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対決、そしてこれからもずっと
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「よくここが分かったね」
気持ちが少し落ち着くと、テツに向かって声をかけた。
「それは自分でも驚いている。あれからすぐに噴水広場に行ったけど美桜の姿がなくてトイレにでも行ったのかと思ったけど、着いたってメッセージが入っていたのに、連絡もなしに移動するのはおかしいと思ったんだ。電話をかけても出ない。きっと何かあったんじゃないかと考えてピンときたのは、あのストーカーのこと。もしかして、アイツに遭遇したんじゃないかと思って探し回っていたんだ」
その言葉通り、テツが来てくれた時は汗だくだった。
そんな姿になるまで探し回ってくれていたことに胸が一杯になった。
「美桜を連れているなら、逃げられる可能性がある電車はまず使わない。残す移動手段は車だと思い、この辺のパーキングを探していたんだ。最悪、車に乗せられているかもしれないと焦ったけどな。美桜を見つけた時はマジでホッとしたよ」
そう言って柔らかな笑顔で私を見た。
テツの推理はすごいものがある。
駅周辺にはたくさんのパーキングがある中でここを探し当てるんだから。
テツの額にはまだ汗が滲んでいる。
バッグから取り出したハンドタオルを渡した。
「サンキュ」と言って額の汗を拭いていたテツに、ちゃんとお礼を伝えていないことに気がづいた。
「来てくれてありがとう」
「当然だろ。でも、アイツが意外に話が分かるヤツでよかったよ。もっと食ってかかってくるかと思ったけどアッサリ引いてくれたし」
「ホントだよ。それにしてもよくあんなことが言えたよね。ヒヤヒヤしたんだけど。もし、襲いかかってきたらどうしたのよ」
怪我をする可能性だってあるのに、あまり危ない言動は控えてほしい。
私の心配をよそにテツの口から出てきた言葉は驚きのものだった。
「そんなの返り討ちにしてやるよ」
「返り討ちってよく言うわよ。昔は弱かったでしょ」
何なら私の方が強かったし。
「バカ言うな!あれは幼稚園や小学校の低学年の頃の話だろ。美桜を守れるようになりたくて俺は努力したんだ。空手を習っていたし、人知れず身体を鍛えていたんだからな」
心外だとばかりにジロリと睨んでくる。
確かに身体は鍛えてるっぽかったけど……って何を想像してるのよ私!
テツの身体を思い出してしまい、不埒な思考を追い払う。
「話を戻すけど、アイツ身なりはきっちりしていたし靴だって手入れされている物だった。だから、几帳面で真面目なヤツなんじゃないかと思ったんだ」
あんな一瞬で靴まで見てるとか、流石としか言いようがない。
普通ならそこまで気がつかない。
テツの洞察力の鋭さには驚くばかりだ。
「一度、アイツのことを肯定した上で、違う方向に目を向けさせられないかなと思ってあんな風に言ったんだ。それに、話を聞いてるとアイツは励まされるのに弱いのかなと思ってそこを突いてみた。一か八かだったけど上手くいってよかった」
そんな綱渡り状態でよく切り抜けられたと思うわ。
運よく話をして理解してくれる人だったからよかったけど、そうじゃなかったらと考えただけでゾッとする。
気持ちが少し落ち着くと、テツに向かって声をかけた。
「それは自分でも驚いている。あれからすぐに噴水広場に行ったけど美桜の姿がなくてトイレにでも行ったのかと思ったけど、着いたってメッセージが入っていたのに、連絡もなしに移動するのはおかしいと思ったんだ。電話をかけても出ない。きっと何かあったんじゃないかと考えてピンときたのは、あのストーカーのこと。もしかして、アイツに遭遇したんじゃないかと思って探し回っていたんだ」
その言葉通り、テツが来てくれた時は汗だくだった。
そんな姿になるまで探し回ってくれていたことに胸が一杯になった。
「美桜を連れているなら、逃げられる可能性がある電車はまず使わない。残す移動手段は車だと思い、この辺のパーキングを探していたんだ。最悪、車に乗せられているかもしれないと焦ったけどな。美桜を見つけた時はマジでホッとしたよ」
そう言って柔らかな笑顔で私を見た。
テツの推理はすごいものがある。
駅周辺にはたくさんのパーキングがある中でここを探し当てるんだから。
テツの額にはまだ汗が滲んでいる。
バッグから取り出したハンドタオルを渡した。
「サンキュ」と言って額の汗を拭いていたテツに、ちゃんとお礼を伝えていないことに気がづいた。
「来てくれてありがとう」
「当然だろ。でも、アイツが意外に話が分かるヤツでよかったよ。もっと食ってかかってくるかと思ったけどアッサリ引いてくれたし」
「ホントだよ。それにしてもよくあんなことが言えたよね。ヒヤヒヤしたんだけど。もし、襲いかかってきたらどうしたのよ」
怪我をする可能性だってあるのに、あまり危ない言動は控えてほしい。
私の心配をよそにテツの口から出てきた言葉は驚きのものだった。
「そんなの返り討ちにしてやるよ」
「返り討ちってよく言うわよ。昔は弱かったでしょ」
何なら私の方が強かったし。
「バカ言うな!あれは幼稚園や小学校の低学年の頃の話だろ。美桜を守れるようになりたくて俺は努力したんだ。空手を習っていたし、人知れず身体を鍛えていたんだからな」
心外だとばかりにジロリと睨んでくる。
確かに身体は鍛えてるっぽかったけど……って何を想像してるのよ私!
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「話を戻すけど、アイツ身なりはきっちりしていたし靴だって手入れされている物だった。だから、几帳面で真面目なヤツなんじゃないかと思ったんだ」
あんな一瞬で靴まで見てるとか、流石としか言いようがない。
普通ならそこまで気がつかない。
テツの洞察力の鋭さには驚くばかりだ。
「一度、アイツのことを肯定した上で、違う方向に目を向けさせられないかなと思ってあんな風に言ったんだ。それに、話を聞いてるとアイツは励まされるのに弱いのかなと思ってそこを突いてみた。一か八かだったけど上手くいってよかった」
そんな綱渡り状態でよく切り抜けられたと思うわ。
運よく話をして理解してくれる人だったからよかったけど、そうじゃなかったらと考えただけでゾッとする。
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