいるかどうかも分からない神様に願い続けた。

誰にもバカにされない力をください・・・と


そうして僕たちクラスメートは、この世界を去ったのであった。
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