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社内恋愛の醍醐味?
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「梨音ちゃん、何か私生活で変化あった?」
「え、特に何も……」
いきなり桐野さんに突っ込まれ、返答に困る。
変化があったのはあったけど、それをぺらぺらと話すことは私の性格上出来ない。
「ホントですか?もしかして彼氏とか出来たんじゃないですか?」
「……っ、どうだろう」
友田さんの鋭い指摘にドキッとしておかしな返答をしてしまった。
ここで肯定して、あれこれ追及されたらボロを出しそうな気がする。
友田さんや桐野さんの目から見ても私に変化があるというのを見抜かれるなんて思わなかった。
多少、浮かれていたかもしれないけど外見は以前と同じだ。
ましてや、綺麗になったとか色気とか雰囲気は自分では変わってないと思う。
「どうだろうって何ですか?怪しいですよ」
それでも友田さんはジと目を向けてくる。
その目は止めて欲しい。
「じゃあ、何かいいことでもあった?」
「えっと、まぁ……」
桐野さんに聞かれ、そこは否定しないでおいた。
浮かれている自覚があるので、全部否定したら余計に怪しまれると思ったからだ。
「そうか、梨音先輩は恋をしているんですね。だから綺麗になったんだ!」
友田さんはキラキラと目を輝かせながら言う。
若干ずれてるけど、そんなことを大声で言われるのは恥ずかしすぎる。
「ちょっと声が大きいから」
「あ、すみません。つい……」
周りを見回しながら言うと、友田さんは謝罪しながら肩を竦めて舌を出した。
これ、全然悪いと思ってないよね。
まあいいけど。
フロアには数名の社員の人がいたけど、私たちの雑談は気にしていないみたいだ。
私的には、宮沢が席にいなくて本当によかった。
朝礼が終わってすぐに営業部に行ってくると言っていた。
この話を宮沢に聞かれてたら、間違いなくからかわれる。
「やっぱり恋をすると綺麗になるもんね」
「ですです!」
「彼氏はできていないってことは梨音ちゃんの片想いなのかな」
「キャー、何か私がドキドキしちゃいます。どんな人なんですか?」
桐野さんと話が盛り上がった友田さんが興味津々に聞いてくる。
恋愛話を周りから聞くことはあっても、自分の話をしたことがない。
だからこの状況は慣れてないので、強制的に終わらせることにした。
「もうこの話は終わりです!仕事しましょう」
「えー、もっと梨音先輩の恋バナを聞きたいのに」
友田さんは口を尖らせる。
「仕方ない、次の機会に聞かせてもらおうかな」
「桐野さんまで!私の恋バナなんて面白くないので止めてください」
眉を下げて言う私を見て桐野さんは「冗談よ」と笑って自分の席に戻っていった。
「え、特に何も……」
いきなり桐野さんに突っ込まれ、返答に困る。
変化があったのはあったけど、それをぺらぺらと話すことは私の性格上出来ない。
「ホントですか?もしかして彼氏とか出来たんじゃないですか?」
「……っ、どうだろう」
友田さんの鋭い指摘にドキッとしておかしな返答をしてしまった。
ここで肯定して、あれこれ追及されたらボロを出しそうな気がする。
友田さんや桐野さんの目から見ても私に変化があるというのを見抜かれるなんて思わなかった。
多少、浮かれていたかもしれないけど外見は以前と同じだ。
ましてや、綺麗になったとか色気とか雰囲気は自分では変わってないと思う。
「どうだろうって何ですか?怪しいですよ」
それでも友田さんはジと目を向けてくる。
その目は止めて欲しい。
「じゃあ、何かいいことでもあった?」
「えっと、まぁ……」
桐野さんに聞かれ、そこは否定しないでおいた。
浮かれている自覚があるので、全部否定したら余計に怪しまれると思ったからだ。
「そうか、梨音先輩は恋をしているんですね。だから綺麗になったんだ!」
友田さんはキラキラと目を輝かせながら言う。
若干ずれてるけど、そんなことを大声で言われるのは恥ずかしすぎる。
「ちょっと声が大きいから」
「あ、すみません。つい……」
周りを見回しながら言うと、友田さんは謝罪しながら肩を竦めて舌を出した。
これ、全然悪いと思ってないよね。
まあいいけど。
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私的には、宮沢が席にいなくて本当によかった。
朝礼が終わってすぐに営業部に行ってくると言っていた。
この話を宮沢に聞かれてたら、間違いなくからかわれる。
「やっぱり恋をすると綺麗になるもんね」
「ですです!」
「彼氏はできていないってことは梨音ちゃんの片想いなのかな」
「キャー、何か私がドキドキしちゃいます。どんな人なんですか?」
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恋愛話を周りから聞くことはあっても、自分の話をしたことがない。
だからこの状況は慣れてないので、強制的に終わらせることにした。
「もうこの話は終わりです!仕事しましょう」
「えー、もっと梨音先輩の恋バナを聞きたいのに」
友田さんは口を尖らせる。
「仕方ない、次の機会に聞かせてもらおうかな」
「桐野さんまで!私の恋バナなんて面白くないので止めてください」
眉を下げて言う私を見て桐野さんは「冗談よ」と笑って自分の席に戻っていった。
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